クラウドPBXは電話番号そのままで移行できる?
既存番号の引き継ぎ条件と番号ポータビリティを解説

 

この記事でわかること
  • 番号の種類別・引き継ぎ可否の判断基準
  • 2つの移行方式とコストへの影響
  • 失敗しない移行の進め方

「オフィスの電話をクラウドPBXに乗り換えたいけれど、長年使ってきた会社の電話番号が変わるのは絶対に困る」

クラウドPBXの導入を検討する際、多くの担当者がこの悩みに直面します。顧客や取引先に浸透している代表番号が変わると、名刺・パンフレット・Webサイトの修正だけでも多大なコストがかかります。連絡が取れなくなることによる商機の損失も、無視できないリスクです。

条件を満たせば、ほとんどのケースで既存の電話番号をそのままクラウドPBXへ引き継げます。

さらに、2025年1月から「双方向番号ポータビリティ」という新制度が始まりました。従来は「移行できない」と断られていたケースでも、そのまま番号を移せる可能性が大きく広がっています。

本記事では、「電話番号そのまま」を実現するための条件・仕組み・失敗事例・最新の番号ポータビリティ事情を、総務担当者からITインフラ責任者の方まで分かりやすく解説します。

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【種類別】クラウドPBXでそのまま使える電話番号・使えない電話番号

オフィスで使っている電話番号には複数の種類があり、その種類によって引き継ぎの可否が変わります。まず自社の番号がどの種類に該当するかを確認してから、移行計画に進みましょう。

市外局番(03・06など / 0AB-J番号)

結論:基本的に引き継ぎ可能です。

「東京03」や「大阪06」など、地域情報が入った10桁の番号(0AB-J番号)は、企業の信頼性に直結する重要な資産です。後述する「番号ポータビリティ(LNP)」という仕組みを使うことで、クラウドPBXへそのまま移行できるケースがほとんどです。ただし、移転先のエリアや契約状況によっては引き継ぎできないケースもあるため、ベンダーへの事前確認は必須です。

フリーダイヤル・着信課金番号(0120・0800など)

結論:そのまま継続利用が可能です。

「0120」や「0800」から始まる着信課金番号は、コールセンターやお客様窓口で広く使われています。これらの番号は独立した回線を持つわけではなく、実体となる固定電話番号(裏番号)に紐づけて着信させる仕組みです。クラウドPBXへ移行した新しい固定電話番号に紐付け先を変更するだけで、フリーダイヤル番号はそのまま使い続けられます。

IP電話番号(050番号)

結論:原則として引き継ぎ不可です。(要注意)

「050」から始まるIP電話番号は、安価に発番できる反面、番号の構造自体に「発行元の通信事業者を識別するコード」が組み込まれています。そのため、スマートフォンのMNP(携帯電話番号ポータビリティ)のように他社サービスへ番号だけを持ち出すことが、制度上・技術上できません。他社のクラウドPBXへ乗り換える場合は、原則として新しい050番号を取り直すことになります。

既存の電話番号をクラウドPBXに引き継ぐ2つの方法

既存番号を維持したままクラウドPBXを導入するには、大きく分けて2つのアプローチがあります。どちらを選ぶかによってインフラ構成・ランニングコスト・管理負担が変わるため、自社の状況を踏まえて判断してください。

番号ポータビリティ(LNP)を利用する(推奨)

番号ポータビリティ(LNP:Local Number Portability)とは、電話番号の権利をそのまま新しい通信事業者(クラウドPBXベンダー)へ移す仕組みです。「ドコモからソフトバンクへ乗り換えても同じ番号を使い続けるMNP」と同じイメージで捉えると分かりやすいでしょう。

LNPを使えば、オフィス内に物理的な電話回線や主装置(PBX機器)を残す必要がなくなります。インターネット環境さえあれば社外・テレワーク先でも受発信が可能になり、既存の回線基本料も削減できます。完全なクラウド化とランニングコスト削減を同時に実現できる、最も推奨される移行方法です。

VoIPゲートウェイ(変換機器)を設置する

LNPを利用できない場合の代替手段として、VoIPゲートウェイという変換機器を設置する方法があります。現在の物理的な電話回線(アナログ回線やISDNなど)をオフィスに残し、その回線とクラウドPBXのネットワークをVoIPゲートウェイで橋渡しする仕組みです。

番号を維持したままスマホ内線化などのクラウドPBX機能を使える点はメリットです。ただし、ゲートウェイ機器の導入費用(数万円〜十数万円)がかかるうえ、従来の電話回線基本料とクラウドPBX利用料が二重に発生します。コスト面の負担が大きいため、LNPが使えない場合の救済策として位置づけましょう。


クラウドPBX選定の手引き
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【失敗事例に学ぶ】絶対にやってはいけない移行時の注意点

電話番号の移行では、たった一つのミスが「番号の消滅」という取り返しのつかない事態を招くことがあります。特に注意すべき失敗事例を紹介します。

最大の失敗:「移行完了前に、元の電話回線を解約してしまう」

クラウドPBXの開通前に、現在の電話回線を絶対に解約しないでください。

番号ポータビリティの手続きは、元の回線契約が「有効」な状態でしか行えません。移行の準備が進んでいるからといって先に旧回線を解約すると、その瞬間に電話番号の権利は通信事業者に返還・消滅し、二度と同じ番号を復活させることはできなくなります

「クラウドPBXでの受発信テストが完了し、正常に切り替わったことを確認してから旧回線を解約する」という手順を必ず守ってください。これが番号移行における最大の鉄則です。

スムーズに電話番号を移行するための手順(5ステップ)

トラブルなく安全に既存番号をクラウドPBXへ移行するための、実務的な5つのステップを解説します。担当者が変わっても迷わないよう、社内で手順書として共有しておくと安心です。

  1. 現状の契約確認
    請求書や契約書類を手元に用意し、利用中の電話番号・回線の種類(アナログ、ISDN、ひかり電話など)・契約名義・発番元キャリアを正確に把握します。
  2. ベンダーへの適合診断
    検討中のクラウドPBXベンダーに対し、「自社の電話番号がLNPで引き継ぎ可能か」の事前調査を依頼します。
  3. 申し込み・LNP申請代行
    クラウドPBXに申し込むと、多くの場合ベンダーがNTT等への番号ポータビリティ申請手続きを代行してくれます。
  4. 切り替え工事(不通時間への対策)
    準備が整うと、指定した日時に基地局側で切り替え工事(データベースの書き換え)が行われます。この際、数分〜最長1時間程度の「不通時間」が発生します。業務への影響を最小化するため、切り替えは営業時間外や昼休みに設定しましょう。
  5. 運用開始と旧回線の解約
    新しいクラウドPBX環境(スマホアプリやPC)で着信・発信の確認が取れてから、旧回線の解約・撤去依頼を行います。

番号を引き継ぐ際にかかる費用・手数料の相場

番号ポータビリティを利用してクラウドPBXへ移行する場合、通信事業者間で発生する手数料やシステム設定費がかかります。

  • 番号ポータビリティ費(同番移行費)
    1番号あたり 数千円程度
  • クラウドPBXの初期工事費・システム設定費
    ベンダーにより異なりますが、数千円〜数万円程度

元の回線の契約内容によっては、解約時の違約金や光回線工事費の残債が一括請求される場合があります。移行前に契約内容を確認し、発生しうる追加費用を把握しておきましょう。

まとめ

長年ビジネスを支えてきた電話番号は、顧客との信頼関係が積み重なった重要な資産です。

2025年1月の「双方向番号ポータビリティ」解禁により、以前は諦めざるを得なかったケースでも「電話番号そのまま」でクラウドPBXへ乗り換えられる可能性が広がりました。一方で、移転先エリア・発番元キャリア・付加サービスの契約状況によっては移行できないケースも依然として存在します。

自社の番号が引き継げるかどうか、またLNPとVoIPゲートウェイのどちらが最適かは、現在の契約状況や立地によって異なります。「うちの番号はクラウドPBXに持っていける?」と少しでも疑問を感じたら、信頼できるクラウドPBX専門業者へ無料の適合診断・移行相談を申し込んでみてください。

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