ナレッジマネジメントツールとは? 導入メリットや比較ポイントも解説

 2023.02.24  2024.04.24

企業が持続的に発展していくためには、競合他社にはない付加価値の創出とともに、属人化しがちなノウハウの標準化が欠かせない要素です。そこで重要な役割を担うソリューションが「ナレッジマネジメントツール」です。本記事ではナレッジマネジメントの概要や重要性について解説するとともに、主な種類や選定時のポイントなどを紹介します。

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ナレッジマネジメントツールとは

「ナレッジマネジメントツール」とは、優れた人材が持つ高度な技術や深い知識を共有するためのシステムを指します。「ナレッジ(Knowledge)」には「知識」や「知恵」といった意味があり、ビジネスシーンでは有益な情報や付加価値の高い知識などを示す概念です。そして、このナレッジを暗黙知から形式知へと変換し、組織全体で共有する経営管理手法を「ナレッジマネジメント」と呼びます。ナレッジマネジメントの実践を支援し、ノウハウの共有によって経営基盤の総合的な強化をもたらすことがナレッジマネジメントツールの役割です。

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ナレッジマネジメントツール導入のメリット

ナレッジマネジメントツールは、事業活動を通して(組織を構成する)個人に蓄積されたノウハウを共有するために導入されます。ナレッジマネジメントツールの導入は「業務効率の向上」と「属人化の防止」という2つのメリットを組織にもたらします。

業務効率の向上

ナレッジマネジメントツールの導入によって特定の個人が持つナレッジを共有できれば、関連業務に携わる他の従業員の遂行能力を一定以上の水準に保てることが大きなメリットのひとつです。従業員一人ひとりの能力の底上げが既存業務の効率化につながり、組織全体の労働生産性向上が期待できます。また、ナレッジは体系化された形式でデータベースに保管されるため、必要なノウハウの検索性が向上することもメリットです。それによってたとえば、ベテランの持つ暗黙知の共有や継承が容易になり、従業員の教育や育成といった人的資源管理の効率化に貢献します。

属人化の防止

企業が競合他社に模倣できない独自の付加価値を創出するためには、たとえば熟練工の高度な技術や経験によって培われたベテランの知見、特定の分野に特化した従業員の専門知識といったナレッジが必要です。しかし、専門性の高い技術や知識は特定の個人に依存しがちで、業務プロセスの属人化を招く要因となりかねません。ナレッジマネジメントツールの活用によって専門的な知見を共有する仕組みを確立できれば、競合他社には真似できない独自の付加価値を創出し、そのノウハウを組織に属するすべての従業員が共有できる点が大きなメリットです。また、属人化を排して業務の透明化を図れば、業務上のトラブル防止にもつながります。

ナレッジマネジメントツールの主な種類

ナレッジマネジメントツールは大きく分けると、以下に挙げる4つのタイプに分類されます。

  • ヘルプデスク(専門知)型
  • 業務改善型
  • ベストプラクティス共有型
  • 分析・戦略策定型

ヘルプデスク(専門知)型

「ヘルプデスク(専門知)型」とは、専門的な知識をマニュアルに落とし込み、そのナレッジをデータベース上で共有するタイプです。時間や場所に縛られることなくナレッジにアクセスできるため、ヘルプデスクの担当者や専門知識を有する従業員の業務負荷を大幅に軽減できます。たとえば、よくある質問とその回答を体系化したFAQシステムが代表的なソリューションのひとつです。FAQシステムの効率的な運用を目指す企業は、以下のリンクからベルシステム24が提供するサービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

FAQ運用によるメール問い合わせ削減

業務改善型

「業務改善型」は、専門的な知識を形式知へと落とし込むだけでなく、業務プロセスの進め方や課題解決のフレームワークなどをデータベース化するナレッジマネジメントツールです。たとえば、コールセンターに寄せられた顧客の声を収集するだけでなく、各種問い合わせやクレーム対応のノウハウを蓄積することにより、オペレーターの応対品質の向上が期待できます。ベルシステム24が提供する「Salesforce Service Cloud」で、コールセンターの業務領域にナレッジマネジメントを導入すれば、顧客体験価値の点でも最大化が見込めます。

ナレッジマネジメントーSalesforce Service Cloudの活用

ベストプラクティス共有型

「ベストプラクティス共有型」とは、特定の従業員が持つ成功体験や行動パターンから最も効率的かつ効果的な手法を形式化し、組織全体で共有するタイプです。具体的には個人の持つ専門的な技術や深い知識、これまでの業務で蓄積された経験といった暗黙知を体系化・マニュアル化し、形式知へと落とし込んで従業員の総合的な能力を底上げします。たとえば、優秀な営業担当者が成約に至るまでのセールスフローを体系化できれば、営業部門に属する他の従業員の総合的なスキルアップが期待できます。

分析・戦略策定型

「分析・戦略策定型」は、事業活動を通して収集・蓄積されたナレッジを客観的かつ俯瞰的に分析し、経営戦略やマーケティング戦略の立案・策定に活用するナレッジマネジメントツールです。データウェアハウスや、異なる形式のデータをまとめてExtract(抽出)・Transform(変換)・Load(送出)するETLツール、社内コミュニケーションを活性化するグループウェアなどが代表的なソリューションとして挙げられます。ビッグデータ分析の重要性が高まりつつある現在、ナレッジマネジメントを実践する上で欠かせないソリューションです。

ナレッジマネジメントツール搭載の機能

ナレッジマネジメントツールの主な機能には「ヘルプデスク(FAQ)」「ファイル共有」「データマイニング」「グループウェア」「検索」などがあります。たとえばファイル共有は、文字通り社内で業務上のファイルを共有するための機能ですが、ファイルをやり取りできるだけでなく、バージョン管理なども行えます。またデータマイニング機能を使えば、蓄積されたデータを統計的手法で分析し、必要な情報だけを抽出することが可能です。

ナレッジマネジメントツール選定時の比較ポイント

ナレッジマネジメントツールを導入する際は、選定時に押さえておくべきポイントがいくつか存在します。なかでも重要度の高いのが以下の3点です。

使いやすさと機能

ナレッジマネジメントツールを選定する際は、使いやすさと機能に着目しなくてはなりません。組織に属する各個人のITリテラシーには差があるため、搭載されている機能だけでなく、操作性や視認性といったUIを確認することも大切です。そのため、まずは導入前に無料トライアルを利用してUIと機能を確認し、その上で競合製品と比較・検討することをおすすめします。

対応デバイス

対応しているOSやデバイスの確認は必須のプロセスです。たとえば、macOSや特定のモバイルデバイスに対応していない製品もあるため、必ず自社のIT環境を確認した上でソリューションを選定する必要があります。特に現在はテレワークやハイブリッドワークが普及しつつあるため、スマートフォンやタブレットに対応した製品の選定をおすすめします。

セキュリティ

事業領域でナレッジマネジメントツールを活用する場合、技術情報や製品開発情報などを取り扱うケースが想定されます。事業活動を通して収集・蓄積されたナレッジは知的財産であり、ナレッジの管理には堅牢なセキュリティ体制を整備しなくてはなりません。ID管理やアクセス権限設定、ログの監視・追跡などの機能を確認し、セキュリティ上の要件を満たす製品を選定することが大切です。

まとめ

特定の個人が持つ専門的な技術や知識を組織全体で共有する経営管理手法をナレッジマネジメントと呼びます。このナレッジマネジメントの実践を支援し、業務プロセスの効率化や属人化の防止によって経営基盤の総合的な強化をもたらすことがナレッジマネジメントツールの役割です。ナレッジマネジメントツールは大別すると「ヘルプデスク(専門知)型」「業務改善型」「ベストプラクティス共有型」「分析・戦略策定型」という4タイプがあり、自社の経営体制に適したソリューションを選定しなくてはなりません。ナレッジマネジメントツールの戦略的活用を目指す企業は、ベルシステム24が提供する「Salesforce Service Cloud」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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