メディアで取り上げられることも増え、ますます注目を集めている「ChatGPT」。さまざまな用途に活用できることから、現在では個人ユーザーだけでなく企業も熱い視線を送っています。本記事では、ChatGPTの概要やできること、使い方などについて詳しく解説します。
そもそもChatGPTとは
ChatGPTとは、アメリカに拠点を構えるOpenAIがリリースした言語モデルです。OpenAIは人工知能の研究開発を行う機関であり、世界的に著名な実業家が出資していることでも知られています。
ChatGPTの特徴は、入力された質問に対しAIが自然な回答を行う点です。近年ではさまざまなシーンで活用が始まっており、企業がビジネスに活かすケースも増えてきました。たとえば、広告クリエイティブの自動生成やデータベースからのテキスト抽出、事業内容の要約などが挙げられます。
ChatGPTにはいくつかのシリーズがあります。最新版はGPT-4で、初代GPTは2018年に、GPT-2は2019年に、GPT-3は2020年にリリースされました。それまでは、テキストのみしか入力できませんでしたが、GPT-4では画像も入力可能であり、抽象的な情報も推論できるようになっています。
ChatGPTの便利な使い方やできることを紹介
ChatGPTへの注目度はますます高まりつつあり、現在ではビジネスに利用しようとする企業も増えています。ChatGPTはプログラミングやコーディング、文章の要約、翻訳などさまざまなことが可能であり、うまく使えばビジネスへの活用が可能です。
プログラミング・コーディング
ChatGPTにできることのひとつとして、プログラミングやコーディングが挙げられます。さまざまなプログラミング言語に対応できるため、「Pythonでシンプルなコーディングをしてみて」といった指示を出せば、それを実行してくれます。
また、プログラミングした内容に誤りがあった場合、ChatGPTが指摘してくれるのもメリットです。対象のコードを入力し、どこに誤りがあるのか教えてほしいと質問すれば、問題のある箇所を指摘してくれます。
ChatGPTを活用すれば、一部のコーディング作業を自動化したり、ミスの抽出をしたりといったことが可能であり、業務効率化も実現できます。
文章の要約
長々とした情報を短く要約したい、といったシーンでもChatGPTが活躍します。要約したい長文テキストをコピペし、要約してほしいと指示すれば実行してくれます。
長文から重要な情報を取捨選択し、短く要約するのは簡単ではありません。文章のボリュームによっては、相当な手間と労力が発生します。一方、ChatGPTを活用すれば短時間で長文を要約してくれるため便利です。
たとえば、自社が携わっている事業の情報を分かりやすく要約したい、動画コンテンツの要約文を生成したい、といった場合に役立ちます。
翻訳
ChatGPTは翻訳にも利用できます。日本語から英語、韓国語から中国語など、異なるさまざまな言語同士の翻訳も可能です。また、翻訳ツールを利用したときによくある、不自然な翻訳になることが少なく、自然な形の回答を得られるのも魅力です。
実際に翻訳をしたいときは、「私は朝8時のバスに乗らなければなりません、を英語と中国語に翻訳して」のように命令しましょう。このケースでは、画面に英語と中国語に翻訳した答えがそれぞれ表示されます。
スピーディーな翻訳が可能であるため、ビジネスからプライベートまでさまざまなシーンで活用できます。
ChatGPTの始め方
ChatGPTの始め方は簡単です。PCやスマートフォンなどの端末とインターネット接続環境さえあれば、すぐにでも利用を開始できます。ブラウザから利用できるサービスであるため、ソフトウェアやアプリを端末にインストールする必要もありません。
1.公式サイトからChatGPTにアクセス
まずは、OpenAIの公式サイトへアクセスしましょう。GoogleでOpenAIやChatGPTと入力して検索すれば、公式サイトはすぐ見つかります。アクセスしたら、画面に表示されている「Try ChatGPT」をクリックしましょう。画面が移動したら、「Sign up」を選択します。
2.アカウントを作成
Sign upを選択すると、アカウント作成のページへ移動します。「Create your account」と表示されているのを確認し、所定の入力フォームへメールアドレスを入力しましょう。入力が終わったら「Continue」をクリックし、パスワードを設定します。
パスワードは、8文字以上であれば、特に英数字や記号を組み合わせる必要はありません。ただ、セキュリティの観点から予測しやすい数字の羅列などは控えたほうが無難です。パスワードの設定が終わったら、再度「Continue」を選択します。
3.OpenAIから届いたメールから登録
登録したメールアドレスに、OpenAIからのメールが届いているはずなので、確認しましょう。届いていないのなら、メールアドレスの綴りなどに誤りがあるのかもしれません。もしくは、迷惑フォルダに格納されている可能性もあります。
メールを開き、「Verify email address」をクリックしましょう。氏名を入力するフォームが表示されるので、入力して「Continue」をクリックします。さらに、電話番号を入力して「Send code」を選択、送られてきた6桁のコードを入力したら手続きは完了です。
ChatGPTを使う際の注意点
ChatGPTは、長文の要約や翻訳、コーディングなどさまざまなシーンで活用できる反面、使用に関してはいくつか注意点があります。場合によっては、トラブルに発展するリスクもあるため、注意点を踏まえたうえで使用しましょう。
情報が不確実
ChatGPTの回答がすべて正しいとは限りません。インターネット上から収集した情報に基づいて回答するため、ソースそのものが間違っていれば提示される答えも誤っているおそれがあります。
また、最新の情報を反映した回答が期待できない点にも注意が必要です。現在、ChatGPTには2021年9月ごろまでの情報しかインプットされていないため、最新情報から導き出さなければならない回答は不可能です。
不適切な表現をする可能性がある
基本的に、ChatGPTはモラルに反する答えや差別的な回答は控えるよう設計されています。ただ、それも確実ではありません。回答のベースとなる情報はインターネット上から収集するため、ときには不適切な表現をしてしまうケースも考えられます。
そのため、ChatGPTで生成したコンテンツを使用する際には、人の目で確認が必要です。特に、ビジネスで使用する際には、あとから大きな問題に発展しかねないため、確認を怠らないようにしましょう。
悪用の恐れがある
優れた言語モデルとして注目を集めているがゆえに、今後悪用されるおそれは十分あります。たとえば、マルウェアやフィッシングメールの作成、架空請求サイトのコーディングなどに悪用されるケースが考えられます。
ChatGPTであれば、プログラミングやコーディングの知識、経験がない人でも犯罪に利用できるプログラムが作成できてしまう危険性があります。今後、利用者がより一層増えると考えられるため、ChatGPTを悪用するケースがより増加していくかもしれません。
まとめ
ChatGPTは注目を集めている言語モデルであり、最新版はテキストだけでなく画像でのデータ入力も可能となりました。うまく活用すれば、業務効率化や生産性向上などに役立つほか、プライベートでもさまざまなシーンで利用できます。ただ、使用にあたっては注意すべき点もありますので、対策を考えたうえで利用することをおすすめします。
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