企業の利益向上には、まず顧客からの支持を得ることが重要です。自社の商品・ブランドが顧客ニーズにどれだけ応えられているのかを示す尺度が「顧客満足度」です。
本記事では顧客満足度の概要や重要性、向上への施策について解説していきます。加えて、顧客と直接やり取りするコンタクトセンターの重要性や活用できるソリューションについても紹介します。
顧客満足度とは
顧客満足度は、企業が提供する商品・サービスが顧客の期待やニーズにどのくらい応えられているのかを数値化した指標のことです。英語では「Customer Satisfaction」で、CSと略されることもあります。
満足度が上がることは、商品・サービスのリピーターやファン獲得に直結します。また口コミなどで評価の高い情報が拡散されれば、それだけ新規顧客の獲得も容易になり、売り上げや企業のブランド価値の向上にもつながるでしょう。
顧客満足度と似た言葉として、顧客が期待を超える経験を得ることを目指す「顧客感動(CD)」、顧客が商品を選ぶ段階から購入、使用と一連の流れにおいて企業とどのように接点を持つかに注目した「顧客体験(CX)」などがあります。
顧客満足度を高める必要性
企業にとって、商品・サービスを繰り返し利用してくれる顧客が増えることは利益向上につながります。そのためには、顧客が自社の商品・サービスのどの点を評価し、どのような改善を求めているのかといった、期待値や実績評価を把握しなければなりません。把握した点を改善していくことで顧客満足度を向上させるなら、顧客体験(CX)の最大化を目指せるでしょう。
また、少子高齢化によって顧客の母数そのものが減少している日本においては、従来のアプローチで新規顧客を獲得し続けることが難しくなってきています。そのため、ある顧客から生涯にわたり得られる益を意味する「顧客生涯価値」、英語では「LTV(Life Time Value)」の重要性が高まっています。顧客満足度が上がれば既存顧客との関係を長期的に維持していけるようになり、LTVも向上するでしょう。
顧客満足度向上のポイント
顧客満足度向上のための具体的な施策を講じていく上で、押さえておくべきポイントがあります。
1つ目は、組織全体で取り組むことです。例えば、普段から顧客との接点を多く持つ営業部門だけが取り組みを行っても、一貫性のあるサービスや接遇を提供することにはつながりません。組織全体でサービスの質の底上げを意識する必要があります。そのためには、従業員全員が参画しやすい目標の設置が重要となるでしょう。
2つ目は、定期的に顧客満足度を調査することです。時代のニーズや顧客層の移り変わりによっても、顧客満足度は変化します。定番の商品やサービスで一定の支持がある場合でも、どのような顧客が利用していて、どのような点の改善を求めているか、現状を把握することが必要でしょう。柔軟に対応する姿勢を持ち続けることが、ひいては顧客との息の長い付き合いにつながるのです。
顧客満足度を高める主な施策
ここでは、顧客満足度の向上に向けた具体的な施策について4つの例を挙げます。自社でどのような取り組みをしていくべきか、参考にしてください。
商品・サービスの改善
消費者ニーズに合わせた商品やサービスの改善が必要です。製造コストなど利益ばかりに着目して商品を刷新すると、顧客離れを引き起こしてしまうでしょう。時代の流れや社会情勢も鑑みて、顧客がより好むものへ変化させていかなければなりません。
また、自社製品を購入した顧客に、製品が劣化するタイミングを見計らって修理やメンテナンスに関する情報を提供することもできます。不具合が出てきたと顧客に言われてからアフターサービスを提供するのではなく、必要を見越してサービスを提供するのです。顧客の製品に対する不満の種をなくし、気の利く会社だというプラスの印象さえ与えられるかもしれません。
近年は、「一度購入したら終わり」という消費の仕方から、サブスクリプション(定額料金を払うことで一定期間利用する)のように、関係性が継続するサービス形態が増えています。一人の顧客から長期的な利益を得やすいのがメリットです。自社の商品やサービスを一回きりではなく、継続性を増すような形で提供できないか探ってみましょう。
従業員満足度の向上
商品・サービスを生み出していく従業員を大切にすることです。職場環境や待遇面への不満などのマイナス要因を汲み取り、働きやすい職場環境づくりを行う必要があります。
従業員満足度が向上すると、離職率が抑えられ長く働く従業員が増えていきます。企業の方向性や取り組みに共感し、業務に必要なスキルを身に付けた人材が増えることになるのです。企業の役に立つ製品を開発したい、顧客に寄り添ったサービスを提供したい、といった意欲が高まるため、顧客満足度の向上につながるでしょう。
SFAやCRMの導入
属人化しがちな営業体制を、システムを活用して見える化し、効率化することも有効です。例として、顧客リストや企画書といった文書管理から、商談から契約までの進捗の確認まで営業の一連を管理できる「SFA(営業支援システム)」、見込み客へのアプローチや商談、購入までの流れ、購入後のアフターフォローや顧客データベースの作成などが可能な「CRM(顧客関係管理)」があります。
SFAやCRMを導入することで、顧客の需要やタイミングを見計らった効果的な宣伝やアプローチが容易になります。顧客にとっても、必要なときに欲しい情報を受け取れるようになり、顧客満足度が向上するでしょう。
コンタクトセンターの品質向上
どの業界においても、コンタクトセンター(コールセンター)は顧客と直接コミュニーションが取れる数少ない貴重な場です。顧客の不満や要望などの意見を聞き取れるため、社内全体で情報共有することで新たなニーズの掘り起こしにも役立つでしょう。また、応対スキルが高ければ「対応がとても丁寧だった」「問題がスムーズに解決できた」と顧客に好印象を与えられ、結果として顧客満足度アップにつながります。
そのため、あらゆる問い合わせに迅速かつ的確に対応できるようにすることが重要です。ソフト面、ハード面両方の施策に取り組めるでしょう。
ソフト面では、オペレーターがトラブルやクレームに対応するための接遇教育を強化することです。自社の商品・サービスへの理解を深めて、顧客にわかりやすく伝えられる能力を高めることも必要でしょう。
ハード面では、顧客とのやり取りを見える化するシステムを導入し、情報を蓄積して分析できるようにすることです。オペレーターの対応品質向上に役立ちますし、業務効率化にもつながります。
「BellCloud+®」を活用して顧客満足度を向上へ
「BellCloud+®(ベル クラウド プラス)」はクラウド型次世代コールセンター基盤です。コールセンター業界で30年以上ノウハウを蓄積してきたベルシステム24が提供するプラットフォームで、高い信頼性を誇ります。
顧客満足度を高め、業務効率化を実現するのに役立つ、以下のような機能が備わっています。
- 電話応対のやり取りをテキストに変換し大量のデータを集計・分析できる「音声認識」
- オペレーターと顧客のコミュニケーションをもとに顧客の感情を視覚的に表示し、応対改善に役立てられる「感情認識」
- 有人チャットと連携して活用できる「ChatBot」
また、コールセンター業界においても環境整備の必要性が高まっている、在宅ワークなどのリモート環境の構築にも対応できます。このような環境整備は、オペレーターの柔軟な働き方を可能にし、働き方改革を推進することにもなります。災害などの不測の事態においても業務を継続できるBCP(事業継続計画)の観点からも必要でしょう。
顧客満足度の向上を目指した環境整備の一環として、ぜひコンタクトセンターに次世代コールセンター基盤を導入することを検討するのはいかがでしょうか。
まとめ
顧客満足度は、自社の商品・サービスに顧客がどれだけ満足しているかを推し測れる指標です。顧客満足度が高ければ、より多くのリピーターを獲得し、LTV(顧客生涯価値)も上がるでしょう。
顧客満足度を向上させるためには、商品・サービスそのものの改善を図るだけではなく、従業員の満足度を高めて優秀な人材を確保することや、営業やコンタクトセンターの業務を効率化することが必要です。
なかでも、数多くの顧客と直接コミュニケーションを取るコンタクトセンターのサービス品質は、顧客満足度を大きく左右します。オペレーターの業務をサポートする「BellCloud+®」についてさらに情報を得たい方は、ぜひご相談ください。
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