問い合わせ管理システムの概要や導入メリットについて徹底解説

 2022.06.07  2022.09.30

昨今、問い合わせ窓口は電話だけでなく、SNSやチャットなど幅広い複数のチャネルを用意する企業が増えています。この記事では、それらを統合して一元的な顧客対応が行える「問い合わせ管理システム」について、概要からおさらいします。また、導入するメリット、システムを選ぶ際のポイントについても詳しくご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

問い合わせ管理システムの概要や導入メリットについて徹底解説

デジタル時代にふさわしい 顧客へのアプローチとは ~多様化する顧客接点を活かして真の顧客体験の実現へ~

問い合わせ管理システムとは

「問い合わせ管理システム」とは、自社の商品やサービスに対する顧客からの問い合わせを一元的に管理することで、複数人との共有や対応を効率化するシステムです。

近年は企業のIT化が進み、顧客との接点となる販売チャネルとして実店舗だけではなく、オンラインショップなどを設ける企業が増えています。また、問い合わせ方法も電話以外にSNSやメール、チャットがよく見られるようになりました。こうした背景から、企業への問い合わせ件数は全体的に増加傾向にあります。そして、各チャネルで受け付けた顧客からの問い合わせを連携させ、一元管理する、いわゆる「オムニチャネル化」が求められているのです。

電話での対応に限られていたコールセンターの枠を越えた「コンタクトセンター」の設置も、オムニチャネル化の取り組みです。SNSやメール、チャットなど複数チャネルでの問い合わせを連携させることで、顧客により良い体験を提供するコンタクトセンターの設置を検討する場合は、問い合わせ管理システムの構築が欠かせないでしょう。

従来のエクセル管理が抱える課題

問い合わせ件数がまだ少なく、少人数でも対応できる企業であれば、エクセルで問い合わせ管理表を作成し、管理することも物理的には可能です。また Microsoft Teams と連携させれば、効率的な業務体制も組めるでしょう。しかし、エクセルなどで管理する場合は、あらかじめリスクやデメリットも確認しておく必要があります。

セキュリティリスクがある

まず、エクセルファイルはUSBメモリやメールを介して外部へ持ち出せるため、セキュリティ上、問題視されやすいというデメリットがあります。パスワードの設定やアクセス権限の制限などの対策は可能ですが、万が一情報漏えいが起きた際、重要な顧客情報管理が十分ではないとして、社会からの信用を失いかねません。

更新や共有に手間がかかる

エクセルで管理する場合、個々の問い合わせについて手入力しなければならず、更新に手間がかかることも課題です。また、エクセルは複数人での同時編集に向いていません。リアルタイムに最新の情報を共有できないという点では、業務効率性が良いとはいえないでしょう。

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問い合わせ管理システム導入のメリット

一方で、問い合わせ管理システムを導入するとどのようなメリットがあるのでしょうか。得られるメリットを知れば、導入する際の良い参考になるでしょう。

情報の一元管理が可能になる

冒頭でも触れたように、近年は複数チャネルを設け、各経路から大量の問い合わせを受け付けられる仕組みを導入する企業が増えました。問い合わせ管理システムは、各チャネルで受け付けた問い合わせ内容を連携させ一元管理できるため、チャネルの種類にかかわらず、スピーディーに手間なく対応できるようになります。

対応ノウハウの属人化防止に繋がる

問い合わせ窓口で対応するオペレーターのスキルは、経験値に大きく左右されます。しかし、問い合わせ管理システムを導入し活用すれば、どのチャネルでどのように応じたか、過去の対応方法を蓄積し、共有できるようになります。つまり、新人でもベテランと同様に優れた顧客対応が可能になるのです。オペレーターのスキル担保という面でも、問い合わせ管理システムを導入することで、ノウハウの属人化を防止できます。

管理およびオペレーター負担の軽減になる

顧客から複数回問い合わせがあった場合、システムが連携されていないとオペレーターは前回の内容を照会するのに非常に手間がかかってしまいます。その点、問い合わせ管理システムであれば、たとえ異なるチャネルであっても、顧客ごとに情報が一元管理されています。そのため、管理者はどのオペレーターや担当者に振り分ければよいかがすぐ分かり、スムーズにエスカレーションできるようになります。

また、返信作業を効率化できるテンプレートや、よくある質問をFAQとして共有していると、現場にいるオペレーターの負担軽減にもなります。ひいてはエンゲージメントが向上し、離職率の抑制にもつながるでしょう。

外部からのアクセスを防止できる

前述したように、大切な顧客情報を管理するのに、エクセルではセキュリティ面で不安感が残ります。一方、問い合わせ管理システムを導入すれば、IPアドレスの管理でアクセス制限が可能になります。顧客情報の入った問い合わせ内容は全てシステムサーバー上で一元管理されるため、厳格なセキュリティ対策が可能です。こうした対策強化は、取引先や顧客に対しても安心感を与え、企業イメージを向上させられるでしょう。

問い合わせ管理システムを選ぶ際のコツ

問い合わせ管理システムの導入を実際に検討する際、どのようにシステムを選べばよいのでしょうか。着目すべきポイントは以下の3つです。

顧客情報を管理しやすいか

問い合わせ対応において、過去の対応を含め、いかに顧客情報が社内で連携されているかどうかで顧客満足度は大きく変わります。たとえ異なるオペレーターであっても、必要なときに顧客情報や過去の対応履歴などを参照しやすいということは、大きなアドバンテージになります。

また、情報管理のしやすさに関連して、ベンダー側のセキュリティ対策についてあらかじめ確認することも重要です。例えば不正アクセス防止策やデータバックアップ体制など、安心して情報管理を任せられるかどうかを見極めるようにしましょう。

ナレッジを共有しやすいか

問い合わせ対応は個人プレーになりがちで、属人化してしまうと引き継ぎの際に手間がかかり、業務効率性が落ちてしまいます。そのため、問い合わせ管理システムを新たに導入する場合は、どのオペレーターや担当者にとっても分かりやすく、容易に社内共有できるかどうかを確認するようにしましょう。

例えば、よくある問い合わせの回答をテンプレート化できる機能はおすすめです。積極的に共有ができれば、オペレーターのスキルアップや平準化につながり、対応品質が格段に向上することで顧客からも良い評価を得られやすくなります。

必要な機能が搭載されているか

3つ目のポイントは、まず自社にとって必要な機能を洗い出し、それらが実現できるかどうかです。例えば、現在自社で扱っている、または将来扱おうとしている問い合わせチャネルに対応しているかどうかを確認しましょう。もし全てに対応していなければ、システムを導入してもうまく連携できず、限定的な活用にとどまってしまいます。

また、場所にとらわれず、いつでもどこでも情報管理を実現したい場合は、PCだけでなくスマートフォンやタブレットなど、様々なデバイスに対応しているかどうかもチェックするとよいでしょう。つまり、自社がなぜ問い合わせ管理システムを導入したいのか、最初に目的やビジョンを明確化し、それに合ったシステムを選ぶことが重要です。

まとめ

企業にとって問い合わせ管理システムは、様々な問い合わせチャネルを統合し、顧客対応を高度化するために不可欠な存在となりつつあります。顧客管理の一元化やナレッジ共有が可能になると、管理者や実際に顧客対応するオペレーターの負担軽減につながります。またリスクマネジメントとして、セキュリティ対策も強化できるでしょう。自社の課題や目的に合わせて、メリットを活かせる問い合わせ管理システムの導入をぜひご検討ください。

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