NPSとは?分析の方法や活用の仕方について解説!

 2023.04.18  2024.08.29

顧客満足度は高いものの、業績向上につながらず悩んでいる企業は少なくありません。このような状況では、ダイレクトに業績向上を狙えるNPS分析をおすすめします。NPS分析は、自社の強みや改善点を認識し、具体的な施策へ落とし込む戦略に最適です。本記事では、NPSとはどのような指標なのか、どのように分析・活用していけばよいのかを詳細に解説します。

VOC(Voice of Customer)の取得から分析までの方法とは?

NPSとは顧客ロイヤルティを測る指標のひとつ

NPSは、「Net Promoter Score(ネットプロモータースコア)」の略で、顧客ロイヤルティ(特定のブランドや商品・サービスに対して感じる愛着や信頼)を測るための指標です。つまり、NPSの分析により、自社の商品・サービスに対して、「どのくらいの愛着や信頼を得ているか」の度合いを認識できます。また、顧客が商品・サービスを通して、「何を感じたか」を具体的に知れるため、業績向上に大きく寄与する指標とも言えます。

NPSの特徴・メリット

NPSは、継続的な顧客体験の向上に役立つ指標であり、単純なアンケート形式で顧客ロイヤルティを測るため、採用しやすい点が特徴です。「商品・サービスをどのくらいおすすめできるか」などの質問に対して、0〜10までの11段階で評価してもらうことが基本ですが、「おすすめするorしない」の理由や要望なども併せれば、顧客の「満足している部分」と「不満を感じている部分」が分類されます。

また、11段階で評価するため、誰でも分析しやすい点もメリットです。改善すべき点と維持すべき点を振り分けたり、改善点の優先順位をつけたりなど、効率的な施策を検討・実施できます。

顧客満足度調査(CS)との違いは業績向上への有効性の有無

NPSと「顧客満足度調査(CS=Customer Satisfaction)」は、どちらも顧客の満足度やロイヤルティを測る点が共通していますが、業績向上への有効性が異なります。

NPSはシンプルな質問により、顧客の商品・サービスに対する満足度から改善点を認識し、継続的な改善につなげられます。顧客満足度と業績との関連性は高く、満足度の数値が上がると業績も比例して向上する仕組みです。

一方、CSは顧客の商品・サービスに対する印象を詳細に聞き出し、改善点を認識するアンケート調査です。商品・サービスに対する細かな評価を得られるため、改善点の具体化には役立ちますが、数値化は一筋縄ではいきません。また、設問や回答方法を個別に設定しなければならないので、仮説立てには有効ですが、業績への直接的な影響を与えることは難しいでしょう。

どちらも改善点を認識し、顧客体験を向上させられるものの、NPSはCSと異なり11段階の数値化が可能であるため、実際の業績との関連性をチェックできます。したがって、ダイレクトに業績向上を目指す場合は、NPSの採用をおすすめします。

NPSの計測・算出の方法

NPSの分析では、データの計測・算出が欠かせません。母数が少ないと正確に分析できないので、統計的には最低400件のサンプルが必要です。また、可能であれば、Webやコールセンターでのアンケート、SNSなどからより多くのデータを収集します。効率よく大量のサンプルを集めることに特化したツールの活用もひとつの手です。

まず、「あなたはこの商品・サービスを家族や友人におすすめできますか?」との質問に対して、0〜10のスコアを集計します。顧客を9~10の得点が高い意見を「推奨者」、7~8の中立的な意見を「中立者」、0~6の低い意見を「批判者」の3種類に分類し、推奨者の割合から批判者の割合を引いて算出します。算出されたNPSは−100〜100の範囲で表され、0以上が良好な評価です。スコアの数値が業界的に優れているか、同業他社と比較して勝っているかを見て、業界内における自社の立ち位置や顧客からの評価を分析します。

また、フリーコメント欄の設置などで評価の理由を問えば、顧客がどの部分に何を感じているかを詳細に認識できます。例えば、「推奨者は品質に満足している」「批判者は電話対応に不満を感じている」など、各顧客の傾向を示せる点が便利です。

計測・算出後の分析方法

顧客満足度調査のデータを分析する際に、「定性分析」と「定量分析」の2つが用いられます。定性分析はデータを文章にまとめ、主にテーマに従って見出しがつけられる手法です。一方、定量分析はデータを数値に変換したものをもとに分析する手法です。定量分析と定性分析は、常にトータルで行う方が望ましいとされています。

定性分析では、アンケートで得られたコメントをトピックごとに分類し、それをさらに推奨者と批判者に分類します。商品・サービスの満足度に大きく影響している要素を認識すれば、業績向上に重要なキーワードやテーマを抽出できる仕組みです。

定量分析の手法はさまざまですが、シンプルかつ扱いやすいものとして、「ドライバー分析」が挙げられます。各コメントと推奨度をマッピングして、相関関係の視覚的な分析が可能です。推奨度が高くポジティブなコメントは「重点維持項目」、推奨度が低くネガティブなコメントは「優先改善項目」と呼ばれ、改善すべきかどうかや、改善する場合の優先度の高さなどを判断します。

NPSの活用の仕方

NPSの活用により、自社の課題発見、改善や開発の方向性の決定、強みの認識などにつながります。

自社の課題発見では、NPS分析における業界平均や市場動向との比較が大切です。特に、低いスコアを与えた顧客のフィードバックをチェックすれば、自社の弱点や問題点を洗い出し、改善策を講じていきます。

改善や開発において優先的に行うべきなのは、低いスコアを与えたサービスの改善や、顧客が求める新しいサービスの開発などへの取り組みです。中でも、高いスコアを与えたサービスは、顧客にとって特別なサービスであると判断できるため、優先的に発展させていくことが望ましいと考えられます。

強みとして、重点的に維持した方がよいものを見極めるには、高いスコアを与えた顧客のフィードバックを分析する方法を使います。自社の強みを重点的に維持すれば、ニーズに合った商品・サービスを提供できます。

こうしたNPSの活用によって、常に顧客目線のサービス提供が可能になり、顧客満足度アップが叶うでしょう。

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NPSを上げるためには定期的な分析と改善が重要

NPSを上げるためには、定期的な分析と改善が欠かせません。NPSでは、自社の良し悪しが明確になるので、悪い部分を直していけば目標に近付いていくはずです。

また、定期的な分析からトレンドや傾向を認識し、現場へのフィードバックから優先順位や改善点を調整していくことで、常に業績向上に必要な施策を打てます。

なお、定期的な分析には、効率よくサンプルを取得しなければならないため、顧客の意見や評価、要望、アンケート結果などを指すVOC(Voice of customer)の活用がポイントです。目標管理ツールや目標管理フレームワークなどのツールを用いて、より明確な目標を設定し、効率的な分析を行う方法もあります。

まとめ

NPSは、顧客ロイヤルティを測るための、企業の業績向上に不可欠な指標です。NPSの計測・分析によって、自社の強みや課題、業界内のトレンドや立ち位置などが明らかになり、それらをもとに改善策を考案できます。

NPSを測るためには、多くのデータが欠かせないので、ツールなどを用いた簡易アンケート(VOC)が重要です。ベルシステム24が提供している「BellCloud+」は、テキストマイニングを活用したVOC分析や顧客の感情解析を採用しており、コールセンターを用いたNPS計測・分析をおすすめします。

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