データ分析の基本から活用シーンまで|具体的なポイントを解説

 2020.11.05  2024.04.23

近年、ITシステムの発達により、企業はさまざまな情報を簡単に蓄積できるようになりました。しかし、それらのデータは分析や可視化などを行い、適切に処理されなければ企業の意思決定に活かすことができません。この記事では、データ分析の概要や活用シーンといった基本知識に触れながら、具体的なやり方やポイントを解説します。

VOC(Voice of Customer)の取得から分析までの方法とは?

データ分析とは

データ分析とは、顧客情報や購買情報、アクセスデータ、仕入れ情報など、企業が蓄積するデータから目的に合った情報を抽出することです。ITシステムの導入により、企業はさまざまな情報を自動的に蓄積できるようになりました。しかし、それらはただ集めるだけでは意味がなく、整理や取捨選択、グラフなどによる可視化といったプロセスを経て、はじめて活用できるようになります。

とはいえ、企業が日々蓄積する情報は膨大な量があり、それらを人の手で分析するのは多くの時間や手間がかかります。加えて、古い情報をビジネスに活かすのでは意味がなく、企業は最新の情報を適切なタイミングで整理や加工、分析する必要があります。データ分析はスピード感が求められる業務であるため、データ分析に特化したサービスやシステムを活用し、必要な情報をすぐに取り出せる仕組みを構築しておくことが望まれます。

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データ分析を行うメリット

データ分析を行うことで、合理的かつ客観的な視点で施策を検討でき、イレギュラーな事態にも対応しやすくなります。ここでは、データ分析のメリットをより詳しく紹介します。

データに基づいた効果的な施策を実行できる

効果的な施策を考案するには、顧客の属性や購買状況、季節などさまざまな要因を検討しなければなりません。過去の傾向がわからないままアイデアを出しても行き当たりばったりな施策になってしまうため、継続して効果を出すのは難しいでしょう。データを用いることで根拠のある施策を打ち出すことができ、近年の複雑化するニーズにも対応しやすくなります。

また、データ分析はマーケティング分野だけではなく、経営判断や顧客対応などにも用いられています。個々のニーズを汲み取ったきめ細やかな対応や、世の中の変化に対応したスピーディーな意思決定などが可能になり、顧客や市場に対してより柔軟に対応できるでしょう。

素早く意思決定できる

「これまでと同じやり方でアプローチしても、思うように効果が出ない」「売上が伸びない原因が特定できない」などの課題を抱える企業は多いものです。そのような場合は、一刻も早く改善策を検討し、新たな施策を打ち出していくことが求められます。しかし、思い込みや先入観などによって現状を正しく把握できず、正しい判断が下せないケースは少なくありません。

データは客観的な事実を表しており、人の考え方や経験などによって左右されるものではありません。現状を正しく伝えてくれるため、課題を迅速に把握しスピーディーに意思決定を下すことができます。

課題の特定や予測もできる

過去の傾向を把握することは、将来的な売上を予測することにもつながります。例えば、季節による売上の変動や新製品の購買数、来客数の推移などを把握することで、施策の内容や人員配置、施策を打ち出すタイミングなどを決定しやすくなるでしょう。

また、企業が成長を続けるためには、将来的なリスクを明らかにしておくことも大切です。市場の縮小や顧客数の減少など、起こりうるリスクを把握しておくことで、取り組むべき課題がより明確になります。

データ分析の活用シーン

データ分析はマーケティングや顧客対応、経営戦略などさまざまな分野で活用されています。業界や職種によって違いはあるものの、活用方法は以下のようなものがあります。

  • 店舗の商品売上データ分析
  • ECサイトの顧客の遷移分析
  • 製造業における設備の点検データ分析
  • 検品データの分析
  • 農業における気候や土壌などのデータ分析
  • コンタクトセンターにおける顧客からの問い合わせ分析

特にコンタクトセンターでは、顧客管理やオペレーターの評価、カスタマーサービスなどのシーンでデータ分析が活用されています。

コンタクトセンターでデータ分析をする目的

そもそも、コンタクトセンターにおけるデータ分析は、なぜそれほど重要なのでしょうか。データ分析をする目的は、主に3つあります。

まず第一の目的は、顧客のニーズを知るためです。電話やメール、チャットなどで顧客と直接やり取りをするコンタクトセンターには、毎日たくさんの問い合わせが寄せられます。その顧客の声を集積して分析すれば、顧客がどのようなことに不満を感じているのか、どのような商品やサービスを求めているのかなどが見えてきます。

今は、商品をいったん売ってしまえば終わりではなく、最後まできちんとサポートして顧客を成功まで導く、「カスタマーサクセス」が求められている時代です。顧客のニーズをしっかり把握すれば、「カスタマーサクセス」を実現できる商品やサービスを開発しやすくなります。需要やトレンドにぴったり合うものを市場に送り出すことで、ブランドのイメージアップも狙えるでしょう。
2つ目の目的は、顧客属性を把握するためです。年齢や性別、居住地、商品の購買・サービスの利用履歴、問い合わせ内容などの情報が集まれば、顧客の傾向を分析できます。特に、企業間の競争が激しい業界においては、周囲と一歩差をつけつつ的確なプロモーションをするうえで、顧客属性の把握は重要な要素といえます。

最後に、オペレーターの定量評価をする目的もあります。各オペレーターの対応数や保留時間、後処理時間などの情報を集めれば、実際の稼働状況に基づいた客観的な評価ができます。さらに詳しく分析して、コミュニケーション力や対応スキルなどを数値化することも可能です。改善点を見い出したときに適切なフィードバックや指導を行えば、オペレーターがスキルアップする機会となり、応対品質の向上が期待できます。
また、優秀なオペレーターを適切に評価することで、仕事に対するモチベーションが向上します。結果、離職率を引き下げることにもつながるでしょう。

コンタクトセンターの具体的な分析パターン

コンタクトセンターでデータ分析する主な方法としては、「VOC分析」「KPI分析」「会話分析」の3つが挙げられます。それぞれ具体的にどのようなものなのか、1つずつ見てみましょう。

VOC分析

VOC分析の「VOC」とは、「voice of customer」の頭文字を取ったもので、「お客様の声」という意味があります。つまりVOC分析とは、電話やメール、チャットなどを通して企業に寄せられる顧客の声を分析することです。顧客の生の声を収集すれば、ニーズを正しく把握でき、顧客満足度の向上を実現させられます。毎日寄せられるVOCを分析することは、今ある商品やサービスの改善点を発見したり、よりよいものを開発したりするのに役立ちます。

VOCを収集するうえで効率のよい場所といえば、やはりコンタクトセンターです。もちろん、実店舗を有している企業は、店舗でも来店した顧客からの声を収集できます。しかし、対面ではなく電話越し、またはインターネットを介したやり取りをするコンタクトセンターのほうが、顧客はより本心を伝えやすいでしょう。

KPI分析

KPI分析の「KPI」とは、「Key Performance Indicator」の頭文字を取ったものです。日本語では「重要達成度指標」などと訳されており、目標の達成度合いを評価する指標のことをいいます。コンタクトセンターにおいては、主に平均後処理時間や平均保留時間、応答率などの項目を分析します。

KPI分析は、コンタクトセンターの現状を正しく把握し、オペレーターの評価をするうえでとても重要です。コンタクトセンターが目標とするのは「応対品質の向上」や「顧客満足度の向上」などですが、これらは成果が目に見えづらいものです。しかし、KPI分析を取り入れることにより、顧客満足度や効率性、応対品質などを数値化して評価することが可能となります。その結果、明確な数値目標を設定しながら、業務の改善を目指せるのです。

会話分析

会話分析とは、AI(人工知能)の音声認識や自然言語処理、マイニングなどの技術を取り入れた分析方法です。まず、音声認識技術を使って、顧客とのやり取りをテキスト化します。次に、自然言語処理技術により、その文章を意味ある言語として認識させます。それらのテキストや音声から、規則性などを抽出するのがマイニングです。

AIは、これまでコンタクトセンターが受けてきた膨大な問い合わせをデータベース化し、その中から各問い合わせに最適な回答を提示します。実際に顧客と応対するオペレーターのサポート役として、スムーズなコミュニケーションを補助する役割を果たすのです。

また、AIの音声分析に関連して、近年注目されている分野の1つが「感情解析」です。これは、顧客の声の大小や高低を解析して、喜怒哀楽といった感情変化を読み取るものです。感情解析を利用すれば、顧客が感情を害しているときにはスムーズに上長へ対応を委ねる、購買を検討しているときには積極的にプロモーションする、など柔軟な応対が可能となります。

コンタクトセンターなどでデータ分析する際のポイント

データ分析は求めている情報によって、適切なパターンを選択することが大切です。しかし、蓄積した情報の正確性に問題があったり、可視化の手法が適切でなかったりすると分析の精度が下がってしまう恐れがあります。分析を行うときは、以下のポイントを参考にするとよいでしょう。

  • データ分析の目的を明確にする
  • 正確なデータを用いる
  • わかりやすく視覚化する
  • 数値のばらつきや偏りに注目する

重要なのは、必要な情報を抽出したらグラフなどでデータを視覚化することです。数字を羅列したままではひと目で結果を確認しづらく、推移や規則性などを見つけるのが難しいでしょう。計測期間は3ヶ月や半年、1年ほどを目安とし、数値のばらつきや偏りなどがあればその要因を探っていくことが大切です。

コンタクトセンターにおける分析対象

コンタクトセンターでは、顧客ニーズの理解を深めたり、効果的なアプローチ方法を見極めたりするためにデータ分析を活用します。分析対象となるのは、コンタクトセンターシステムやコールのログの他、メールや手がき、SNSなどで収集するアンケートなどが挙げられます。

1.コンタクトセンターシステム

コンタクトセンターシステムとは、通話時間や対応件数、応答率などを管理するシステムです。オペレーターの業務効率やコンタクトセンターの接続品質を分析できます。分析の指標となるのは、以下の項目です。

  • AHT(Average Handling Time):1対応あたりの平均処理時間
  • ATT(Average Talk Time):1対応あたりの平均通話時間
  • ACW(After Call Work):通話終了後の作業にかかる平均時間
  • CPC(Cost Per Call):1コールあたりの費用
  • CPH(Call Per Hour):1時間で受信したコール数
  • 応答率
  • 放棄呼率

これらの指標を改善することで、生産性の向上が期待できます。

2.コールログ

コールログとは、オペレーターと顧客のやり取りを記録したデータのことです。コールログを分析することで「どのような要件で問い合わせがあったか」「どのような対応が顧客満足度を高めるのか」などを把握できます。VOC分析で多く用いられる手法のひとつで、顧客ニーズへの理解を深めたり、効果的なアプローチ方法を見極められたりするメリットがあります。

3.モニタリング

オペレーターひとりひとりの品質を見極めるときは、モニタリングという手法が効果的です。モニタリングとは、オペレーターと顧客の応対記録を録音したものです。管理者が録音を聞き、それぞれのオペレーターに電話対応のフィードバックを与えることで、能力の向上に役立てられます。チェックシートで評価を行う方法が一般的ですが、メーカーによってはコンタクトセンターシステムが活用できる場合もあります。

4.アンケート

VOC分析でよく用いられる方法として、顧客へのアンケート調査が挙げられます。メールやチャットボットなどで顧客へ直接アプローチすることが多く、オペレーターの対応や商品・サービスの満足度などを知ることができます。アンケート項目の一例は以下のとおりです。

  • オペレーターの対応は適切であったか
  • 問題を解決できる回答はもらえたか
  • 商品・サービスの品質はどうか

とはいえ、アンケートは送付するだけでは、なかなか回答がもらえないことも多いものです。状況によってはプレゼント企画やポイントの付与など、回答率を高める施策を検討するとよいでしょう。

データ分析を効率化するには?

コンタクトセンターにおけるデータ分析を効率化するためには、「VOC分析ツール」の活用がおすすめです。VOC分析ツールとは、収集した顧客の声を時系列推移・感情解析・テキストマイニングなどの方法で分析する、便利なシステムです。

分析結果を社内で共有すれば、問題点を洗い出して改善を図ることが容易になります。顧客の声を大切にして商品・サービスの改良を進めるとともに、応対品質を向上させれば、顧客満足度が上がります。それにより、顧客からのクレームが減り、感謝や喜びの声が寄せられるようになれば、スタッフの満足度も向上し、働く意欲が高まるという好循環が生まれるでしょう。

顧客との対話を可視化・分析する「BellCloud VOC」の特徴

「BellCloud VOC」とは、VOC分析やマーケティングレポートなどの分析を効率化できるコンタクトセンターテクノロジーサービスです。音声認識機能により通話内容を高精度でテキスト化し、日時や顧客属性などのキーワードとともにデータを蓄積します。収集されたデータは、キーワードをもとに検索したり、リアルタイムで上長に表示してスピーディーなトラブル解決に役立てたりできます。オペレーターの発言をモニタリングし、使ってはいけないNGワードを監視するなどして、コンプライアンス対策を徹底させることも可能です。

「BellCloud VOC」を使うと、顧客の感情も解析ができます。顔が見えないと読み取りづらい感情を声から分析して、適切にコミュニケーションが取れるようにサポートしてくれます。

また、「BellCloud VOC」のテキストマイニング機能では、数値化した定量データと、音声などの数値化しにくい定性データの両方を分析できます。文単位での集計や分析、会話の話題単位での分析ができ、素早く顧客の要望をくみ取ったり、必要に応じて問い合わせ内容を分類したりします。

コンタクトセンターに集積されたデータは、可視化して皆が理解できるようにしなければ、その情報を今後のために活用することはできません。高精度な「BellCloud VOC」を使えば、情報を時系列にまとめる、よくある問い合わせの顧客属性を調べるなどして、データを意味あるものにできます。クラウド型のサービスなので、導入したあとに拡張したり、月単位でライセンス数を増減したりすることも可能です。VOC分析ツールの導入をお考えの際には、ぜひ「BellCloud VOC」をご検討ください。

まとめ

データ分析とは、企業が業務を行うなかで蓄積した顧客情報や仕入れデータ、購買状況データなどから目的に合った情報を抽出することです。自動的にデータを蓄積するITシステムを導入している企業は多いものの、それらに適切な処理が行われておらず、データを意思決定に活かしきれていないケースも多く見受けられます。

データ分析によって生産性を向上できる業種として、コンタクトセンターが挙げられます。コンタクトセンターシステムではオペレーターの稼働状況や通信状況などが記録されているため、それらを活用することで対応の質や接続品質などを改善できるからです。これからデータ分析を検討している企業は、高精度なVOC分析ツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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竹田 努
竹田 努
2004年に入社後、10年ほどは大型コンタクトセンターを中心にオペレーション、経営企画、営業(プライシング部)、事業管理部門など経験。その後コンサルタントマネージャーとして、各種業界(通信、金融、メーカー、小売り、サービス業)のコンタクトセンターのソリューション計画・設計・構築・導入、定着化支援を担当。現在は、CRM基盤やナレッジマネジメント、チャットボット導入、VOC分析などの活動を行っている。顧客に寄り添うことをモットーにプロジェクト管理、統括責任者として多数実績あり。
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