サポートコミュニティとは? 導入メリットや機能など基本を解説

 2025.01.24 2023.01.31

コンタクトセンターのユーザー対応に関する課題が顕在化しているのなら、サポートコミュニティの導入を検討してみてはいかがでしょうか。サポートコミュニティの導入により、ユーザーの満足度向上やサポート部門の負担軽減が実現します。本記事では、サポートコミュニティの導入メリットや機能などを解説します。

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サポートコミュニティとは

サポートコミュニティとは、その企業が提供している商品やサービスに関する質問や回答をユーザーが自由に投稿できるコミュニティです。ユーザー同士がやり取りできる場所を企業が設け、そこで製品やサービスについて知りたいことを誰かが質問すると、別のユーザーが答えてくれる仕組みです。

コミュニティに投稿できるのは、質問や回答だけではありません。投稿された内容に対して、「自分はこう考えている」「こう思う」といった意見、主張ができる場でもあります。

基本的にはユーザー同士がコミュニケーションをとる場であるものの、企業の担当者が対応するケースも見受けられます。

サポートコミュニティとFAQの違い

FAQとは、企業が顧客や従業員の疑問、課題などを解決するためのコンテンツです。よく寄せられる質問と回答をカテゴリー別に整理したコンテンツで、アクセスユーザーはスムーズに自分が求める答えを見つけられます。

サポートコミュニティとFAQ、どちらもユーザーの疑問や課題を解決する目的なのは同じです。ただ、サポートコミュニティはユーザーがユーザーの質問に答えを示すのに対し、FAQは企業側がよくある質問への回答を示します。

やり取りが発生する点も大きく異なる部分です。基本的にFAQはやり取りが発生せず、ユーザーはそこに記載された情報の取得しかできません。一方、サポートコミュニティはやり取りが発生するため、疑問を解決できなかったユーザーがさらに突っ込んだ質問をしたり、それにほかのユーザーが答えたりといった現象が発生します。

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サポートコミュニティの必要性

オウケイウェイヴ総研が実施した「サポートコミュニティ利用者の自己解決と満足に関する調査分析」によれば、「サポートコミュニティで解決したか」の問いに対し「質問についた回答を見て解決した」が全体の37.56%、「回答がつき完全には解決しなかったものの参考になった」は28.17%と、7割近くの人が肯定的でした。

また、「今後も困りごとがあったらサポートコミュニティを利用したいか」の問いには、「そう思う」が50.76%、「どちらかといえばそう思う」が33.50%と、8割以上の人が積極的に利用したいとの回答を示す結果となりました。

調査の結果から、ユーザーがサポートコミュニティを求めていることが分かります。解決までいたらずとも、解決につながる情報を取得できるため、一定の有用性があると考えられます。

サポートコミュニティ利用者の自己解決と満足に関する調査分析

サポートコミュニティを取り入れている企業

近年、さまざまな企業がサポートコミュニティを導入しています。たとえば、PC周辺機器を扱う企業や金融機関、携帯電話キャリアなどが挙げられます。

馴染みがないサービスや商品などを扱う企業が、サポートコミュニティを導入しているケースが少なくありません。使い方が浸透していない製品やサービスは、ユーザーが疑問を抱くケースが多いため、自己解決できる場としてサポートコミュニティを開設しています。

サポートコミュニティの導入メリット

企業がサポートコミュニティを導入することで、カスタマーサポートの支援になる点がメリットです。また、ユーザーはスピーディーに求める回答を得られるほか、顧客ロイヤリティの向上につながる、BCP対策として有効といったメリットも挙げられます。

カスタマーサポート支援になる

サポートコミュニティを導入すれば、ユーザーはコミュニティにアクセスして自ら求める情報を取得できます。このような環境が整うことで、電話やメールなどによる問い合わせを削減でき、カスタマーサポート担当者の業務負担軽減につながります。

問い合わせの減少によって、カスタマーサポートのサービス品質向上につながるのもメリットです。有人対応の手間と時間が減るため、本当に困っている顧客に対してじっくりと時間をかけた丁寧な対応が可能です。

また、質問内容によってはオペレーターが対応しきれないケースも少なくありません。このようなケースでも、サポートコミュニティの情報を参照することでユーザーの課題が解決する可能性があります。

ユーザーが早く回答を得られる

サポートコミュニティには、自分が知りたい情報がすでに掲載されているケースがあります。そのため、アクセスすればすぐに求める情報を得られ、課題解決につながります。

企業のサポート窓口へ連絡しても、なかなかつながらないといったケースは珍しくありません。このような場合でも、サポートコミュニティがあればそこで情報を参照でき、解決の手段をスピーディーに取得できます。

また、サポートへ連絡したにもかかわらず、オペレーターの知識不足で解決につながらないケースが考えられます。このようなケースも、サポートコミュニティへのアクセスで解決が可能です。

顧客ロイヤリティ向上につながる

企業や商品、サービスのファンが集まることでコミュニケーションが活発になり、結果的に顧客ロイヤリティの向上につながります。課題を解決したいユーザーはもちろん、解決策を示す側も人の役にたてることでいい気持ちになります。そこからさらに企業や商品のファン化が進み、顧客ロイヤリティの向上が可能です。

顧客ロイヤリティが高まれば、顧客はさらに自社の商品やサービスに愛着を抱いてくれる可能性があり、リピート率の向上が見込めます。また、SNSなどで企業や商品に関するポジティブな情報を発信してくれるようになり、そこからさらに顧客が増えるといった、よいスパイラルが生まれる可能性もあります。

BCP対策になる

サポートコミュニティはBCP対策としても有効です。予期せぬ災害や火災などの発生によって、サポート部門のオペレーターが出社できなくなると、ユーザーの問い合わせに対応できなくなってしまいます。

サポートコミュニティを開設していれば、上記のようなケースに陥っても事業の継続が可能です。オペレーターが出社しなくても、ユーザーはサポートコミュニティにアクセスして求める情報を取得できます。

日本は世界的に見ても自然災害が多く発生する国なので、適切なBCP対策が欠かせません。BCP対策の一環として、サポートコミュニティの開設も検討してみましょう。

サポートコミュニティの基本機能

サポートコミュニティに必要な基本機能として、質問や回答をするための機能が挙げられます。ユーザーがフォームに入力した質問がコミュニティ上に表示され、それにほかのユーザーが回答できるシステムが必要です。

また、過去に質問された内容やその回答を検索できる機能も求められます。検索機能を設ければ、ユーザーはスピーディーに回答にたどり着けるため利便性がアップします。キーワードで検索できる機能を設ける、質問をカテゴリー別に分類して整理するなどが有効です。

基本的に、サポートコミュニティを利用するのはユーザーであるため、ユーザーが使いやすい設計や機能が求められます。開設する際には、ユーザー視点で必要なシステムを抽出し、どうすればユーザーが使いやすいかを考えながら進めると、よいサポートコミュニティの構築につながります。

まとめ

サポートコミュニティの導入によって、ユーザーはスピーディーに求める情報を取得でき、満足度や顧客ロイヤリティの向上につながるのはメリットです。企業側も、サポート担当オペレーターの負担軽減につながり、業務品質の向上効果が期待できます。

なお、「ベルシステム24」では、チャットサポートソリューションやWeb接客といったサービスを提供しています。サービスの導入により、顧客は手軽に質問を寄せられるほか、サポート部門の業務効率化やオペレーターの負担軽減が可能です。

デジタルチャネルCX調査 2024ー2025年版

株式会社ベルシステム24

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