VOC (Voice of Customer) 分析!有効なマーケティング戦略となる3つの収集方法と失敗しないポイント

 2022.05.18  2023.05.17

魅力的な商品やサービスを開発する手段としてVOC分析が活用されますが、実際に顧客の声をどのように収集して、分析し、どのように活用すれば良いのかわからないとお悩みの方も多いのではないでしょうか。

VOC分析をうまく運用し活用することで事業成長につながります。

本記事では、中小企業の経営者や管理職層、マーケティング担当者向けに、VOC分析の方法や期待できる効果などについて解説します。

VOC(Voice of Customer)の取得から分析までの方法とは?

VOC (Voice of Customer)分析とは

VOC (Voice of Customer) 分析!有効なマーケティング戦略となる3つの収集方法と失敗しないポイント 1

そもそも「VOC(Voice of customer:顧客の声)」とは、企業に対する意見やアンケート結果、SNS・ブログでの評判などを総称したものです。お客さまから声またはユーザーボイスなどと呼ばれることもあります。具体的には、商品やサービスへの要望や不満といった生の意見のことを指します。ここでいうお客さまは、商品の購入者だけに限らず、サービスのユーザーや会員など、あらゆる消費者や利用者が含まれます。

そして「VOC分析」とは、さまざまなタッチポイントを通じて収集したVOCを分析し、企業活動に活かすことです。現在は、メールや電話などの方法に加えて、インターネット経由でもVOCの収集が可能となりました。VOC分析は、市場における自社の立ち位置や強みを知る大きな手がかりになります。特に、飽和状態にある市場から一歩抜きん出るためにも、VOC分析は欠かせません。

VOC分析の活用2つのメリット

VOC分析の活用は、マーケティング戦略と社員の満足度向上に生かすことができます。具体的に期待できる効果について詳しく説明していきます。

マーケティング戦略・施策に活かせる

VOC分析は、マーケティング戦略・施策の柱になります。多く寄せられた不満や提案を商品改良に反映させるのはもちろん、SNSから得られた知見が新商品の着想源になる可能性もあります。VOC分析で得られた顧客データは、ターゲット層の見直しや施策の強化にも役立つでしょう。

現代においては、多くの市場はすでに飽和状態にあり、商品やサービスの改善だけで、競合他社との差別化を図ることが困難になっています。そこで、VOC分析を活用すれば、従来の活動では気がつけなかった顧客の真のニーズを把握することができます。うまくいけば、競合他社を一歩も二歩もリードできるかもしれません。

社員満足度の向上

VOC分析は、CS(顧客満足)だけでなくES(従業員満足)の向上にもつながります。コールセンターはどうしてもクレームの受け皿になりやすい面があり、それらの対応に耐えられずオペレーターが退職してしまうケースも少なくありません。VOC分析を導入し、お客さまからの声を企業活動に生かすPDCAサイクルを構築することで、コールセンターの存在意義を高められます。

VOC分析を前提に、本来オペレーターが担う業務の一部をチャットボットなどを用いてAI化するのも手です。AIの導入は、現場の社員の業務効率化・負担軽減に大きく寄与します。

また、VOC分析には、顧客からのポジティブな意見を収集できる側面もあります。今までに聞く機会がなかった感謝激励の言葉の共有は、社員のモチベーションアップに効果的です。

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VOC(Voice of Customer)の取得から分析までの方法とは?

VOCの収集方法とその特徴

VOC (Voice of Customer) 分析!有効なマーケティング戦略となる3つの収集方法と失敗しないポイント 2

VOC分析においてキーポイントとなるのが、「顧客の声をいかにして集めるのか」ということです。

VOC分析の元データとなる顧客の声を集める方法は、大きく分けて次の3つがあります。

  1. コールセンター
  2. ソーシャルメディア
  3. アンケート調査

ここでは、VOC分析の元データを集める3種類の方法とその特徴について解説します。

コールセンター

コールセンターとは、顧客への電話対応業務を専門に行う部門です。業務内容は問い合わせからクレーム対応まで多岐に渡ります。近年では電話対応だけでなく、FAXやメール、サイトのフォームなど、問い合わせのチャネルが多様化していることから「コンタクトセンター」とも呼ばれます。コールセンターやコンタクトセンターは顧客の声がダイレクトに届く場であり、VOC分析において欠かせない部門です。

近年では「コンタクトセンターシステム」を導入し、VOC分析の精度向上に取り組む企業が増加しています。コンタクトセンターシステムとは、「通話記録の管理・稼働状況の可視化・顧客情報管理・データ集計機能」などを備えたITソリューションです。カスタマーサポートをシステム管理することで業務データが可視化され、定量的なVOC分析が可能になります。

関連記事:コンタクトセンターシステムの6つの機能と多彩な選び方を解説

ソーシャルメディア

TwitterやInstagramなどのソーシャルメディアは、人々がもつ意見や主張が無数に飛び交う場です。そのため、ユーザーが利用した製品やサービスに対する率直な意見が散らばっています。「SNSマーケティング」という用語があるくらい、近年の事業戦略においてSNSの活用は不可欠です。

SNSマーケティングというと、自社アカウントを使った製品やサービスの宣伝をイメージするかもしれません。しかし、それだけでなく、SNSに散らばる口コミを拾い上げて分析し、自社製品のマーケティングに応用するのもSNSマーケティングの一環です。それこそがソーシャルメディアを活用した、最も現代的なVOC分析と言えるでしょう。

アンケート調査

アンケート調査はVOC収集のチャネルとして以前からよく活用されている手法です。展示会などのイベントで来訪者に依頼する手書き式のものから、オンラインの購入者に送付されるメール形式のものまで、さまざまな形でアンケートによる声を収集できます。

企業の目的に沿って質問が設定できるのがメリットですが、回答率を得るためには、選択回答形式など簡易にしたり、粗品等を渡したりするなどの工夫が必要です。

VOC分析で失敗しない3ステップ

VOC分析の概要を理解したところで、ここからは分析方法について解説します。VOC分析は、次の3つのステップに沿って進めていきます。

  1. VOC分析の目的を明確化する
  2. VOC分析が可能なシステムを導入する
  3. 導入したシステムの継続的な運用

それぞれ詳しく説明します。

STEP1:VOC分析の目的を明確化する

まずは、目的を明確化しましょう。何のためにどのような情報を集めるのかをしっかりデザインし、実現できる収集方法を選択します。VOCの収集は効率的に行い、肝心の分析を丁寧に行うのがポイントです。

VOC収集の目的や方向性が定まったら、集めた情報の蓄積や管理方法なども決めておきましょう。個人情報を取り扱うことになるため、情報漏洩対策は必須です。記名式など個人が特定できる情報やアンケートが目的以外で容易に閲覧できる状況はあってはなりません。

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STEP2:VOC分析が可能なシステムを導入する

次に、目的と自社に適したシステム・ツールを導入しましょう。これには2つの大きな利点があります。

1つ目は、担当者の負担軽減です。企業の規模によっては、コールセンターに寄せられる情報量が1日だけでも膨大です。それらを人の手で分析するとなると時間と手間がかかってしまいます。その点、VOCをリアルタイムで管理・分析できるシステム・ツールを導入すれば、担当者の業務を増やさなくて済みます。

2つ目は、分析精度の向上です。近年はシステム・ツールも機能が向上しており、AIを活用しより精度の高い分析が可能となっているものもあります。人の手だけだと起こりやすいミスや勘違いを減らし、より高精度な分析が実現できます。

STEP3:導入したシステムの継続的な運用

最後に、導入したシステムを継続的に運用していきましょう。企業活動に生かせる質の高いVOCを一定量蓄積するためには、ある程度の期間が必要です。つまり、VOC分析は、一時的に行っても意味がなく、継続的に運用・評価していくことが重要なのです。

従って、「計画(Plan)」→「実行(Do)」→「評価(Check)」→「改善(Action)」のPDCAサイクルを回し続ける継続的な改善が必須です。

また、VOC分析は関連部署がバラバラに進めても効果が見込めません。システムを一元管理する専門の部署を設け、きちんとラベリングされた情報を関係部署で共有していくこともポイントとなるでしょう。

企業が大きく発展していくためには、顧客満足度の向上が最重要課題といえます。そのためには、顧客ニーズを汲み取るVOC分析の継続的な運用が不可欠です。

関連記事:顧客満足度とは?向上の必要性や施策を紹介!

VOC分析をおすすめしたい企業

最後に、VOC分析がどのような企業におすすめかをご紹介します。自社が抱える問題と照らし合わせてみてはいかがでしょうか。

課題の発見&解決に活かしたい

自力での課題発見に限界を感じている企業におすすめです。常に顧客のニーズや課題に正面から向き合ってきたつもりでも、今ひとつリピーターや新規顧客の獲得につながっていない場合は、外部視点が不足している可能性があります。

顧客の生の声からVOC分析することで、内部視点では気付かなかったさまざまな課題が見えてくるはずです。真の課題が明確になれば、おのずと自社が解決すべき方向性も明らかになってくるでしょう。

顧客の声を有効活用したい

顧客の声を使えるデータとして蓄積していきたい企業にもおすすめです。適切なVOC分析を実践することで、今まで漠然としていた顧客の声を企業活動に生かせるデータとして蓄積できます。これらのデータは、さまざまな部門の業務改善に生かせます。

また、商品やサービスの改良・改善に役立てられるのはもちろん、今後想定される問い合わせを予測し、コールセンターなどのカスタマー業務を最適化することも可能です。対応品質が改善されれば、顧客満足度も向上するでしょう。蓄積されたデータは、自社の資産として、長く活用できます。

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まとめ

高性能なシステムで、VOC分析も効率よく処理できます。「Bell System24」は、企業のVOC分析を得意とする最先端のツールです。コールセンター経由のVOCの音声分析・感情分析が可能なほか、SNS上のVOCにおけるノイズ除去や外部のCRMシステムとの連携などの機能もあります。ぜひ導入についてご検討ください。

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