クラウドCTIとは?仕組みやPBXとの違い、
導入によるメリットを詳しく解説

 2022.07.21  2024.04.23

コンタクトセンターでの業務支援を行うクラウドCTIは、業務効率や品質の向上を可能とする便利なシステムです。クラウドCTIの導入を検討しているものの、「どんな機能があるのか」、「導入メリットはあるのか」が気になるコンタクトセンター管理者も多いのではないでしょうか。

この記事では、クラウドCTIの概要から機能、導入メリット、選定のポイントまで紹介しているので、参考にしてください。

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クラウドCTIとは

コンピューターと電話、FAXを統合したシステムであるCTI(Computer Telephony Integration)をクラウド環境で利用できるようにしたものが、クラウドCTIです。
CTIをクラウド上で利用できれば、顧客情報の共有がしやすくなるなどの利点があり、オペレーター業務の効率改善に期待できます。

クラウドCTIの仕組み

クラウドCTIは、インターネットを通じて他社が提供するシステムを利用する仕組みで、オンプレミス型のように自社サーバーを設置する必要がありません。システム導入にかかる初期費用が不要なため、コストの大幅な削減が可能です。

また、自社でシステム構築を行うにはある程度の期間や専門の技術職を必要としますが、クラウド型は契約から短期間で利用できます。

PBXとの違い

構内交換機とも呼ばれるPBXは、着信を担当者へ割り振って接続したり、自動音声により応答できたりする電話機能です。

一方、CTIはコンピューターと電話・FAXをつなげ、連携させる機能を持ちます。顧客情報の管理や、その他の業務支援を行う機能とあわせてPBXを活用できるようにするのがCTIであり、どちらもコールセンター業務には欠かせないシステムです。

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クラウドCTIの機能

クラウドCTIの主な機能は次の4つです。

  • ACD機能
  • CRM連携機能
  • 録音機能
  • レポート機能

これらの機能を活用することで、業務の効率化や改善がスムーズに行えます。

ACD機能

顧客からの着信をルールに基づいて、各オペレーターへ振り分けられるようにするのがACD機能です。着信と同時に自動で振り分けてくれるので、一部のオペレーターへの偏りをなくすだけでなく、スムーズな対応を実現できます。

振り分けルールは事前に設定が可能で、各人員の待機時間や着信回数に応じて均等に振り分けたり、スキルの高いオペレーターへ優先的に割り振るといった使い分けができたりします。

CRM連携機能

クラウドCTIでは、基幹システムなどの顧客情報を管理するCRMと連携できるので、データベースを参照しながら対応が可能です。

顧客からの着信があると、番号と紐づいている個人情報や問い合わせの履歴をデータベースから自動で抽出してモニターへと表示できるため、迅速かつ効率的に対応が行えます。

録音機能

通話の録音機能も備わっているため、顧客との会話内容を残し、応対内容を振り返ることができます。

会話のなかで、特定の発言があったかを証拠に残すことでトラブルの防止に役立ちます。また、顧客とのやり取りを聞き直すことで、応対業務の改善に活用でき、品質の向上にもつながります。

レポート機能

クラウドCTIにはレポート機能が搭載されており、様々な記録をまとめた資料の作成、出力が可能です。

オペレーター別の稼働状況や応対件数、発生した待ち時間などのデータの収集により、繁忙期を具体的に特定するといった業務改善のための分析を行えます。

クラウドCTIの導入メリット

クラウドCTIの導入メリットは次の5点です。

  • 業務効率化ができる
  • 対応品質の改善が見込める
  • 導入コストが低い
  • 時間や場所を問わず利用できる
  • メンテナンスを任せられる

自社サーバーを使わないクラウド環境で利用することにより、多くのメリットが得られます。

業務効率化ができる

稼働状況をもとに、自動で電話を振り分けたり、問い合わせの内容ごとに適切なオペレーターを判断してつないだりといった業務の効率化が可能です。振り分けの自動化は顧客の待ち時間を減らすことにもつながり、顧客満足度の向上も見込めます。

また、CTIによる各種機能の一元化が、管理業務の効率化に役立つことに加え、レポート機能の分析をもとに管理者が適切かつ迅速な判断を行えるようになります。

対応品質の改善が見込める

CRM連携や録音機能を搭載したクラウドCTIなら、待ち時間の短縮や電話対応の改善を行えるので、応対の品質が向上します。

CRM連携により、はじめて応対するオペレーターでも蓄積された顧客情報から迅速に顧客が抱える問題を把握でき、的確な対応ができます。また録音機能によって、オペレーターは応対内容を客観的に捉えられるため、課題の自己解決に役立つでしょう。

導入コストが低い

オンプレミス型のCTIのサーバー設置には数十万円から数百万円かかり、またシステム構築のための時間や技術的リソースを必要とします。

クラウドCTIはインターネットにつながる機器を用意すればすぐに利用開始でき、またサービスの多くは初期費用が無料で、利用期間に応じた定額制をとっているため、導入コストが安価に済みます。

時間や場所を問わず利用できる

自社サーバーではなくインターネットを介して接続を行うクラウドCTIなら、時間や場所の制約を受けることなく利用可能です。

インターネットに接続できるパソコンがあれば場所を問わないので、遠隔地や家庭環境などの事情で出社できない従業員でもテレワークで業務を遂行できます。

また、分散した複数の拠点で業務を統合したい場合にも、インターネットを通じてさまざまな情報や業務ノウハウを共有できます。

メンテナンスを任せられる

保守業務はクラウドCTIを提供する業者によって行われるので、社内でのメンテナンスが不要であり、メンテナンスにかかる費用や時間を削減できます。
システムの管理は提供会社が行うため、トラブルへの対応も任せられます。

クラウドCTIを選ぶときのポイント

クラウドCTIを選ぶときのポイントは次の3つです。

  • 既存システムとの連携ができるか
  • サポート体制が充実しているか
  • カスタマイズが可能か

これらのポイントを押さえておくことで、導入後のトラブルを避け、快適に利用できます。

既存システムとの連携

CRM連携機能のあるクラウドCTIですが、対応できるシステムは製品によって異なるので、システム選定の際に確認しておくことが必要です。
既存システムと連携できないと、導入するクラウドCTIに合わせたシステムへ変更せざるを得ない状況になってしまいます。
慣れないシステムを使うよりも、使い慣れたものを使えると業務効率が良く、運用開始もスムーズとなることから、既存システムに対応しているかは必ず確認しておきましょう。

サポート体制

クラウドCTIではシステムの管理からセキュリティ対策までをシステム提供会社が行いますが、導入後のサポート体制はシステムによって異なるため注意が必要です。
土・日・祝日の対応が可能であるか、またトラブルが発生した際の対応について事前に確認しましょう。

カスタマイズ性

クラウドCTIを選定する際には、機能の拡張性についても確認しておきましょう。
自社で設計した業務効率化システムなど、提供されるサービス以外の機能を導入する可能性のある場合には、それに対応した製品を選ぶ必要があります。また、カスタマイズの対応できる範囲についても同時に確認が必要です。

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まとめ

インターネット接続によるクラウドCTIを利用することで、業務の効率化や応対の品質向上が期待できます。オフライン環境で使用するPBXの機能はそのままに、コンピューターとの連携によって、様々な機能を利用可能です。

使える機能にはACD機能やCRM連携、通話録音、レポート機能などがあり、コールセンターにおける管理業務の負担軽減や、業務改善に役立てられます。便利な機能が多いクラウドCTIですが、自社で使っているCRMへの対応状況や拡張性などは製品によって異なるので、システム選定の際に確認が必要です。

自社サーバーの設置やシステムの構築が不要なので、コストや導入までの期間が短く済むほか、保守業務も提供会社へ一任できます。ただし、サポート体制は製品ごとに異なるため、確認しておくとトラブル発生の際にも安心です。

この記事の推奨者

西村 直人
西村 直人
2006年に入社後約10年間、オペレーション部門に所属し、通信業界、ソーシャルゲーム業界のカスタマーサポート業務のマネジメントを経験。ソーシャルゲームの業務におけるメール応対品質の改善施策などで社内表彰を3年連続受賞。その後は企画部門に配属となり、業務効率化を支援するソリューションの導入を推進。また、在宅業務推進プロジェクトのプロジェクトマネージャーとして約2,000席規模の在宅業務推進を実現。
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