チャットボットの種類と市場動向

 2021.11.25  2022.09.30

カスタマーサポートチャネルの一つとしてチャットボットは既に一般的に認知され広がりを見せています。

その一方でチャットボットの種類やバリエーションも増え、様々な形の製品が市場にあふれているのが現状です。どのような業界・業態にどんなチャットボットが向いているのか、本記事では市場のチャットボットの代表的な種類と市場動向について解説します。

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チャットボットの歴史

2021年現在、チャットボットは一般的な自己解決のソリューションとして様々な企業のホームページやランディングページに搭載されています。実はチャットボットの技術そのものは1960年代には存在しており技術的には非常に古い分野のソリューションという位置づけになります。

近年チャットボットの導入、活用が進んでいる背景として、WEBサイトやインターネット網が発展したこと、そしてLINEなどのメッセージングアプリの浸透が大きなポイントになります
。2000年代にもチャットボットの導入あるいはウェブチャットをカスタマーサポートとして推進する動きがありましたがエンドユーザーには馴染まず、立ち消えてしまうケースがほとんどでした。
LINEの浸透によりメッセージを短文でやり取りするコミュニケーションが世間一般に広く浸透したことがチャットボットの導入に強く影響したことはまず間違いないでしょう。

これらのことからも技術的な成熟度だけではなく、ユーザーに浸透しうる外部環境が整っているかは新たなソリューション導入における重要な観点と言えます。

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チャットボット市場動向とトレンド

チャットボットの市場規模は様々なデータが存在しており2022年で130億円ともいわれています。
当社でも導入済み顧客やコールセンター、カスタマーサポート市場から独自の推定を行っており2021年現在で130~170億円程度のビジネスが動いていると考えていますので実態に近い統計が出ているのではないでしょうか。

一方でチャットボットの導入率は約3割に留まっており、まだまだ広がっていく余地がある分野とも言えます。チャットボットの導入自体はやはりアーリーアダプターと言われる企業が先行して導入を行い、2019年頃からはアーリーマジョリティ層へ拡張し始めています。

チャットボットはいわゆるウェブサイトでの自己解決という側面から、当初はマーケティング部門やDX推進部門などに予算が付くケースが多くありました。現在ではほとんどの企業でコンタクトセンター部門に予算化されている状況で、当社へ頂く提案依頼の多くがコンタクトセンター部門からの商談依頼になっています。

これはチャットボットが「手放しで勝手に賢くなる」という当初の誤った認識がなくなり、FAQなどのメンテナンスと同様に人が継続的にメンテナンスを行う事で正しく効果を発揮し続けるソリューションであるという事が認識された為と考えています。チャットボットベンダーの製品を単体で導入したお客様からメンテナンスがしきれなくなった、というご相談を頂くケースも増えており、今のトレンドはまさにチャットボットは人を組み合わせた運用提案と言えるでしょう。

一般的なチャットボットの分類

チャットボットには様々な区分の仕方がありますが大きく3つに分類することが可能です。

  1. FAQ型チャットボット
  2. トランザクション型チャットボット
  3. コンバージョン型チャットボット

FAQ型チャットボットはいわゆるよくある質問をチャットボット化したものになります。個人を認証して回答を行うものも存在しますが、多くのFAQチャットボットは個人を特定せずに回答ができるチャットボットになります。

コンタクトセンターに寄せられる問合せのうち、個人特定を行わずに回答可能な問合せは全業界平均で約15%ほどを占めておりWebサイトにやってきたユーザーも15%程度はこの手の情報を求めていることになります。
特にメーカーや製造業などではFAQの整備が進んでおりこのようなチャットボットで課題を解決できる余地がありますが、一方で通信・金融等の業界では個人毎の契約内容を元に案内する必要がありFAQ型チャットボットだけでは解決範囲が狭くなってしまう事が懸念されます。
また、回答させたいFAQの量によってはある程度のシナリオ、分岐を持たせて質問の的を絞っていく事が必要になります。

トランザクション型チャットボットは前述したような個人毎の契約内容を照会したり、何らかの受付を行ったりなど一定の手続き・プロセスを自動化するチャットボットです。ユーザーの個人情報を聴取し、基幹システムへの照会を行ったり、その内容次第で次の質問を変えるなどシナリオの内容やシステム連携は事前にしっかりと検討、考えておく必要があります。

「FAQさえあればすぐにチャットボットの導入が可能」というような訴求をされているチャットボットの製品もありますが、これらはFAQ型のチャットボットを指しており、トランザクション型チャットボットとは異なるものと考えています。もちろんトランザクション型のチャットボットに一部FAQを答えさせる“どちらも搭載しているチャットボット”も可能です。

意外かもしれませんが当社ではFAQ型のチャットボットよりもトランザクション型のチャットボットの導入実績のほうが多く実績も豊富です。これはコールセンターの業務ルールや、トークスクリプトなどの作成ノウハウ・経験がトランザクション型チャットボットのシナリオ作成の大きな強みになっている点がお客様に評価・信頼されている為と考えています。

コンバージョン型チャットボットは前述の2つのチャットボットとは異なり、ユーザーのコンバージョンレートをあげることを目的としたマーケティング用のチャットボットです。問合せに答えることを目的としておらず例えば新規顧客の申込を受け付けたり、商談依頼を受け付けたりするようなチャットボットです。

新規申込などのプロセスは今までWEBサイトに申込用のフォームを用意し、そこへユーザーが情報を入力・送信することで受付を行う事が一般的でした。しかしフォーム入力という作業はユーザーからすれば非常に面倒で入力途中で離脱してしまうなどなかなかCVRが上がらないという点が課題です。

コンバージョン型チャットボットはこのフォーム入力プロセスをチャットボットで代行することによってユーザーの負担を減らし最後まで入力してもらえるようにする事が可能です。当社で導入した際の事例ではWEBフォームからチャットボットへ変更することでCVRが3.5倍に増加した事例があります。全く同じ情報を入力させる場合でもチャットボットが一つずつ聞いていく事で、次の電柱までを目標にマラソンを走るような効果が出ていると考えています。

チャットボットの製品と提供ベンダー

チャットボットベンダー、製品は私が認知しているだけでもピーク時約150社ほど存在していました。現在主要なチャットボットベンダーは約50社ほどまでに減少していますがそれでもその他のソリューションに比べて提供社数は非常に多いと言えると思います。

実はチャットボットの製品プロダクトを作る事にはそれほど難しい技術は必要ありません。Webサイト上で動くプログラムを作成するエンジニアは市場にたくさんいますし、これだけ様々な企業がチャットボットを提供できている事がそれを表しているように思います。

主要なチャットボットベンダーとして残っている企業の多くは技術力を強みにしている企業は少なく、チャットボット周辺ビジネス、例えばウェブサイトのコンサルティングを行っているベンダーや、我々のようにコンタクトセンターの運営を行っている企業など、製品そのものではない強みをもつ企業が多いようです。
また、これに付随しますが近年のチャットボット導入ベンダーは運用やコンサルティングといった製品導入をサポートする力を中心に選ばれているように思います。以前に我々が行った調査ではチャットボットの導入を行った70%近くのベンダーが運用やコンサルティングを強く打ち出しているベンダーでした。

前述したようにチャットボットは継続的なメンテナンスがあって初めて製品として活用ができるものです。運用やコンサルティングを行えるベンダーでなければ、導入した製品は十分な活用がされず短期間で撤去・解約となってしまうでしょう。
チャットボットの製品選択をする際はどのようなサポートができるのか、ベンダーの特性・特徴を見極めることが最も重要なことになるでしょう。

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まとめ

近年のチャットボットの市場トレンドや分類、特徴についてをご紹介しました。
今後チャットボットは一般的な製品と同様に主要10社程度まで提供ベンダーは減少、淘汰されていくのではないかと考えています。
また、2021年現在のチャットボットベンダーを弊社がデスクトップリサーチした際のデータを皆様にもダウンロードいただけるようご用意していますので興味のある方はダウンロード頂ければと思います。

執筆者紹介

村田 健太郎
村田 健太郎
2002年入社後、オペレーション部門・オペレーション企画部門を約10年経験。
その後通信業界コールセンターのコンサルティング業務を担当しコールセンターへのAI導入やAIを活用した業務改善などのプロジェクトの参画。
AIや音声認識などの知見を元に現在はekubotの事業立ち上げと推進を担当。
コンタクトセンターアワード2013 最優秀部門賞受賞
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