CX3.0とは? 顧客対応で役立つ「グッドマンの法則」も解説

 2024.02.20  コンタクトセンターの森 編集部

CX(カスタマーエクスペリエンス)は、商品やサービスなどの物的価値に加えて、体験や利用に対して価値を見出すマーケティング方法です。CXは進化し続けており、近年はCX3.0が重要視されています。本記事では、CX3.0の概要を解説するともに、成功に欠かせない「グッドマンの法則」にも触れます。

CX3.0とは? 顧客対応で役立つ「グッドマンの法則」も解説

CXとは?

CXとは「カスタマーエクスペリエンス」の略称です。日本語では「顧客体験」や「顧客経験価値」という意味があります。

例えば、商品の購入後における丁寧なアフターフォローは顧客にとって製品以外の価値を感じられる経験です。また、購入前の段階であっても、店内の雰囲気やスタッフの対応がよければ顧客経験価値が上がり、購入につながる可能性があります。このように、物理的価値に加えて心理的価値を提供することがCXです。

昨今では購入行動が多様化し、商品やサービスなどの物理価値だけでは他社との差別化が図りづらくなっており、企業にとってCXは重要な戦略として注目されています。CXが重要視されるようになったのは1970年代に遡り、時代の変容に合わせて考え方も進化していきました。CXが提唱された当初をCX1.0とすると、現在はCX3.0の時代といわれています。

CXの重要性については以下の記事でも詳しく解説しています。

CX1.0

従来、商品やサービスの開発や改善は、企業目線で行われるケースが一般的でした。しかし、1970年代以降、顧客満足度に重点をおく企業が増え、顧客の感想や意見に耳を傾けるようになりました。このように、製品やサービスの品質向上に顧客の声を生かすといった考え方がCX1.0です。

また、同時期から顧客対応を効率的に管理するためのツールや技術が進化し始めました。

CX2.0

インターネットが普及し、テクノロジーが大きく発展した1990年代に入ると、CXの技術も著しく進化します。こうした変化に伴い、顧客情報の一元管理や分析を目的としたツールである「CRM(Customer Relationship Management)」が登場しました。CRMとは日本語で「顧客関係管理」という意味があり、多様化する顧客のニーズを把握する上で役立ちます。

CXにおいて、CRMが重宝され活発に取り入れられるようになった時代がCX2.0です。CRMの活用により、効率的な集客につながるほか、顧客からのクレームを未然に防げるようになりました。また、それぞれの部署で対応してきた顧客サービスやサポートを、カスタマーサービスセンターにまとめる流れが整ったのもこの時代です。

CX3.0®

2010年代以降、各企業で導入されるようになった考え方がCX3.0です。CX3.0は、アメリカのCCMC社副会長であるジョン・グッドマン氏によって提唱されました。

従来のCXでは、すでに発生したクレームやトラブルに対して、その都度適切な処置をするケースが一般的でした。CX3.0では、受動的な対応ではなく、あらかじめ顧客のトラブルやクレームを分析・予測した上で、トラブルの予防や回避を目的として能動的に顧客とコミュニケーションをとるべきだとしています。

また、顧客の会話や表情から真意を読み取ることで共感や関心を生み出し、企業に対する信頼を強固なものにする「エモーショナルコネクション」も、CX3.0で重要視されているポイントです。そのためには、顧客全体に対するサポートを考えるのではなく、一人ひとりの状況にマッチするサポートが求められます。

CX3.0において、カスタマーサービスは単純に顧客からのクレームや問い合わせに対処するだけではありません。顧客との良好な関係を構築して顧客ロイヤリティの向上につなげるための窓口であり、収益を上げる上でも重要な役割を担っています。

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グッドマンの法則とは?

コールセンターやCX3.0に大きく関係する法則として「グッドマンの法則」が挙げられます。グッドマンの法則とは、顧客からのクレーム処理と再購入に至る行動には関連性があることを表した法則です。商品やサービスに不満を持ちクレームを入れた顧客ほど、リピーターになりやすく、売り上げにつながるとされています。

グッドマンの法則が提唱されたのは1970年代ですが、顧客心理と密接した普遍的な法則であり、マーケティング業界では現在でも重要視されています。

第一の法則

グッドマンの法則は、3つの法則で構成されています。そのうちのひとつ「第一の法則」は、顧客からのクレームや苦情を解決できればリピートにつながるというものです。

NPO法人顧客ロイヤルティ協会による調査では、商品や製品に不満を持った顧客のうち、苦情申し立てを行い適切なサポートにより解決もしくはクレーム対応自体に満足した顧客が再購入する率は、不満を持ちながらも申し立てをしなかった顧客よりも高いことが明らかになっています。

顧客からの苦情やクレームは必ずしも企業にとってマイナスではありません。第一の法則では、苦情そのものではなく、不満を持つ顧客への対応が重要であるとされています。

第二の法則

第二の法則は、好意的な体験に比べてクレームや不満につながるネガティブな体験は2〜4倍の口コミを生みやすく、悪い噂はすぐに拡散されるというものです。

1980年に行われた調査では、好意的な口コミが4〜5人に伝わる一方で、ネガティブな口コミは9〜10人に伝わるという結果が出ています。これは、あくまでも1980年代の話であり、現在はSNSが浸透していることから、当時よりもネガティブな口コミが広がるスピードは早いでしょう。そのため、カスタマーセンターでは、より慎重な対応が求められます。

第三の法則

第三の法則は、顧客にとって価値のある適切な情報提供により、顧客との信頼関係が構築され、購買意欲の向上や市場拡大につながるというものです。

この法則でいう「適切な情報」とは、よい情報に限ったことではありません。一見すると企業の不利益になりかねないネガティブな情報であっても、顧客にとって必要な内容であれば伝えたほうが顧客満足度向上につながります。結果的に、信頼のおける企業として市場全体によい印象を与えられます。

CXを強化する取り組みのポイント

CX強化に向けた取り組みを効率的に実施するには、ポイントを押さえることが大切です。ここでは2つのポイントを解説します。

コンタクトセンターの対応力を高める

CXを強化するには、CX3.0の考え方を踏まえてコンタクトセンターの対応力を高めることが重要です。

グッドマンの法則にもあるように、不満を持つ顧客も苦情を申し立てた際の企業の対応次第でファンに転じる可能性があります。ただし、顧客の意見や不満は多種多様であり、マニュアルに沿った対応のみでは適切な対応とはいえません。一人ひとりに寄り添い、臨機応変なサポートをすることが大切です。

そのためには、商品やサービスに対する深い知識や顧客の情報を速やかに察知する判断能力が問われます。その分、オペレーターに負荷がかかりやすいため、研修制度の充実やコールセンターシステムの導入などを検討し、オペレーターの負担軽減に努めることも大切です。

顧客一人ひとりに合った対応をする

コールセンターにおいてある程度のマニュアル化は必要ですが、常に機械的な対応をしていても顧客の悩みは解決しません。そこで大切なのが、一人ひとりに見合ったサービスやサポートを提供する「パーソナライズ化」です。

顧客の属性や購買履歴などをデータ化し、分析を行うことでそれぞれに見合ったサービスや商品、抱える可能性のある悩みが予測できるようになります。顧客の状況を事前に把握できていれば、ニーズにマッチする提案をしやすくなるため、顧客にとっては「今求めているものが手に入った」という体験ができ、CXの向上につながります。

まとめ

CXは、顧客満足度向上や購買行動にも直結する重要なマーケティングの考え方です。1970年代にグッドマン氏が提唱したCX1.0以来、時代に合わせて進化を続け、現在はCX3.0が主流となっています。

購買行動が多様化する中で、他社との差別化を図る上でもCX3.0は重要視されています。CX3.0やコールセンターの運営に関連する「グッドマンの法則」を踏まえて、CX向上に取り組むことが大切です。

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