コンタクトセンター業務に役立つ音声認識アプリ5選!
導入メリットや選び方も解説

   

音声認識アプリとは、人間の会話や声などをAIが解析し、テキストデータへ変換するシステムです。近年、コンタクトセンターをはじめとする企業への導入が進んでおり、業務効率化や顧客満足度の向上などに役立てられています。この記事では、おすすめの音声認識アプリや導入のメリット、選ぶ際のポイントを解説します。

音声認識ソリューション事例集

コンタクトセンターに音声認識アプリを導入するメリット

音声認識アプリの導入を検討している企業にとって、「それがもたらすメリットは、どれほどのものなのか」という点は、もっとも気になる部分ではないでしょうか。音声認識ツールを導入すると、電話対応のモニタリングや業務負担の軽減、指導効率化などのメリットを得られます。

電話応対のモニタリングができる

オペレーターが適切な対応をしているかどうか、コールセンターの管理者はモニタリングによるチェックを遂行しなければなりません。しかし、規模が大きくなるほど、人の力だけですべてをチェックするのは非現実的です。

このような場合、NGワードや特定キーワードを含む通話を抽出できるツールを活用すれば、大規模なコンタクトセンターでも効率よくチェックが行えます。テキストデータによって後から通話内容を見直すこともでき、効率的に業務が行えます。

オペレーターの業務負担が軽減する

音声認識アプリは、顧客との会話の中からキーワードをピックアップし、スピーディーに回答できるよう必要な情報をモニターに映し出す「自動検索機能」、顧客の感情をリアルタイムで解析する「感情分析機能」など、オペレーターをサポートする機能を備えています。対応時間の短縮やクレーム対応の簡略化などに役立てられるため、オペレーターの物理的・精神的な負担を軽減します。

近年、業務負担などによる離職率の上昇が課題となっているコンタクトセンターは少なくありません。さまざまな業務をAIによって効率化していくことは、オペレーターの離職防止につながります。

オペレーターの教育・指導効率化できる

オペレーターの対応品質を上げるためには、管理者による適切な教育が不可欠です。従来は、トークスクリプトや研修を充実させ、定期的な教育を行いオペレーターの対応品質向上につなげていました。しかし、このような方法では、教育に多くの時間を要するだけでなく、コストや手間などが発生しやすいという課題があります。

音声認識アプリの機能を利用すれば、優秀なオペレーターの会話をテキスト化して共有することが可能です。ケースバイケースに応じたやり取りをお手本の教材とすれば、指導の効率化が実現します。

テキストマイニングツール選定の手引き
コンタクトセンターを高度化し顧客満足度・業務改善を実現する 音声認識技術の活用方法とは?

おすすめの音声認識アプリ・ツール5選

ここからは、おすすめの音声認識アプリ・ツールを5つ紹介します。それぞれの機能や料金を比較して、自社にマッチしたアプリやツールを選定しましょう。

AmiVoice(アミボイス)|株式会社アドバンスト・メディア

音声認識市場でシェアNo.1を獲得している音声認識アプリです。20年以上のノウハウをデータとして蓄積しており、最新のディープラーニング技術によって高い認識率を実現しています。導入後の運用構築・改善まで手厚いサポートが受けられます。

話し言葉の言い淀みを自動削除し、正確でわかりやすいテキスト化を実行する機能を備えています。固有名詞や社内用語などを単語登録できるため、特定の単語も高い精度で認識可能です。感情分析機能など、オペレーターの対応をサポートする機能もあります。

料金は1秒単位で計算されます。ただし、「声を検知できない区間では、料金が発生しない」という制度を取っているため、無駄なコストがかかりません。「汎用エンジン」は、毎月60分が無料で利用でき、60分を超えた場合の料金は1秒あたり0.0275 円です。文字起こしは英語・中国語にも対応しています。
https://acp.amivoice.com/main/

COTOHA Voice Insight|NTTコミュニケーションズ株式会社

コンタクトセンターに最適な高精度音声認識エンジンを実装したクラウドサービスです。「音声マイニングプラン」はコンタクトセンター用にチューニングされており、リアルタイムのテキスト化や感情分析、コールリーズン分析などの機能がそろっています。

専用のモデル学習や辞書登録によって、専門的な固有名詞・業界用語なども認識でき、企業に合ったカスタマイズが可能です。公式サイトに各プランの料金が掲載されていないため、プランごとの詳しい料金を知るには問い合わせが必要です。
https://www.ntt.com/business/services/application/ai/cotoha-vi.html

Amazon Transcribe|Amazon

高精度な音声認識ツールとして高い評価を得ているツールです。音声サンプルをもとに識別する「話者ダイアライゼーション」機能が搭載されています。深層学習プロセスを用いたテキスト化は高精度で、句読点や書式も自動的に反映されます。また、自社が取り扱う商品名など、新たなワードを追加できるのも特徴です。

料金は従量課金制を用いており、1カ月あたりの使用秒数によって金額が決まります。最初の25万分の文字起こしは秒あたり0.024ドル、次の75万分は0.015ドル、100万分を超えると0.0108ドルといったように、段階的に価格が安くなります。なお、最初の12カ月間は1カ月あたり60分が無料枠として利用可能です。
https://aws.amazon.com/jp/transcribe/

Google Cloud Speech-to-Text|Google

Googleの機械学習技術を採用した、音声認識アプリです。テキスト化の精度が高く、125以上の言語や方言を認識できるため、グローバルな事業展開をしている企業に適しています。日常では使われないような特有の用語・単語を適正にテキスト化する「音声適応機能」を備えており、認識精度をより向上させられます。

毎月60分は無料で利用できますが、60分を超えた場合、正常に処理された音声量にもとづいて1秒ごとに課金されます。プランによって料金は異なりますが、たとえばデータロギングなしの標準プランは、1分ごとに0.024ドルが目安です。なお、料金は1秒単位で切り上げの価格となります。
https://cloud.google.com/speech-to-text?hl=ja

Watson Speech to Text|IBM

クラウドサービスとして提供されている、ディープラーニングを活用した音声認識ツールです。音声認識研究の中で、世界最高水準の性能と認められた機能を利用しており、高精度な音声テキスト化が実現します。あらかじめ学習している語彙に加え、特定の単語や言い回しなどを追加できるカスタマイズ機能が実装されており、柔軟性の高さも特徴です。日本語以外にも、中国語・英語・フランス語などの多言語に対応しています。

料金は導入するモデルによって異なり、月々500分が無料で使える「ライトプラン」、分単位の料金設定で毎月の変動を抑えられる「プラスプラン」のほか、よりセキュリティの強化された「プレミアムプラン」が用意されています。詳しく知りたい場合は問い合わせてみましょう。
https://www.ibm.com/jp-ja/cloud/watson-speech-to-text

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音声認識アプリを選ぶポイント

上記のようにさまざまな企業から音声認識アプリがリリースされているため、どのようにアプリやツールを選定すべきか悩んでしまうのではないでしょうか。ここでは、選び方のポイントとして、音声認識の精度やデータ分析機能、セキュリティ面について解説します。

音声認識の実績・検証結果を公表しているか

音声データ自体の内容と、それを文字に変換したテキストの内容を比べ、両者がどのくらい正しく一致しているかを示した数値を「認識率」といいます。音声認識アプリを選ぶときは、この認識率を確認し、数値の高いアプリを選びましょう。人の手でテキストに修正を加える箇所が増えるほど、効率化の妨げになってしまうからです。

提供元のメーカーによっては、認識率の実績・検証結果が公開されている場合もあります。また、ディープラーニング技術を使ったAI音声認識ツールの中には、自動学習により認識の精度を上げてくれる便利な機能を備えたものもあります。そうした機能があるツールを選ぶのもひとつの方法です。お試しで音声認識機能を利用できるケースもあるため、活用したうえで選定しましょう。

データ分析機能は備わっているか

音声をテキスト化したあと、内容を分析できる機能がついたものもあります。クレーム内容やオペレーターの対応などを分析することで、オペレーションの改善やカスタマーサービスの向上などが期待できます。

また、感情分析機能はオペレーターの離職率軽減などにも効果的です。もともと手作業でデータ分析を行っているのであれば、分析機能が備わった音声認識アプリを選ぶことで、業務効率化にもつなげられます。

セキュリティ対策を行っているか

個人情報の流出を防ぐには、セキュリティ面への配慮が不可欠です。万が一、情報漏えいが起こってしまえば、企業の信頼性を落としたり、さまざまなトラブルに発展したりするおそれがあります。

ネットワーク上でデータを保存するクラウドサービスは、コストや時間をかけずスムーズに導入できるメリットがありますが、その分、サイバー攻撃のリスクが高まります。そのため、クラウドサービスの音声認識アプリを導入するときは、アクセス方法の制限をはじめ、セキュリティ対策の有無や種類を確認しましょう。

まとめ

音声認識アプリの導入は、オペレーターの業務負担低減や、モニタリングの自動化、オペレーター育成の効率化などに効果的です。また、業務効率が向上することで、人手不足の解消やコストダウン、離職率の低下といったさまざまなメリットが期待できます。現在ではさまざまな機能が搭載された音声認識アプリがリリースされているので、自社の目的に適したアプリを比較検討してみてください。

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