コールセンターのインバウンドとは?アウトバウンドとの違いもわかりやすく解説!

 2022.07.26  2024.04.24

コールセンターのインバウンド業務は、企業のイメージや顧客満足度へ直接影響することから、重要な業務です。

インバウンド業務を効率化したいものの、どのような方法があるのかわからないといった悩みを抱えている企業も多いのではないでしょうか。

この記事では、インバウンド業務の内容やアウトバウンド業務との違い、業務の課題や業務効率の改善方法などを紹介しているので参考にしてください。

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インバウンドとは?

インバウンドと聞いて、外国人旅行客をイメージする人もおられるでしょう。確かに、インバウンドはもともと旅行・観光業界で使われてきた言葉です。しかし英語で「外から内へ入ってくる」との意味を持っていることから、外国人旅行客だけではなく、コールセンターにて顧客からの電話に対応する業務もインバウンドと呼ばれます。

コールセンターのインバウンド業務

コールセンターにおける具体的なインバウンド業務には、問い合わせ対応やテクニカルサポートなどがあります。

問い合わせには商品またはサービスの種類や適切な選び方など様々なものがあり、質問に答えるための知識と経験が必要です。

商品やサービスの使い方や技術的な質問に答えることで顧客の問題を解決するテクニカルサポートは、専門的な知識を要する場面も多い業務です。PCツールの使い方などでは、顧客の問題を遠隔操作で解決することもあります。

そのほか受注業務や、商品やサービスの申し込みおよび解約への対応もインバウンド業務です。

このように、顧客からの問い合わせに回答、対応することが、コールセンターのインバウンド業務の基本です。

アウトバウンド業務との違い

顧客から電話やメールによる質問を受けるインバウンド業務に対して、企業側から顧客へコンタクトを取る業務をアウトバウンド業務といいます。主なアウトバウンド業務にはテレマーケティングやテレフォンアポイントメントがあります。

テレマーケティングは、見込み客や既存の顧客への電話でのアプローチによって、新商品の提案やアフターフォロー、ニーズのヒアリングなどを行うダイレクトマーケティングです。
テレフォンアポイントメントは、新規顧客の獲得を目的として電話にて営業を行う業務です。アポイントメントには約束という意味があり、電話にて交渉や提案を行い、商品やサービスの購入や企業への訪問面談、資料の送付など、様々な約束事を取り付けることを目的とします。

このように、コールセンターのアウトバウンド業務は受け身のインバウンド業務とは異なり、積極的に電話でアプローチを行います。

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インバウンド業務のオペレーターに求められるスキル

インバウンド業務のオペレーターに求められるスキルには、コミュニケーション能力や商品・サービスに関する知識、柔軟な対応力などが挙げられます。

コールセンターにおけるインバウンド業務では、電話による対応がメインとなることから、コミュニケーション能力が基本的かつ重要ななスキルです。話す速さや声の大きさ、滑舌など、聞き取りやすいように話すことや、専門的な用語を噛み砕いて顧客にとって理解しやすいように話すことが求められます。

顧客が電話をかけてくる目的には様々なものがあり、はじめにオペレーターは顧客が何を求めているのかを理解しなければなりません。顧客の要求や目的を理解するには、的確な質問を行うことや傾聴をはじめとするコミュニケーションスキルが必要です。傾聴は、不満を持っている顧客の気持ちを和らげたり、情報を引き出したりする効果があるので、クレーム対応やヒアリングの際に役立ちます。

また、顧客の要求を理解したら適切な返答を行う必要があり、情報を的確に選び取る能力も求められます。顧客が求める回答を行うには、商品やサービスに関する豊富な知識や経験が前提であることから、インバウンド業務のオペレーターに求められるスキルは広範囲にわたります。

コールセンターのインバウンド業務の課題

コールセンターにおけるインバウンド業務の課題には、オペレーターの教育コストの低減や業務の効率化、対応品質の向上、離職の防止などが挙げられます。

インバウンド業務で要求されるスキルは広範囲にわたり、特に商品やサービスに関する知識を習得するには、研修などの教育に多くの時間が必要です。研修で使用する資料の準備や教育にかける時間が多くなるため、アウトバウンド業務と比較して教育コストが多く必要となることが一般的です。

担当者間での対応の引き継ぎや情報共有がスムーズに行えないなど業務が非効率なことにより、顧客を待たせるなど顧客満足度の低下につながります。

オペレーターによる対応品質のバラつきも、顧客満足度へ影響することから重要な課題です。知識や業務経験が同程度のオペレーターであっても、話し方や対応方法によって顧客の反応は変わるため、一定品質を保つマニュアルの整備などが必要です。

また、コールセンターではクレーム対応を行う場面も多く、オペレーターの精神的な負担が増すことによる離職率の高さも問題となっています。

インバウンド業務を効率化する方法

コールセンターにおけるインバウンド業務を効率化するには、次の施策が有効です。

KPIの設定および測定によって、現状を把握し、具体的な改善点や解決の方針を見出せます。チャットボットやIVRといった自動化システムを導入することで、業務効率の大幅な向上が期待できます。

KPIの設定

インバウンド業務の効率化には、目標達成の指標であるKPI(Key Performance Indicator)の設定が有効です。コールセンターのインバウンド業務における応対品質に関するKPIには次のようなものがあります。

  • 応答率
  • 放棄率(放棄呼率)
  • 平均応答速度(ASA)
  • サービスレベル(SL)

応答率は、着信件数に対してどれだけ応答できたかを示す指標です。放棄率は応答率とは反対に、着信件数に対する取り逃し件数の割合を示します。平均応答速度は応答までの平均時間を表し、サービスレベルは着信件数に対して規定時間内に応答できた件数の割合を示す指標です。
業務効率に関するKPIは次の5つがあります。

  • 稼働率
  • 平均処理時間(AHT)
  • 平均通話時間(ATT)
  • 平均後処理時間(ACW)

稼働率は、勤務時間中に実際に応対などの業務を行っていた時間の割合を示します。センターの適正目安は80%とされています。

平均処理時間(AHT)は、業務効率を図るうえで重要な指標となります。AHTが長すぎると、センター全体で対応できる呼の数が相対的に減少することになりますが、AHTが短すぎると、対応の品質が低下する原因となりかねません。自社の窓口ではAHTの値をどのくらいに設定することが適正なのか、このKPI設定は非常に重要な意味を持っています。

ほかには顧客の満足感に関するKPIとして、顧客がどれだけ応対に満足したかを示す顧客満足度(CS)や、顧客の企業・サービスへの愛着や他者への推奨度を数値化した顧客推奨度(NPS)があります。マネジメントにもKPIがあり、欠勤率と離職率が代表的な指標です。

これらのKPIを測定し、結果を業務へ反映することで効率化につながります。

チャットボットやFAQの導入

チャットボットやFAQの導入でも業務の効率化が可能です。

チャットボットは、顧客との会話を設定されたプログラムに基づいて自動的に行うシステムであり、対応の自動化を行えます。
よくある質問の回答をまとめたFAQをホームページへ設置することで、顧客自ら問題を解決できるようになり、オペレーターの対応回数を減らせます。

IVRやボイスボットの導入

自動音声応答システムであるIVR(Interactive Voice Response)の導入によって、業務効率が大幅に向上します。IVRを導入すると、顧客からの着信に対して自動音声による対応が行われ、用件に応じたオペレーターへつなげるため、オペレーター間の引き継ぎが少なく済みます。
対応の種類ごとに組織を分けられるので、対応に必要な知識が絞られ、教育コストの低減にもつながります。

また、ボイスボットを導入することで、定型的な対応を効率化することも可能です。
たとえば、特定の時期に繁忙を迎える書類送付受付を定型化しボイスボットに任せてしまうことで、オペレータは繁忙期でも通常期と業務量を変えることなくセンター運営ができるといったメリットを出すことができます。

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まとめ

コールセンターのインバウンド業務では、顧客からの電話やメールに対応し、顧客の要求に応えます。これに対してアウトバウンド業務は、顧客や見込み客などへ電話をかけてアプローチするような、こちらからアクションを起こす業務を指します。

顧客満足度を高めたり離職率を減らしたりするには、KPIの設定やチャットボット、IVRやボイスボットの導入などによって、業務効率を改善させることが重要です。

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福田 哲哉
福田 哲哉
ベルシステム24に入社後はオペレーション部門に配属となり、インバウンド、アウトバウンドのオペレーションマネージメントを10年に渡り経験。その後2017年より、事業開発部門へ異動。CTCファーストコンタクト社へ出向し、課長職としてCTCFC社の成長に寄与。2020年、出向期間終了とともにソリューション開発部(現:ソリューション企画推進部)へ帰任し、オペレーション部門出身という経験を活かしながら、コールセンターとWeb領域を結ぶソリューション導入・オペレーション運用支援を行っている。
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