コンタクトセンター運営におけるSVの重要性と育て方
コンタクトセンターの森 編集部
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目次
コンタクトセンターの森 編集部
コンタクトセンター(コールセンター)の運営において、中心を担う存在がSV(スーパーバイザー)です。SVとはどのような人材なのか、その役割や重要性を解説するとともに、コンタクトセンターのSVの採用・育成のポイントについても紹介します。
"supervisor(略称:SV)"は管理者・監督者といった意味ですが、コンタクトセンターにおいてもこのSVが活躍しています。
コンタクトセンターのSVとは、主にオペレーターの管理・監督などをする人材のことです。その業務はオペレーターの監督にとどまらず、育成・勤怠管理・改善提案など多岐にわたります。そのため、高度なコミュニケーション能力と深い知識を要するポジションです。
大規模なコンタクトセンターの組織体制は、次のようになっています。
このような組織体制において、SVはマネージャーと同格の責任あるポジションにあたります。 SVは、その企業でオペレーターとして勤務しているスタッフの中から任用されることも多いですが、他社ですでにSVとして経験を積んだ人材を新規採用することもあります。
もっと見る:コンタクトセンターにおけるSVの役割と業務効率化との関係を解説
コンタクトセンターのSVは、具体的にどのような役割を担っているのでしょうか。
SVの業務や役割は業種や事業により異なりますが、ここではSVの基本的な役割について紹介します。
インターネットの発展により、消費者は欲しいときに欲しい情報を簡単に手に入れられる時代になりました。そのため消費者ニーズは多様化し、サービスや製品そのものではなく、購入に至るまでの企業とのコミュニケーションにも価値が求められるようになったのです。
顧客と直接やりとりするコンタクトセンターには、顧客との関係性を良好に保ち、企業の利益拡大につなげるという重要な役割が期待されています。顧客との窓口となるオペレーターを束ねるSVは、企業のマーケティング活動や商品企画に携わる場面も増えました。コンタクトセンターの重要性の高まりと比例して、コンタクトセンター運営の要となるSVの重要性も高まる一方です。
また、多くのコンタクトセンターでは、オペレーターの定着率が低いという大きな課題を抱えています。
オペレーターが離職しないようサポートしながらも、人件費や教育コストを圧縮するといった、一見相反するようなこともSVに求められています。
SVの業務範囲は、オペレーターの管理だけでなく、コンタクトセンター全体の品質管理・生産性管理まで多岐にわたります。
顧客との良好な関係を保つ大きな役割を担うコンタクトセンターにおいて、これらの広範囲の業務を行うSVは、なくてはならない存在です。
さらに、SVの業務には改善提案の作成・報告書作成・決済なども含み、企業の運営判断に直結する業務も含んでいます。
業務知識の乏しいSVや二次対応を避けようとするSVは、オペレーターからの信頼を得られません。
そうなると、オペレーターからSVへのエスカレーション業務が滞ったり、特定のSVだけに仕事が偏ったりするなどの弊害が発生し、コンタクトセンター全体の業務効率や生産性の低下につながります。
生産性の低いコンタクトセンターでは、顧客は必要な回答が得られるまで必要以上に待たされたり、誤った案内をされたりなど、不適切な対応になりやすいものです。これでは、顧客満足度も低下していくばかりでしょう。
SVによって、コンタクトセンターやそこで働くオペレーターの生産性が良くも悪くもなるといっても過言ではないのです。
コンタクトセンター全体の生産性を左右するSVは、どのように獲得すべきでしょうか。
優秀なSVを採用・育成するためのポイントを紹介します。
企業ごとにSVの職務を定義し、自社のSVとして必要なスキルや知識を明確にすることは、SVを育てていくためには非常に大切なことです。職務を定義しておくことで、責任の所在が明確化するだけではなく、SVとして足りない経験やスキルを把握しやすくなります。さらに、SV自身が成長するためのアクションを取ることも可能になるでしょう。
また、SVの職務を定義することはコンタクトセンター内のオペレーターにもSVへのキャリアパスを示すことになり、将来の新たなSV候補を社内から発掘するきっかけにもなります。
不足するスキル・知識があったとしても、教育次第では優秀なSVになりうる人材を見出すことが重要です。
SV候補のスキルや知識は人それぞれですが、優秀なSVに共通する能力には次のようなものがあります。
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定義したSVの職務に沿って、必要となる知識やスキルを明確化します。定義に基づき教育カリキュラムを整備し、SV自身でスキルアップする機会を用意することも大切です。
また、短期的なスパンではなく、SVとしての数年後の登用計画やキャリアパスを示すことで、SVのモチベーションも高まります。
SVの知識・スキルのレベルと人事制度はリンクさせ、レベルに応じた処遇を与えることも重要です。
SVにはオペレーターの指導・管理のほか、コンタクトセンター全体のオペレーションの責任も伴うため、SV自身が必要以上に負担を感じたり、悩んだりすることがあります。オペレーターの負担を軽減するのがSVの役割である一方で、SV本人の負担や悩みを軽減する仕組みは整備されていない、という企業が多く存在します。
解決のためには、SVの業務内容や負荷を定期的に見直す機会を設け、業務量を調整するといった仕組みを用意しておくといいでしょう。特に、SVとしての業務の開始直後は不安に陥ることが多くあります。コミュニケーションの機会を多く取り、不安を取り除いて、業務に集中できる環境をつくることが大切です。
コンタクトセンターのSVの業務は多岐にわたり、責任も重いため、離職率が高い職種のひとつと言われています。離職の原因のひとつが、業務量過多で残業が多すぎることが挙げられます。SVの離職を防ぐために、定期的なSVとの面談や業務負荷の見直しなどを行い、特定のSVにだけ業務が偏らないように調整するよう努めましょう。
また、待遇への不満もSVの離職原因のひとつです。もともとコンタクトセンターは非正規社員の割合が高いため、企業の昇給制度をそのまま適用しても限界が生じます。このため、SVを正社員として登用したり、報酬のアップなどで優秀なSVが離職するのを食い止めたりしている企業もあります。
SVはコンタクトセンターにとって重要なポジションであり、コンタクトセンター運営の成否を握っているといっても過言ではありません。SVの新規採用時には、経験やスキルはもちろん、今後の伸びしろや素養などを重視して、優秀な人材を見極めることが大切です。

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