コンタクトセンターにおける顧客データ管理方法とは?
収集や保管の注意点と必須ツール

 2023.06.26  2024.05.09

顧客との接点におけるデータを、顧客動向の把握やマーケティングに活用する動きが加速しています。電話やチャット/メールで寄せられる顧客の声をデータとして収集し、顧客インサイトを分析する試みは、すべてのコンタクトセンターで進んでいることと思います。

ただし、顧客データには多量の個人情報が含まれており、活用時にはデータを適切に管理しセキュリティを確保することが非常に重要です。顧客データに含まれる個人情報などの機微情報を匿名化 / 仮名化するデータマスキングは、セキュリティ対策の一部として非常に重要で、顧客データ活用において必須ツールとなります。

本記事では顧客データの収集から管理までの注意点や、コンタクトセンターにおけるデータマスキングの有用性と、マスキング工数を大幅に削減する必須ツールをご紹介します。

コンタクトセンターにおける顧客データ管理方法とは? 収集や保管の注意点と必須ツール

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コンタクトセンターでの顧客データの活用シーン

コンタクトセンターでの顧客データ活用は様々なシーンで行われております。ChatGPTに代表される新しいアルゴリズムの発展に伴い、日々新しい事例が追加されていますが、現在の代表的な事例は以下のようなものかと思います。

1.顧客満足度の向上

電話やチャット、メールで収集した顧客の声を活用して、製品やサービスの質を改善します。顧客のクレームや要望 / 提案などを収集し、多数の人の不満足点の分析やキラリと光るアイディアなどを元に、製品開発やサービス改善のためのインプットとします。
また顧客満足度調査の結果もサービス改善のための重要なフィードバックとなります。

2.パーソナライズド・マーケティング*1

顧客からの問い合わせ内容や購入履歴などを分析し、個々の顧客のニーズに合わせた商品やサービスを提案します。顧客のロイヤリティを高め、長期的なビジネスの成長に寄与します。
*1:パーソナライズド・マーケティングに関する記事はこちら

3.チャネル最適化

どのチャネル(電話、メール、チャット等)が顧客からの問い合わせに最も効果的に対応できるかを分析します。コンタクトセンターの運用を最適化しつつ、顧客体験を向上させます。

4.AIとの組み合わせの応用

チャットボットやAIアシスタントを使用して、顧客の質問に自動的に回答します。コンタクトセンターのスタッフがより高度な問い合わせに対応でき、全体としての効率を向上させます。
また、顧客からの問い合わせ内容を分析し、将来的な問い合わせパターンを予測し学習するような用途にも使用されます。

顧客データを有効活用していくことは、今後ますます重要になっていくことは間違いありません。その活用を促進するのに立ちはだかるのがデータに含まれている多量の個人情報や機微な情報の取り扱いです。次項で個人情報を含むデータの適切な管理について考えてみます。

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コンタクトセンターにおける顧客データの適切な管理と保護の重要性

顧客データ活用を促進するのに立ちはだかるのがデータに含まれている多量の個人情報や機微な情報の取り扱いです。電話やチャット / メールなどには様々な個人情報が含まれており、その取り扱いをあやまると法的な責任のみならず、社会的な信用や評判の損失が発生し、最悪の場合はビジネス継続が難しくなることもあるでしょう。
個人情報や機微な情報を含むデータを取り扱う際は、以下の項目について検討 / 対策する必要があります。

1.データ管理

データの収集 / 保存 / 利用 / 廃棄までのデータライフサイクル全体を管理する必要があります。
具体的には、データの収集方法に加えて、データのバックアップ / リストア(バックアップしたデータを元の場所に書き戻す) / クレンジング(名寄せ、重複排除、エラーの修正など)/ 廃棄ルールの作成などが含まれます。

2.データセキュリティ

データの不正アクセス / 不正使用 / 開示 / 破壊などからデータを保護する必要があります。
具体的な手段としては、アクセス制御 / ネットワークセキュリティ / エンドポイントセキュリティ(個々の端末保護) / 暗号化 / データマスキングなどが含まれます。またセキュリティ違反が発生した場合、速やかに検出され適切に対応される仕組みも必要になります。

3.プライバシー法の遵守

個々の顧客の個人情報を保護し、データ利用を適切に制限することが必要になります。国内の場合には個人情報保護法、EU域内の個人データを収集する場合はGDPR(General Data Protection Regulation:一般データ保護規則)を考慮しなければいけません。

4.透明性の確保

データ使用の透明性の確保とは、顧客に対して、どのようなデータがどのように利用されているかを明確に説明することを意味しています。
また、2022年4月施行の改正個人情報保護法では、顧客が自分のデータについての情報を求めたり、データの使用を拒否したりする権利が強化されました。これも透明性の一部と言えます。

このように、個人情報を含むデータを収集・保管していく場合には、さまざまな要件に対して対策を考えて、かつ継続的に運用していく必要があります。
その負荷を大きく軽減させる手法がデータの匿名化・仮名化処理です。次項では匿名化・仮名化と、その手法について述べていきたいと思います。

データの匿名化・仮名化とそのための手法

個人情報保護法では匿名加工情報、仮名加工情報が定義されています。匿名加工情報とは、「特定の個人を識別することができないように個人情報を加工し、復元できないようにした情報のこと」をいいます。
匿名加工情報にすることで、データの同意なしの目的外利用や、データ漏えい時も報告義務免除、などのメリットがあります。つまり、個人情報を匿名加工情報に加工することで、データ活用の範囲は大幅に拡大されるということです。
機密情報保護主要技術としては「データマスキング」「暗号化」または「トークナイゼーション」が通常使われていますが、それぞれの技術を比較すると以下の通りとなります。

透明性の確保

データマスキングは匿名加工情報に加工する際に一番使用されている手法となります

「暗号化」や「トークナイゼーション」が匿名加工情報となりうるのかは、実際の運用状態などにも左右され人によって解釈が異なります。また、「暗号化」と「トークナイゼーション」は、復号化キーやトークンテーブルの厳密でセキュアな管理が必要となり管理運用負荷や利用時の制約が大きくなりがちです。
ただし、パーソナライズ・マーケティングのように元のデータを識別したい、元のデータに戻したいという要件があるときは、暗号化またはトークナイゼーションである必要があります。

元のデータに戻す必要がない場合はマスキングがより良い選択になるでしょう。
データの利用・分析において、データマスキングは個人情報を保護しながらデータ分析の有用性を損なわず、運用管理負荷も低い手法として注目を浴びています。
顧客データをマーケティングや販売促進 / 営業部門、あるいは第三者にて分析するケースが増えていますが、その際もマスキングにより匿名加工情報にしてデータ提供することにより、余計な手間をかけずに実現することができます。

データマスキングツール「Insight Data Masking」 のご紹介

「Insight Data Masking」は、データに含まれる個人情報の自動判別とマスキングの高速処理、そして日本語のフリーテキスト内からの機微情報の自動抽出の高精度を特長とするツールです。顧客データの分析を安全かつ効率的に行うことが可能になります。実はマスキングを実装していく工程で一番工数がかかり単調な作業であるのが、マスキングするべき対象を特定していく作業です。

1.個人情報を自動判別

「Insight Data Masking」は高度なアルゴリズムを使用して、データベース内のデータや、フリーテキストの中から個人情報を自動的に判別します。
以下は、データベースやcsvのカラム情報から、個人情報が含まれているカラムを自動判別する例です。

個人情報を自動判別-01

検出可能な情報は、個人情報とユーザー設定の情報となります。
さらに、今後お客様のご要望に応じて機能拡張していきます。

個人情報を自動判別-02

2.最新AIをファインチューニングすることで実現した圧倒的な精度

「Insight Data Masking」のフリーテキストマスキングは、最新の自然言語処理技術を駆使して高精度なデータマスキングを実現します。これにより、顧客データの有用性を維持しつつ、個人情報を適切に保護します。今までも辞書ベースの自動化ツールはありましたが、精度が悪く結局人による負担が減らないという課題がありました「Insight Data Masking」は、Aiを使用することにより驚異的に精度の高い自動化を実現しています。
例えば、旧字体漢字や電話番号をひらがな・カタカナで記述するなど、コンタクトセンターのコンタクトログにありがちな記述も適切に判別できます。電話応対履歴などのコンタクトのログがフリーテキスト形式であっても、個人情報と思われるワード(トークン)を検出してマスキングできます。

最新AIをファインチューニングすることで実現した圧倒的な精度

3.日本語にネイティブ対応

日本語から日本語への自然な変換をします。
文字タイプを自動判別するので、あらかじめ設定せずとも、自然な文字列にマスキングされます。

4.驚異の処理スピード

高度なアルゴリズムと最新の技術を用いて、多量のデータを高速に処理します。「動いていないのでは」と思われるほどのスピードでデータをマスキングします。

個人情報の漏洩リスクのない分析データベースの構築

顧客データを動向分析やマーケティングおよび製品 / サービス開発や顧客サービス向上に繋げるためには、データの適切な管理態勢を構築しなければなりません。
その必須要件の一つとして、個人情報の漏洩リスク軽減が含まれます。
「Insight Data Masking」を使用することで、個人情報の漏洩リスクがほぼゼロの安全な分析データベースを作成することが可能になります。このデータベースを使用して、顧客の行動パターンや傾向を分析し、より良いビジネスインサイトを得ることができます。
顧客データの適切な収集とマスキングは、個人情報の保護とビジネスの成功を同時に実現するための重要なステップです。Insight Data Maskingは、このプロセスをより簡単かつ効率的にするための強力な必須ツールとなります。

個人情報の漏洩リスクのない分析データベースの構築

「Insight Data Masking」は、いつでもトライアルすることができます。
ぜひ貴社のデータで、データマスキングの有用性をお確かめください。
Insight Data Maskingの詳細についてはこちら

執筆者紹介

石川 雅也 氏
石川 雅也 氏
株式会社インサイトテクノロジー 取締役CPO
日本オラクルを経て1995年にインサイトテクノロジーを創業。2000社以上に導入された「Performance Insight」をはじめ、10年以上連続して国内データベース監査ログ製品市場シェアNo.1となる「PISO」などの製品開発を主導。
2011年から同社のCTO(最高技術責任者)、2021年からCPO(最高製品責任者)を歴任。現在も同社の製品開発の要として、市場のニーズを見据えた先進的技術による自社製品開発の方針を定めている。
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