感情分析をビジネスに取り入れるための手法を紹介

 2021.07.01  コンタクトセンターの森 編集部

コールセンターの顧客体験を向上するためには、オペレーションの最適化が求められます。具体的には、より踏み込んだ洞察と分析によって、顧客インサイトを理解することが重要です。近年、その有効的な手段として注目を集めているのが「感情分析」です。本記事では、感情分析が求められる背景やコールセンターにおける活用事例などについて詳しく解説します。

感情分析をビジネスに取り入れるための手法を紹介

感情分析とは

「感情分析」とは、一般的にはAIが人間の感情や気持ちの変化などを読み取ることを指します。分析対象は文章や顔の表情、声などさまざまです。しかし基本的には、書かれた文章を読み取って、「ポジティブな内容か・ネガティブな内容か」を判定する分析と、理解されることが多いでしょう。

従来、人間の感情を読み取ることは、人間にしかできないとされてきました。しかし、近年の技術革新により、ユーザーのSNSでの投稿や商品レビュー、問い合わせ履歴など、インターネット上のテキストデータを感情値で分析することが可能になり始めています。今後さらに分析の精度が上がれば、世間からの自社製品やサービスに対する評価を測定したり、今後のマーケティングに有効活用できたりするのではないかと、今注目を集めています。

感情分析が求められる理由

感情分析へのニーズが高まっている理由は主に次の2つです。まず、通信技術などの発達により、インターネット上の自社の製品・サービスに関する膨大なテキストデータを集められるようになったことが挙げられます。

SNSへの投稿やWebサイト上のレビュー・口コミには、ユーザーの率直な意見が書かれていることが多いとされています。これらのデータ収集や、問い合わせ履歴をデータ化することが容易に行えるようになり、AIの学習対象となるデータが飛躍的に増えたのです。

次に、機械学習における分析手法の発達やAI活用の進展、クラウドサービスの登場により、高度な分析が簡単にできるようになった背景も大きいと言えます。AIを活用した研究開発をよりローコストで行える土壌が整ったことが、感情分析の進歩をさらに後押ししたと言えるでしょう。

極性分析

続いては、そもそも感情分析はどのようにして行うのか、具体的なプロセスについて解説します。極性分析は、感情分析システムで用いられる根幹的な分析方法で、テキストの意見をポジティブ、ネガティブ、ニュートラルの3つに分類します。

具体的な実践方法

まず、どのような言い回しや単語、表現があれば、ポジティブ・ネガティブ・ニュートラルと評価するかを定義しておきます。次に、それに照らし合わせて、テキスト全体の極性をスコア化します。

極性分析のプロセスでは、書類レベルや文章レベルで、それぞれのスコア化も可能です。さらにそのワンランク上に位置づけられる「エンティティ/アスペクトレベル」では、より高度で複雑な分析を行います。段落や文章ごとにスコア化するのではなく、文章全体から意見そのものを直接見つけ出すのです。

マーケティングとしての幅広い活用方法

前述したような感情分析では、SNSやブログ、掲示板、ニュースサイトなども対象となり、AIを搭載した専用ツールも登場しています。中には、「いいね」をはじめ、笑顔マークや拍手などの絵文字といったリアクションもポジティブな評価として認識できるツールもあり、感情的な要素を漏れなく分析できるのです。

SNSでのつぶやきやネット上で繰り広げられる会話をリアルタイムでチェックしていくことで、世間で流行っている、これから流行りそうなトピックを特定できます。この特定により、自社製品に対するフィードバックの収集、新規ビジネス領域の開拓にも有用です。ネガティブ感情をさらに掘り下げて要因を特定したり、炎上に発展するのを阻止したりするのにも役立ちます。

さらに、競合他社の評価も収集することで、「業界内での自社のポジションを明確にできる・他社の優れた事例を参考にできる」など、幅広いマーケティング戦略設計にも生かせます。

そして近年では、こうした技術をコールセンター業務に特化させた感情分析サービスも登場しているのです。これについては後述します。

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代表的な2つの手法

感情分析にどのような手法があるかについても知っておきましょう。ここでは、代表的な2つの手法について解説します。

ルールベースのアプローチ

ルールベースのアプローチとは、前もって定義された一連のルールに基づいて行われる感情分析の手法です。ルールの定義自体は、基本的に人間が手動で行います。文脈上の意味を通じて、検索者の意図を深く理解しようとするもので、セマンティックアプローチとも呼ばれます。

精度を高めるためには、単語一つひとつの意味や短いテキストの感情も含めて、確実に正確に判別・定義していく作業が必要です。加えて、一文章内にポジティブとネガティブの要素が混在していたり、皮肉が含まれていたりといった曖昧な領域には注意が必要です。

機械学習によるアプローチ

機械学習によるアプローチとは、テキストの感情を抽出・判別する作業に機械学習技術を活用するものです。過去の事例から一般的・普遍的なパターンや規則性を見つけ出し、感情を論理的に推論するという、より帰納的な方法が用いられます。AIの場合は、最初に学習データとなる「教師データ」を与えておけば、あとは自分で学習していくので、継続的に精度を高められます。

コールセンターの顧客満足度評価へ活用する

AIを活用した感情分析ツールは、精度の向上に伴い、企業のマーケティング活動において存在感を増しつつあります。昨今では、マーケティング活動にとどまらず、感情分析をコールセンター運用に活かすサービスも登場しています。感情分析がコールセンターでどのように活用されているのか具体例を見ていきましょう。

コールセンターが直面している現状はシビアです。慢性的な人手不足の状態にありながら、「顧客対応品質の向上」「顧客満足度の向上」という2つの重要課題に日々向き合っています。必然的に現場の責任者であるスーパーバイザーやオペレーターへの負荷は増大傾向にあり、オペレーターの離職率の高さも問題です。そういった場面で、感情分析を導入すれば、コールセンターにおけるテキストや音声での顧客とオペレーターとのやり取りをスーパーバイザーの代わりにAIが分析・判定してくれます。

具体的には、録音した顧客の音声データを形態素解析して、ポジティブかネガティブかを分析したり、オペレーターの対応が適切かどうかを同様に分析したりといったことが可能です。通話対応が正しい方向に進んでいるかの確認、ストレス値が高いオペレーターの抽出などにも活用でき、問題が起きているときにも速やかに対処可能となるでしょう。

このように、従来スーパーバイザーが逐一行っていた改善活動を、AIによって迅速かつ客観的に進められれば、大幅な業務効率化が期待できるというわけです。

Bell Cloud+は、コールセンターのクラウド化を総合的にサポートする株式会社ベルシステム24のサービスです。サポートの一環として感情分析システムも導入しており、オペレーションの最適化に役立てられます。

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まとめ

感情分析は、業界問わず多方面で有効活用可能な技術として期待されています。ネット上の膨大な感情データも分析対象にすることで、世間での自社製品・サービスの評判も把握できます。コールセンターでの業務も例外ではありません。例えば感情分析は、対応におけるカスタマージャーニーの把握やオペレーターの心理ケアにも有用です。そしてコールセンターにおける課題を浮かび上がらせ、解決方法の具体的模索へも貢献するでしょう。

Bell Cloud+は、コールセンター業務のノウハウを集約したクラウド型サービスです。AIによる感情分析機能やチャットボットによる自動応答機能など、コールセンターの業務効率化に欠かせない機能を多数有しています。この機会にぜひ導入し、コールセンターの対応品質や顧客満足度の向上へ活かしてみてはいかがでしょうか。

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