コールセンターやお客様サポートの窓口にクラウドPBXの導入を検討しているものの、具体的にどのような機能があるのか、どのような仕組みなのかなどが気になる、数ある製品のなかからなにを重視して選べばいいのか把握できていない、という企業担当者の方もいるでしょう。比較ポイントを理解することで、自社の課題を解決しうるPBXの導入に近づきます。
本記事では、クラウドPBXとは何かをはじめ、従来のPBXとの違いや導入するメリットとデメリット、導入目的による選び方や比較のポイントなどについて解説します。主要12製品の特徴についても詳しく見ていきましょう。
クラウドPBX(電話交換機)とは何か?
そもそも「PBX(電話交換機)」とは「Private Branch eXchange」の略で、通常はオフィスに設置を行い、外線と内線をつなげたり、内線同士をつなげたりする役割のものです。
もともと、オフィスで内線同士を接続するためには、外線を経由しなくてはなりませんでした。この問題に対して、PBXの誕生により外線を経由する必要がなくなり、内線同士の通話料が不要になる、外線を複数の内線につなぐことが可能になりました。
もしPBXがなかったら、契約した電話回線の数しか電話機を使用できないため、接続先が変わるたびに電話機のケーブルを差し替える作業が生じることになります。PBXを活用することで、契約した電話が一回線でも、数十から数百もの外線に対応し、複数のオペレーターが同時に利用するといったことが可能になります。さらに、代表電話に着信した電話を特定の電話機に転送する、複数の電話機に同時に着信させる、通話中に別の電話機に転送するといった柔軟な対応も可能です。
こうして業務の効率化に貢献するPBX。しかし電話回線を使用するため、機器の設置スペースの確保、多額の管理コストなどのデメリットが指摘され、導入・運用コストの高さに課題が残り、導入に踏み切れない企業も少なくありません。
そうしたなか、インターネットの普及により、「IP-PBX」というIP型のPBXや、クラウドPBXが登場しました。IP-PBXはIP電話機で外線や内線を中継するもので、運用コストを削減できるメリットがある一方、ハードウェアの購入や設置工事などの導入コストがかかる点がデメリットです。
近年登場した「クラウドPBX」とは、従来のPBXをクラウド化したものです。PBXの機能をインターネット上で利用できる仕組みとなっていて、オフィスの内外を問わず、どこからでも通話可能。従業員が個人で所有するスマートフォンの内線化も実現します。
電話業務のすべてを完結できるほか、設定も簡単で、機能性に富んでいる点などが魅力です。
従来のPBXでは、利用するためにはオフィスへのPBXの設置や電話回線の工事が必要なので、導入コストがかさむほか、導入までの時間もかかります。また、電話機の増減や内線の設定をする際には、業者に依頼しなければいけません。さらに、決められた保守期間を過ぎた場合は、買い替えなければならず、その手間やコストがかかる点もデメリットです。
一方、クラウドPBXではインターネット経由でサービスを利用できるため、ハードウェアの設置が不要です。そのため、導入コストや設置工事のための時間も不要です。メンテナンスもサービス提供者が行ってくれるため、企業側の手間がありません。また、電話機や回線の増減などの設定も自分で変更できるため、わざわざ業者を呼ぶ必要もないのです。
このように、クラウドPBXは従来のものと比べて、導入コストや運用の手間がかからない点が特徴です。
さらに、製品によってはCTI(Computer Telephony Integration:コンピューター電話統合)、CRM(Customer Relationship Management:顧客管理システム)、SFA(Sales Force Automation:営業支援システム)などの外部システムとの連携も可能です。
クラウドPBXは電話回線や機器が必要ないので、初期工事や多額な管理コストが不要になると同時に、短期間で導入できます。設定や環境変更はWebやアプリケーション上の管理画面から行えるので、ベンダーに依頼する必要はありません。つまり、従来型PBXのデメリットを解消してくれる存在なのです。
コールセンターにおいては、クラウドPBXの導入で、複数拠点の統合的な管理・運用も可能です。また、全国のテレワーク人材をコールセンターのオペレーターとしてアサインすることで、異動や転勤を伴わない柔軟な働き方を実践できます。実際に、クラウドPBXに移行する企業は年々増えており、今後はクラウド型がスタンダードになるとみられています。
クラウドPBXの仕組み
従来のPBXは、オフィス内に設置した機器を用いて回線の接続を行っていました。一方、クラウドPBXはインターネット空間でPBXの機能を利用できます。
従来、外線を経由して内線の接続が行われていましたが、これでは内線を用いたやり取りにも通話料金が発生してしまいます。この課題を解決できるのがPBXです。ただ、PBXをオフィスに設置するとなると、高額な費用が発生するため、導入を躊躇してしまう企業も少なくなかったのです。
クラウドPBXであれば、インターネット空間で回線の接続を行うため物理的な制限がありません。機器の設置はもちろん、メンテナンスも不要であるため企業側は大きなメリットを享受できるでしょう。
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クラウドPBXとレガシーPBXの違い
レガシーPBXは、現在も利用されているPBXの中で、最も古くからあるタイプのPBXです。社内に物理的な機器を設置し、機器と電話機とを電話回線で接続して使用します。代表番号での着信や内線同士での通話、さらには転送やパーク保留などの機能を備えています。インターネット回線を使わないため、サイバー攻撃などを受けるリスクはIP-PBXなどに比べれば低いと考えられています。
レガシーPBXでは、機器を設置する際に工事が必要になるため、導入時には多額の初期費用が必要です。一方、導入時に建物や部屋にすでに電話回線が敷設されている場合には、電話回線の引き込み工事は不要であり、その分の初期費用は抑えられます。
クラウドPBXの場合は文字通り、クラウド上のPBXサービスを使用します。レガシーPBXとは異なり、専用の機器を社内に設置する必要はありません。ベンダーと契約すれば、すぐにPBXサービスを利用することが可能で、初期費用はレガシーPBXに比べれば、かなり抑えられます。さらに、機能を追加・変更したり、回線数を増減したりといったことも比較的手軽に行えます。ただし、インターネット回線を利用することから、レガシーPBXに比べれば、外部からの攻撃を受けるリスクは高くなります。
クラウドPBXとIP-PBXの違い
IP-PBXは、電話回線の代わりにインターネット回線を利用するPBXです。企業内に構築されたネットワーク(LAN)を利用して内線通話を行います。IP-PBXは、複数の拠点を持つ比較的規模が大きい企業に適しており、導入時のシステム構築や運用を自社で行うことが可能です。
IP-PBXには、専用機器を社内に設置し、ネットワーク回線を使用して内線通話を行うハードウェアタイプと、自社内のサーバーにIP-PBXのソフトウェアをインストールして利用するソフトウェアタイプとの2種類があります。ハードウェアタイプは導入時にコストがかかり、端末数や機能などを変更することは容易ではありませんが、安定した通信が期待できるといった特徴があります。ソフトウェアタイプはハードウェアタイプに比べれば、端末数や機能の変更を柔軟に行える点がメリットですが、通信の品質はハードウェアタイプに比べれば劣る可能性が高いです。
IP-PBXはインターネット回線を利用するため、ハッキングなどのリスクがあります。インターネット回線を利用する点ではクラウドPBXと同じですが、ベンダーのサービスを利用するクラウドPBXの方が使用場所を限定されることがなく、自由度の高い使い方ができます。運用・保守の手間やコスト面でもIP-PBXに比べてクラウドPBXにアドバンテージがあります。
PBXとビジネスフォンの違い
ビジネスフォンとPBXには、「一回線を複数の電話機で共有することで、外線との受発信や、内線同士の無料通話と保留・転送が可能」といった共通点があります。しかし当然相違点もあります。
もっとも大きな違いは接続数です。ビジネスフォンが接続可能なのは50~100台程度ですが、PBXは千台規模の電話機と接続可能な点は大きな違いとなります。またPBXは複数のフロアや拠点間で内線網を構築できるので、多様な業務形態を内包した企業での導入もおすすめです。
さらにPBXは、CPUやメモリが二重化されるとともに、搭載しているバッテリーの持続性が高いため、ビジネスフォンよりシステム面で安定しています。システムダウンしないことが必須条件であるコールセンター業務には、重要なポイントと言えます。
クラウドPBXを導入する6つのメリット
クラウドPBX導入の主なメリットを具体的に6つご紹介します。
1.初期・ランニングコストの削減
クラウドPBXなら、大幅なコスト削減を実現できます。インターネットの接続環境があれば利用できるため、ハードウェアの購入や設置工事費用など、初期費用を削減できます。従来のPBXは、専用の機器をオフィス内に設置する必要があり、専門業者の手による設置や配線工事が必要でした。一方、クラウドPBXはデバイスへの専用アプリインストールや、アダプター設置のみで利用できます。
このように物理的な機器の購入や設置・配線工事などがないため、大幅なコスト削減が可能なのです。メンテナンスもサービス提供元が行うため、別途費用が発生する心配もありません。
また、クラウドPBXを利用することで通話料も削減できます。従来、外出先からオフィスへ連絡するときは外線通話料が発生しました。一方、クラウドPBXを利用すれば内線として利用でき通話料を削減できます。クラウドの特性を活かすことで外出先でもサービスの利用が可能となり、結果的に通話料の削減も期待できるでしょう。
会社との連絡用に、ビジネス用のスマートフォンを支給する企業も少なくありません。その場合、端末の購入費用はもちろん基本通話料もかかります。
クラウドPBXなら、社員個人のスマートフォンに専用アプリをインストールするだけで内線利用ができ、携帯端末代金も削減できます。グローバル展開している企業であれば、海外の拠点とやり取りを行うケースも多々あるでしょう。その都度国際電話で通話するとなると、莫大な通話料が発生します。クラウドPBXなら、海外拠点とのやり取りも内線で行えるためこのような心配もないのです。
ほかにも様々な機能が備わっているため、それらを有効活用することで、これまでにかかっていた諸経費を削減することも可能です。
これに加えて、メンテナンスの費用がカットできる点もポイントです。内線の付け替えや端末の設定変更など、さまざまな設定をブラウザ上で完結できるため、別途業者を呼ぶ必要がありません。ネットワーク管理を行う場所がコンパクトになり、管理業務も簡単になるでしょう。
2.スマートフォンの内線化が可能
クラウドPBXを利用する場合、IP電話機だけでなく、スマートフォンやソフトフォン、電話会議システムなどの各種端末が使用できます。インターネット環境があれば、それらの端末を内線化したり、保留転送したりできるため、社外にいても電話対応をスムーズに進められるでしょう。
スマートフォンを内線として使用できるので、外回りが多い営業社員にも、いちいち電話を切らずに取り次ぐことが可能です。取引先を待たせずに済み、コミュニケーションの円滑化を図れます。
3.BCP(事業継続計画)の対策に最適
クラウドPBXでは、災害が発生した際の通信設備の復旧作業をサービス提供会社に任せられます。そのため、企業はそれ以外の復旧作業に集中できるメリットがあります。
このメリットは、災害が起こらなければあまり実感する機会はありませんが、万が一の事態に備えて、導入の取り組みを進めている自治体などもあります。
4.多機能で優れた拡張性
クラウドPBXは、従来のビジネスフォンと同様にダイヤルインや内線通話などを利用できることはもちろん、インターネット環境があれば、どこにいても内線や保留機能などを使えることがメリットです。
IVR(自動音声応答)機能など、顧客対応の効率化を図る機能もあります。また、顧客管理システムを意味するCRMや、営業支援システムのSFAとも連携できるほか、各社のサービスによっては、グループでの通話機能やモニタリング・全通話の録音機能など、あらゆるサービスが備わっています。
通話内容や着信履歴などを一元的にデータ化できるようになると、よくありがちな「言った言わないのトラブル」を回避でき、通話内容のテキスト化も容易になるでしょう。聞きたい時にすぐデータを取り出せるため、万が一トラブルが起きた際にも的確に対処できます。ベテランスタッフの対応を録音し、新人研修や従業員のスキルアップなどに役立てることも可能です。
5.テレワークの導入に効果的
テレワークへシフトしたくても、オフィスにかかってくる電話に対応しなくてはならず移行できない、といった企業は少なくないでしょう。このような課題も、クラウドPBXの導入で解決できます。端末に専用アプリをインストールしておけば、従業員は会社への着電を自宅で受けられます。テレワークにシフトしたい企業にこそ、クラウドPBXは適したサービスです。
スマートフォンの内線化やデータの連携がとりやすくなり、テレワークの導入に役立ちます。インターネット環境さえあれば、テレワーク中でも電話を通じて同じオフィスにいるのと同じようにコミュニケーションを取ることができます。業務に影響を出さずに、テレワークを推進できるということです。
従業員側にもメリットがあります。外出先や自宅などから、自身の端末を用いて顧客や取引先に架電すると、相手に電話番号を知られてしまう懸念がありました。仕事とプライベートを完全に分けたい人なら、私用端末の番号を相手に知られたくない、といった人も少なくないでしょう。
クラウドPBXなら、会社の代表番号から架電できます。従業員がプライベート用の端末から架電しても、相手の端末に表示されるのは会社の外線番号です。そのため、相手に私用端末の電話番号を知られるおそれがありません。
現代において、テレワークを積極的に取り入れている企業は、社会的な評価も向上します。企業イメージがアップするうえに、パンデミック対策として社会貢献もできるなど、多くのメリットを得られます。テレワーク実施のために何から手を付ければいいのかわからない人は、まずはクラウドPBXの導入から始めてみるといいかもしれません。
6.業務の効率化
クラウドPBXの導入により、オフィス以外の場所で会社にかかってきた電話を受けられます。場所に縛られることなく業務に関連する電話を受けられるため、業務効率化につながります。
たとえば、顧客からオフィスにかかってきた電話に対し、外出先で応答が可能です。わざわざオフィスに戻ってからかけ直す、といったことがなくなり、顧客を待たせることもなく、その場で業務対応を遂行できます。
機会損失を回避できるのもメリットです。担当者が外出しているときに、顧客や取引先から連絡が入るといったケースは少なくありません。対応が遅れた結果、顧客が他社に流れてしまうといったことも十分考えられるでしょう。外出先でも電話を受けられるのなら、このようなリスクを回避できます。
また、クラウドPBXであればアドレスの共有が可能です。部門が作成したアドレスを共有できれば、自身のスマートフォンに電話番号が登録されていなくてもすぐに閲覧でき、状況に応じてスピーディーな対応ができます。
ほかにも、連絡する頻度が高い取引先の番号に、ワンプッシュで架電できる機能を備えたものや、CRMとの連携が可能な製品もあります。このような製品を利用すれば、さらに便利な使い方ができ業務効率の大幅な向上が期待できます。
クラウドPBXを導入する5つのデメリット
多くの企業がクラウドPBXの導入に踏み切っているのは、多大なメリットを得られるからにほかなりません。ただ、クラウドPBXにはメリットだけでなくデメリットもいくつか存在するため、導入前に把握しておく必要があります。
クラウドPBXを導入する5つのデメリットについても解説します。
1.停電時に通話ができない
クラウドPBXはインターネット上で利用できるサービスであるため、停電によってインターネット回線がつながらなくなると、電話の利用もできません。しかし、そのような緊急時に電話をつなげる設定方法もあるため、導入前に確認しておくとよいでしょう。
2.通信環境によっては接続が不安定
クラウドPBXは、クラウド環境で提供されるサービスゆえに、通話品質がインターネット環境に左右されるデメリットがあります。通信環境が良好な場所であれば問題はありませんが、地下空間や山間部などでの利用は通話品質を低下させるおそれがあるため注意が必要です。
通信環境に問題がある場合、ノイズや音声の途切れなどが発生する可能性があります。また、相手の声が聞きとりにくい、自身の声が相手に伝わらない、通話が途中で途切れるといったリスクも考えられます。
社内の人間と、業務に関する大切な会話をしているとき、声が聞こえない、雑音が入るといったことが起きると業務に支障をきたすかもしれません。話しづらいため結局外線からかけ直す羽目になり、余計な手間とコストがかかります。
近年では通信インフラが発達しているため、過度な心配は必要ありませんが、インターネット回線に負荷がかかる場合など、通信環境によって接続が不安定になることもあります。大人数で同時に通話したり、アクセスが集中する時間帯に利用したりする場合、安定した音質を得られない可能性もあるでしょう。また、外出先の通信環境が悪い場合は、会話が途切れる恐れもあります。通話相手が取引先の担当者や顧客だった場合、さまざまなトラブルが懸念されます。たとえば、ノイズで声が聞きとりづらく商品の受注数を間違える、といったことも起こり得るでしょう。また、聞きとりにくいゆえに何度も聞き返してしまい、顧客を不快な気分にさせてしまうかもしれません。
このようなリスクを回避するには、通話の安定性に定評のあるクラウドPBXを利用しましょう。サービスにより、通話の安定性は異なります。また、地下や山間部など、通信環境がよくない場所での利用を控えることも大切です。
なお、音声品質が悪い場合はクラウドPBXが原因とは限りません。オフィスの通信環境自体が悪かったり、サービス提供者側に原因があったりするケースもあります。前者の場合は、オフィスの回線契約自体を見直すとよいでしょう。後者の場合は、無料のトライアル期間が設けられていることもあるので、それらを活用し、サービスの使用感を事前に確認しておくことがおすすめです。
3.月額利用料がかかる
これはデメリットとするかメリットとするかは企業によって様々です。クラウドPBXは、導入コストを抑えやすい魅力がある一方、毎月料金を支払わなくてはならないデメリットがあります。毎月一定の金額を支払う必要があるため、導入コストだけでなくランニングコストにも注目してサービスの選定を進めましょう。
一般的には今までのようにオンプレミスでPBXを導入する場合に比べて圧倒的に安価なコストを実現できるのがクラウドPBXです。
ただし、クラウドPBXを利用する場合、サーバー登録料や設定料などの初期費用がかかるほか、月額利用料が必要となります。具体的な金額は利用人数や回線数によって異なります。月額料金の相場は2,000円程度ですが、5,000円どころか、10,000円以上といったサービスもあります。これは利用人数や使用する内線の数などで月額料金が大きく変化するためで、契約の際には注意が必要です。
料金形態やプランの数などはサービスによって大きく異なります。機能や特徴と併せてしっかりとチェックを行い、比較しつつ選定を進めるとよいでしょう。
実際の金額などに関しては問い合わせていただければ幸いです。
4.特殊な番号には電話ができない
通常業務を行う上で、この問題は特に気にするほどではないかもしれませんが、110や119などの緊急通報用電話番号や、時報や天気予報といった1から始まる3桁の電話番号、0570のナビダイヤルなどには電話をかけることができません。
5.電話番号が変更になる可能性がある
これまでの電話番号を引き継ぐ際は、NTT東西日本で固定電話番号を取得するなど、一定の条件を満たした場合のみ「番号ポータビリティ(LNP)」サービスが利用できます。
しかし、条件を満たしていない場合はサービスを利用できないため、これまで使用していた電話番号が変わる場合があります。変更になるかどうかは、電話番号からでは判断できないため、事前にキャリアに確認するなどの対策が必要です。
クラウドPBXの導入・運用にかかる費用相場
クラウドPBXを導入する際の初期費用および運用時にかかる費用の内訳と相場について見ていきます。
初期費用の内訳・相場
クラウドPBXの導入時には、電話機代、サーバーの設定・登録料などの費用がかかります。レガシーPBXとは異なり、専用の機器や工事などにかかる費用は必要ありません。導入にかかる初期費用はレガシーPBXに比べれば、かなり抑えられます。
電話機代としては1台あたり1万円から5万円(中古であれば1台1万円から2万円程度、現行モデルであれば1台3万円から5万円程度)ほどの購入費用がかかります。ただし、通話にはスマートフォンやパソコンなども利用できるため、もともとある端末を利用すれば、電話機の購入費用は抑えられます。クラウドPBXでは、導入時に工事などを行う必要はなく、初期費用をかなり抑えて、運用を開始できます
運用コスト・通話料
クラウドPBXの運用にかかるコストのひとつが月額基本料です。クラウドPBXの場合には、1回線あたり月額2,000円から3,000円ほどのサービス利用料がかかります。月額費用には通常、保守管理やアップデート、サポート費用などが含まれている場合が多く、自社で管理する手間は必要ありません。
利用する回線数が変わった場合には、契約内容を変更するだけですみます。高額な工事費用などはかかりません。クラウドPBXでは、通話内容の自動録音機能やIVR(自動音声対応)機能など、便利な機能をオプションとして追加することも可能です。ただし、オプションを追加すれば、その分、月の利用料金に上乗せされるため、注意が必要です。
クラウドPBXを利用して電話をかける際にかかる通話料は、固定電話に架電した場合には3分で約8円、スマートフォンに対しては1分で約15円、フリーダイヤルでの通話には1分10円から3分10円程度が相場です。社内の内線同士での通話や拠点間同士での通話には料金がかかりません。クラウドシステムを提供する会社によって設定されている通話料は異なります。各社の通話料と月額基本料とを比較して選択することをおすすめします。
事業規模別・クラウドPBXの費用相場
事業規模によって利用する回線数や必要なオプション機能などは異なってくるため、クラウドPBXを導入する際の初期費用や月額費用も変わってきます。ここでは、企業や店舗の規模別に費用相場を確認していきます。
小規模の事業者の場合
小規模オフィスや店舗などでクラウドPBXを導入する場合には、初期費用が0円から10万円程度、月額費用が4,000円から2万円程度、電話機代が0円から20万円ほどが相場です。導入時にかかる費用はこれらを合計した額となり、最小で4,000円ほど、最大では32万円ほどです。
在籍するスタッフが数名程度のオフィスの場合、通話はスマートフォンやパソコンを使って行えば、新しく端末を購入する費用はかからないため、初期費用は抑えられます。また、利用する回線数を必要最小限にとどめれば、月額基本料を抑えることも可能です。サービス提供会社によっては、リーズナブルなSOHO向けプランを取り扱っているところもあり、そうしたプランを契約することも検討すべきです。
中小企業・大型店舗の場合
従業員数が20人から30人程度の中小企業や大型の店舗でクラウドPBX導入する場合には、初期費用としては0円から5万円ほど、月額費用が9,000円から10万円ほど、電話機代が0円から120万円ほどかかります。導入にかかる費用は、これらを合計した9,000円から135万円ほどが相場です。
実際には、電話機代を含めた初期費用が30万円から50万円ほど、月額費用が3万円から5万円ほどの企業が一般的です。企業規模が大きくなれば、IVR(自動音声対応)機能など、必要な機能も増えることから、これらの相場額にさらにオプション代が追加されてきます。
コールセンターや大企業の場合
回線数が100以上必要になるコールセンターや大企業でPBXを導入する場合には、さまざまな機能が必要になり、オプション費用もかかります。費用相場は、初期費用が0円から30万円程度、月額費用が8,000円から25万円程度、電話機代は利用回線数に応じて変わりますが、回線数が多くなるほど費用がかかります。
他のPBXやビジネスフォンとの費用相場比較
クラウドPBXと、レガシーPBXやIP-PBXなどのほかのPBXやビジネスフォンとの費用相場を、初期費用、運用コスト、通話料に分けて比較します。
初期費用の比較
ビジネスフォンやほかのPBXは専用機器などの購入、工事に費用がかかるため、初期費用が抑えられるのはクラウドPBXです。クラウドPBXにかかる初期費用はサーバーの設定・登録料、電話機代などで、1万円から5万円ほどが目安です。
ビジネスフォンの場合は、導入時に工事費や主装置(小型交換機)の費用、電話機代などが必要で、初期費用は合計で40万円ほどかかります。レガシーPBXの場合は、主装置が40万円から、電話機が1台3万円からと高額で、工事費用約10万円を含めると、初期費用は約70万円からが相場です。ただし、導入する主装置によっては数百万円から数千万円ほどと、さらに高額になる場合もあります。
IP-PBXも主装置が高いため、かかる初期費用は高額です。接続する電話機の台数や搭載している機能などによっても主装置の価格は変わります。工事費、主装置、電話機代で、初期費用は数百万円ほどがかかります。機器が不要なクラウドPBXの場合は、ほかのPBXやビジネスフォンと比較すると、大幅に初期費用を削減できます。
運用コストの比較
クラウドPBXの主な運用コストは月額利用料で、1回線あたり2,000円から4,000円ほどがかかります。運用コストはサービス提供会社によって異なり、基本的には利用する回線数に応じて料金が変わってきます。必要な機能がある場合にはオプションで追加できますが、別途、料金がかかります。オプションを含めた利用料は毎月継続して発生するため、利用する回線数や追加する機能などは、かかる費用を計算して決定することが大切です。
ビジネスフォンは、設置してしまえば、その後の運用コストは基本的にはかかりません。レガシーPBXの場合にも、基本的に運用コストは不要です。IP-PBXはインターネット回線を利用するため、運用コストとして毎月の回線費用が必要です。
ビジネスフォンもレガシーPBXもIP-PBX、オフィスの移転などを行った場合には別途、工事費用が発生しますが、クラウドPBXの場合は主装置をオフィスに設置する必要がないため、オフィスの移転などでも工事費はかかりません。
通話料の比較
クラウドPBXでは、通話料金は比較的安く抑えられます。内線や拠点間通話は無料、外線電話の料金は前述のとおり、固定電話が3分で約8円、スマートフォンが1分で約15円です。ビジネスフォンの場合、通話料はサービス提供会社によってさまざまです。通話先との距離や時間帯によっても通話料金が変わるため、遠方などに電話をする機会が多い場合には通話料は高額になります。固定電話との通話の場合、通話料は区域内で3分で約8円、区域外では3分で20円から80円程度です。スマートフォンとの通話料も1分で約20から40円と、クラウドPBXに比べれば高くつきます。
ほかのPBXの通話料金も、基本的にビジネスフォン、サービス会社によってさまざまな料金設定がされています。IP-PBXの場合には、同じIP電話サービスを使っている相手先との通話には料金がかかりません。
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クラウドPBXの費用相場はどのくらい?導入・運用にかかる費用を解説
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クラウドPBXの選び方
PBXにはさまざまな種類があり、多様な製品・サービスが展開されています。クラウドPBXを選ぶ基準について、大きく7つのポイントに分けて考えてみましょう。製品選びに迷ったら、自社が一番大事にしたいポイントを優先させます。
通話品質や音質が十分か
特に、通話品質の高さをセールスポイントにしているメーカーを選びましょう。メーカー自体の回線速度が遅いと、音声がブツブツと途切れてしまったり、音質が著しく悪化したりする可能性があります。場合によっては、声が遅れて聞こえたり、音のかすれやノイズが発生したりして、満足に会話できないといったトラブルも起こり得ます。重要な取引に関する会話やクレーム対応など、大切な場面でトラブルが発生しては後により大きな問題へと発展しかねないため、あらかじめ対策をしておくべきでしょう。
これに対して、クオリティーの高い製品も存在します。固定電話と変わらないほどの高音質な環境も提供できるため、「どの製品も同じようなもの」ということはありません。音質面に気を配った製品選びが肝心だということです。
音声不具合の理由は、スマートフォンのスペックと使用アプリの相性が悪いケースや、セキュリティ対策によってサーバーに負荷がかかり、全体的な作動に影響が出ているケースなどがあります。使用環境を見直しても音質を改善できず、対策に予想以上の時間がかかることも少なくないため、はじめから高音質化に強いクラウドPBXのメーカーを選んでおいたほうが無難です。
総務省が規定している「通話品質基準」でクラスAを取得した製品や、音質分野のクチコミ評価が高いメーカーのものをおすすめします。従業員がストレスなく仕事ができるように、製品の精査は重要です。
導入規模が組織に見合っているか
PBXは大企業から中小企業向けなど、さまざまなタイプが展開されており、費用も当然違います。サービス内容や接続数が自社の規模に合った製品を選ぶことが重要です。支払い方法も定額制、従量課金制などがあるので、併せてチェックしましょう。
自社に必要な機能があるか
PBXには、代表番号発着信、保留転送機能、ダイヤルイン機能、CTI 機能、IVR(Interactive Voice Response:自動音声応答)機能などがあります。しかし、実装されている標準機能は製品によって異なります。例えばIVRを標準装備している製品がある一方、オプション対象のため追加費用がかかるものもあります。
そのため、自社に必要な機能が標準装備されているかを選定ポイントにしましょう。
多機能であればあるほど、良い製品だというわけではありません。どんな機能が必要となるかを洗い出し、もっともニーズに合うものを選ぶとよいでしょう。
どのような機能を使用できるかはメーカーによって異なります。一般的な転送機能やスマートフォンの内線化などはほとんどの製品で使用できますが、通話内容のモニタリングや電話会議などの一部機能はサービスに含まれていない可能性があります。
また、必要な要素には手厚い機能性をそなえ、反対に不要な要素はカットする考え方が有効です。例えばモニタリング機能を高頻度で使う予定なら、検索機能がついた高規格の製品を検討してみてもいいかもしれません。自社がこれからモバイルPBXをどう使っていくのかおおまかな予想を立てて、業務の穴を埋めてくれそうな機能がある製品を選定しましょう。
なお、社会情勢が変われば、業務形態や事業内容が変更になることもあります。新型コロナウイルス蔓延のように、予想不可能な情勢の変化が起こる可能性もゼロではありません。その際に、変更内容に応じたカスタマイズができるかや、自由に拡張できる機能がついているかどうかもチェックしてください。併せて「CRMなどの外部システムと連携可能かどうか」「もしそれが可能な場合オプションなのか・基本料金内なのか」までチェックすることも大切です。
コストは妥当か
実際にクラウドPBXを導入する前に、具体的なコストを試算しましょう。魅力的な機能を備えたクラウドPBXであっても、コストが高すぎると経営を圧迫する事態に陥りかねません。このようなリスクを避けるため、サービス選定時には予算の範囲内かどうか、コストに見合った効果が期待できるかなどをチェックしましょう。
サービスの導入で発生するコストは、大きく導入費用と月額料金の2つです。基本的に、クラウドPBXの導入費用は安価であるケースが多く、中には無料のサービスもあります。一方、選択するプランによっては20,000~50,000円以上の導入費用が発生するサービスもあるため注意が必要です。
毎月発生する月額料金もチェックしましょう。導入費用の支払いは一度のみですが、月額料金は毎月継続的に支払うものです。コストのかさみすぎは経営の圧迫につながるため、導入費用と月額料金の両面から考えましょう。
もしクラウドPBXを必要とする従業員が少ない場合や、そもそも外回り中にあまり電話を使用しない場合、オフィス移転の予定がない場合などは、再検討するのがおすすめです。
これまでの電話回線を利用し続けるパターン(社内通話料金・転送料金・外線など)と、新規でクラウドPBXを導入するパターンでコストを計算し、比較検討します。このとき、相見積もりを取るとわかりやすいでしょう。コスト削減結果によっては、違う製品の導入を考えます。オプション料金が反映されると、電話回線使用時より料金がかさむこともあるからです。
ちなみに、クラウドPBXは企業規模によって適した製品が変わってきます。クラウドPBXは数十人レベルの規模感が一般的であり、多くても数百人が目安です。社員が数千名を超える企業を対象とした製品はほとんどなく、導入そのものが難しいでしょう。その場合は、既存のPBXと連携できるか否かをチェックしてください。対応人数によって料金形態も変わるため、自社の規模感に合った製品を選択しましょう。
他のシステムと連携がスムーズか
前述の通り、PBXの中にはさまざまな機能を持つものも多いですが、自社の業務に合わせた、柔軟な連携や運用ができるかどうかのチェックは必要です。外部ツールやサービスとの連携機能を備えたクラウドPBXは多々あります。けれども、何と連携できるのかはサービスにより異なります。
すでに導入済みのビジネスツールとの連携が、円滑に行えるかどうか確認しましょう。例えばチャットツールと連携させて、通話可能になった時点で他従業員に自分の状況を知らせるという使い方が可能です。また、CTI(電話番号から顧客情報を識別し、画面に表示させること)と連携できると、コールセンターなどでは役立つでしょう。
他のツールとうまく連携が取れなければ、せっかくクラウドPBXを導入しても使いこなせず、むしろ手間が増えてしまう可能性があります。これから別の新規ツールを採用した場合も、そのたびに設定をしなくてはならないようでは、時間のロスです。
業務効率化をねらってクラウドPBXの導入を考えているなら、すでに導入しているツールと連携できるかの確認は必須といっていいでしょう。自社が使用しているツールやシステムをリスト化してまとめておき、それらとの連携に定評がある製品を選ぶことをおすすめします。
Web会議ツールやグループウェアなどのほか、CRMやSFAなどと連携できるサービスもあります。外部ツールやサービスと連携できれば、より便利な使い方が可能となり、業務効率化や生産性のさらなる向上も期待できるでしょう。
連携性もさることながら、カスタマイズ性のチェックも必要です。サービスにより、設定を変更できる範囲などが異なります。自由度の高い設定変更が可能であれば、自社の業務に合わせてカスタマイズしやすいでしょう。
なお、なかには別システムと連携せずに、最初から便利なビジネスツールを搭載している製品もあります。FAXをよく使用する企業なら、インターネット接続を使ってデバイス間でFAXの送受信ができるものが向いているでしょう。AIが電話内容を書き起こしてくれる、自動文字起こし機能がついている製品もあります。業務しやすさを優先するなら、このような搭載済みツールを基準に考えてもいいかもしれません。
セキュリティは十分か
PBXのなかでも、クラウド型は特にサイバー攻撃の標的にされやすいというリスクを抱えています。IP-PBXであっても、脆弱性やセキュリティ設定を悪用した、なりすまし通話の被害を受ける可能性は否めません。
セキュリティ対策に力を入れているクラウドPBXを導入すれば、いざというときの情報漏洩を防げるでしょう。クラウドPBXは常時インターネットと接続しているため、顧客情報やクラウド上の設定内容など、機密情報のほぼすべてがインターネットで管理されています。ほとんどのメーカーが情報の取り扱いには万全の注意を払っていますが、特にセキュリティ対策に重きを置いている製品を選べば、安心感がさらに高まります。ユーザーから信頼感を得ている企業や、実績のある企業を選択しましょう。
具体的なサービス内容の例としては、IDとパスワードのほかにワンタイムパスワードを入力する二段階認証や、管理画面にアクセスできるIPアドレスに制限をかけることなどが挙げられます。サイバー攻撃対策に強い製品や、データセンターでデータを常時監視しているものは、もっと安全です。上記のような対策を行っておらずセキュリティ対策が脆弱な製品もなかにはあるため、いくつかの製品を比較しながら最適なものを決めてください。
なお、クラウドPBXの提供形態は、SaaS型とPaaS型の2種類に分かれます。セキュリティ対策に強いのは、後者のPaaS型です。SaaS型はマルチテナント方式が採用されているため、複数の企業が同一のシステムを使っています。これに対してPaaS型は自社のVPNを使っているので、ほかに同じシステムを利用する企業が存在しません。セキュリティ対策を徹底したいなら、PaaS型を選ぶと良いでしょう。
急なトラブルに対応できるサポート体制があるか
クラウドPBX導入後に突然トラブルが勃発しても、迅速に対応できる製品をおすすめします。運営企業によっては、代理店として営業しているため、いち早い対応が不可能な会社や、そもそもアフターサポートを行っていない会社もあるからです。「トラブルが発生した際に、サポートを受けられるか」は重要なチェックポイントです。スムーズな運用のためにも、導入後もベンダー担当者から手厚いサポートが受けられるサービスを選びましょう。
自社開発サービスを提供する企業なら、専門のサポートスタッフが常駐しているケースが多いため、心配が取り除けるでしょう。場合によっては、サポートスタッフがうまく対応できなかった部分を開発側にフィードバックし、サービス自体のブラッシュアップにつなげる企業もあります。
ちなみに、トラブル発生時以外にも、サポートスタッフの力が必要な場面は数多くあります。製品導入後に基本的な設定やオプションを追加する際も、サポートスタッフの指示に沿って作業を進めたほうがスムーズです。ほかの業務に支障をきたさないためにも、サポート体制が充実している運営企業を見定めましょう。
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クラウドPBX12製品の比較
PBX主要12製品の概要を紹介します。自社のニーズに照らし合わせながら、それぞれの特徴を確認しましょう。
BellCloud+
30年以上にわたり、コールセンター業界のリーディングカンパニーとして培ってきたノウハウを集積させたプラットフォーム、それがベルシステム24が提供する「BellCloud+®(ベル クラウド プラス)」です。
BellCloud+® は、システム資産が不要というクラウド型ならではの特徴と、確かなノウハウを持つベルシステム24ならではの高い品質を融合した高信頼システムです。もちろん、未来のコンタクトセンター が必要とするさまざまな最先端テクノロジーを組み込んでいます。 Chatbotや音声によるVoicebotを活用した自動応答による無人化対応、お客様が望まれるチャネルへ誘導するVisual-IVRの実装、音声認識を活用した業務効率化やテキストマイニングを活用したVOC分析、お客様やオペレーターの感情解析、OPのコンディションの可視化など余すところなく次世代コンタクトセンター に必要な要素をご提供しています。
Voice Connect
Voice ConnectはNECネッツエスアイが提供する音声クラウドサービスで、受発信、保留・転送といった標準的な機能を提供します。インターネット環境やVPN(Virtual Private Network)があれば、外出先はもちろん在宅でも利用できます。自社データセンター運営なのでBCP(Business Continuity Planning:事業継続計画)にも対応可能です。
月ごとの席数増減に応じた価格で利用できるのも魅力です。電話設備縮小時には通話ライセンスを減らせるので、無駄なコストがかかりません。
オプションとして、通話録音機能、CRMや、CTIやACD(Automatic Call Distributor:着信呼自動分配装置)との連携も可能です。またモバイルネットワークサービス「ネッツワイヤレス」と連携することで、無線LANを設置・運用しにくい環境でも、設備投資をせずに電話利用を可能にします。
OSORA
OSORAは、Scene Liveが運営するインサイドセールス向けコールシステムです。
「受発信、保留・転送などに加え、すべての通話を保存・ダウンロードできる通話録音機能」「管理者が、通話中の会話を聞きながらオペレーターにアドバイスできるモニタリング・ささやき機能」など、コールセンターに必要な機能を標準装備しています。拡張性にも優れているため、CRMなど外部ツールとの連携も可能で、情報共有やデータ管理をスムーズにします。
クラウド型のため低コストでの導入が可能なのはもちろん、席数の増減は最短で翌日に反映され、アカウントの登録数も制限なしなど、コストパフォーマンスの面でも優秀です。
モバビジ
モバビジはクラウドテレコムが提供するビジネスフォンサービスです。NTT東西のひかり電話回線、そしてPanasonicのIP電話機に、クラウドテレコムが持つ、クラウドPBXとスマートフォンアプリを組み合わせて実現しました。
スマートフォンをビジネスフォン化でき、内線が使用可能になるほか、オフィスの固定番号での受発信ができます。もちろん、既存のビジネスフォンもそのまま使用できます。
スマートフォンアプリにあえて外線ボタンを用意するなど、UI(ユーザーインターフェース)にも配慮しているため、操作が簡単でどなたでも扱えます。また、通信会社が提供する回線ならではの高音質で安定した通話音声が確保されており、総務省からは固定電話と同レベルであると認定されました。
サポート体制も万全で、電話やメールの問い合わせを専門スタッフが対応します。
料金面でも優れており、ひかり電話への加入が必要となりますが初期費用と初月料金が無料です。更に、従業員数に応じた支払いが可能で余計なコストは発生しません。特にスモールスタートを目指す企業に適したPBXサービスになります。
Arcstar Smart PBX
Arcstar Smart PBXは、NTTコミュニケーションズ株式会社が運営するクラウド型PBXサービスです。スマートフォンやパソコンなど多様なデバイスを用い、オフィスの内外を問わず、どこからでも内線電話を利用できます。キャリア制限はありませんので、従業員の契約キャリアを統一する必要もありません。
クラウド型であるため、通信設備・管理コストを削減可能で、設定はWeb上の管理画面から変更できます。
初めてのPBX、その概要から仕組みなど基本を徹底解説
当記事では、自社にPBXを導入したい企業担当者の方に向けて、PBXの概要や機能、種類について簡単にご紹介します。
オプションになりますが、企業向けクラウド型Web電話帳サービス「PHONE APPLI PEOPLE」と連携すれば、クライアントの名刺情報や従業員の連絡先などの一元管理も可能です。
さらに外線も受発信したい場合は「Arcstar IP Voice」などのIP電話サービスと連携すれば、ビジネス専用の「050」番号が発行されます。IP電話であるため通話料は全国一律なので、外線通話のコストが抑えられるでしょう。
トビラフォンCloud
トビラフォンCloudは、クラウドタイプのビジネスフォンサービスです。専用アプリを入れれば、個人所有のスマートフォンをそのままクラウド型ビジネスフォンとして使えるので、初期投資を抑えられます。また、個人のスマートフォンを社用でも使えるため、会社専用の携帯電話や固定電話は不要です。最短で申し込み日の翌日から導入できるのため、導入ハードルも低いです。
Web上の管理画面ではアプリの利用状況、顧客情報、受発信記録、録音ファイル、迷惑電話リストなどを一元管理おり、データ管理もしやすいです。さらに、IVRやコールキューイングなどの技術を組み合わせて、着信対応の設定の幅も広くなっています。
音声についてはNTTコミュニケーションズのIP電話回線を使用しているため、セキュリティー面も安心です。
ひかりクラウドPBX
ひかりクラウドPBXは、NTT東日本によるクラウドPBXサービスです。外線や内線に利用したい端末に、専用アプリをインストールするだけで利用開始でき、ひとつの端末で3つの電話番号を使い分けられます。主要キャリアのスマートフォンに対応するため、新たに機器をそろえる必要もありません。
既存設備との併用もできるため、スモールスタートでクラウドPBXへ移行したい企業にも適しています。料金は、基本工事費と初期費用、月額料金で構成されます。
クラウド電話環境やwi-fi環境の構築、セキュリティ対策など、ICT環境の構築やサポートを行う「まるらくオフィス」との併用もおすすめです。
MOT/TEL(モッテル)
株式会社バルテックが提供しているサービスです。長きにわたり、オンプレミス型PBXの提供を続けてきたたしかなノウハウがあり、これまで27,000社以上への導入実績もあります。ビジネスチャットやCTIなどを標準で使え、オプションで通話録音やネットFAX機能もつけられます。
音声品質が通信環境に左右されやすいクラウドPBXですが、同サービスは通信の安定性に定評があります。これは全国各地に専用データセンターを分散して配置しているからで、これにより安定した通話を実現しました。
自社開発の国産アプリは日本人が使うことを前提に開発されています。直感的に利用できる使いやすさにこだわったインターフェースです。料金体系も20台まで、50台までとわかりやすい定額料金制を採用しており、安心して導入できます。
GoodLine(グッドライン)
GoodLine(グッドライン)は、株式会社GoodRelationsが提供しているサービスです。他サービスではオプションとして用意されている機能が、同サービスではデフォルトで搭載されているなど、豊富な機能が魅力です。通話内容の録音や分析機能も実装しており、スムーズな情報共有や課題の可視化を実現します。
ビジネスチャットやCRMとの連携も可能なため、より便利な使い方も可能です。安全に情報をやり取りするための堅牢なセキュリティ対策を施し、充実のサポート体制を整えてり、安心して利用できるでしょう。
初期費用に月額料金、基本料金とシンプルな料金体系で、契約期間の縛りもなく、利用可能な回線やアプリなどにも制限はありません。申し込みからご利用まで最短2日で利用可能です。
BIZTELビジネスフォン
BIZTELビジネスフォンは、株式会社リンクとブライシス株式会社が共同で提供しているサービスです。インターネット環境でPBXを利用できる、クラウドタイプのIPビジネスフォンサービスであり、複数拠点の内線化やテレワーク体制の構築などに有効です。これまでの導入実績2,000社以上と、クラウドPBX市場における豊富なノウハウを持っており、そのうえでユーザーの声を聞きつつサービスを進化させてきました。
固定端末をはじめ、スマートフォンやPC用ソフトフォンなど多様な端末で利用できます。また、1席単位で利用数の増減ができるため、スモールスタートからはじめ、事業の規模に合わせての拡張も可能です。
導入までのスピードが速く、インターネット環境さえ整っていれば、必要な設定を行うだけで利用を開始できます。導入から利用開始まで、最短5日で可能です。初期費用と月額料金で構成される料金形態で、豊富なプランから選べます。
COTOHA Call Center
COTOHA Call Centerは、NTTコミュニケーションズが運営する、中小企業や店舗向けのクラウドコンタクトセンターサービスです。
AIオペレーターが標準搭載されていて、電話着信が集中する時間帯や営業時間外などオペレーターが電話に出られない場合に、AIオペレーターによる電話応対が可能となっていて、電話応対の効率化を可能にしてくれます。
AIオペレーターが対応した内容は全てテキスト化されリアルタイムにユーザーへ通知されます。また、顧客管理面ではユーザー間で共通の電話帳を作成でき、発着信の履歴も記録されるので対応内容含め、顧客管理を効率化することができます。
MiiTel
MiiTelは、株式会社RevCommが運営するクラウドIP電話サービスです。音声解析AIを搭載しており、電話営業や顧客対応の内容を音声解析AIがリアルタイムで通話を解析します。
営業用途では、AIの音声解析によりトップ営業の話し方の特徴などを分析、可視化することで教育コストを削減したり、過去のデータから通電しやすい曜日や時間帯を分析することで通電率を向上させることに役立ちます。
コールセンター用途としては、オペレーターが在宅勤務でも発信数や着信数などオペレーターごとの活動量を可視化し活動を正確に把握することが可能です。
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クラウドPBXの導入方法
クラウドPBXは、インターネット環境さえ整っていれば、工事の手間なくどこにいても利用できるため、拠点の多い企業や社員の外出が多いベンチャー企業、新規事業を立ち上げる企業などに向いています。また、初期費用や運用コストが抑えられるため、なるべくコストをかけずに利用したい企業にも向いているでしょう。
さらにクラウドPBXの場合、一般的に事業者がクラウドサービスとの連携などコンタクトセンター運営に必要な機能を同時に提供しています。これらは市場環境に応じて展開されてくるため最新のコンタクトセンター機能を利用したい場合にはクラウドがおすすめです。
まとめ
PBXはコールセンターの要とも言える重要なものです。さまざまなメリットを有するクラウドPBXは、今後の企業運営において主流になっていくでしょう。PBXはさまざまな製品やサービスが展開されているので、導入には自社のニーズに合致したものを精査することが求められます。
クラウドPBXには、初期費用やランニングコストを抑えられたり、様々なサービスとのインテグレーションができたりと多くのメリットがあります。業務効率を高めるためにも、ぜひクラウドPBXの利用を検討してみてください。
ベルシステム24では、お客様のご要望を伺ったうえで、業態の特性や今後をみすえつつ、最適な製品・サービスをご提案します。PBXの導入に際してはベルシステム24にご相談ください。
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現在は、BellCloud+のサービス構築、お客様への提案、導入を行っている。
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