カスタマーサービスとは?顧客体験向上のポイントを解説

 2021.08.11  2024.01.05

企業において顧客との接点となるのがコンタクトセンターであり、そこで提供されるサービスがカスタマーサービスです。

従来はサポートやお問い合わせ窓口として開設していたコールセンターも、現在では、電話対応のみならず、WebやSNS、チャットボットなど、顧客との設定は増え続け、コンタクトセンターが担う役割も、商品購入段階のお客様も含まれるなど、顧客体験を提供する重要な部門となっています。

顧客対応として行うべき業務は多岐に渡りますが、本稿では、より良いカスタマーサービスをするために必要なポイントについてもご紹介し。近年カスタマーサービスへの導入がテクノロジーについても紹介いたします。

デジタル時代にふさわしい 顧客へのアプローチとは ~多様化する顧客接点を活かして真の顧客体験の実現へ~

カスタマーサービスの意味

カスタマーサービスとは、顧客への対応やサポートをすることを指します。カスタマーサービスの一例としては、商品やサービスの情報を提供すること、顧客が疑問に感じていることや解決できずに困っている問題の解決策や、その理由などを伝えることなどです。説明だけでは解決できない事案の場合、実際に対処を行う専門部署などへの橋渡しをします。

カスタマーサービスの対象は、商品の購入者やサービスの利用者だけではなく、商品の購入前やサービスの利用開始前の顧客も対象です。

≪カスタマーサービスの例≫

  • 商品の特徴や活用法などの説明
  • 注文方法や決済方法などの説明
  • 各種クレーム対応
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顧客体験の向上を考えたカスタマーサービスのポイント

顧客体験とは、顧客がサービスや商品の存在を知り興味を持ち、商品購入、サービス利用を開始、またその後に至るまで顧客として関わる体験のことを指します。顧客体験を向上させることは、企業の総合的な評価を向上させることに繋がるので、とても重要です。ここでは、顧客体験向上を考えたカスタマーサービスのポイントをご紹介します。

クレームをチャンスとして捉える

カスタマーサポートの中でも多いのが、クレーム対応です。クレームがくることにいい印象を持たない方もいるでしょう。しかし、クレームには企業がより良く成長していくために重要なヒントが隠されていることがあります。

まず、クレーム対応をしっかりとすることで、顧客に対して企業としての姿勢を示しましょう。商品やサービスに問題があっても、真摯な対応をして不満や問題点を解消することで、顧客側に「またこの企業の商品やサービスを利用してもいい」という気持ちになってもらえるようにします。

また、商品やサービスに不満を感じた顧客のうち、企業に対してクレームを言ってくる顧客の割合は数パーセント程度だと言われています。つまり1人の顧客からクレームがあった場合、同じ不満を抱えた顧客がほかにも多くいるということです。クレームの内容を商品開発やサービス内容変更に取り入れることで、顧客ロイヤリティの向上が可能になり、それに伴い企業評価が上がり収益増へ繋げられます。つまりクレームは企業成長のチャンスなのです。

カスタマーサポートとの違いや関係を理解する

カスタマーサービスとカスタマーサポートはとても近いものなので、その違いについて明確にせず、同一とみなしている企業もあります。確かに顧客対応をする点では共通していますが、この2つは異なる役割を持っています。この役割の違いを明確にすることで、顧客満足度の向上に繋がることもあるため、しっかりと区別することが重要です。

カスタマーサービスは、顧客の問題を聞き取り、理解した上で解決策を提案し解決策が必要な理由を説明します。一方カスタマーサポートは、カスタマーサービスが聞き取った問題を解決する具体的な方法を説明する役割を果たします。カスタマーサービスのひとつがカスタマーサポートという位置づけであるともと言えるでしょう。

≪カスタマーサポートの例≫

  • システム導入時のインストール方法の説明
  • システムの使い方などのトレーニング
  • アップグレード作業
  • 商品やシステムの故障やエラー発生時のメンテナンス
  • 電話や遠隔操作によるトラブル対応

スキルの重要性を知り向上させる

カスタマーサポートで顧客に満足してもらうためには、さまざまなスキルが必要とされます。ここではカスタマーサポートに必要なスキルを解説します。

【顧客が快く感じる話し方のスキル(口調・スピード・あいづちのタイミングなど)】
顧客とのコミュニケーションスキルも大切です。具体的には顧客に合わせた口調やスピードで話すことです。顧客との会話がスムーズになり、良い印象を与えられます。またあいづちのタイミングが適切であることも顧客と会話をする上で意識したいことです。

【顧客の話を正しくヒアリングし現状把握をするスキル】
自分が話をするスキルだけではなく顧客の話を正しくヒアリングするスキルも必須です。顧客の話から現状把握をすることで正しい解決策を提案できます。またヒアリングをした内容が間違っていると、他部門に対応を依頼した際に大きなトラブルに繋がるので注意が必要です。

【顧客の話の内容を理解したことを伝えるスキル】
ヒアリングするスキルと同じぐらい重要なのが、顧客の疑問や要望をしっかりと受け止め理解したことを顧客に伝えることです。その作業をすることで、顧客に安心感を与えられます。

【問題を解決するための方法を的確に判断するスキル】
顧客の抱える問題を解決する方法を的確に判断するスキルは欠かせません。ここで判断を誤ると顧客を失望させてしまいます。イレギュラー案件に関しては、経験豊富なスタッフでも判断に困ることもあるでしょう。そんな場合に自分一人で判断せずに、上司などに判断を仰ぐという選択ができることも大切です。

【回答やサポート内容をわかりやすくコンパクトにして伝えるスキル】
顧客に対して回答やサポート内容を伝える際には、極力専門用語を避けてわかりやすい言葉選びをします。また、だらだらと長い説明は要点がわからなくなり相手に伝わりづらいので、簡潔に伝えることが重要です。

【チャットやメールでの対応でも丁寧さを相手に伝えるスキル】
電話で話すのと、チャットやメールで伝えるのでは異なるスキルが必要です。文章の内容でこちらの人柄が伝わってしまうことも少なくはありません。特にチャットはスピード重視のところもあり、表現が単調になりすぎたり、フランクになったりしてしまいがちなので言葉選びに気を付けましょう。

トレーニング・研修を実施する

いくら完璧なマニュアルがあっても、現場でそれを活かせなければ意味がありません。顧客対応を担当する前に電話対応などのトレーニングをしっかりとすることが大切です。トレーニング期間はしっかりと取り、顧客に満足してもらえる対応ができるようになってから顧客対応を行わせるようにしましょう。

カスタマーサポートは顧客の評価がわかりやすく出てしまう部門です。顧客に対して「新人なので対応の未熟さや誤案内も許容してください」などという言い訳は通りません。

新人だけでなく、経験豊富なベテランスタッフにも、定期的なトレーニングや研修を行いましょう。経験を積むと、基本的なスキルをおろそかにしてしまったり、新しいサービスに対応できていなかったりします。

カスタマーサービスのスタッフは、企業の商品やサービスの熟知していなければなりません。商品やサービスは常に新しいものができるものです。その新しい商品やサービスに関する知識も頭に入れておかなければ、顧客の満足する対応はできません。熟練のスタッフだとしても新しい情報をインプットするための研修を欠かさないようにしましょう。

顧客のことを考えて対応する

カスタマーサポートでは、顧客のことを考えて行動する顧客重視という考えが大切です。ただマニュアル通りの対応をするのではなく、顧客の気持ちに寄り添い顧客の意図するものや求めているものを的確に汲み取るような対応をするようにします。顧客のことを考えて接することで、顧客側にもこちらの気持ちが伝わりクレームなどで気が立っている顧客の気持ちをクールダウンさせることも可能です。

企業に顧客中心主義を浸透させる

「顧客中心主義」とは、何もかも顧客の要望を聞き入れ、言われるがままに対応するという意味ではありません。「顧客中心主義」とは、顧客側の立場になって顧客が抱える課題を受け止め、適切な解決策を提供することです。この考えは、カスタマーサポートに係るスタッフだけが持っていれば良いわけではありません。商品企画のスタッフ、営業、販売員はもちろん経営層も例外ではなく企業全体に「顧客中心主義」を浸透させることが大切です。「顧客中心主義」を実現させるためには、部門を超えた連携が必要になります。

顧客獲得における貢献を考える

カスタマーサービスは顧客獲得には無関係と考えている方もいるでしょう。しかし、カスタマーサービスが顧客獲得に貢献することもあるのです。

商品の購入やサービスの利用をするか検討中の顧客からカスタマーサービスに問い合わせが入ることがあります。ここでの対応次第で、売り上げにつながるか否かが分かれるでしょう。顧客が商品やサービスに対して持っている期待度が上がれば顧客獲得に繋がります。つまり、カスタマーサービスは顧客獲得という直接利益につながる分野でも真価を発揮しているということです。

対応チャネルにチャットを導入する

近年カスタマーサポートの対応チャネルとして取り上げられているのが、チャットです。チャットによるサポートは大きく2つの種類に分かれます。

オペレーターがリアルタイムに対応する有人型と、自動応答型です。自動応答型はさらに、あらかじめ質問や回答を登録するシナリオ型と、人工知能が蓄積された過去の情報をもとに回答する人工知能型に分かれます。また、有人型と自動応答型を組み合わせているチャットサポートもあります。

チャットの場合、自動応答であれば人件費も掛からないので、対応時間を24時間にしてもコストが変わらないという利点があります。一方、有人型の場合、自動応答より細かい対応が可能になります

またコールセンターとは異なり、複数の顧客の対応を1人のスタッフが同時に行えるので効率的で、人件費も削減できます。

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まとめ

カスタマーサービスは顧客の評価を左右する重要な役割を担っています。顧客を満足させる対応ができるよう、顧客対応を行うスタッフにトレーニングと研修でスキルと知識を身につけさせることは必須と言えます。

また、カスタマーサービスを提供するコンタクトセンターでは、最新テクノロジーを活用した様々なツールやサービスも存在しています。

対応チャネルにAIを搭載したチャットボットを取り入れることで、24時間365日で自動応答に対応することや、音声認識や感情解析を行うエンジンを活用することで顧客分析を行い応対品質の強化を図るなど、様々なツールを活用したカスタマーサービスの提供により、サービス質の向上や業務の効率化を図ることも可能となっています。

ベルシステム24では、クラウドコンタクトセンター基盤から、顧客情報管理、音声認識・分析ソリューションや自動応答ソリューションなど、方部なサービスラインナップでお客様の次世代のコンタクトセンター構築を支援いたします。

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衣笠 雄海
衣笠 雄海
新卒から約10年間コンタクトセンターの運用管理を経験。センター構築から業務改善、品質管理、PL管理を行い、最終的に1拠点のセンター長としてセンター管理も経験。その後コンサルティング部に異動し、上流及び業務コンサルティングを中心に業界問わず約20件程度のプロジェクトを経験し、現在はプロジェクトマネージャーとして様々なプロジェクトの全体管理を行っている。
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