フルフィルメントとは? 意味や業務内容など基本をわかりやすく解説

 2023.04.11  2024.09.01

EC・通販業界において近年よく聞くようになった用語がフルフィルメントです。EC・通販などの事業を運営する際には、商品を販売して終わりではなく、顧客に充実したサービスを届けるためのフルメント業務が欠かせません。本記事では、フルフィルメントの意味と業務内容、外部委託できるサービスについて解説しています。

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フルフィルメントとは? 意味を分かりやすく解説

「フルフィルメント(fulfillment)」とは、日本語の「履行、達成、実現」などを意味する言葉で、ECや通信販売などで注文された商品が顧客のところに届くまでに行われる業務全般のことです。
フルフィルメント業務は主に、仕入れ・検品、保管・在庫管理、受注、ピッキング・検品、梱包、発送などの業務です。顧客のところに商品が届いた後の代金回収や返品対応などが含まれるケースもあります。
これまではECサイトが行っていたフルフィルメント業務を、外部の業者に委託するケースが増加しています。
近年では、フルフィルメントサービスを行っている業者が対応する業務の範囲が広くなり、自社で行っているクレーム処理などの業務までフルフィルメントと呼ばれるようになってきています。

フルフィルメント

フルフィルメントの重要性

ECサイトの運営では、商品を発送するまでではなく、顧客の手元に商品が届くまでが重要です。たとえECサイトが充実し、人気商品をそろえていたとしても、商品が顧客の手元にスムーズに到着しないと、顧客満足度が上がりません。
顧客に届いた商品の梱包が雑になっている、注文後なかなか商品が到着しないといった状態では、顧客満足度が低下してしまい、顧客離れを引き起こします。
丁寧な梱包で迅速な出荷処理を行うなどフルフィルメント業務の品質を上げ、顧客の手元に届くまでの処理を確実に行うことが、リピーターの増加や利益向上につながります。

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フルフィルメント業務の内容を順番に紹介

フルフィルメント業務には、ECの注文に対応するさまざまな業務があります。商品の仕入れ・検品から発送、返品まで、フルフィルメント業務の内容を順番に確認していきます。

商品の仕入れ・検品

商品の仕入れ・検品業務は、メーカーなどの仕入れ先から届いた商品にミスがないかを確認する業務です。仕入れた商品と異なる商品が届いていないか、数量は合っているか、品質に問題はないかなどをチェックします。
ヒューマンエラーを削減し業務を効率化するために、ハンディターミナルを利用してバーコードを読み取る方法が多くの企業で導入されています。読み取ったデータはWMS(Warehouse Management System)に登録され、在庫管理などにも利用されます。

保管

仕入れ・検品後の商品を顧客に届けるまで物流倉庫で在庫として保管する業務です。商品によっては、劣化を防ぐために保管時の温度や湿度などに気を付けなければならないものもあり、適切な管理を行う必要があります。
商品のピッキング作業や棚卸し作業を効率よく行うため、商品をラック単位やパレット単位で行うなど、多くの企業で保管方法を工夫しています。物流倉庫の場所は、配送のコスト削減や効率化のため、ECサイトの注文が多い都内にしているケースが少なくありません。

受注・問い合わせ

顧客から商品に関する問い合わせや注文を受けてから行う業務です。受注業務は、ECサイトでのインターネット上の注文やメール注文、電話注文など、さまざまな発注方法に対応しなければなりません。注文を確認して、在庫確認後に出荷を指示、商品の納期・発送時期を知らせるメールを送信します。
顧客に間違った商品を送ってしまうなどの大きなミスを防ぐためには、注文を正しく記録して出荷しなければなりません。業務の効率化と正確性の向上を目的として、多くの企業が在庫管理システムを利用しています。

受注業務・問い合わせ業務はコールセンターに集約されているケースも多く、広範囲にわたる受注業務のミスを防ぐために業務をアウトソーシングする企業は増加傾向にあります。

ピッキング・検品

ピッキング業務は、受注があった商品を必要な量だけ取り出す業務です。大型の商品・重さのある商品は、フォークリフトなどを使用してピッキングを行います。人の手で広い物流倉庫から目的の商品を探して取り出す場合ヒューマンエラーが生じやすいため、ロボットによる作業の自動化も進んでいます。
ピッキングした商品は、破損や傷がないか、必要量がそろっているかなどを検品作業で正確に確認することが重要です。

梱包

顧客に商品を送る際には梱包業務も欠かせません。梱包業務では、配送中の商品の破損や傷を防ぐため、商品の周りに緩衝材を入れるなどの工夫が用いられています。顧客が開封しやすい段ボールを使用するなど、利便性や快適性の高さも重要です。
梱包時に感謝状や商品のクーポンを同封するなどの工夫も、顧客サービスの一貫としてよく行われています。さまざまな工夫で顧客満足度を高めることにより、リピーターの増加が期待できます。

配送

配送業務では、梱包まで完了した商品を配送業者へ引き渡します。受注時に記録し作成した顧客の個人情報をもとに、配送業者が商品を届けます。配送の際には、顧客が自宅や勤務先、コンビニなど受け取り場所を指定できるため、顧客に対して発送時や到着時などの通知が必要です。

返品

商品に不備があったケースや、顧客が誤って商品を発注したケースなど、顧客から連絡があった際には返品業務を行います。理由がなく幅広い商品の返品に対応することはできないため、事前に企業としてのルールを定めておきます。
返品が必要なケースでは、顧客に対する謝罪とスムーズな対応をしなければなりません。返品の品が届いたら、返送された商品を確認して商品の交換などの対応を行います。商品の不備への対応による顧客満足度の低下を防ぐため、対応には注意が必要です。

その他のフルフィルメント業務

フルフィルメント業務の範囲は、企業によって異なります。企業によってはフルフィルメント業務に分類されていなくても、関連性の高い業務もあります。

決済

ECの決済処理には、クレジットカードやコンビニ払い、代引きなどの方法があり、決済処理もフルフィルメント業務に該当するケースがあります。
代引きとは、商品の到着時に配送業者に対して、商品代金と配送料を顧客が支払う決済方法です。代引きでは、「配送業者が回収した代金は物流倉庫で定期的に受け取る」など、回収の際のルールを定めておかなければなりません。
クレジットカード決済の場合は、入金時に各クレジット会社からの入金確認があり、決済データの処理を行うなどの業務が必要です。

現在ではクレジットカード決済を選ぶ人が増え、代引きで支払いをする顧客は減少傾向にあります。電子決済、前払い、後払いなどさまざまな決済方法を準備して、顧客が自由に選べる状態にすると、販売機会の向上につながります。
一方で、支払い方法が多いと支払い漏れの確認が複雑になりやすいため、入金管理ができる体制を整えることも重要です。

クレーム対応(コンタクトセンター)

顧客からの問い合わせやクレームなどに対応する業務もあります。クレーム対応には、コンタクトセンターの窓口を設置します。顧客と企業の接点となるコンタクトセンターでは、顧客から問い合わせがあった場合に、丁寧かつ柔軟に対応しなければなりません。
コンタクトセンターで顧客の声・意見を収集すると、商品やサービスの改善につなげることも可能です。

フルフィルメントサービスとは? 業務を委託できる

フルフィルメントサービスとは、仕入れからクレーム対応までさまざまなフルフィルメント業務の全て、もしくは一部を外部業者が行うサービスのことです。

商品の仕入れ、受注、発送などのフルフィルメント業務は、ECサイトの運営業者が自社で一貫して行うには業務量が多く、物流倉庫やコールセンターなどの部門も設置しなければなりません。
一方、フルフィルメントサービスを利用すると、自社で設備や人件費にかける費用を削減できるメリットがあります。物流や梱包、コールセンターなどの業務を外部のプロに委託することで顧客満足度の向上につながります。社内の業務負担が軽減されることにより空いたリソースでコア業務に力を入れることも可能です。

現在では販売チャネルの多様化が進み、複雑な情報の管理が難しくなってきています。多数のチャネルの販売情報を把握しやすいように整理、管理することは大変です。社内で複雑な業務に時間を取られるよりも、フルフィルメントサービスを利用して業務の管理を任せたほうが業務効率化を図れます。

まとめ

フルフィルメントとは、ECサイトの運営などにおいて、商品の仕入れ・検品から梱包、決済、クレーム対応までを行う業務全般のことです。フルフィルメント業務は、顧客に商品を届けたり窓口対応したりと、顧客との接点が多い重要な業務でもあります。
「ベルシステム24」は、フルフィルメント業務のひとつ、コンタクトセンター業務に役立つサービスを提供しています。次世代コンタクトセンターの導入や運営までをサポートするサービスで、コンタクトセンターの自動応答ソリューション構築やオペレーター支援、顧客との対話のデータ化・分析などを行い、業務効率化や生産性の向上につなげます。

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