ビジュアルIVRとは?電話自動応答システム(IVR)との違いや費用面などでの導入のメリット、注意点を解説

 2024.04.16  2024.04.24

コールセンターやコンタクトセンターの品質向上が重要視されている現在、ビジュアルIVRの導入を検討している企業も少なくはないでしょう。ビジュアルIVRは、顧客の利便性を向上させることはもちろん、オペレーターの負担軽減など、顧客と企業双方にメリットがあります。

本記事では、ビジュアルIVRの概要を分かりやすくまとめ、ビジュアルIVRを導入するメリットや、導入時に注意したいポイントについても詳しく解説します

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ビジュアルIVRとは

ビジュアルIVRとは?IVRとの違いや費用面などでの導入のメリット、注意点を解説 1

ビジュアルIVRとは、電話自動応答システム(IVR)で行われていた音声案内を、Webサイトやアプリを使ってビジュアル化し、視覚的なメニューで案内するシステムのことを指します。

ビジュアルIVRは、問い合わせ内容ごとに項目をクリックしていくと、目的に応じてFAQや会員サイト、チャットボット、ボイスボットなど適切な窓口に顧客を誘導できます。そのため、顧客自身で問題解決が可能となり、オペレーターの業務負担を抑えられます。

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電話自動応答システム(IVR)との違いは

電話自動応答システム(IVR)とビジュアルIVRの大きな違いは案内方法で、電話自動応答システム(IVR)は「音声による案内」、ビジュアルIVRは「画面を通した視覚的な案内」であることが特徴です。

 

電話自動応答システム(IVR)

ビジュアルIVR

案内方法

音声ガイダンス

視覚的メニューによる案内

特徴

・要件ごとにオペレーターへ振り分け
・要件によっては音声案内のみで完結

・要件ごとに適切な窓口に誘導(FAQ、会員サイト、チャットボット、ボイスボットなど)
・顧客自身で問題解決が可能

メリット

・オペレーターの負担軽減
・顧客の待ち時間を削減

・視覚的メニューのため聞き漏れがない
・オペレーターの負担軽減
・顧客の待ち時間を削減(応答までの時間・IVR聞き取り時間)

そもそもIVRとは、「Interactive Voice Response」を略した用語で、顧客からの問い合わせに対し、自動の音声ガイダンスで応答を行う自動音声応答システムのことをさします。

オペレーターにつながなくても、プッシュボタン操作で自動的に処理する機能が備わっているため、入電数が多くオペレーターが対応できない場合でも顧客自身が問題を解決できます。そのため、オペレータの負担軽減と、待ち時間の削減が可能です。

電話業務の効率化を目的に電話自動応答システム(IVR)を導入している企業も多いですが、近年では、より顧客の手間やストレスを少なくすることが可能な「ビジュアルIVR」の導入が注目されています。電話自動応答システム(IVR)のみの案内の場合、最後まで音声案内を聞く必要があったり、聞き漏れてしまったりして顧客の手間になる可能性もあります。

しかし、ビジュアルIVRは音声案内のみの電話自動応答システム(IVR)とは異なり、顧客はWebサイトやアプリの画面に表示されたメニューの中から、希望に合った項目やFAQページ、チャットボットなどを選ぶことで、顧客自身で問題を解決できます。電話がつながらない場合でも、別チャネルでの解決を促す仕組みとして普及しています。

なお、一般的なビジュアルIVRは、スマートフォンの利用者向けに導入されることが多いのですが、ガラケーなどの携帯電話端末に対応したサイトを作っているサービス会社も存在します。

関連記事:電話自動応答システム(IVR)の導入で得られる効果とは?企業側・顧客側それぞれのメリットを紹介

ビジュアルIVRの2つのアクセスパターン

ビジュアルIVRの一般的なアクセス方式としては、2パターンあります。

  • SMSでURLを送信する方式
  • 専用のアプリを起動する方式

SMSでURLを送信する方式

SMSでURLを送信する方式では、従来の電話自動応答システム(IVR)とビジュアルIVRが連携しています。問い合わせ電話をした顧客に対して音声でビジュアルIVRの利用を案内し、希望者にURLを送信します。顧客がURLにアクセスすることで、サポートメニューを閲覧できる仕組みです。

専用のアプリを起動する方式

2つ目は、顧客に専用アプリを起動してもらいアプリ内でサポートをする方式です。アプリはあらかじめ顧客のスマートフォンに、専用のアプリのインストールがされている必要があります。顧客がアプリを起動すると希望するサポートメニューにアクセスできます。

SMSと専用アプリによるサポート方法は、既存の電話自動応答システム(IVR)やコンテンツを利用できるため、開発にかかる費用を抑えられる傾向にあります。

ビジュアルIVRの導入メリット

ここからは、自社のカスタマーサポートにビジュアルIVRを導入することで得られるメリットは3つを紹介します。

  • 顧客の利便性向上
  • オペレーターの業務負荷を軽減
  • 24時間稼働により機会損失を解消

以下で、それぞれ解説します。

顧客の利便性向上

ビジュアルIVRを導入することで、電話以外のチャネルに顧客を誘導できます。選択肢が複数あれば、電話がつながらず長時間待たされるなどの課題が解決できるため、顧客にとって利便性が向上するでしょう。

また、電話をかけるのが苦手な方や耳が聞こえない方でも気軽にサービスを利用できるメリットもあります。電話以外のチャネルを用意しておくことで、顧客一人ひとりのニーズに合わせた対応が可能となります。

オペレーターの業務負荷を軽減

電話による顧客対応は、問い合わせ内容によって長時間かかってしまう場合があります。たとえば、商品の注文依頼を受ける場合、電話で聞き取った住所や氏名を入力する作業が伴います。個人情報は聞き間違いや入力ミスが起こりやすい点も、作業時間の増加につながっていました。

ビジュアルIVRで顧客自身に必要情報を入力してもらえば、入力内容が可視化され、顧客が注文内容をチェックできるうえに、スタッフが入力する手間を省けます。受付や確認作業にかかる時間を削減できるため、効率よく業務を進められるでしょう。

24時間稼働により機会損失を解消

オペレーターが電話で対応する方式のみだと、営業時間に電話してもらう必要があります。また、待ち時間が長ければ途中で電話を切ってしまう顧客も少なくありません。

ビジュアルIVRなら24時間365日稼働できるため、営業時間外でも顧客の問い合わせに対応可能です。FAQページやチャットボットへの誘導が可能になることで、時間に余裕がない顧客にも対応できるようになり、機会損失の解消につながるでしょう。

ビジュアルIVRの注意点

ここからは、ビジュアルVIRの効果をより得られるようにするために導入する際に、あらかじめ対応しておくべき注意点を3つご紹介します。

  • 現状の課題を把握
  • お問い合わせ内容の抽出
  • 顧客が利用しやすいビジュアルIVRの構成が必要

以下で、それぞれ解説します。

現状の課題を把握

ビジュアルIVRの導入を検討する理由として、入電数が多いために対応しきれずに受電率が低いという課題がよく挙げられますが、なぜ入電数が多いのかなど、自社の現状の課題を明確に把握する必要があります。

Webサイトに記載している情報が複雑、あるいは不足していて、理解できなかった人が電話をかけてくる場合もあるでしょう。ビジュアルIVRを導入する際には、顧客視点でコンテンツの内容や導線を見直し、課題や問題点を明らかにすることが大切です。ビジュアルIVRの導入はもちろん、FAQページやチャットボットの充実も顧客満足に直結しています。

お問い合わせ内容の抽出

どのような問い合わせ内容が多いのかを調べ、件数が多い内容をビジュアルIVRで解決する仕組みを作ることで、高い導入効果が期待できます。問い合わせ内容は、電話や店舗でしか対応できないものと、Webでも対応できるものに分けられます。前者の場合はオペレーターが対応しなくてはいけませんが、後者であればホームページやシステムで対応できます。

オペレーターの対応が不要な問い合わせと回答の情報を抽出し、ビジュアルIVRに反映させることで、顧客自身が問題解決でき、オペレーターの業務負担軽減が可能となります。また、電話を掛ける人が減り待ち時間が短くなると顧客満足度の向上にもつながるでしょう。

顧客が利用しやすいビジュアルIVRの構成が必要

顧客がWebサイトやアプリを見たとき、選択メニューやカテゴリーが多すぎると、どれを選べばよいのか迷ったり探す手間が増えたりします。主要なメニューだけを5個程度載せるなど、利用しやすい画面構成を心がけ、具体的な問い合わせ内容は2階層目に設置します。

多くの問い合わせを網羅したい場合は、キーワードによる検索窓の設置や、「その他のお問い合わせ」などの項目を用意するとよいでしょう。

また、メニューごとの遷移先を決めることも大切です。公式サイトのトップページなのか、ビジュアルIVR上の2階層目のページなのか、資料請求ページなのかなど、あらゆる分岐を想定する必要があります。

なお、電話や店舗でしか対応できない内容であれば、電話番号や店舗の住所が記載してあるページへ遷移すると効果的です。

ビジュアルIVRで想定される活用例

ビジュアルIVRは、さまざまな業界や企業での活用が想定されます。通信販売やECの業界では、新商品の発売やキャンペーン実施時などに多くの問い合わせ電話がかかります。

ビジュアルIVRの導入によって、コールセンターの混雑状況を可視化したり、適切なFAQページに誘導したりすることが可能です。保険会社の場合は、保険の内容を説明する際に資料を画面上で共有する、住所や振替口座の変更手続きを受け付ける、などの活用ができるでしょう。

病院やクリニックでも、健康診断や一般外来、ワクチン接種の予約のほか、診療時間外の急な症状に対しての案内などに活用できます。

ビジュアルIVRを導入することで、顧客自身による早期の問題解決が可能になるため、スタッフやオペレーターを増員せずに全体の生産性を高められ、顧客満足度の向上につなげられるでしょう。

まとめ

ビジュアルIVRを導入することで、顧客の利便性や満足度が向上するなど、顧客にとってメリットがあるだけでなく、オペレーターの稼働時間や機会損失の解消が期待できるなど、企業にとってもさまざまなメリットがあります。

顧客の問題解決や企業のコスト削減のためのチャネルとして、ぜひビジュアルIVRの導入を検討してみましょう。

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