コンタクトセンターにおけるテキストコミュニケーションの重要性

  2024.01.17     2024.12.27

電話という従来の方法に加え、メールやチャット、SNSなど「テキストコミュニケーション」によって問い合わせ対応をするコンタクトセンターが増えています。本記事では、このテキストコミュニケーションについて、基本的な意味や具体例をはじめ、それをコンタクトセンターが導入する重要性やメリットなどをわかりやすく解説します。

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テキストコミュニケーションとは?

テキストコミュニケーションとは、文字情報を主体にして相手との意思疎通を図るコミュニケーション手法です。具体的には、対面や電話による口頭のやり取りを用いず、メールやチャットなどを利用してコミュニケーションを取ることを指します。

テキストコミュニケーションは、複雑な情報も内容をよく整理して伝えやすいのが利点です。その一方で、表情や身振り、声の抑揚など、相手の感情を推し量れるような非言語的情報が不足するので、お互いに誤解のないようにコミュニケーションをする上では特有の難しさもあります。

次項で紹介するように、昨今ではコンタクトセンターでもオムニチャネル戦略の一環として、顧客対応にテキストコミュニケーションを取り入れるところが増えています。

コンタクトセンターのテキストコミュニケーションツール例

では、コンタクトセンターで行われるテキストベースの応対には、どのような手段があるのでしょうか。その代表例は以下の通りです。

メール

メールは、インターネットを使った、最も一般的なコミュニケーション手段のひとつです。問い合わせ内容やその解決策の詳細な伝達に適しているのみならず、時間を置いて返信できるので、電話やチャットと違って24時間365日問い合わせを受け付けられます。

チャット

チャットはテキストベースでリアルタイムにコミュニケーションできるツールです。コンタクトセンターの場合、一般的には企業のWebサイト上にチャットボタンを設置し、顧客がそこをクリックするとオペレーターと直接やり取りできるようにしています。チャットはメールと比べて顧客の疑問や要望へ迅速に応えることが可能です。これにより、顧客満足度を高める効果が期待できます。

SNS

SNSは特に若年層を中心に普及しており、手軽で親しみやすいコミュニケーション手段です。たとえば、LINEでは公式アカウントを活用し、顧客からの問い合わせにチャット形式で対応できます。最近ではSNS上にAIを使った自動応答機能(チャットボット)を導入し、顧客への迅速な対応とオペレーターの負担軽減の両立を図るコンタクトセンターも増えています。

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テキストコミュニケーションツールの導入が求められる背景

テキストコミュニケーションツールの導入が必要とされる背景には、ICTの進化に伴って顧客行動や顧客ニーズが多様化していることが挙げられます。インターネットの普及により、現代では対面や電話以外に、メール・チャット・SNSといったさまざまなコミュニケーション方法を選べるようになりました。

これにより、顧客にはコミュニケーション方法に対する好みの違いや、シーンごとにコミュニケーション方法を使い分けたいというニーズが生じるようになっています。たとえば、「電話よりメールの方が気楽」、「平常時はメールを使い、緊急時は電話を使う」といった形です。コンタクトセンターにテキストコミュニケーションツールの導入が求められる理由のひとつは、こうした新しい需要に対応し、顧客満足度を向上させるためです。

多様な顧客接点を統合的に展開して顧客満足度の向上を目指すことを、「オムニチャネル戦略」といいます。コンタクトセンターが従来の電話に加えて、メール、チャット、SNSなどのテキストコミュニケーションツールを導入するのは、このオムニチャネル戦略の一環と捉えることが可能です。

コンタクトセンターにテキストコミュニケーションツールを導入するメリット

紹介したテキストでのコミュニケーションには、どのようなメリットがあるのでしょうか。それぞれのメリットを詳しく解説します。

応対履歴を残せる

各テキストコミュニケーションツールの応対履歴は、オムニチャネル対応したコンタクトセンターシステムを使うことで一元的に保存・管理可能です。これにより、過去の応対内容を簡単に検索・参照できるようになります。テキスト形式のデータはデータベース化しやすく、オペレーターごとの応対品質を分析したり、優れた応対事例を共有するしたりすることも容易です。分析結果をFAQの作成や顧客サービスの改善に役立てることで、顧客満足度の向上も実現できます。

リモート対応を行える

PBXなどの設備が必要な電話応対とは異なり、メールやチャットによる応対はPCとインターネット環境があればどこでも可能です。そのため、テキストコミュニケーションツールの導入によって、オペレーター対応のリモート化を行えます。リモートワークが可能になると、雇用できる人材の幅が広がるので、オペレーターの人手不足対策になります。また、リモート勤務のオペレーターが増えるのに伴って、必要なオフィススペースを節減できるのも魅力です。

画像を用いたサポートも可能となる

テキストコミュニケーションツールを活用することで、画像データを使用したサポートができるようになります。これは電話という方法にはない利点であり、言葉や文章では伝えにくい事柄をわかりやすく説明する上で非常に効果的です。テキストデータや画像データは何度も見返せるので、顧客の誤解やヒアリングミスを防ぎ、じっくりと理解を深めてもらいやすくなります。

同時に複数の対応を行える

電話対応であれば、一人のオペレーターが複数の問い合わせに対して同時に対応することはできません。その点、テキスト形式であれば一人のオペレーターが同時進行で複数の問い合わせ対応をすることが可能です。これにより、業務効率が大幅に向上し、人件費の削減や人手不足の軽減ができます。人材不足が課題になりがちなコンタクトセンターにとって、このような業務効率化は非常に重要です。

テキストコミュニケーションツールの選定ポイント

テキストコミュニケーションツールの選定においては、自社の課題や目標、ニーズやその優先順位を明確にし、それらに対応した機能が備わっているかを検討することが重要です。また、オペレーター目線で使いやすいかどうか、セキュリティは信頼できるかなどもチェックする必要があります。

さらには、他のシステムと連携できるかも注目すべきポイントです。特に既存のコンタクトセンターシステムと連携できれば、応対履歴の一元管理や分析などを通して、オムニチャネル戦略を効果的に進めやすくなります。

まとめ

メール、チャット、SNSによるテキストコミュニケーションはコンタクトセンターにおいても有用です。テキストコミュニケーションツールを導入することで、顧客は自身の都合やニーズにあわせて自由に問い合わせ方法を選べるようになるので、顧客満足度の向上が見込めます。また、コンタクトセンター側でも、業務効率化やサービス品質の向上、リモート対応など、さまざまなメリットを得ることが可能です。

テキストコミュニケーションツールを導入し、オムニチャネル戦略を推進してみてはいかがでしょうか。

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