アフターサポートとは? メリットや企業の事例・戦略を紹介

 2025.01.24 2022.07.21

アフターサポートの導入は、企業の経営戦略として大きな意味を持っています。アフターサポートをうまく活用すれば、リピート率やロイヤルティの向上、自社商品がもつ真価の把握、新規顧客の獲得など、企業にとってさまざまなメリットが得られるでしょう。本記事では、アフターサポートの概要やメリット、アフターサービス・アフターフォローとの違い、アフターサポートを充実させた企業の実例を解説していきます。

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アフターサポートとは?

アフターサポートとは、その名の通り商品購入後に提供されるサービスの総称です。多くのアフターサポートには、商品の保証(一定期間に起こる不具合の対応)や、使用方法の指導サポート、商品の取り付け、部品・消耗品の交換などが含まれています。有料の場合と無料の場合があり、サポート期間もさまざまです。

昨今企業の経営戦略において、このアフターサポートが重要視されています。顧客は商品の購入を検討する際、アフターサポートの有無も確認するでしょう。顧客にとっては、万が一、商品に不具合があった場合に対応してくれるかや、使用方法を指導してくれるかなどは大きな問題です。そのため、アフターサポートの充実は、企業にとって顧客満足度を向上させるための大きな要素になります。

アフターサポートと似た言葉や言い換え表現

アフターサポートと似た言葉や言い換えの表現は、度々散見されます。代表的なものとして、アフターサポートとほぼ同じ意味である「アフターサービス」が挙げられます。

「アフターフォロー」もアフターサポートによく似た言葉のひとつです。一般的に、アフターフォローは商品販売後に顧客からの問い合わせや相談に対応する企業のサービスを指します。また「アフターケア」については、アフターサービスやアフターフォローよりも積極的な対応で、医療分野における術後のケアなどにおいて使われます。

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アフターサポートのメリット3選

企業が商品に対してアフターサポートを導入することで、どのようなメリットが得られるのでしょうか。代表的なメリットとしては、リピート率の向上や新規顧客の獲得などが考えられます。

リピート率やロイヤルティの向上

アフターサポートは、顧客に商品の価格や性能以外で高付加価値をつけられる要素です。商品を隅から隅まで知り尽くしたプロの点検や修理、また商品に関する問い合わせや相談を丁寧に受けることで、顧客は購入した商品を長く安心して使用できます。そして、長く使用すればするほど愛着やなじみが湧き、リピート購入する可能性も期待できるでしょう。

商品にアフターサポートの付加価値を提供することで、リピート率が上がり顧客満足度や顧客ロイヤルティの向上にも繋がります。アフターサポートは、顧客目線で行うことが重要です。アフターサポートの対応範囲や期限などを充実させることで、信頼感が高まり、ロイヤルティの向上が見込めます。

自社商品の強み・弱みを把握

アフターサポートの一環として、顧客から商品購入の理由などをヒヤリングすることで、商品の強みや弱みを把握できます。どんなに自信のある商品でも、実際に使用した顧客からの反応が思い通りにいかない可能性もあるでしょう。その商品の真価は、多くの顧客から得た感想でわかることもあります。

アフターサポートを提供することは、顧客から商品の感想を聞ける重要な機会を持つことにも繋がります。そこで自社商品の弱みを把握し、見落としていた改善点が明らかになるかもしれません。これらを今後の商品開発に繋げることで、より顧客のニーズに対応した商品が提供できるでしょう。

新規顧客の獲得

アフターサポートによって顧客満足度が向上し、ロイヤルティも高まることで、新規顧客の獲得が期待できます。顧客満足度やロイヤルティの向上は、口コミによりSNS上で商品が話題になったり、既存顧客が身近な友人や家族に紹介してくれたりするなどの効果をもたらします。

つまり、アフターサポートは効率的なマーケティング手法とも考えられ、特に紹介によって獲得した新規顧客のケースでは、電話営業などの一般的な手法によって獲得した顧客に比べて信頼関係が築きやすいという特徴があります。また、紹介された新規顧客は、企業に対する安心感から、引き続き商品を購入してくれるリピーターになり得る可能性もあるでしょう。

アフターサポートの経営戦略上の意義

現代の市場において、企業は激しい競争にさらされています。今後は、従来の新製品で入れ替え需要を促すビジネスモデルから、サブスクリプション型などの長期利用や継続的な収益を見据えた顧客接点の改革により、循環型ビジネスモデルに移行していく必要があります。デジタル化により顧客のニーズが多様化したことなどを受け、循環型ビジネスの成功にはアフターサポートが大きく影響するでしょう。

アフターサポートの窓口であるコンタクトセンターは、この循環型ビジネスにおける重要な役割を担います。顧客満足度を向上させるには、コンタクトセンターで顧客の声を汲み取り、適切なアフターサポートを行うことが大切です。それを実現するには、AIなどのIT技術を駆使し、業務効率化を実現する必要があります。業務効率の良いコンタクトセンターでは、的確なアフターサポートを提供でき、顧客からの信頼を得られるでしょう。

アフターサポートを充実させた企業の事例

アフターサポートを充実させ、顧客満足度の向上に成功した企業は、どのような手法を用いたのでしょうか。ここでは、コンタクトセンターサービスの「ベルシステム24」を利用した企業の事例を紹介します。

サントリーウエルネス株式会社

健康食品の通信販売では国内最大手の「サントリーウエルネス株式会社」は、美容事業において、既存顧客のアフターサポートに重点を置いた「伴走型モデル」のコンタクトセンターを取り入れました。コンタクトセンターのあるべき姿をベルシステム24と模索した結果、心配りと解決力を重視した「晴れやかな応対」を実現しています。

アフターサポートの充実により、2021年に行われた「お客様満足度調査」において、以前と比べて12~20ポイントも高い満足度が得られました。顧客に寄り添うアウトバウンドの実現が、このような成功例を生み出したのです。

株式会社バッファロー

パソコン周辺機器メーカーの「株式会社バッファロー」は、ホームページの問い合わせ窓口に正答率90%の「自然言語処理AI検索エンジン」を導入しました。このシステムの導入によって顧客の自己解決を促進した結果、メールでの問い合わせを約60%削減することに成功したのです。このことでコストダウンや業務効率化が実現し、さらに24時間365日対応のチャネルを構築することにも繋がっています。

自然言語処理のAI検索能力を上げるために、データのやり取りやAIのチューニングを繰り返し実施しているのも特徴です。継続的なメンテナンスでより高精度になり、高品質なアフターサポートを実現しています。

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まとめ

アフターサポートとは、商品に付加価値を与えるサービスです。アフターサポートを充実させることは、顧客満足度やロイヤルティの向上に繋がるため、企業にとって経営戦略の大きな要素と言えるでしょう。また、従来の新商品購入を促すビジネスモデルから、継続的な収益を見据えた循環型ビジネスへの移行により、アフターサポートの重要性が増しています。

高品質なアフターサポートの実現には、窓口であるコンタクトセンターを効率化することが重要です。そのためには、顧客に寄り添った応対の実現や、AIを活用したシステムの導入が求められます。

この記事の推奨者

野瀬 裕
野瀬 裕
2002年に当社入社。国内外の流通・製造・金融大手企業などの幅広い業界で営業及び営業マネジメント、2017年より製販組織責任者としてBPO事業運営を担う傍ら、新規事業開発としてスタートアップへの出資や資本業務提携に従事。ソニーコンピュータサイエンス研究所との共同事業であるイノベーション&コミュニケーション サイエンス研究所を経て、現在コンタクトセンター現場のDXを推進するDCXセールス部 部門責任者。
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