FAQ(よくある質問)を理解せよ | Q&Aの違いや導入の利点
手順とポイントを網羅

 2024.12.24 2022.05.11

FAQとは、Frequently Asked Questionsの略で、「頻繁に尋ねられる質問」と訳されます。コールセンターやメールなどで頻繁に寄せられる質問を、回答と対にしてまとめたものです。これらは、顧客やユーザーの自発的な問題解決に役立ち、自社スタッフの業務を効率化します。
本記事はFAQの概要から、導入効果・作成手順・作成のコツ・注意点まで解説します。

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FAQとは

FAQとは、「Frequently Asked Questions」の頭文字を取った略語で、「頻繁に尋ねられる質問」という意味です。日本語サイトでは「よくある質問」と表記されていることも多く、質問と回答が対になる形で提供されています。

社外FAQを整備すれば、自社サービス・商品への疑問を顧客に自発的に解決してもらえるようになります。また社内FAQを設置すれば、業務について疑問を持った従業員も自主的に解決可能となります。適切に運用することで、「顧客からの問い合わせ業務について負担を軽減する」「社内の課題解消プロセスを効率化する」などのメリットが実現していくでしょう。

実際今日では、一般顧客向け・社内向け・コールセンター向けなど、さまざまな形態のFAQが効果を発揮しています。そこでまずは、FAQの種類について、「Q&Aとの違い」を軸に解説します。
https://www.cloud-contactcenter.jp/blog/tag/knowledge

FAQの種類

FAQは大きく「一般顧客向け」「社内向け」「コールセンター向け」の3種類に分けられます。

一般顧客向けFAQ

一般に、企業サイトやECサイトなどに設置されているFAQです。商品やサービスについての不明点・疑問点がある顧客は、このFAQを見ることで自主的に解決可能となります。企業側が設置する際は、「誰が見てもわかりやすい質問文・回答文」としておくことが重要です。

社内向けFAQ

社内の従業員たちは日々、「ツールやシステムの使用方法」「項目ごとの適切な事務処理の仕方」などについて、労務・総務へ問い合わせを行っています。これら問い合わせへの応答業務も、社内FAQによって効率化可能です。近年では、国の推進する「働き方改革」へ沿うために、社内FAQを導入する企業が増えてきました。

コールセンター向けFAQ

コールセンターで働くオペレーターをサポートするためのFAQです。「どんな問い合わせには、どう答えたらよいか」を一覧化した、マニュアルとして利用します。
1人のオペレーターには、多くの顧客から多種の問い合わせが寄せられます。そこで、マニュアルやノウハウをFAQとして統一化して整備しておくことが、顧客トラブルを防ぐ手立てになります。オペレーターの経験が浅くても、きちんと理解できるわかりやすいFAQを作成しておくことが大切です。

※FAQ自体については、以下で詳細に解説しています。
https://www.cloud-contactcenter.jp/blog/what-is-the-faq-system.html
※コールセンター向けFAQについては以下でより詳しく解説しています。
https://www.cloud-contactcenter.jp/blog/what-is-faq-system.html

FAQとQ&Aの違い

FAQの類義語のように用いられるQ&Aという語は、「Question and Answer」の略語で、「質問と回答」という意味です。FAQと同じく、質問と回答が対になっており、閲覧者の問題解決を目的としています。
実際、FAQとO&Aに明確な線引きは無く、同じ利用方法で扱われていることも多いです。しかし、頻繁にされる質問のみを対象とするFAQに対して、Q&Aは「想定される質問」も掲載しているという点に違いが見られます。必然的にQ&Aのほうが情報量は多くなります。この性質から、O&Aは取扱説明書などの巻末に掲載されていることも少なくありません。

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FAQの導入効果と注意点

企業が顧客向けFAQを導入した際に得られる効果は、主に顧客満足度の向上です。そしてFAQを見てくれる顧客が増えるほど、問い合わせ業務は効率化され、オペレーターの負担も軽減します。

また顧客向け以外のFAQにも、全般的に「ノウハウの蓄積・共有、SEO対策」などのさまざまなメリットがあります。ただし、FAQの利点を活かしきるためには、忘れてはいけない注意点も存在します。ここでは、FAQの導入効果と注意点をそれぞれ解説します。

FAQの導入効果

まずは4つのメリットを具体的に紹介します。

1. 顧客満足度の向上

主に一般顧客向けFAQ設置で得られるのがこのメリットです。商品・サービスに疑問を持つ顧客の多くは、できるだけ早い解決を望んでいます。そうした顧客は、コールセンターの受付時間に合わせて電話をかけること自体を「面倒」と感じてしまう場合も少なくありません。また、メールで問い合わせた場合も、返信が来るまで数日待たなければならないこともあり、心理的な負担と感じる場合もあるでしょう。
適切なFAQが設けられていれば、こうした顧客の期待に素早く応えられるでしょう。顧客は「自分の抱いている疑問を明文化した項目」と「最適な答え」とを瞬時に得られるので、満足度は大きく上昇するでしょう。
また、自社商材の購入を検討中の顧客に対しても、充実したFAQの存在は、購入意欲を高める効果を発揮します。

2. 問い合わせ件数が減ることによる負担軽減

社内FAQを含めて、従業員が直接対応する必要のある問い合わせ件数が減ります。そのため、各担当従業員の負担が大幅に低減されます。そうして業務量が減った分だけ、より重要な問い合わせに集中できる環境が自然と整っていくでしょう。
このような業務効率化は、労働時間を効果的に縮めることにもなるので、働き方改革を進める重要な要素でもあります。この意味でFAQは、現代の一企業なら必ず導入を検討すべき施策の1つと言えるでしょう。

3. ノウハウの蓄積・共有

社内FAQを作成することは、ノウハウの蓄積・共有を効率化します。つまり社内FAQは、一種のナレッジベースとしても使用できます。
システムの使用方法・事務処理・労務関連の事項、などについて細かくマニュアルを作成するよりも、FAQ形式で管理したほうが効果的でしょう。またコールセンター向けFAQなどで、「問い合わせ内容別の応答方法を一覧化する」などでノウハウを蓄積させていくことは特に有効です。新人の研修資料としても効果的でしょう。
いずれの場合も、誰が見ても理解できるようわかりやすく問いと答えを整備しておくことが最重要です。

4. SEO対策

「顧客が知りたい疑問への答え」を的確にまとめたFAQを自社サイト内に用意しておくことは、SEO対策つまり「検索エンジンで上位表示を目指す施策」としても有効です。
顧客が知りたい情報をしっかり把握し、FAQに組み込むことで、FAQページのアクセス数の増加につながるからですSEO対策としてうまく機能すれば、自社サイト自体への訪問数も増えるため、さらなる集客力向上につながっていきます。
顧客向けFAQについては、ぜひSEOを意識しながら作成・調整することを心がけましょう。「どんな疑問を持つ顧客が、どんなキーワードを検索して自社FAQへたどり着くか」をしっかりと予測して、FAQ整備を進めてください。

FAQを導入する際の注意点

次に、FAQ導入時の注意点を整理します。FAQのメリットを最大限に活かすには、次の3点を忘れずに作成・運用してください。

1. わかりやすい位置にリンクを置く

FAQへのリンクを、自社サイト内の目立つ場所に配置しておくことが重要です。どんなに質の高いFAQを作成しても、どこからそこにアクセスできるのかわかりづらければ、効果は上がりません。
顧客や従業員たちが、困ったときにすぐFAQに到達できるよう、サイトの見やすい位置にリンクを配置しておきましょう。例えば「こんなときは?」「よくある疑問」などの文言で誘導するとよいでしょう。

2. 定期的にメンテナンスを行う

例えば、自社商材はバージョンアップされているのに、FAQの質問・回答内容が更新されないままでは、FAQとしての意味がありません。また長期間変わらずに利用され続けている商品・サービスでも、問い合わせられる内容には変化が見られることもあるでしょう。なるべく1ヶ月に1回ほどのタイミングで、FAQの内容を調査・更新し、より現状に即したものへバージョンアップできるよう、定期メンテナンスをしましょう。

3. 使いやすい検索機能を用意する

FAQを設置しても、目的の内容が探しにくいとあまり効果を発揮できません。利用者を素早く目的の回答にたどり着かせるためには、検索機能の使いやすさが重要です。
具体的には、「FAQをカテゴリ別に分類すること」や「目次ページの作成」「タグの使用」など、検索性を高めるよう工夫しましょう。また、どうやって検索したらよいかわからないユーザーのために、曖昧な単語にも対応できるよう作成することが大切です。

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FAQの作成手順

それでは、FAQの作成手順を具体的に見ていきましょう。基本的には「1.質問項目の抽出」「2.分類」「3.作成する」「4.効果検証」の順に行うことをおすすめします。以降、手順ごとに解説します。

1.  質問の抽出

FAQの作成には、まず顧客や従業員たちからの問い合わせ内容と回答情報を集めます。メールフォームやコールセンターでのやり取りなどから、問い合わせデータを集めましょう。こうして収集したデータから、顧客やユーザーのニーズを抽出する作業に入ります。

2. 分類する

抽出したデータを、「回答が不要なもの」「FAQに載せるべき項目、」「AQでは解決しがたい項目」「専門知識を要する項目」などへ分類します。
さらに、FAQに載せるべき項目から質問頻度が高いものを順位付けし、FAQに反映していきます。このときには、載せるべき優先順位をAクラスからCクラスまで分類する「ABC分析」もおすすめです。優先順位を決めたら、検索性を高めるために、質問内容を種類分けします。

3. 作成する

FAQの優先順位や内容ごとの種類分けまで完了したら、実際にFAQを作成します。読んでもらいやすくするポイントは、「わかりやすくシンプルな文言を用いること」です。できるだけ「一問一答」を心がけてください。
ただし、必要な情報が入っていなければFAQとして成立していません。また、間違った内容も厳禁です。そのため作成後は、第三者に校正してもらうことも重要です。

4. 効果検証

作成や掲載が完了したら、「FAQによって実際にどんな効果が生まれたか」を検証しましょう。具体的な基準としては、「FAQへのアクセス数が増えたか」「コールセンターなどへの問い合わせは減ったか」「顧客満足度は上がったかなど」などを立てるとよいでしょう。
期待した効果が見受けられない場合は、FAQの改善も必要です。項目の立て方や検索機能の使いやすさ、文言の適切さなどを確認・修正します。効果の高いFAQ作成には、この効果検証と修正のプロセスを繰り返す必要があります。またFAQの質を維持するために、先述の定期メンテナンスも怠らないようにしましょう。

※次の記事で、一般顧客向けFAQ作成についてさらに具体的に解説しています。
https://www.cloud-contactcenter.jp/blog/voc/construction-of-external-faq-using-call-reason-analysis.html

FAQ作成のコツ

最後にFAQ作成全般に関わるコツを押さえておきましょう。根本的に大切なのは、「顧客や従業員たちなどの、利用者目線で作成すること」です。
具体的には、「専門用語を多用しない」「レイアウトを工夫する」「項目間をリンクで結ぶ」という3点が、質の高いFAQ作成に欠かせません。

専門用語を多用しない

業界内で普段使われている用語でも、一般にはなじみがない場合も少なくありません。そのため特に顧客向けFAQでは、専門用語をなるべく使わず、誰もが理解できる簡単な言葉で説明しましょう。併せて専門用語を使用する際は、注釈を付け加えるなどの工夫を施しましょう。
なお、先述のように「一般顧客がどんな言葉を使って、自社商材の疑問点・不安点を検索しているか」をSEO視点から調べることも、効果的なFAQ作成に有効です。

レイアウトの工夫

単に文字が羅列しているだけでは、利用者の解決意欲を削いでしまいます。可能な限り「各項目が見やすく、探しやすく、シンプルに表示されていること」も質の高いFAQのポイントです。
また、適宜図やイラストを挿入することも有効です。専門的な説明内容でも、画像によって図解すればわかりやすく伝えられるでしょう。加えて、FAQページ全体のデザイン、文字間隔といった各側面について、使いやすいレイアウトを心がけるとよいでしょう。

リンクの設置

各項目には、関連性の高い内容へのリンクを設置しておくと、FAQとしての使用感は格段に高くなります。利用者が、「探している項目と類似する項目へたどり着いた」という場合にも、再検索することなく目的の項目へ到達できるようになるからです。

まとめ

FAQは、顧客やユーザーから頻繁にされる質問を、回答と対にしてまとめたものです。FAQを導入することで、顧客満足度の向上や問い合わせ件数の削減、社内ノウハウの蓄積やSEO対策などに効果があります。
FAQを設定する際は、質問抽出と分類を入念に行い、そのデータに基づいて作成しましょう。また、作成後も効果検証と修正を欠かさないでください。
FAQの質を向上させるためには、なるべく専門用語の使用を避ける、項目間にリンクを設置するなど、利用者目線で作成・調整していくことが大切です。また、FAQページの配置場所やレイアウト、検索機能にも配慮し、定期メンテナンスも忘れずに行ってください。

ぜひ本記事を参考に、FAQの導入効果を最大化していきましょう。

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竹田 努
竹田 努
2004年に入社後、10年ほどは大型コンタクトセンターを中心に、オペレーション、経営企画、営業(プライシング)、事業管理部門など経験。その後アソシエイトパートナーとして、各種業界(通信、金融、メーカー、小売り、サービス業)のコンタクトセンターのソリューション導入、生成AIの活用や、データ活用など幅広い分野でプロジェクトを牽引。プロジェクト管理、統括責任者としての実績が豊富で、顧客に寄り添うことをモットーにしております。
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