コンタクトセンター 分析とは?具体的な分析パターンについて

 2020.11.05  2023.02.28

顧客との距離が近いコンタクトセンターは、顧客ニーズや属性などの情報を集積・分析するのに適した場です。また、オペレーターの稼働状況を分析すれば、コンタクトセンターの応対品質向上に役立ちます。今回は、中小企業の経営者や管理職、マーケティング担当者に向けて、コンタクトセンターにおけるデータ分析のパターンについて解説します。

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コンタクトセンターでデータ分析をする目的

そもそも、コンタクトセンターにおけるデータ分析は、なぜそれほど重要なのでしょうか。データ分析をする目的は、主に3つあります。

まず第一の目的は、顧客のニーズを知るためです。電話やメール、チャットなどで顧客と直接やり取りをするコンタクトセンターには、毎日たくさんの問い合わせが寄せられます。その顧客の声を集積して分析すれば、顧客がどのようなことに不満を感じているのか、どのような商品やサービスを求めているのかなどが見えてきます。

今は、商品をいったん売ってしまえば終わりではなく、最後まできちんとサポートして顧客を成功まで導く、「カスタマーサクセス」が求められている時代です。顧客のニーズをしっかり把握すれば、「カスタマーサクセス」を実現できる商品やサービスを開発しやすくなります。需要やトレンドにぴったり合うものを市場に送り出すことで、ブランドのイメージアップも狙えるでしょう。

2つ目の目的は、顧客属性を把握するためです。年齢や性別、居住地、商品の購買・サービスの利用履歴、問い合わせ内容などの情報が集まれば、顧客の傾向を分析できます。特に、企業間の競争が激しい業界においては、周囲と一歩差をつけつつ的確なプロモーションをするうえで、顧客属性の把握は重要な要素といえます。

最後に、オペレーターの定量評価をする目的もあります。各オペレーターの対応数や保留時間、後処理時間などの情報を集めれば、実際の稼働状況に基づいた客観的な評価ができます。さらに詳しく分析して、コミュニケーション力や対応スキルなどを数値化することも可能です。改善点を見い出したときに適切なフィードバックや指導を行えば、オペレーターがスキルアップする機会となり、応対品質の向上が期待できます。

また、優秀なオペレーターを適切に評価することで、仕事に対するモチベーションが向上します。結果、離職率を引き下げることにもつながるでしょう。

コンタクトセンターの具体的な分析パターン

コンタクトセンターでデータ分析する主な方法としては、「VOC分析」「KPI分析」「会話分析」の3つが挙げられます。それぞれ具体的にどのようなものなのか、1つずつ見てみましょう。

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VOC分析

VOC分析の「VOC」とは、「voice of customer」の頭文字を取ったもので、「お客様の声」という意味があります。つまりVOC分析とは、電話やメール、チャットなどを通して企業に寄せられる顧客の声を分析することです。顧客の生の声を収集すれば、ニーズを正しく把握でき、顧客満足度の向上を実現させられます。毎日寄せられるVOCを分析することは、今ある商品やサービスの改善点を発見したり、よりよいものを開発したりするのに役立ちます。

VOCを収集するうえで効率のよい場所といえば、やはりコンタクトセンターです。もちろん、実店舗を有している企業は、店舗でも来店した顧客からの声を収集できます。しかし、対面ではなく電話越し、またはインターネットを介したやり取りをするコンタクトセンターのほうが、顧客はより本心を伝えやすいでしょう。

KPI分析

KPI分析の「KPI」とは、「Key Performance Indicator」の頭文字を取ったものです。日本語では「重要達成度指標」などと訳されており、目標の達成度合いを評価する指標のことをいいます。コンタクトセンターにおいては、主に平均後処理時間や平均保留時間、応答率などの項目を分析します。

KPI分析は、コンタクトセンターの現状を正しく把握し、オペレーターの評価をするうえでとても重要です。コンタクトセンターが目標とするのは「応対品質の向上」や「顧客満足度の向上」などですが、これらは成果が目に見えづらいものです。しかし、KPI分析を取り入れることにより、顧客満足度や効率性、応対品質などを数値化して評価することが可能となります。その結果、明確な数値目標を設定しながら、業務の改善を目指せるのです。

会話分析

会話分析とは、AI(人工知能)の音声認識や自然言語処理、マイニングなどの技術を取り入れた分析方法です。まず、音声認識技術を使って、顧客とのやり取りをテキスト化します。次に、自然言語処理技術により、その文章を意味ある言語として認識させます。それらのテキストや音声から、規則性などを抽出するのがマイニングです。

AIは、これまでコンタクトセンターが受けてきた膨大な問い合わせをデータベース化し、その中から各問い合わせに最適な回答を提示します。実際に顧客と応対するオペレーターのサポート役として、スムーズなコミュニケーションを補助する役割を果たすのです。

また、AIの音声分析に関連して、近年注目されている分野の1つが「感情解析」です。これは、顧客の声の大小や高低を解析して、喜怒哀楽といった感情変化を読み取るものです。感情解析を利用すれば、顧客が感情を害しているときにはスムーズに上長へ対応を委ねる、購買を検討しているときには積極的にプロモーションする、など柔軟な応対が可能となります。

データ分析を効率化するには?

コンタクトセンターにおけるデータ分析を効率化するためには、「VOC分析ツール」の活用がおすすめです。VOC分析ツールとは、収集した顧客の声を時系列推移・感情解析・テキストマイニングなどの方法で分析する、便利なシステムです。

分析結果を社内で共有すれば、問題点を洗い出して改善を図ることが容易になります。顧客の声を大切にして商品・サービスの改良を進めるとともに、応対品質を向上させれば、顧客満足度が上がります。それにより、顧客からのクレームが減り、感謝や喜びの声が寄せられるようになれば、スタッフの満足度も向上し、働く意欲が高まるという好循環が生まれるでしょう。

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顧客との対話を可視化・分析する「BellCloud VOC」の特徴

「BellCloud VOC」とは、VOC分析やマーケティングレポートなどの分析を効率化できるコンタクトセンターテクノロジーサービスです。音声認識機能により通話内容を高精度でテキスト化し、日時や顧客属性などのキーワードとともにデータを蓄積します。収集されたデータは、キーワードをもとに検索したり、リアルタイムで上長に表示してスピーディーなトラブル解決に役立てたりできます。オペレーターの発言をモニタリングし、使ってはいけないNGワードを監視するなどして、コンプライアンス対策を徹底させることも可能です。

「BellCloud VOC」を使うと、顧客の感情も解析ができます。顔が見えないと読み取りづらい感情を声から分析して、適切にコミュニケーションが取れるようにサポートしてくれます。

また、「BellCloud VOC」のテキストマイニング機能では、数値化した定量データと、音声などの数値化しにくい定性データの両方を分析できます。文単位での集計や分析、会話の話題単位での分析ができ、素早く顧客の要望をくみ取ったり、必要に応じて問い合わせ内容を分類したりします。

コンタクトセンターに集積されたデータは、可視化して皆が理解できるようにしなければ、その情報を今後のために活用することはできません。高精度な「BellCloud VOC」を使えば、情報を時系列にまとめる、よくある問い合わせの顧客属性を調べるなどして、データを意味あるものにできます。クラウド型のサービスなので、導入したあとに拡張したり、月単位でライセンス数を増減したりすることも可能です。VOC分析ツールの導入をお考えの際には、ぜひ「BellCloud VOC」をご検討ください。

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まとめ

テクノロジーの発達に伴い、コンタクトセンターの分析にも、AIなどの高度な技術が活用されるようになりました。顧客ニーズやオペレーターの稼働状況をより正確に把握したいなら、高精度なVOC分析ツールの導入がおすすめです。集積されたデータを分析し可視化することで、コンタクトセンターの運営改善に役立つでしょう。

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竹田 努
竹田 努
2004年に入社後、10年ほどは大型コンタクトセンターを中心にオペレーション、経営企画、営業(プライシング部)、事業管理部門など経験。その後コンサルタントマネージャーとして、各種業界(通信、金融、メーカー、小売り、サービス業)のコンタクトセンターのソリューション計画・設計・構築・導入、定着化支援を担当。現在は、CRM基盤やナレッジマネジメント、チャットボット導入、VOC分析などの活動を行っている。顧客に寄り添うことをモットーにプロジェクト管理、統括責任者として多数実績あり。
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