クラウドPBXでのFAX利用方法とは? ネットFAXのメリットも解説

 2023.03.02  2024.02.01

クラウドPBXは従来の電話回線とは違うインターネット回線を使うため、FAXが利用できなくなるケースがあります。業務への影響を考えてクラウドPBXの導入を見送るか悩んでいる企業も多いのではないでしょうか。
クラウドPBXを導入してもFAXを継続して利用する方法があります。本記事では、クラウドPBXの概要や、導入後もFAXを利用する方法について解説します。

クラウドPBXでFAXは使える?

クラウドPBXはインターネット回線を利用するシステムです。インターネットの利用により、離れた拠点やテレワーク社員の作業場所でも内線交換が可能になりましたが、一方ではFAXが使えないという問題が出ることもあります。

インターネット回線を使うクラウドPBXと異なり、従来のFAXはアナログ回線を利用したシステムです。そのため、アナログ回線からクラウドPBXに移行したオフィスでは、場合によってはこれまでのFAXが使えなくなってしまいます。

しかし、クラウドPBXを導入してもFAXを継続利用する方法がいくつかあります。次の章ではクラウドPBX導入の際、FAXを継続利用する方法について解説します。

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クラウドPBXでFAXを利用する方法

クラウドPBXでFAXを利用する方法は5つあります。アナログ回線の維持、変換アダプターの導入、適した複合機の選択、新しいFAX番号の取得、インターネットFAXへの切り替えです。

アナログ回線を維持する

クラウドPBXを導入した際、すべての回線を切り替えるのではなく、一部アナログ回線を残しておく方法です。もともとオフィスで使用している電話回線がアナログ(NTT)なのであれば、工事も要らず手軽にFAXを継続可能です。しかし、FAXがIP電話やひかり電話などの回線を使用している場合は、NTTの一般電話に戻す「アナログ戻し」をする必要があります。手間はかかりますが、今まで使っていたFAXや複合機をそのまま継続利用できる利点があります。

変換アダプターを導入する

クラウドPBXの導入後もFAXを継続使用するための変換アダプターを利用する方法です。デジタル回線とアナログ回線の変換を行うことにより、クラウドPBXと従来のFAXを連携させます。

ただ、インターネット回線の状況次第では変換に遅延が生じ、スムーズな送受信ができない場合もあります。あまりにも遅延が気になるようであれば、接続方式の変更や別の方法の導入も検討しましょう。

光電話対応の複合機を使用する

この方法はクラウドPBXが光回線対応である場合に使えます。光回線対応の複合機を使用すれば、複合機に搭載されたFAX機能が利用できます。アナログ回線を残したり、アナログ戻しをしたりする必要がないため、オフィスで使っている複合機が対応可能なら便利な方法です。

現在使用している複合機が光回線対応ではない場合、当然のことながら対応機種への乗り換えが必須です。光回線対応の複合機は、種類があまり多くないこと、乗り換えにはコストがかかることを踏まえ、じっくりと検討しましょう。

FAXを新しい番号に転送する

新しい電話番号を取得して複合機に接続し、既存のFAX番号から転送する方法です。従来の複合機を維持する場合に使えます。複合機をそのまま使えるため、慣れた環境でFAXを使い続けられるメリットがあります。

ただ、転送には1回の通信につきおよそ8円の費用がかかる点には注意が必要です。

インターネットFAXを利用する

インターネットでFAXの送受信ができる「インターネットFAX(ネットFAX)」を利用する方法です。クラウドPBXのなかにはインターネットFAX機能を搭載しているものがあるため、導入するクラウドPBXを選ぶときに確認しましょう。

FAX番号が変わることや、使い方が従来のFAXと異なるといった注意点もありますが、後述する多くのメリットがあることも事実です。

クラウドPBXでネットFAXを利用するメリット

クラウドPBXでネットFAXを利用するメリットは主に5つあります。場所を選ばないこと、複合機が不要であること、ペーパーレス化の推進やコスト削減、BCP対策など業務効率化にもつながるメリットです。

様々な場所で使える

ネットFAXはデータをPDF形式にして送信するため、PDFに対応しているPCやスマートフォン、タブレットなど多くのデバイスでの送受信が可能です。

オフィス以外でもさまざまな場所でデータ確認が可能になることで、大きく業務効率化が進められます。テレワーク社員との情報共有も、格段にスピーディになるでしょう。

複合機が必要ない

ネットFAXの導入は従来のFAXを受信する複合機が不要になります。複合機は高額で、100万円を超えることも珍しくありません。リースの場合でも、毎月のリース料金やFAX受信時のカウンター料金が発生します。

その点ネットFAXは複合機不要で送受信が可能なため、複合機にかかる一切のコストをカットできます。設置工事も必要ないため、工事費もかかりません。また、複合機のメンテナンスに割いていた時間や費用も不要になります。

ペーパーレス化が進む

近年、ビジネスシーンではペーパーレス化が進んでいます。ペーパーレス化は、コスト削減やオフィスの省スペースかが図れるほか、情報漏洩や書類の紛失といったリスクの軽減、環境保護への配慮に積極的だとして、企業イメージの向上につなげられる点がメリットです。

クラウドPBXのネットFAXはグループウェア機能を経由したやり取りができるため、紙を使わない情報共有が可能です。ペーパーレス化の促進につながることは間違いありません。

また、2022年1月から施行された「電子帳簿保存法」への対応にも貢献します。2023年12月末までは紙での保存も認められていますが、それ以降は電子データでの保存が必要です。

PDFで送受信されるネットFAXは、そもそもが電子データのやり取りです。ネットFAXを導入するだけで、自動的に電子帳簿保存法に対応するというメリットは見逃せません。

ランニングコストを抑えられる

従来のFAXは、用紙代・インク代・印刷代などのランニングコストが必要です。これまではこれらのランニングコストは必要経費だという考え方が一般的であり、企業によってはかなりの額になっていたかもしれません。
結論から言えば、ネットFAXの導入は、通常のFAXよりもランニングコストの大幅な削減に貢献します。

ネットFAXは、送信するために書類を印刷する必要がありません。また、印刷しなくても閲覧できること、印刷するとしても必要な部分だけを抜き取って印刷できることなど、デジタルならではのコストカットが実現します。
勝手に送られてくる営業FAXも、削除してしまえば用紙代やインク代は一切かかることはありません。

BCP対策になる

ネットFAXは、企業の重要なリスクマネジメントのひとつであるBCP対策としても重要な役割を果たします。自然災害やテロはいつ起こるか分かりませんし、緊急事態宣言、行動自粛などの発令も考えられます。オフィスへの大きなダメージや予期せぬ社会情勢の変化により、正常な事業を継続できない期間が長く続けば、企業にとって最悪の事態に陥る可能性も否定できません。

しかしインターネット経由でFAXを使うことができれば、緊急時でも情報共有ができます。FAXによる受発注も続けることが可能となり、事業活動の中断といったリスクを回避できます。ネットFAXによる取引先や顧客、社員同士のスムーズな連絡は、事業継続や再開に大きく貢献することでしょう。

まとめ

クラウドPBXは従来のFAXが使えなくなる可能性がありますが、その対策も複数あります。特にネットFAXへの切り替えはさまざまなメリットがあり、クラウドPBX導入時には従来のFAXからの移行を検討しましょう。

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