【2025年9月最新】Gemini (ジェミニ) とは?
モデル別の特徴や料金プランを解説【2025年最新】

   

「Gemini(ジェミニ)」はGoogleが開発した高性能な生成AIモデルです。テキスト・画像・音声・動画などを同時に処理できるマルチモーダル生成AIであり、高度な推論力と創造性を備えていることから幅広い分野で活用されています。本記事では、Geminiの概要や各モデルの特徴、料金プランを解説します。

Gemini (ジェミニ) とは? モデル別の特徴や料金について解説

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Geminiとは?

Geminiは、Googleが開発した最新のマルチモーダル生成AIです。テキスト・画像・音声・動画・コードなど、多様な情報を統合的に処理できます。2023年に「Bard」として登場し、2024年2月に「Gemini」として名称と機能が統一されました。

文章生成や翻訳、要約、画像生成、コード作成などの幅広い用途に対応しているほか、Google製品との連携も可能です。高度な推論力と創造性を活かし、文書作成の効率化やタスク管理、メール・チャット応答の最適化、会議業務の自動化などさまざまな場面で活用されています。

Geminiの強み

Geminiは生成AIを世に知らしめた「ChatGPT」と並び、生成AI分野を牽引する存在として世界中で注目を集めています。開発元は世界最大級の検索エンジンを運営するアメリカの大手IT企業・Google社です。GeminiはGoogleの幅広い技術やデータを活用して学習されており、高精度な出力結果が得られます。また、「Gemini Ultra」「Gemini Pro」「Gemini Nano」という、生成精度や用途が異なる3つのモデルが用意されている点も特徴です。

また、リアルタイム対話が可能な「Gemini Live」、スマートフォン上でAIを活用できる「AI Mode」、思考過程を深掘りできる「Deep Think」のような高度な機能も搭載されています。さらには、Google Workspaceの「Canvas」と連携して共同作業を効率化する機能も活用できるなど、Google製品との連携が容易な点がGeminiの強みです。

GeminiとChatGPTの違い

生成AIを語る上で欠かせないのがChatGPTの存在です。GeminiとChatGPTはどちらもマルチモーダル型の生成AIですが、開発・リリース元が異なります。

ChatGPTを開発したアメリカ企業「OpenAI」は、2015年にサム・アルトマン氏らが設立し、現在は非営利法人と営利法人からなる組織体制で運営されています。イーロン・マスク氏やリード・ホフマン氏といった著名な起業家が創業や出資に携わっていたことでも有名です。

一方のGeminiはGoogleによって開発されたため、GmailやGoogleドキュメントなどの各種Google製品と容易に連携できる点が大きな強みです。テキストと画像だけでなく動画の処理にも対応しており、応用範囲が広がっています。また、コーディングのサポートにも優れており、コード生成やエラー修正などの開発支援機能が充実しています。

ChatGPTについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

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【モデル別】Geminiの特徴

Geminiには大きく分けて4つのモデルが用意されており、それぞれ生成結果の精度や処理速度などが異なります。

1. Gemini Nano

「Gemini Nano」はGoogle製スマートフォン「Google Pixel」やAndroid端末での使用に最適化したモデルとして設計されました。当初はPixel 8 Proのみの対応でしたが、2025年現在はPixel 8シリーズやPixel 9シリーズなどの複数の機種に搭載されています。対応のスマートフォンを所持していれば、無料で使用可能です。

「オンデバイスモデル」と呼ばれるデバイス上での実行・処理を行うモデルの一種であり、応答速度の速さがGemini Nanoの魅力です。インターネットに接続せず、アプリを通して返信提案やテキスト要約を実行することで、軽快な動作を実現しています。2025年には、デスクトップ版ChromeにもGemini Nanoが導入され、検索時の詐欺や迷惑通知対策の強化に役立っています。

2. Gemini Flash

最新モデルの「Gemini 2.5 Flash」は、処理速度と価格をバランスよく両立したエントリーモデルに位置づけられています。長文処理や高度な推論が得意なGemini 2.5 Proに対し、Gemini 2.5 Flashは処理速度とコスパを重視しており、高性能かつ手軽に活用できる点が特徴です。

テキスト以外に画像や動画なども扱える高いマルチモーダル能力を備え、効率的な対話や生成が可能です。また、「Deep Research」による高度な情報探索や、Google Workspaceの「Canvas」と連携した共同作業にも対応しており、従来のGemini FlashやGemini 1.5 Flashに比べて実用性がさらに向上しました。

Googleアカウントがあれば無料で利用できますが、機能や処理速度には制限があります。無制限で使用したい場合は、後述する有料プランへの加入が必要です。

Gemini Flashでは、機能の異なる複数のモデルが展開されています。以下に、代表的な2つのモデルを紹介します。

Gemini Flash Lite

Geminiシリーズは2023年12月に初めて登場して以来、進化を続けています。その中で、2025年6月に追加されたのが「Gemini 2.5 Flash-Lite」です。Gemini 2.5 Flashと比べて低コストかつ処理速度に優れており、高速な応答に特化している点が大きな特徴です。Gemini 2.5 FlashやGemini Proほどの精度はないため、大規模な推論の必要がない業務や、Geminiの試験導入に適しています。

また、計算負荷の高い推論処理である「Thinking機能」を自由にON/OFFできるため、利用状況に応じた柔軟な使い分けが可能です。たとえば、高度な判断が必要な業務ではThinking機能をONにし、定型文の返答や簡単な質問に活用する際はOFFにする、といった使い分けが考えられます。

Gemini Flash Image(nano banana)

2025年8月に発表された「Gemini 2.5 Flash Image(nano banana)」は、画像生成や編集に特化したモデルです。テキストによる指示だけで高精度な画像を生成できるほか、既存の画像の一部を自然に加工したり、複数の画像を1枚に合成したりすることも可能です。また、複数の画像を生成する際に、同一人物の外見の特徴を維持できるなど、従来のモデルでは難しかった高精度な画像生成と編集が可能です。

2025年9月時点では、まだプレビュー版(試験版)しか提供されておらず、機能面は順次拡充していく予定です。画像制作や編集作業の効率化に大きく寄与することが期待されており、特にクリエイティブ分野での活用が注目されています。

3. Gemini Pro

「Gemini Pro」は汎用性の高さを特徴とするモデルです。2024年4月に「Gemini 1.5 Pro」がリリースされ、2025年3月には「Gemini 2.5 Pro」が発表されました。
最新モデルのGemini 2.5 Proではメモリ性能が大幅に向上し、コンテキストウィンドウが100万トークンの高い処理能力を有しています。膨大なデータを一度で処理できる精度の高さと、高度な推論機能により、数百枚に及ぶ書類や複数年分の取引記録のような大規模データでも高速で処理可能です。

Gemini 2.5 Proは無料でも利用可能ですが、一度に処理できる情報量や画像生成枚数、保存容量などに制限が設けられています。無制限で利用したい場合は、有料プランである「Google AI Pro」や「Google AI Ultra」への加入が必要です。

4. Gemini Deep Think

2025年5月に発表された「Gemini 2.5 Deep Think」は、世界最高峰の推論能力を備える最上位AIモデルです。従来のAIは即答型で「思いついた答え」を返す傾向がありましたが、Gemini 2.5 Deep Thinkは人間のように複数の仮説を立て、それぞれを検討したうえで最も適切な答えを導き出していきます。推論能力の高さは、国際数学オリンピック(IMO)で、金メダルレベルのパフォーマンスを達成するほどです。

利用するには、Googleが提供する最上位サブスクリプション「Google AI Ultra」への加入が必須です。また、Gemini 2.5 Deep Thinkは回答の生成に膨大な計算リソースを必要とするため、サーバー負荷を考慮し、Google AI Ultraの加入者であっても1日に利用できる回数に上限が設けられています。

Geminiの料金

Geminiの一部モデルや機能は有料です。無料プランと有料プランでは使用できる機能に違いがある点に注意しましょう。無料プランは、Googleアカウントを所持していれば誰でも利用可能です。公式サイトにアクセスし、Googleのアカウント情報を入力するだけで利用開始できます。

無料プランではテキスト生成や翻訳、要約などの基本的な機能を利用できます。一部機能や処理速度には制限があるため、画像生成や音声認識、API連携などの高度な機能を利用したい場合は有料プランへの加入を検討しましょう。また、迅速な応答を求める場合も有料プランがおすすめです。

Google AI Pro

【概要】

  • 月額2,900円
  • 初回1ヵ月無料
  • Gemini 2.5 ProやDeep Researchを利用可能
  • 月1,000のAIクレジット
  • Googleアカウントのストレージ2TB

Google AI Proは、月額2,900円で利用できるプランです。無料プランに比べてGemini 2.5 Proの利用回数が増加するため、ビジネス文書の作成やクリエイティブ制作、データ分析などの幅広い用途で活用できます。また、情報収集に役立つ「Deep Research」や、動画生成モデル「Veo 3(制限あり)」などの高度な機能も利用可能です。初回の1ヵ月は無料で利用できるため、Gemini 2.5 Proに触れてみたい場合や、Geminiを業務にどう活用できるのかを確認したい場合に向いています。

Gemini AI Ultra

【概要】

  • 月額36,400円
  • 初回3ヵ月は18,000円
  • Gemini 2.5 Pro Deep ThinkやVeo 3の完全版を利用可能
  • 月25,000のAIクレジット
  • Googleアカウントのストレージ30TB

さまざまな機能を低価格で利用できるGoogle AI Proに対し、Gemini AI Ultraは本格的に研究開発や動画生成をしたい場合に適したプランです。最新の推論モデルであるGemini 2.5 Pro Deep Thinkを利用できるほか、動画生成モデルのVeo 3にも制限なくアクセスできます。毎月のAIクレジットは、Google AI Proの25倍にあたる25,000に拡大するため、消費量を気にすることなく多くの動画を生成可能です。また、クラウドストレージは、Googleドライブ、Gmail、Googleフォトの合計で30TBまで利用できます。

Google Workspace

【各プランの料金】

  • Business Starter:1ユーザーあたり月額950円
  • Business Standard:1ユーザーあたり月額1,900円
  • Business Plus:1ユーザーあたり月額3,000円
  • Enterprise(大企業向け):要問い合わせ

Google WorkspaceでもGeminiを利用できます。Google Gemini(AI Pro / Ultra)は生成AI機能の提供に特化した個人・開発者向けサービスであるのに対し、Google Workspaceは企業やチーム向けの統合型クラウドサービスです。すべてのプランにGeminiが搭載されていますが、利用できる機能に違いがあります。たとえば、エントリープランのBusiness Starterでは、Gemini 2.5 ProやDeep Researchの利用は制限付きのアクセスです。

Google AI Ultra for Business

  • Workspace機能と最新AI機能を統合したアドオン
  • Google Workspaceの特定のプランに加入している場合に利用可能
  • Deep ResearchやVeo 3などのGemini機能にアクセスできる
  • 料金は為替レートや各プランへの加入期間によって異なる

Google AI Ultra for Businessは、Workspace機能と最新AI機能が一緒になった企業向けのアドオンです。Business StarterやBusiness Standardなど、Google Workspaceの各プランにすでに加入しているユーザーが追加機能として利用できます。GmailやGoogleドキュメント、Googleスプレッドシートに搭載されているGemini機能をほぼすべて利用できるほか、Gemini 2.5 Deep ThinkやVeo 3にもアクセスできる点が特徴です。

Geminiの使い方:利用開始の流れ

Geminiを使うにはGoogleアカウントが必要です。アカウントを持っていれば、誰でも簡単に登録して利用を開始できます。具体的な流れは次のとおりです。

  1. 公式サイトにアクセスし、[Geminiと話そう]をクリック
  2. 「利用規約」を最後まで閲覧し、[Geminiを使用]をクリック
  3. ポップアップされる「Gemini へようこそ」を閲覧し、[続ける]をクリック
  4. 手順3を完了させるとチャット入力欄が表示されるため、指示(プロンプト)などを入力して使用する

参照元:‎Google Gemini

【活用例】Geminiができること:コンタクトセンター業務の効率化

Geminiを活用することで、企業のあらゆる業務を効率化できます。例えばコンタクトセンターでは、日々大量に届く問い合わせメールの対応履歴をオペレーターが要約して記録しなければなりません。その点Geminiであれば、メール内容と要約用のプロンプトを入力するだけで、所定の形式で簡単に要約文を生成できます。

また、返信文を作成する際も、メール内容と返信用プロンプトを入力すれば、問い合わせに応じた自然な文章を自動生成可能です。これにより、オペレーターが手作業で文章を作る手間を省き、チェック作業に集中できるようになります。さらに、Geminiでは、問い合わせ内容からナレッジを自動生成したり、データの傾向を分析してインサイトを抽出したりすることも可能です。業務効率化と同時に、顧客満足度向上につながる効果的な情報活用を促進できる点がGeminiの魅力です。

以下の記事では、コンタクトセンターでの要約や返信文作成に実際にGeminiを活用できるかを検証しています。導入イメージの参考にしてください。

Geminiの最新動向

Geminiは進化を続けており、最新モデルや機能が続々と登場しています。動画生成モデル「Veo 3」やテキストを画像に変換するモデル「Imagen 4/Imagen 4 Ultra」が注目を集めているほか、デスクトップ版Chromeでの利用も可能になりました。さらには、先に紹介した「Gemini Flash Image(コードネーム:nano banana)」や、複雑なワークフローを自動化できる「Flow」などの多彩な機能も提供されており、ますますビジネスやクリエイティブ現場での活用が進んでいます。

まとめ

Geminiは、テキスト・画像・動画生成や高度な推論機能、Google製品との連携など、多彩な特徴を持つAIモデルです。軽量モデルから高度推論対応モデルまで多様な種類があり、ビジネスや研究のほか、コンタクトセンター、学校、クリエイティブ制作などの幅広い場面で活用できます。業務効率化やアイデア創出に役立つため、まずはGeminiを体験し、生成AIの性能を実感してみましょう。

この記事の推奨者

本部 景一
本部 景一
新卒で通信業界の企業に入社し、社内インフラ整備からアプリケーション開発まで幅広い開発業務に参画。その後PMとして教育業界向けWebフィルタリングサービスの立ち上げを担当した。2023年にベルシステム24入社後は言語生成AIの実証実験などを担当している。高速な開発サイクルを実現できる小規模チームや社内環境の構築を得意としている。情報処理安全確保支援士(第22000号)
ナレッジマネジメントがもたらす生成AI活用の道筋~RAGとナレッジ整備の可能性~

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