CX(カスタマーエクスペリエンス)戦略の立て方は? CX向上のポイント

 2022.11.24  2022.11.25

企業が持続的に発展していくためには、競合他社にはない顧客体験価値の創出が求められます。そのためには、顧客や一般消費者の潜在的な需要を捉えたCX戦略を展開しなくてはなりません。本記事では、CX戦略を立案・策定するプロセスについて解説するとともに、顧客体験価値の創出を推進している具体的な企業事例をご紹介します。

CX(カスタマーエクスペリエンス)とは

「CX(Customer Experience)」とは、商品やサービスの認知から購入後のアフターフォローも含めた、企業と顧客接点におけるすべての顧客体験を指す概念です。

CXと類似する概念として、「UX(User Experience)」が挙げられます。UXはプロダクトの利用を通じて得られる精神的な価値を指し、CXは顧客の購買プロセスそのものの体験価値を意味するため、CXはUXよりも広範な意味合いをもつ概念です。

すべてのプロダクトには、性能やコストパフォーマンスなどの「機能的価値」と、デザイン性やブランド価値といった「情緒的価値」が存在します。市場の成熟化とともに顧客ニーズが多様化・高度化する現代では、機能的価値に基づくアプローチのみで差別化を図るのは容易ではありません。優れたプロダクトを設計・開発するだけでなく、感覚的・心理的な価値を提供することで顧客満足度の最大化に寄与し、企業の持続的な成長と発展につながります。

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CX(カスタマーエクスペリエンス)戦略の立て方

CX戦略とは、優れた顧客体験価値の創出に重点を置くマーケティング戦略を指します。CX戦略における重要課題は「顧客理解」であり、見込み客や既存顧客の潜在的な需要を的確に捉えなくてはなりません。そのためには、以下のプロセスを段階的に踏破していく必要があります。

  • 現状把握と課題の整理
  • 戦略の策定
  • KPIの設定
  • PDCAサイクルによる定期的な改善

現状把握と課題の整理

CX戦略を立案・策定するためには、経営状況を俯瞰的に分析し、現状の課題や改善点を整理しなくてはなりません。そこで重要な役割を担うのが、「VOC(Voice of customer)」の分析です。

たとえば、コンタクトセンターにはアンケートの回答やユーザーのクレームなど、企業に寄せられた顧客や一般消費者の声が集約されています。VOCに基づいて顧客満足度調査や感情解析などを実施し、自社に対するイメージやロイヤルティを分析できれば、顧客の潜在需要や現状の経営課題を把握する一助となります。

戦略の策定

自社の現状と課題を整理できたなら、次は顧客満足度調査や市場分析、需要動向のリサーチ結果などに基づき、具体的なCX戦略の方向性を策定するフェーズに移ります。

このプロセスで重要となるのは、プロダクトを利用する架空の人物像となる「ペルソナ」の設定と、プロダクトの認知から購買に至る体験を図式化した「カスタマージャーニーマップ」の設計です。購入前の認知から購入に至るプロセスや、購入後のアフターフォローといった一連の購買体験を意識し、現状における事業戦略の見直しと並行しながら、顧客接点に係る戦略を策定します。

KPIの設定

マーケティング領域における市場分析やプロモーション戦略の精度を高めるためには、適切なKPI(重要業績評価指標)の設定が必要です。中間目標の達成度合いを評価するKPIを設定することで、ゴールに至る道筋を可視化できるとともに、プロジェクトの進捗管理や軌道修正の効率化に寄与します。

CXの創出につながるKPIとしては、商品やサービスへの満足度を測る「顧客満足度」や、サービスの推奨度を定量化する「NPS(Net Promoter Score)」、顧客1人あたりがもたらす生涯合計金額を算出する「LTV(Life Time Value)」などが挙げられます。

PDCAサイクルによる定期的な改善

事業計画やマーケティング戦略は、一度策定して終わりではなく、「計画(Plan)」→「実行(Do)」→「評価(Check)」→「改善(Action)」のPDCAサイクルを回し続ける継続的な改善が不可欠です。現代はテクノロジーの進歩に伴って市場の変化が加速していく傾向にあり、多様化する顧客の需要や消費者のニーズに順応するためには、PDCAサイクルに基づいて中長期計画を見直さなくてはなりません。優れた顧客体験価値を創出するためには、KPIの達成度を定期的に計測し、仮説と検証を繰り返しながら計画や戦略の改善に取り組む必要があります。

CX(カスタマーエクスペリエンス)戦略の成功事例

CX戦略の施策に絶対的な正解はなく、企業の事業形態や組織体制によって求められる方向性が異なります。ここでは、CX戦略を推進する企業事例をいくつかご紹介しますので、自社の事業計画やマーケティング戦略を立てる参考にしてください。

株式会社ニトリ

家具・インテリア用品小売業の大手「株式会社ニトリ」では、新しい時代に即した購買体験の提供を目的として、「バーチャルショールーム」を公開しています。バーチャルショールームとは、ニトリの実店舗を3D撮影し、デジタルデバイス上でコーディネートルームをVR体験できるサービスです。バーチャルショールーム内に並ぶすべての商品はピン付けされており、クリックすることでニトリの公式通販サイトからそのまま購入可能な形式となっています。

参照元:バーチャルショールーム|ニトリ

スターバックスコーヒー

世界最大のコーヒーチェーン店「スターバックスコーヒー」は、コーヒーそのものを販売するのではなく、コーヒーを楽しむサードプレイスを提供するという顧客体験を重視している企業です。お客様に寄り添う丁寧な接客とスターバックスでしか味わえない商品、そして居心地のよい空間を提供するという、「PARTNERS」「PRODUCTS」「STORE PORTFOLIOS」の3要素からなる独自の顧客体験を創出しています。また、Web登録済みのスターバックスカードを使うとポイントが貯まる、「Starbucks® Rewards」というデジタル戦略も展開しています。

参照元:Starbucks® Rewardsとは|スターバックスコーヒー

ナノ・ユニバース

1999年に渋谷で誕生した日本のセレクトショップ「ナノ・ユニバース」は、公式アプリのチェックイン機能を活用して、これまでにない顧客体験価値を提供している企業です。たとえば、顧客がアプリケーションでチェックインすると、一人ひとりの顧客にあわせて新着商品やお気に入り商品、おすすめのコーディネートなどの情報が届く機能を導入しています。ECサイトと実店舗が連動するOMO戦略の展開により、オンラインとオフラインが融合した新たな顧客体験価値の提供に成功しています。

参照元:チェックイン機能について|ナノ・ユニバース

CX(カスタマーエクスペリエンス)戦略によるCX向上のポイント

CX戦略の展開を推進するためには、いくつか押さえるべきポイントが存在します。なかでも重要なポイントといえるのが、以下の2点です。

  • 多様なチャネルに対応する
  • 重要な顧客接点であるコンタクトセンターを見直す

多様なチャネルに対応する

CX戦略の展開における重要課題のひとつは「顧客理解の深さ」であり、そのためには分析対象となる顧客データの量と質の両方が必要です。現代はインターネットとスマートフォンの爆発的普及に伴ってチャネルが多様化しており、WebサイトやSNS、アプリケーション、動画配信サービスなど、販売促進に寄与するさまざまな経路が存在します。こうした複数の顧客接点を戦略的に活用するためには、企業と顧客の間にあるタッチポイントを連携させて統合的な販売経路を構築する、オムニチャネル戦略の推進が求められます。

重要な顧客接点であるコンタクトセンターを見直す

コンタクトセンターは、企業と顧客をつなぐ架け橋としての役割を担っており、顧客理解を深めるために欠かせない部署です。コンタクトセンターには日々顧客の意見やクレームなどが寄せられているため、VOCを分析することでリピーターの獲得やロイヤルカスタマーの醸成に寄与します。

また、顧客心理に寄り添った対応は顧客満足度の最大化につながるため、オペレーターの業務負荷を軽減して、応対品質の向上を促進する仕組みの構築も必要です。

まとめ

「CX」とは、プロダクトの認知から購入後のアフターフォローに至る、一連の体験を指します。消費傾向がモノ消費からコト消費へと変遷するなか、競合他社との差別化を図るためには、いかにして優れた顧客体験価値を創出するかが重要課題です。そのためには、顧客理解を深めるプロセスが必要であり、コンタクトセンターに集約されたVOCの戦略的な活用が欠かせません。顧客理解に基づくCX戦略を展開するためにも、重要な顧客接点であるコンタクトセンターの業務プロセスを見直してみてはいかがでしょうか。

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