CES(カスタマーエフォートスコア)とは?顧客離れを防ぐ改善ポイントを紹介

 2022.03.15  2023.05.17

顧客満足度を高めるためには、「顧客がサービスをストレスなく利用できているか」を知る必要があります。サービスを受ける上で顧客が感じた手間やストレスの指標であるCES(カスタマーエフォートスコア)を計測して分析すれば、サービスの改善点を明らかにできます。この記事では、CESの概要と導入するメリット、導入方法について解説します。

デジタル時代にふさわしい 顧客へのアプローチとは ~多様化する顧客接点を活かして真の顧客体験の実現へ~

CES(カスタマーエフォートスコア)とは?

CESとは、Customer Effort Scoreの略で、「顧客努力指標」を意味します。これは顧客がサービスを利用する際に、どのくらいの努力やストレス、手間が必要だったのかを表す指標です。基本的にはサービスを利用した顧客に対する調査を実施して、サービスを利用する上で感じた負担の度合を主観的に評価してもらいます。

CESの測定方法はいくつかありますが、「まったく負担感はない」から「非常に負担感がある」までの7段階で評価するアンケート調査が一般的です。CESが高いほど「サービスを利用するのに努力が必要だった」、すなわちサービスが不親切もしくは使いにくく、顧客満足度が低い状態にあると判断できます。顧客が「使いづらい」「分かりにくい」と感じることが多くあれば、解約・退会の原因になるため、CESを参考にしてサービスを改善することが必要です。CESを計測・分析し、改善を重ねることで、顧客のサービス継続率の向上が期待できるでしょう。逆にCESが低いほど、サービスへの満足度が高いことを意味します。

CESの重要性

CESが企業にとって重要視されるべき理由がいくつかあります。1つ目の理由は、CESはリピーターの獲得やリテンション(顧客維持)率との相関性が高い指標として活用できる点です。顧客にサービスのリピーターになってもらうためには、サービスに対して好ましい印象を持ってもらう必要があります。

例えば、サービスを利用する際の「操作に手間がかかる」「お問い合わせ窓口に電話がつながらない」など、顧客が使いづらいとストレスに感じれば、解約や退会につながり、リテンション率が低下します。特にサブスクリプション形式の料金体系を取っている企業は、多くの利益を出していくためにも、顧客に長期間継続してサービスを利用してもらうことが重要になるので、CESを計測するシステムの導入は必須と言えるでしょう。

2つ目は、顧客によりよい顧客体験を提供できる点です。顧客体験とは、顧客がサービスに接するすべてのプロセスを指します。具体的には、広告や店頭でサービスを知るところから商品やサービスを購入して実際に使用し、アフターフォローや問い合わせを経て、リピート購入するまでの一連の行動です。このすべての段階で顧客にとって好ましい体験を提供することで、顧客と良好な関係を築ければ、長期間自社のサービスを利用してもらえるようになります。

3つ目の理由は、自社の商品やサービスに関して、解決すべき問題を明らかにできる点です。顧客満足度を向上させるために顧客の期待を上回るサービスの提供を目指しがちですが、問題なくサービスを利用できる環境の方が顧客のファン化に効果的であると言われています。つまり、ポジティブな要因を増やすより、ネガティブな要因を減らすことで、効率よく顧客満足度を向上できるのです。CESによってサービスの改良点が明らかにできれば、自社のサービスのネガティブな要因を減らして顧客満足度が高くなるでしょう。

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CESが高くなる原因

CESが高くなる原因はさまざまですが、主に「サービスの使いやすさ」「営業方法」「お客様対応」について負担を強いられる状況が原因です。まず、「サービスの使いやすさ」に関する不満では、「サービスの内容や、利用の仕方が複雑で分かりにくい」「Web上の説明書きが分かりづらい」といった商品やサービス自体の分かりづらさが負担を生み出しているケースが挙げられます。サービスへの流入が悪い場合は、「Webでの申し込みや変更手続きが面倒」などの要因も考えられます。

「営業方法」についての不満は、「広告が多すぎて煩わしい」「営業がしつこい」といった顧客の望まないアプローチが大部分を占めるでしょう。ダイレクトメールや営業電話は、ビジネスにおいて欠かせない販促方法ですが、顧客にとって過剰だと受け取られるとサービスのイメージが悪化し、顧客離れにつながります。

「お客様対応」についての不満は、「窓口の営業時間が短くて問い合わせがしにくい」「コールセンターへの電話がつながらない」「質問への回答が分かりづらい」「お客様窓口の担当者の知識が不足している」などです。サービスの内容について不明点が出た際に、的確な回答がスムーズにもらえなければ、顧客は負担を感じてしまいます。

上記のような顧客の負担について心当たりがあれば、自社商品やサービスの改善点を明らかにして、顧客離れを防ぎましょう。

CESを改善するポイント

CESが高くなる原因が判明すれば、改善も容易です。ここではCESを改善するための対策のポイントは以下の通りです。

スピーディーな顧客対応

CESを改善する第一のポイントは、「スピーディーな顧客対応」です。株式会社PR TIMESが行った調査によると、問い合わせフォームの送信から、電話やメールなどで回答をもらうまで、顧客が我慢できる時間は「24時間」と回答した人が70%でした。つまり、CESを下げるためには、問い合わせの受信から遅くとも24時間以内に対応する環境の構築が必須です。

こうしたスピーディーな顧客対応を達成するには「コンタクトセンター」が重要な役割を果たします。昨今、顧客が企業に問い合わせ連絡をするチャネルは多岐にわたり、電話、メール、SNSなどさまざまです。多様化したチャネルからの問い合わせに、迅速かつ的確に対応する窓口がコンタクトセンターです。「コールセンター」が電話応対のみを担う窓口であるのに対して、コンタクトセンターは問い合わせのチャネルを問わず対応する点で異なります。

また、連絡先や問い合わせページを分かりやすい場所に記載することも効果的です。「コールセンターに電話がつながらない」と感じさせないために、対応を行う人員を十分に確保するか、あるいは後述するシステムを導入することで顧客対応を自動化する手法も有効です。

参照:株式会社株式会社PR TIMES「お問い合わせフォーム対応時間に関するアンケート調査」

システムの導入

CESを改善する2つ目のポイントは「システムの導入」です。お客様の窓口となるコンタクトセンターは、顧客からの問い合わせがあった際に素早く顧客の要望を理解する必要があります。システムを導入すれば、顧客の情報を検索して表示させたり、顧客の問い合わせへの対応を一部自動化したりすることで、リアクションまでの時間を大幅に短縮できます。CES改善のために利用されているツールとしては、CRMシステムやFAQツール、チャットボットなどが有名です。

CRMシステムとは、顧客情報の管理を行うシステムです。顧客の個人情報や問い合わせ履歴などを管理することができるほか、情報を分析して顧客に合わせた対応をすることも可能です。
FAQツールは、コールセンターや企業のお客様担当窓口へよく寄せられる質問に対する回答をまとめ、Webサイト上に公開するツールです。FAQツールを導入すると、顧客が「よくある質問」の回答を参照して自力で解決できるため、コールセンターへの問い合わせの数が少なくなります。

ほかにも、人工知能を取り入れたシステムが人間の代わりに会話形式で質問に応対してくれるチャットボットも有用なツールです。従来のコールセンターは人間が対応するため、営業時間が限られていることが多い傾向がありました。しかし、チャットボットは24時間365日対応が可能で質問に素早く自動で回答するため、顧客の時間待ちのストレスを軽減してくれます。

CESの改善に役立つ「BellCloud+®」

CESの改善を支援するシステムは数多くありますが、今回はクラウド型次世代コンタクトセンター基盤「BellCloud+®」のサービスをご紹介します。

「BellCloud+®」は、30年以上にもおよぶコールセンター業界のノウハウを集結した高い信頼性をもつサービスです。音声認識や感情解析、在宅ワークを含めたリモート環境など、コンタクトセンター業務に必要なさまざまな機能を搭載しています。「BellCloud+®」は、音声認識機能を使って電話応対の会話内容をテキストに変換できるため、応対内容を誰でも正確に把握できるほか、チャットボットの応対品質向上に役立てることもできます。

そのほか、顧客の音声から感情を分析し、顔が見えなくても顧客の感情を視覚的に把握することも可能です。オペレーターは自宅のPCからコンタクトセンターの機能をそのまま使用することができるため、在宅勤務での対応も実現しており、働き方の多様性も達成されます。在宅環境を備えているため、災害などの緊急時もコンタクトセンター業務を停止することなく運用できる点が魅力です。

まとめ

CESとは、顧客の努力や負担感を数値化した指標で、CESが下がると顧客満足度が高くなる関係性にあります。顧客離れを防ぐためには、顧客と長期間にわたってよい関係を継続し、自社の商品やサービスのファンでいてもらう取り組みが必須です。人材不足が深刻な昨今、「BellCloud+®」などのシステムを導入し、小さい労力で利益を上げられるようにCESの改善を目指してみてはいかがでしょうか。

この記事の推奨者

久保 睦
久保 睦
2001年に入社後、通信、金融、通販、メーカー、サービス業のコンタクトセンターを中心に50社以上のコンサルティング、立上げ支援、ソリューション導入企画・設計・構築、アドバイザーを担当。現在は、企業の付加価値向上、CX向上、DX実現に向けたコンタクトセンター活用のプランニングなどビジネスコンサルティングを中心にプロジェクト管理、統括責任者として多数の実績あり。
Salesforce 認定アドミニストレーター
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