「KARTE(カルテ)」とは? できることやメリットを解説

 2025.03.31 2025.01.31

顧客行動の詳細な分析が可能なKARTE(カルテ)は、CX向上に大きく貢献するツールとして、多くの企業で活用されています。本記事では、コンタクトセンターの管理者をはじめ、CXの課題解決や改善を目指すためにツールの導入を検討している方に向けて、KARTEの概要と主な機能、導入メリットを紹介します。

「KARTE(カルテ)」とは? できることやメリットを解説

デジタルチャネルCX調査 2024ー2025年版

「KARTE(カルテ)」とは?

KARTEは、リアルタイムな顧客行動データを活用し、顧客一人ひとりにパーソナライズされたコミュニケーションの提供を可能にするCXプラットフォームです。

国産のCX(顧客体験)プラットフォーム

KARTEは、CX(Customer Experience)の向上に特化したWeb接客ツールです。Web接客の先駆者的なサービスとして高い信頼を獲得し、幅広い業界で導入が進められています。KARTEを用いれば、顧客行動のリアルタイムな追跡と詳細な分析が可能です。

CXの向上が企業成長を促す理由について詳しくは、以下の関連記事をご覧ください。

運営会社の概要

KARTEの開発と運営を手掛けているのは、東京証券取引所のグロース市場に上場する「株式会社プレイド」です。株式会社プレイドの概要は、以下の通りです。

会社名

株式会社プレイド(PLAID, Inc.)

所在地

〒104-0061 東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX 10F

設立

2011年10月

資本金

2,945,895千円(2023年9月時点)

代表者

倉橋 健太

事業内容

CXプラットフォーム「KARTE」等のSaaSの開発、提供及びプロフェッショナルサービスによる企業や組織、自治体等のDX支援

グループ会社

株式会社RightTouch
株式会社エモーションテック
アジト株式会社
株式会社CODATUM

認証取得

ISO/IEC 27017:2015
ISO/IEC 27001

参照元:株式会社プレイド

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【機能別】KARTEのできること

KARTEは機能ごとにパッケージ化されているのが特徴です。目的や課題に応じて必要なパッケージを選択できます。

Web接客「KARTE Web」

KARTE Webには、多様な業界で高い成果のあったシナリオが豊富なテンプレートとして用意されており、コーディングなしで施策を素早く反映できます。施策の実施効果を単にCTR(クリック率)やCVR(コンバージョン率)で判断せず、どのセグメントに対して効果があったか確認できます。課題発見に欠かせない分析機能と施策実施機能の両方を実装しているため、KARTE Webを活用すれば、マーケティングのPDCAサイクルをスムーズに回すことが可能です。

【主な機能】

  • リアルタイム分析:Webサイトまたはアプリ上のユーザー行動を施策に反映
  • ユーザー分析:任意の期間や行動で目的のユーザーを絞り込み、時系列で行動を追うことが可能
  • 施策分析:施策の振り返りや多角的な効果の分析
  • ポップアップ:業界ごとに多数のシナリオを用意
  • アンケート:ユーザーの声や評価収集と分析の実行
  • エディタ:GUIによる直感的な操作が可能
  • シナリオ分岐:ユーザー行動に応じたメール通知を実現
  • A/Bテスト:効果検証
  • セッションリプレイ:ユーザーの行動を動画で再生
  • データ連携:外部サービスとスムーズに連携できる

顧客体験向上「KARTE Message」

KARTE Messageは、顧客ごとにパーソナライズされたメッセージを適切なタイミングで配信するMAツールです。KARTE Messageを導入すれば、メールやLINEなどのメッセージを一元で管理できます。配信リストの設定は、GUI(Graphical User Interface)の直感的な操作で作成・管理できるため、複雑なコード記述は必要ありません。社内や外部サービスと柔軟に連携できます。

【主な機能】

  • マルチチャネル配信:メール、SMS、アプリプッシュといったマルチャネルの情報発信をサポート
  • リスト管理:行動や属性などをもとに施策の実施対象を抽出
  • キャンペーン管理:複数リストをもとに施策の実施対象を抽出、配信コンテンツの作成
  • エディタ機能:すべてのチャネルでGUIを用いた配信コンテンツの作成が可能
  • ステップ配信:メールの反応を基に数日後のリマインドメールを設定

モバイルアプリの分析・施策実行「KARTE App」

KARTE Appは、モバイルアプリの顧客分析や施策実行をワンストップで実施し、エンゲージメントの向上をサポートするツールです。基本機能はKARTE Webに準じるものの、データ連携などの一部機能には対応していません。KARTE Appでは、モバイルアプリのマーケティングに適した機能が備わっています。

【主な機能】

  • プッシュ通知:KARTE Appの計測データを基に柔軟な条件で顧客をグループ化し、プッシュ通知を出し分けることが可能
  • 要素書き換え:顧客ごとにアプリ内のコンテンツを書き換える

KARTE for AppとKARTEを併用する場合、Webサイトとアプリ上の顧客行動を一元で把握し、クロスデバイスのマーケティングを実行することが可能です。

広告配信最適化「KARTE Signals」

KARTE Signalsは、自社で収集したファーストパーティーデータを活用して、広告配信の最適化を図るツールです。ファーストパーティーデータとは、自社が直接収集して管理する顧客情報(氏名、連絡先、購買履歴など)を指します。KARTE Signalsは、クッキー規制によるターゲティング精度の低下やコンバージョンデータの欠損といった課題に対応し、広告運用の効果を向上させます。主な機能は以下の通りです。

【主な機能】

  • コンバージョンデータ補完:広告媒体のAPIを通じて不足するコンバージョンデータを補完し、より正確なデータ分析を実現
  • ターゲティング広告の精度向上:CRMで蓄積したデータを活用して、ターゲットを絞り込んだ高精度な広告配信が可能
  • クッキーレス対策:ファーストパーティーデータを用いて、クッキーレス環境下でも効果的な広告運用を維持

このツールにより、企業は広告配信の効果をリアルタイムで可視化し、データに基づいた最適化を行うことで、広告予算を効率的に運用できるようになります。

サイト運営・改善「KARTE Blocks」

KARTE Blocksは、LPO(ランディングページ最適化)やA/Bテストの実施、Webサイトの改善作業を効率化するツールです。KARTE Blocksには、Webサイトの現状分析や改善に役立つ豊富な機能が用意されています。

【主な機能】

  • リッチエディター:専用タグを導入して、Webサイトなどをブロック単位で管理
  • カスタムイベント計測:Webサイトなどのブロック単位でCVR(Conversion Rate:コンバージョン率)、ICVR(Indirect Conversion Rate:間接コンバージョン率)などを計測し、可視化する
  • セグメント別効果解析:顧客のセグメントごとにWebサイトなどの改善効果を検証
  • ライブリプレイ:セッション中の顧客行動を動画で確認できる

KARTE Blocksで管理しているブロックは、直感的な操作による置き換えや並び替えが可能です。プログラミング知識がないユーザーでもWebサイトを改修できるため、PDCAサイクルをよりスピーディーに回せるようになります。

カスタマーサポート「RightSupport by KARTE」(※)

RightSupport by KARTEは、問い合わせ前の顧客の行動を可視化して、特にエンドユーザーの自己解決促進を目的としたツールで、カスタマーサポートの課題発見と解消をサポートします。

  • 問い合わせ前の顧客行動を動画で確認
  • CRMの問い合わせデータと連携して顧客のつまずきポイントを把握
  • プログラミング知識不要でページを改修
  • 改修した結果をレポートで確認

RightSupport by KARTEを活用すれば、カスタマーサポート部門内でPDCAサイクルを実践することが可能です。問い合わせ数を削減し、カスタマーサポート部門の業務効率化とユーザーの自己解決向上を目指す際に有効です。

※RightSupport by KARTEについては、プレイド社からスピンオフした事業会社「株式会社RightTouch」の開発・運営プロダクトです。

データ統合・利活用「KARTE Datahub」

KARTE Datahub は、KARTEと外部サービスを連携してさまざまなデータを統合し、利活用を推進するプラットフォームです。SalesforceなどのCRMとKARTEを連携すれば、顧客データを横断的に管理できるため、より効率的に活用できます。100種類以上のテンプレートが用意されており、データベースの知識がないユーザーでも、容易にデータを利活用できます。KARTE Datahubはデータ取得作業の自動化による効率化を可能にします。

KARTEのメリット

KARTEの導入は、顧客にパーソナライズな体験を提供できるだけでなく、マーケティング効果の最大化、業務効率化の実現とデータに基づいた意思決定を可能にします。

自社の欲しい機能から始められる

KARTEは、主要な機能ごとに異なるパッケージが用意されているため、自社の目的や課題に応じた製品のみを導入することが可能です。必要なパッケージのみの導入は、無駄のない運用と初期コストの抑制を実現します。

効率よくCX向上の施策を打てる

CXの向上施策を効率的に実践するには、現状を正しく把握した上で仮説を立て、実践後の効果検証が欠かせません。KARTEには、一連の取り組みを効率的に実行できる豊富な機能が搭載されています。基本的には、ノーコードでWebサイトやアプリを改修できる点も大きなメリットです。

まとめ

KARTEは、顧客行動の分析・課題発見・マーケティング施策の実施と効果検証を効率化し、CXの向上をサポートするツールです。KARTEを導入するとパーソナライズされたWeb接客を顧客に提供でき、顧客ニーズに寄り添ったWebサイトやアプリの運営が可能です。

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福田 哲哉
福田 哲哉
ベルシステム24に入社後はオペレーション部門に配属となり、インバウンド、アウトバウンドのオペレーションマネージメントを10年に渡り経験。その後2017年より、事業開発部門へ異動。CTCファーストコンタクト社へ出向し、課長職としてCTCFC社の成長に寄与。2020年、出向期間終了とともにソリューション開発部(現:ソリューション企画推進部)へ帰任。現在はコンサルタントとして、オペレーション部門出身という経験を活かしながら、コールセンターとWeb領域を結ぶソリューション導入・オペレーション運用支援を行っている。
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