印象の良いオペレーターの話し方のポイントとは?

  2020.11.24     2024.12.24

電話越しの相手は顔が見えません。そのためオペレーターの印象を決定づけるのは「話し方」や「声」です。もちろん大前提として誠実な気持ちで対応するべきであることは言うまでもありません。「話し方」は訓練したり意識することで相手への印象が良いものへと変わります。本稿では印象の良いオペレーターの話し方のポイントをご紹介します。もっと印象をよくしたい、オペレーターを通じて顧客満足度を高めたい、そうしたニーズを持っている方はぜひご確認ください。

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ポイント1.声には「表情」があることを意識する

最近ではオペレーターの役割が見直されています。従来は単なる「御用聞き」や「電話番」と考えられていましたが、最近では顧客や見込み顧客と最も近い存在として、顧客満足度を向上させLTV(ライフタイムバリュー/顧客生涯価値)を高めて事業利益を拡大するための大切な要素とされているのです。つまり、オペレーターの印象を良くすることは、最終的に企業利益の向上へと繋がると考えられており、先進企業はコンタクトセンターの運営に力を入れている実態があります。

ところで、声にも表情があることをご存知ですか?様々な通話シーンを思い出せば容易に想像がつくと思いますが、誰しも友人や家族などとの電話ごしの会話の中で、相手が怒っていたり悲しんでいたりしていることを声の表情から察知した経験があるのではないかと思います。つまり、顔が見えない電話越しのやり取りであっても、相手の表情を伺うことはできます。声には話し手の精神状態や姿勢、そのほか諸々の情報が含まれているため、声には「表情」があるのです。オペレーターはまず、このことを強く意識する必要があります。

声色というのはまさに十人十色であり、普段は明るい人でも声のトーンが低ければ電話越しの相手に与える印象は自然と暗く伝わってしまいます。そのため、相手にとって好印象を与えるために声のトーンをコントロールする意識が必要になります。コンタクトセンター業界ではよく「笑声(えごえ)で話そう」という言葉を耳にします。これは造語であり、相手に表情は見えなくても、まるで笑顔で話しているかのような声色を意識しましょうという意味です。では、笑声で話すためには何を意識すれば良いのか?ポイントを整理しましょう。

  1. 目の前でお客様を接客しているかのように口角を上げ笑顔を作って話す
  2. 抑揚を付けて気持ちを込めて話す
  3. 語尾が伸びたりなど、語気が強くならないよう意識をする

以上3つのポイントを意識するだけでも笑声を作り、電話越しの相手に好印象を与えることができます。

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ポイント2.お客様にとって話しやすいテンポで話す

早口すぎる、あるいは話が遅すぎるオペレーターというのは聞き手にとって非常に不快な印象を与えます。どれくらいのテンポが最適かの明確な答えはありませんが、1つの指標になるのがNHKのニュース原稿の文字数です。

NHKでは視聴者にわかりやすくニュース内容を伝えるために、そして短時間で信頼性を得るために様々な原則があります。その中の1つが、「1分間300文字」です。1分間に話すニュースの内容を300文字前後に留めることで聞き手にとって最適なテンポで話すことが可能になり、これはキャスターだけでなく制作関係者全員が日頃から意識しているポイントだそうです。

オペレーターが話をするときのテンポの指標として、この1分間に300文字を意識してみるのも良いでしょう。実際に300文字原稿(内容は不問)を用意し、それを1分間で読み切るスピードを日々練習すると、次第に聞き取りやすいテンポで話ができるように身についてきます。たった1分間の練習なので、始業前に行うのも良いですし、1日のうちに数回練習する機会を設けても良いでしょう。

そして、一番大切なのは、お客様のスピードに合ったテンポで話すことです。お客様によっては早口な方もいらっしゃれば、ゆっくりな方もいらっしゃいます。また、早急に問題を解決したく、急いでいらっしゃる方もいます。そういったお客様のお話に良く耳を傾け(傾聴の姿勢)、お客様のテンポに合わせてお話をするのが大切です。

その際に、間の取り方もとても重要です。間が少なく被せてしまっても、間が空き過ぎて間延びしてしまっても、お客様にとっては話しづらく不快に感じます。お客様との間を意識して話しましょう。

ポイント3.結論を最初に述べる

3つ目のポイントは、お客様に話の道筋を示して話を聞き入れる態勢を整えてもらうためのものです。オペレーターの会話を聞いていて、話の着地点が見えてこないとお客様は苛立ってしまう可能性が高くなります。その原因の1つが「結論を最後に述べようとしている」ことです。

何事も結論は最初に述べることで、お客様にとってもオペレーターにとっても1つの話の道筋を示すことができます。お客様からすれば「何の話をしているのか」を明確に考えながら話を聞くことができるので、不快に感じることがありません。オペレーターは最初に結論を述べているので、脱線することなく話を進めることができます。

簡単な例を挙げると、オプションを含めて諸々の料金を説明する際に演繹法(要素を積み上げて結論を出す)ではなく帰納法(結論から要素を分解する)を使用することです。つまり、最初に合計金額を明示してその後に内訳を説明します。ほんのちょっとした違いですが、お客様からすれば話の理解度が圧倒的に変わります。

また、一文の長さもとても重要です。一文をだらだらと長く話してしまうと、何の話をしているのか分かりづらくなります。また、お客様が途中で質問をしたくても、質問を挟みづらくなります。お客様の理解度を確認しながら、一文を短く簡潔に話しましょう。

ポイント4.滑舌を良くする

笑声を意識してどんなに明るく話しかけても、滑舌が悪いと話の内容が伝わりにくくなるので印象も悪くなってしまいます。そのため自身の滑舌が悪いと感じている方は、日々のトレーニングによってそれを改善していきましょう。また、滑舌が悪いことに気づいていない方も多いため、その場合は管理者等が気づかせてトレーニングに取り組む必要があります。

滑舌を修正するトレーニングは多々ありますが一般的には以下のことを実施すると良いでしょう。

  1. 1度背伸びし、ストンと体を落としてその姿勢を維持する
  2. 腹式呼吸を意識するためにお腹に軽く手を当てる
  3. 「あ・い・う・え・お」とハッキリ大きな声で複数回発音する
  4. 任意の言葉を、母音をハッキリ発音するように複数回発音する
    (※口の大きさは、指を2本縦に入れられるくらいの大きさを意識)

色々と滑舌を改善するトレーニングはありますが、上記は基本として意識すると良いでしょう。

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ポイント5.聞き取りやすい声のトーンを研究する

声には「聞き取りやすいトーン」と「聞き取りにくいトーン」の2種類があります。当然ながら聞き取りやすい声のトーンで話す方が印象は良くなります。

自分の耳で聞いている声と、電話などの機械を通じて聞き取る声というのは印象がかなり変わります。そのため、声のトーンを色々と変えてみながら録音し、それを自分自身で聞き返すという作業を繰り返しながら、「聞き取りやすいトーン」を研究するのが最も近道です。「聞き取りやすいトーン」で話すだけでオペレーターの印象は大きく変わりますので、ぜひ取り組んでみてください。

ポイント6.対応を受けてからの5秒間が勝負と考える

初対面における人の印象というのはごく短時間で決定するものであり、しかもその印象は長期間続きます。時間にしておよそ5秒間。その一瞬とも言える時間の中で人の印象は決まってしまうのです。そのため、オペレーターがお客様に良い印象を与えるためには最初が肝心だと言えます。

その5秒間は社名や名前を言うことで費やすことがほとんどであるため、そのフレーズを何度も練習して印象の良いものにすることで、お客様がオペレーターに抱く印象は良くなるはずです。また、ファーストインパクトでの印象を良くしようと努力することで、その後も良い印象を保つようにと自然と意識できるようになります。

以上が印象の良いオペレータの話し方でした。1つ1つのポイントを強く意識しながら、オペレーターの印象を良くするために継続的に訓練していただければと思います。

この記事の推奨者

西川 由美
西川 由美
ベルシステム24入社後、13年間のオペレーション管理者を経験。通販、カスタマーサポート、金融システムヘルプデスク、自動車メーカーなど業界範囲は多岐に渡り、2011年には新規事業として在宅コールセンターの立ち上げを実施。業界でいち早く遠隔マネジメントの手法を確立した。ソリューション分野では、コンタクトセンター向けPBX、音声認識、自動化ソリューションなどOP経験を活かし幅広く課題や状況にあわせた提案営業を行っている。
音声認識ソリューション選定の手引き

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