文書や画像の生成、文章の翻訳や要約も可能なChatGPTは、ビジネスでも業務効率化のために幅広く活用されています。本記事ではChatGPTの個人向け・法人向けプランそれぞれの始め方やChatGPTの活用シーン、利用する際のポイントのほか、コールセンターで活用した場合のメリットなどについて解説します。
ChatGPTが急速に広まった理由
ChatGPTとは、人工知能の研究や開発を行うOpenAI社が提供する対話型の生成AIです。大量の言語や情報を学習した自然言語処理AIによって、チャット形式で会話のやり取りができることが特徴で、従来よりも人間に近い自然な対話を行えます。
これまでコンピューターで作った文章は、組み立て方などに不自然な部分がありました。しかしChatGPTでは複雑な語彙や表現に対する理解力が上がり、それに対応する回答が行えるため、ビジネスでも業務効率化などの目的で広く活用されています。加えて、インターフェイスがシンプルで初心者でも使いやすいことにより、急速に普及しました。
ChatGPTが活用されているシーン
ChatGPTを用いると、以下のようなことが可能です。
- 文章の生成
- 文章の校正・添削
- 翻訳
- 文章の要約
- 質問への回答
- コード生成・コーディングチェック
- 画像・動画の生成
上記の機能を利用し、ビジネスではさまざまな用途でChatGPTが活用されています。活用方法としては、以下のようなものが挙げられます。
- 記事のライティング
- リサーチ
- 企画出し
- マニュアルの作成
- 問い合わせ業務の応対
- メール作成
- 資料作成
- 契約書の作成
ほかにも使い方しだいで、ビジネスでのあらゆる業務の効率化に役立てられます。また、日本語以外の言語も学習しているため、その特性を活かして多言語対応のチャットボットを開設することも可能です。
特にコールセンターは、ChatGPTを活用するメリットが大きい業種です。顧客の問い合わせ対応やクレーム対応の際、定型的な応答で対処できる問い合わせにChatGPTを使ったチャットボットで対応することで、現場のオペレーターの負担を大幅に削減できます。
さらに、対応履歴や顧客の声などの要約も行え、サービス向上や改善にも役立てることが可能です。
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【プラン別】ChatGPTの始め方
ここからは個人向けと法人向けに分け、ChatGPTの始め方の手順を紹介します。
個人向けプラン(無料/Plus)の始め方
個人向けのChatGPTには、無料版と有料版の2種類があり、違いは以下の通りです。
無料版
- GPT-3.5のみが利用可能
- 利用できる時間やリクエスト数に制限がある
有料版
- GPT-4が利用できる
- 安全性が高い
違いはあるものの、無料版でも個人で利用する分には充分な機能が備わっています。
まず無料版の始め方について解説しましょう。以下のような手順に沿って登録を進めます。
- OpenAIの公式サイト(https://chatgpt.com/)を開きます。
- 右上の「ログイン」からメールアドレスとパスワードの登録画面に移り、認証を行います。
- 登録したメールアドレスにメールが送られてくるので、そこにあるリンクをクリックします。
- リンク先から氏名・生年月日・携帯電話番号を登録します。
- 携帯電話のSMSに送られてきた認証コードで認証を行い、アカウント作成を完了します。
- 作成完了後の画面から「ChatGPT」を選択すれば、ChatGPTの利用を開始できます。
有料版は「ChatGPT Plus」にアップグレードすることで利用できます。
法人向けプラン(ChatGPT Team)の始め方
ChatGPTの法人向けプランには、「Team」と「Enterprise」の2種類があります。最初にTeamの始め方について解説しましょう。
- まずは無料版同様にOpenAIの個人アカウントを作成します。
- ChatGPTにログインし、左下部の「Upgrade plan」をクリックします。
- アップグレードできるプランが表示されるので、その中から「Upgrade to Team」を選択します。
- ワークスペースを作成し、支払い方法やユーザー数、連絡先情報などを入力して申し込めば始められます。メンバーの追加や削除、CSVの読み込みなどはワークスペースから行えます。
ChatGPT Teamの詳細
Teamはチームでの作業を効率化するのに適したツールです。チームで共有できる共同ワークスペースと、管理コンソールが提供されるため、情報伝達が効率化できます。特定のデータを学習させることが可能なGPTsの機能も搭載されているため、自社に特化したAIチャットボットの作成も可能です。
GPT-4に高速アクセスできるため効率的に処理が行えるほか、画像生成や情報収集などのツールの利用制限もChatGPT Plusより緩和されています。また、無料版やChatGPT Plusと比較して2倍の速度で処理を行えるほか、4倍の文字数を入力できるなど、すぐれた機能を備えています。さらに、Teamのデータはトレーニングや学習に使用されないようにデフォルトで設定されているため、セキュリティ面でも安心です。
法人向けプラン(ChatGPT Enterprise)の始め方
法人向けプラン「Enterprise」は料金などがオープンになっておらず、申し込むには直接運営にコンタクトを取らなければなりません。詳しい手順は以下の通りです。
- まずはEnterpriseの紹介ページ(https://openai.com/blog/introducing-chatgpt-enterprise)にアクセスし、「Contact Sales」を選択します。
- 「Contact 」のフォームから、会社や個人の情報を入力します。
- 登録が完了したら、その旨を知らせるメールが届きます。申請が通れば、Enterpriseを利用できるようになります。
ChatGPT Enterpriseの詳細
Enterpriseは、大規模な利用に適した企業向けプランです。シングルサインオンやドメイン認証など、大規模で利用する場合に管理がしやすい機能が備わっており、セキュリティ面も強化されています。国際的なサイバーセキュリティ・フレームワークのひとつであるSOC2に準拠しており、データも暗号化されるなど、情報漏洩を防ぐ対策が講じられています。Teamと同様に、データはトレーニングに利用されません。
処理速度や入力できる文字数の多さは、ChatGPT Teamと同様です。
ChatGPTはスマホでも利用できる?
ChatGPTはスマホでも利用可能です。スマホの場合、ブラウザでの利用と専用アプリをダウンロードして利用する2通りの方法があります。ブラウザでの利用は、パソコンと同様にアカウントを開設して始めます。
専用アプリの利用では、まずアプリをダウンロードする必要があります。その後にアカウントを開設して利用を開始する流れはブラウザと同様です。使い方も基本的にはパソコンとさほど違いはありません。
ChatGPTを利用する際のポイント
ChatGPTはデフォルトでは入力した内容がトレーニングに利用される設定になっているため、機密情報などを入力すると情報漏洩につながるリスクがあります。右下の設定から切り替えることができるので、事前にしっかりと確認をしましょう。
またChatGPTは、事実とは異なる情報をもっともらしく生成する場合があり、事実誤認を招く可能性があります。さらに、既存の情報や記事を基にコンテンツを生成し、著作権を侵害するおそれもあります。ChatGPTを過信せず、事実確認はしっかり行うなど、社員のリテラシーを高めるための教育も必要です。
まとめ
ChatGPTはさまざまな業務の効率化を実現できる便利なツールです。法人プランでは機能面だけでなくセキュリティ面の対策も強化されているため、今後ますます多くの分野で導入が進んでいくと見られます。
特にコールセンターでは、ChatGPTを導入することで多くのメリットが得られます。例えば、自然言語処理AIによる高精度な会話により、オペレーターの負担を大幅に軽減できます。音声認識により質問内容をテキスト化して回答の候補を提示したり、対応履歴を要約したりすることも可能です。
ChatGPTの活用がコールセンターで普及すれば、業務効率化が図れるのはもちろんのこと、24時間対応や待ち時間の短縮も可能になるため、顧客の満足度の向上にもつながるでしょう。
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新卒より中堅Sier企業にて汎用系、Web系、オープン系、そして、機械学習用ライブラリ互換の3rdパーティAIアルゴリズム開発など幅広いシステム開発に従事。ベルシステム24入社後コールセンターを経験し、システム関連部門に配属となり、Avaya製のIVR開発など継続して開発案件に従事。現在は社内データ活用のプロジェクトに参画し、開発部隊の全体指揮を担当している。
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