コンタクトセンターの応答率を上げるためのポイント

 2020.08.05  2024.04.24

コンタクトセンターの応答率を上げるには、ポイントがいくつかあります。本記事ではコンタクトセンターの応答率の意味をはじめ、応答率を上げる重要性や具体的なポイントについて紹介していきます。応答率の上げ方に悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください。

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コンタクトセンターの応答率とは

コンタクトセンターの応答率とは、オペレーターが応答した数を着信してくる電話(入電)の数で割って算出した割合のことです。問い合わせやクレームなど、どれくらいの数の電話に対して電話対応ができているかを表しています。

電話を受ける側が何らかの理由により電話へ対応できない、いわゆる呼損したとき、あるいは着信電話が急増してしまった場合などに、応答率は下がります。前者は、従業員数が足りない、1件の電話に対応する時間が長すぎるなどといったことが挙げられます。一方、後者は新しい商品やサービスを導入したり、プレスリリースを行ったりしたタイミングで、一時的に企業への問い合わせや注文の電話が増えたときなどです。

応答率がどのくらいかを測ることで、企業のコンタクトセンターなどがどのような状況にあるかを把握できます

応答率90%以上の場合

応答率が90%以上の状態とは、着信電話の件数が多くなる朝や昼などピークタイムを除いて100%に近い割合で電話に対応できていることを意味します。特に、緊急性を要する受付などでは97%を目標値とするところもあります。

応答率80~89%の場合

80~89%だと、顧客が電話の繋がりにくさを感じる状況で、そのことに対してのクレームが入りはじめるレベルです。従業員数が十分で管理体制も整っている企業であれば80%以上は維持できます。この上のレベルを目指すには呼損削除への適切な対策が必要です。

応答率50~79%の場合

この応答率を見てイメージするシーンは、顧客がかけた電話が繋がるまでに10分ほど待たされるというものです。コンタクトセンターによる対応をはじめた直後や、人手不足になっている場合に表れやすくなります。
この段階になると、対応する従業員が業務に苦痛や疲労を感じはじめ、さらなる応答率の低下を招くことも考えられます。50%を下回る数値になる前に何らかの対策が必要です。

応答率50%未満の場合

50%未満になってしまうと、顧客は電話がまったく繋がらないという印象を持つことになります。最悪の状況として、その企業から離れてしまうことが考えられるレベルです。特に、顧客が不満を抱えている状況だと、消費者センターなどへその旨が伝えられ、何らかの指導が入る可能性も生じます。企業は応答率向上のために直ちに努力しなくてはなりません

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コンタクトセンターの応答率を上げる重要性

応答率は顧客満足度に直結する重要性の高いデータです。
すぐ電話が繋がり、問い合わせなどがスムーズにできる状況であれば、顧客がストレスを感じることはありません。対して聞きたいことがあるのになかなか繋がらない状況が続いてしまうと満足度も下がってしまいます。

応対のための人員を1名増やすことで応答率を1%上昇させられるともいわれますが、そのためには給与など数百万円単位のコストが避けられません。一度下がった応答率を取り戻すことは、並大抵の努力ではかないません。応答率向上のためには、日頃から自社の受付がどのような状態であるのかを把握し、適切な対応をとっていくことが大切なのです。

事故受付や盗難受付など、緊急を要するケースを除いた日本のコンタクトセンターなどでは、目標を90%と定めているところが多いです。人件費など限られた予算の中で、この応答率を達成するのは難しいかもしれません。けれども、日々の努力を積み重ねるだけで、応答率を維持することはできます。社員一人一人が目標を認識したうえで、日々の業務にあたるように心がけることが重要です。顧客満足度を高めることは、企業利益を上昇させることにも繋がっていくでしょう。

コンタクトセンターの応答率を上げるためのポイント

ここからは、応答率向上のためのポイントを5つ紹介していきます。いきなりすべての項目に取り組むのは難しいものですが、できるところから参考にしてみてください。

状況の把握

何事も改善するためには、現状を把握することからはじめなければなりません。自社の応答率がどの程度のレベルを維持しているのかを知るためにも、レポートなどで状況をチェックしましょう。

統計レポートは日ごとや月ごとの応答率を確認するためには欠かせないツールです。ただし、このレポートではすべての情報が後日確認になってしまいます。応答率が高い日や低い日などの分析は可能ですが、どのタイミングが低かったのか、受付可能なオペレーターはどのくらいいたのかなど、細かな部分までは瞬時に把握できません。

そのため、このレポートはあくまで現状を把握するためのものとして認識しましょう。具体的な対策を立てるにはほかのツールを活用していくほうが便利であり、効果的です。

期間・時間を区切った測定

期間・時間を区切って確認する場合はリアルタイムレポートを導入するとよいでしょう。
リアルタイムレポートでは、日単位以外にも、時間単位、数十分単位とった時間を区切った測定や、リアルタイムで現場の稼働状況を確認できます。30分や1時間ごとに測定していくことで、目標達成に向けての管理がしやすくなるだけでなく、どの時間の応答率が低いのか、なぜその時間は低くなったのかを確認しながら問題がある箇所の改善が随時できるようになるでしょう。

目標の設定

目標を設定し、その数値達成のために取り組むことは応答率を上げるために大切なことです。そのときに用いるのがKPI指標で、「鍵となる実績の指標(Key Performance Indicator)」と呼ばれるものです。

KPI指標を設定するうえで必要不可欠な項目として、応答率のほかに一次解決率、平均処理時間、稼働率が挙げられます。

一次解決率は顧客からかかってきた最初の電話で、顧客の問題を解決した件数の割合のことです。一次解決率が高いということは、顧客からの問い合わせにスムーズに回答できたと判断でき、連動して顧客満足度も高まることになります。

平均処理時間はオペレーターが対応してから後処理を終了するまでにかかる平均時間で、平均通話時間と平均後処理時間を足すことで求められます。平均処理時間を短くすることは、人件費を抑えたり、応答率を高めたりするなどのメリットがある一方、その点だけに目を向けると、早口で説明したり、相手の話をよく聞かずに対応したりするなど、応対品質の低下に繋がる恐れもあります。

稼働率はオペレーターが給与の発生する時間においてどのくらいの時間を顧客対応にあてているかを表わす数値です。稼働率が高いほど顧客への対応に割く時間が多いと判断できますが、質のよいオペレーターを増やすには教育の時間を設けるなど、顧客対応以外の時間も必要となります。そのため、一概に稼働率は高ければ高いほどよいとはいえません。

これらの4つの指標について、目標とすべき数値を明らかにし、社内全員で共有しながら日々の業務を遂行していきましょう。

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人員の再検討

応答率を上げるためには、対応可能な電話の件数を着信電話の件数に近づける必要があります。そのために対応する人員を増加させるのも1つの方法です。

しかし、いくら従業員数自体が着信電話数を上回っていたとしても、同じ時間に休憩している人が多いなど、電話に出られない人数が多いのであれば、応答率は下がってしまうことになります。あくまでも着信電話に対応できる状態の人数を増やすことを目指しましょう。かかってきた電話にすぐ対応できる状況を作っておけば、コストをかけることなく応答率を向上させられる場合もあるのです。

対応時間の短縮

保留時間や後処理時間などの観点から、対応時間の短縮をすることも効果的です。通話時間と保留時間、後処理時間に要する平均処理時間はAHTという用語で表わされます。AHTが短くなると電話が繋がりやすくなるため、顧客満足度の向上に期待ができるほか、人件費削減も可能です。

しかし、保留時間や後処理時間を短くしたために、オペレーターの負担が増え、事務作業のミスが増える恐れもあります。そのため、AHTに固執するような対応にならないよう、十分に気をつけなくてはいけません。保留時間を短縮するには、あらかじめ顧客から聞かれると予想される質問への回答例を考えてマニュアル化するなど、できる範囲で工夫するとよいでしょう。

まとめ

コンタクトセンターの応答率を上げることは、企業に対する顧客満足度を高めるうえでも欠かせません。まずは現状を把握し、改善できる点を探すことが大切です。人員の再検討や対応時間の短縮など、できるところから取り組んでみてください。

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