Webサイトの改善により、CVR(Conversion Rate)やCTA(Call To Action)、リピート率が向上し、ひいては組織の利益拡大も実現できます。ただし、Webサイトの改善は正しい手順、方法を把握したうえで取り組まなくてはいけません。本記事では、Webサイトの具体的な改善方法や成功へ導くポイントなどについて解説します。
Webサイトを改善する方法
Webサイトを改善するために、アクセス分析ツールやヒートマップツールなどの専用ツールを活用すると効果的です。また、ユーザビリティテストを実施することで、ユーザーの隠れたニーズをくみ取ることができるため、サイト改善に役立ちます。
アクセス分析ツールを利用する
アクセス分析ツールとは、Webサイトへの流入経路や訪問ユーザーの属性、ページ上での行動などを分析できるツールで、アクセス解析ツールとも呼ばれます。Googleが提供している無料ツール、Googleアナリティクスは代表的なアクセス解析ツールのひとつです。
アクセス分析ツールを活用すれば、リアルタイムなアクセス状況を把握できるほか、どこから流入したのか、どのページで離脱したのかなどが分かります。Webサイトの問題点を正確に把握できるため、Webサイト改善に有効です。
ツールによって、実装されている機能が異なる点に注意しましょう。まずは、Googleアナリティクスのような無料で利用できるツールを試し、機能不足を感じたタイミングで別の有料ツールを検討するのが賢明です。
ヒートマップツールを利用する
ヒートマップツールとは、Webサイトへアクセスしたユーザーが、各ページでどのような行動をしたか可視化するツールです。ユーザーがクリックした場所や、良く見ていたコンテンツなどを、色や模様で示します。このため、ユーザーの行動を視覚的かつ直感的に把握できます。
ヒートマップツールも、Webサイトが抱える課題の抽出に有効です。ほとんど見られていないエリアや、クリックされていないCTAボタンなども把握できるため、Webサイトの改善に役立ちます。
ヒートマップツールはサービスにより、特徴が異なります。このため、ツールを選ぶ際に、分析できるデータの種類を確認しましょう。また、サービスにより、対応できるWebサイトの規模やデータの保存期間なども異なるため、事前の比較や検討が欠かせません。
ユーザビリティテストを実施する
ユーザビリティテストとは、Webサイトを実際に利用するユーザーの発言や行動を基準に、使いやすさを評価するテストです。このテストを行うことで、ユーザーの潜在的なニーズを把握することができ、Webサイトを改善するためのヒントが得られます。
Webサイトのユーザビリティテストで設定する評価項目として、Webサイトの見やすさや情報へのアクセス性、操作性、コンテンツの品質などが挙げられます。もちろん、独自に評価項目を設定しても問題ありません。
テストはアンケート方式で行うのが一般的です。「操作性はどうでしたか」や「購入ボタンはすぐに見つけられましたか」など質問を設定し、選定したテストユーザーに回答してもらいます。
Webサイトを改善する手順
Webサイトの改善に取り組む前に、正しい手順を理解しておきましょう。やみくもに活動してしまうと、改善までにかえって時間がかかります。
ステップ1.目的を明確にする
まず、Webサイトを改善する目的を明確にします。「Webサイトを改善したい」のように漠然とした目的では不十分で、適切な対策も打ち出せません。
たとえば、「アクセス数を従来の2倍に増やしたい」や「売り上げを20%向上させたい」、「直帰率を従来の1/2にしたい」というように明確な目標を定めるべきです。目的が明確になれば、それを達成するための障害や、必要な施策が分かります。
ステップ2.現状を把握して課題を発見する
目的が明確になったら、Webサイトの現状を調査し、課題を洗い出します。現状を正確に把握することで、目的達成に向け不足しているものや、現状と理想の姿との差異が分かります。
Webサイトの現状把握と課題の抽出には、ツールの活用が有効です。Googleアナリティクスをはじめとしたアクセス解析ツールや、Webサイト上におけるユーザーのアクションを可視化できるヒートマップツールなどを活用してみましょう。
ステップ3.課題解決の改善案を考え、実施する
抽出した課題を解決する方法を、具体的に検討するフェーズです。たとえば、「売り上げをアップさせたい」という目的に対し、ヒートマップ分析の結果、CTAボタンの周辺はほぼユーザーの目に触れていないと分かったとしましょう。このケースでは、CTAボタンを見にくい場所に設置していたと考えられるため、ボタンの移設を検討する必要があります。
複数の改善案が立案できた場合は、優先順位をつけて施策を実施します。すべての施策を同時進行せず、大きな効果が期待できそうなものから着手します。
ステップ4.効果検証してPDCAを回す
Webサイトの改善活動は、1回限りではありません。改善のための施策を完了したあとに、効果検証を行います。効果検証を行わないと、施策の効果が分かりません。表向きは改善したように見えても、実際にはまったく成果が出ていないことがあります。
このようなリスクを回避すべく、PDCAサイクルを回して、施策の実施後は効果を検証し、さらにWebサイトをブラッシュアップすべきです。効果検証と新たな課題の抽出、改善策の立案と実施、効果検証、といったサイクルを繰り返すことにより、Webサイトは洗練されます。
Webサイトの改善を成功に導くポイント
Webサイトの改善を成功させるには、取り組みの目的を明確にすることと、ユーザーの視点に立つことが特に重要です。また、定期的に報告会を開催することで、新たな改善のヒントやアイデアを得られる可能性があります。
改善目的を明確にする
Webサイトの改善目的が明確でないと、分析や改善の対象が見出せず、具体的に何をすべきかも分かりません。そのため、Webサイト改善により、何を達成したいのかを明確にすることが第一歩です。
また、改善に取り組む際に、KPI(Key Performance Indicator)を設定することも効果的です。アクセス数を30%増やす、自然検索経由の流入を20%増やすなど、具体的な数値目標を掲げることで、改善活動の効果や、最終目標との乖離を把握できます。
ペルソナを設定し、ユーザーの視点で設計する
Webサイトの改善活動では、ユーザーの視点が必要不可欠です。ユーザーの視点ではなく、企業側の視点で施策を考えてしまうと、結果的に、ユーザーが使いにくいWebサイトへと改悪してしまうおそれがあります。
ユーザー視点で取り組むには、Webサイトの訪問者像であるペルソナを設定することが欠かせません。ペルソナを設定すれば、ユーザーの思考や行動などを深く理解できるようになり、施策にユーザー視点を盛り込めます。
定期的に報告会を開催する
Webサイト改善に関わる担当者を集め、定期的な報告会を開催することで、新たなアイデアやヒントを得られる可能性があります。また、担当者間で情報を共有することで、潜在的な問題点やミスを発見できることがあります。
一方、担当者が多数いる場合、報告会を開催するために膨大な手間と時間がかかります。そのような場合は、オンラインでの報告会も有効です。Web会議ツールやビジネスチャットツールなどを活用すれば、取り組みの現状報告や情報共有も容易にできます。
まとめ
正しい方法と手順でWebサイトの改善に取り組めば、CVRやリピート率などが向上し、売り上げ、利益の拡大も実現できます。効果の高い改善を行うためには、現状を正確に把握し、課題を抽出する必要があります。これらの工程をアクセス解析ツールを活用して行う方法もおすすめです。また、Webサイトの改善活動は、改善目的を明確にすることとユーザー視点で取り組むことという、大切なポイントも忘れないでください。
- カテゴリ:
- 課題・ソリューション
- キーワード:
- CX(カスタマーエクスペリエンス)