PBXダイヤルイン方式とは何か?
電話交換機の仕組みとメリットを徹底解説
コンタクトセンターの森 編集部
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コンタクトセンターの森 編集部
代表電話が鳴るたびに作業の手を止め、用件を確認し、担当者を探して転送する。この「電話の取次ぎ業務」が、事務スタッフや総務担当者の大きな負担になっていませんか。
「電話対応に追われて、本来の仕事がなかなか進まない」と感じているなら、ダイヤルイン方式が解決策になるかもしれません。この記事では、ITの専門知識がない方でもわかるよう、ダイヤルインの仕組みや種類、費用の目安、導入時の注意点をひとつひとつ説明します。

電話の取次ぎ業務は、企業の規模が大きくなるほど深刻な問題になります。
お客様から代表番号に電話がかかってくると、まずは事務や総務のスタッフが応対することになります。しかし、電話の目的は「営業への問い合わせ」「経理への請求書の確認」「サポートへの質問」など、さまざまです。用件を聞き出して適切な担当者へ回す作業は、一件一件は短時間でも、積み重なると1日の業務時間を大きく圧迫します。担当者が不在の場合は折り返しの手配も必要となり、間に入るスタッフの負担はかなりのものになります。
このアナログな取次ぎ業務をなくし、お客様と担当者を直接つなぐ仕組みが、PBX(構内交換機:オフィスの内線電話を管理する装置)のダイヤルイン機能です。
ダイヤルインとは、「1つの電話回線で複数の電話番号を持てるサービス」です。この仕組みにより、部署ごとに専用番号を設けながら、回線の増設コストを最小限に抑えられます。
通常の家庭用電話は「1回線につき1番号」で成り立っています。部署ごとに回線を引き直そうとすると、多額の工事費と毎月の基本料金がかかります。ダイヤルインは、オフィスに設置されたPBX(構内交換機)を介することで、少ない回線のまま「電話番号だけ」を複数追加できる仕組みです。
ダイヤルインを使うと、お客様が「営業部直通の番号」に電話をかけた瞬間、PBXが自動で宛先を判断して営業部の電話機だけを鳴らします。
具体的には、お客様が追加番号に発信すると、NTTなどの通信局からオフィスのPBXに「この番号宛てに着信あり」というデータが送られます。PBXはそのデータを読み取り、対応する部署の電話機だけに着信させます。郵便に例えると、宛名を読んで正しい部屋のポストに投函するような働きです。取次ぎスタッフを介さずにお客様と担当者がつながるため、双方の時間を節約できます。
ダイヤルインと混同しやすい「代表組」という仕組みがあります。両者の違いを把握しておくと、自社に合った電話環境を選びやすくなります。
現在、多くの企業はこの2つを組み合わせて、電話が混み合いにくく、かつ取次ぎも不要な環境を作っています。
ダイヤルインには、通信会社が提供するサービスを使う方式と、PBX側の機能を活用する方式の2種類があります。見積もりや提案の場面でよく出てくる用語を事前に確認しておきましょう。
複数の電話回線をまとめてグループ化し、そこに回線数よりも多い番号を紐づける方式が「代表ダイヤルイン」です。
たとえば、2回線を用意してそこに4つの電話番号を設定するような使い方です。複数の番号で着信を受け付けながら、回線数の上限まで同時通話ができます。最小限の回線数で「混み合ってつながらない」事態を防げるため、中小企業に広く普及しています。
通信会社の回線サービスではなく、PBXの機能を使って番号を振り分ける方式が「追加ダイヤルイン」です。
代表番号に電話がかかってきた際、「営業部は1を、経理部は2を押してください」という音声ガイダンスが流れ、お客様が内線番号を押すことで直接つながります。番号を追加取得する費用がかからない点がメリットです。ただし、お客様側でボタン操作が必要なため、操作に不慣れな方への電話口での案内が必要になる場合もあります。
ダイヤルイン方式には、事務スタッフの業務効率化とコスト削減という、現場にとって直接的な2つのメリットがあります。
用件ごとの専用番号を持てるため、総務や受付スタッフが電話を受けて転送する作業が大幅に減ります。
「営業部直通」「採用担当直通」といった番号をお客様に周知しておけば、かかってきた電話はそのまま担当部署に届きます。事務スタッフは取次ぎに費やしていた時間を、経理処理や書類対応など本来の業務に充てられます。お客様にとっても「たらい回しにされる保留時間」がなくなるため、対応品質の向上にもつながります。
新しい電話回線を引くのと比べると、ダイヤルインで番号だけを追加する方がコストを大きく抑えられます。
物理的に新回線を引く場合は、初期の配線工事費に加え、毎月の回線基本料が部署の数だけ積み上がります。ダイヤルインであれば、現在の回線数を変えずに番号だけを月額数百円〜千円程度で追加できます。部署や担当者が増えるタイミングでも、スモールスタートで始めて段階的に番号を追加できる柔軟性も魅力です。
便利なダイヤルインですが、導入前に押さえておくべき技術的な注意点が3つあります。事前に確認しておくことで、導入後のトラブルを防げます。
複数の回線をまとめて「代表ダイヤルイン」を構成する場合、対象の回線はすべて同じ「市内局番」でなければなりません。
市内局番とは、たとえば「03-XXXX-OOOO」の「XXXX」にあたる部分です。異なるエリアで取得した番号の回線は、同じグループにまとめることができません。複数の電話番号を既に利用している場合は、事前に通信会社や工事業者への確認が必要です。
ダイヤルインは電話番号をいくつでも追加できますが、同時に通話できる数は大元の回線数に依存します。
たとえば電話番号を10個持っていても、回線が2つしかなければ同時に通話できるのは最大2人です。3人目がかかってきた場合、相手側には「話し中」のツーツー音が聞こえてしまいます。繁忙期や問い合わせが集中する時間帯を想定して、回線数には少し余裕を持たせた設計をしておくと安心です。
NTTのISDN回線(INSネット)は2024年1月よりIP網への移行が進んでおり、従来のダイヤルイン環境をそのまま維持することが難しくなっています。
これから電話環境の見直しやダイヤルインの新規導入を検討するなら、光回線を使った「ひかり電話」か、PBX装置ごとクラウド化して社員のスマホを内線化できる「クラウドPBX」への移行を合わせて検討することをおすすめします。将来的な回線終了リスクを先回りして解消できるため、長期的なコスト管理の面でも選択肢として有効です。
ダイヤルイン方式は、少ない回線のまま部署ごとの専用番号を持てる仕組みです。電話取次ぎ業務の削減、通信コストの圧縮、顧客対応品質の向上という3つの効果を、比較的小さな投資で実現できます。
現在のオフィスで「電話対応に追われて仕事が進まない」とお感じであれば、まずはダイヤルインの導入可否を通信会社や専門業者に相談してみてください。既存の回線状況や必要な番号数に合わせて、最適な構成を提案してもらえます。将来的にクラウドPBXへの移行も視野に入れているなら、その方向性も含めてまとめて確認しておくと、二度手間を防げます。
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