生成AIによる動画の作成 |
ビジネスで活用するメリットを解説

 2024.05.14  2024.06.17

AIの技術は日進月歩ですが、特にここ数年でめざましく進歩しているのが、新たな動画を生み出す「動画生成AI」です。本記事では、動画生成AIの概要とメリット、活用できるビジネスシーン、利用する上での注意点などをご紹介します。

生成AIによる動画の作成| ビジネスで活用するメリットを解説

コンタクトセンターにおける生成AIチャットボットの活用効果とは?

動画生成AIとは?

動画生成AIとは、その名称のとおり、さまざまな動画を生成できるAIのことです。生成AI(Generative AI:ジェネレーティブAI)のモデルのひとつで、ここ数年で急速な発展を遂げてきました。

与えられた大量の画像や動画データをディープラーニング(深層学習)や機械学習などで処理し、それをもとにして、テキストの指示(プロンプト)に沿った新しい動画を生成することが可能です。人物の動きや表情、モノ同士の作用、背景などまで、現実の風景を切り取ったかのような、ごく自然な映像を作り出す技術が備わっています。

生成する動画は、カメラワークをはじめ、リアルフォト風やアニメーション風など、動画のスタイルも指定できます。ナレーションなどの音声や字幕を付け、ショートムービー風の動画を作成するサービスも登場しました。

生成AIについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

文章を入力し、動画を作成する方法

動画生成AIでは、「東京都心部のオフィス街で、スマートフォンで通話をしながら歩く女性」「夕暮れの川沿いでバイオリンを弾く男性」など、文章で動画のイメージを伝えることで、指示に沿った動画を生成できます。動画全体や人物、背景のイメージ、カメラワークなどを明確に伝えることで、より意図に忠実な動画を生成しやすくなります。

画像を元に、動画を作成する方法

動画生成AIの進化は著しく、近年では1枚の静止画とモーションデータを組み合わせて、簡単に動画を作成することも可能になりました。「走っている人物のモーションデータを使って、1枚絵の自社キャラクターを走らせる」「複数人の写真をアニメーション化する」といった作業も簡単に行えます。カスタマーに提供するコンテンツの幅が広がると期待できます。

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動画生成AIが活躍するビジネスシーン

動画生成AIの技術は、業種を問わずビジネスシーンでも活発に利用されています。商品・サービスのプロモーション動画をはじめ、キャンペーンやイベントの紹介、FAQやサポート、個々のユーザーの嗜好に合わせた動画コンテンツなど、活用例は枚挙にいとまがありません。また、動画コンテンツは視覚的にわかりやすいので、社員の理解を深めるために社内教育の場で用いることもおすすめです。ユーザーだけでなく、従業員のエンゲージメントの向上にも役立ちます。字幕を付けるといった作業も不要なので、費用的・時間的・人的コストをすべて最適化できます。

動画生成AIをビジネスに用いる3つのメリット

動画生成AIを活用することで、次に挙げる3つのメリットが期待できます。

1.効率的に品質の高い動画を作成できる

動画生成AIを活用することで、効率的にプロモーションビデオや商品・サービスの紹介動画などを作成できます。限られた予算の範囲内で制作できるので、今まではコストの関係で動画によるプロモーションが困難だった企業も、マーケティング活動の競争力を高めやすくなります。動画の作成時に不自然な点が含まれる場合もありますが、AIの学習データの質や指示の出し方などを試行錯誤していくことで、改善が見込めます。ハイクオリティな動画を迅速に量産できるため、従来ではコスト・タイムパフォーマンス的に行えなかった実験的な試みも実行しやすくなるでしょう。

2.専門的な技術がなくても動画を作成できる

従来、動画を作成するには専門的な技術が不可欠でした。しかしAIを活用することで、初心者でも簡単に動画を作成できます。求めるクオリティを明確にした上で、動画の打ち出し方とスタイル、盛り込みたい内容などを精査すれば、外注せずとも社内で動画の企画から修正まで一貫して行えます。さらに試行錯誤を繰り返すことで、おのずとAIの学習が進み、担当者の指示の出し方も洗練されてくるため、よりハイクオリティな動画を生成しやすくなります。

3.マーケティングのパーソナライズ対応ができる

動画生成AIを活用すれば、動画の雰囲気やスタイル、カメラワークなどを容易にカスタマイズできます。細かく専門的な調整が不要になるため、それぞれのカスタマー層に最適化された動画を、低コストで複数作成することも容易です。コンバージョンの数値に課題を抱えている場合などにも有効です。

生成AIによる動画作成の注意点

動画生成AIは便利ですが、不用意に運用すると、企業価値を損ねる恐れもあります。動画生成AI を利用する際は、以下の注意点を押さえておきましょう。

著作権侵害の危険がある

動画生成AIは、すでに公開されている画像や動画などの学習データをもとに動画を生成するため、無自覚に第三者の著作権を侵害してしまう恐れがあります。例えば、AIに対して単純な指示をして動画を出力させるのは問題ありませんが、「第三者の著作物を強く意識した動画を生成する」「そのまま出力させることを目的に著作物を学習させる」といった行為などは、著作権の侵害にあたる危険性が生じます。近年では、EUに続き、日本でも政府が知的財産を保護する取り組みを進めているため、動向のチェックは欠かせません。

また、法律上は問題がなくとも、第三者の著作物や作風と酷似した動画を公開してしまうと、ユーザーから批判を受けるだけでなく、企業価値を大きく損なうリスクも生じます。そのため、担当者だけに生成された動画が問題ないかどうかの判断を任せるのではなく、ガイドラインなどを作成した上で、会社として一貫性のある判断をすることが求められます。

誤情報が取り込まれる危険性がある

AIが学習したデータに偽情報・誤情報が含まれていれば、生成した動画も誤ったデータに「汚染」されることがあります。また、インターネット上にAIが生成したデータが爆発的に増え、オリジナルのデータの割合が相対的に減ることで、新たに学習するデータに偏りが生じることも指摘されています。

もし動画が汚染されていた場合、その動画の信頼性は低下し、それをリリースした企業の信頼性まで疑われる恐れがあります。フェイクによる扇動や差別などが含まれている場合は、なおさらです。そのため、AIが生成した動画をリリースする前には、情報が信頼できるか、扇動的ではないかなど、人間が必ず最終的なチェックをすることが求められます。

加えて、AIに誤って機密情報を学習させてしまうと、それを反映させた動画が生成される恐れがあるので、その点にも注意が必要です。個人情報など秘匿性の高い情報が、万が一にも漏れることがないよう、AIを活用する前にルールやガイドラインを明確化しましょう。

まとめ

従来は動画制作に多くのコストを払う必要がありました。しかし近年では、動画生成AIの登場によって、専門的な技術と知識がなくても、文章で指示するだけで簡単にクオリティが高い動画を作成することが可能です。高品質なプロモーション動画などを低コスト・短時間で作成できるので、マーケティング・広告をより効果的に行えます。ひいては自社の利益の拡大にも直結するはずです。

また、ビジネスシーンにおける生成AIの有効活用は、動画制作だけにとどまりません。文章の自動生成や、ユーザーとの対話システムなども発展がめざましい分野です。これらを複合的に活用することで、社内の作業効率改善、カスタマーへの新たな価値提供などが容易になります。

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