クラウド電話とは? メリットや注意点のほか比較ポイントも解説

 2023.02.07  2024.03.01

近年は働き方やオフィスの在り方の多様化が進んでおり、それに伴いコンタクトセンターや外線・内線のシステムなど、電話環境の構築にもさまざまな課題が浮上しています。本記事では、低コストかつ柔軟なシステムづくりが可能なクラウド電話について詳しく解説します。

クラウド電話とは

クラウド電話とは、クラウド化したPBX(交換機・主装置)を使い、電話環境を構築するシステムです。インターネットを経由して通話・通信を行い、内線と外線、あるいは内線同士をつなげます。固定の電話機だけでなく、PCやスマートフォンも端末化できます。

そもそもPBXとは、オフィス内部の電話機をつなげ、着信の仕分けや転送などを可能とするシステムのことです。構内交換機とも呼ばれ、従来は専用機器を購入して拠点に設置する必要がありましたが、機器設置に伴うスペース確保や購入コストなど、いくつもの課題がありました。

その後、社内LANを使うIP-PBXが誕生し、セキュリティ向上や配線コストの節約が可能になります。クラウドPBXは、そこからさらに進歩し、PBXの機能をクラウド上に設置することで専用機器の設置が不要となったサービスです。インターネットにつながっていれば利用できるため、導入コストをより節約できます。

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クラウド電話のメリット

クラウド電話がビジネスフォンや従来のPBXと違うのは、物理的にも金銭的にも制限が少なく、いつでも導入しやすいという点です。以下では、クラウド電話の具体的なメリットを解説していきます。導入を検討する際の参考にしてみてください。

場所を限定せず利用できる

1つ目のメリットは、環境さえ整えばどこでも利用できることです。

離れたオフィス間や自宅を内線網でつなぐことも、スマートフォンから会社の電話番号を使うことも可能です。社内外のコミュニケーションがオフィスにいなくてもできるようになるので、外回りの営業や、近年普及が進んでいるリモートワークとも相性がよいでしょう。

また、専用機器の導入が必要ないため、オフィスの移転やレイアウト変更にも対応しやすいという利点があります。Wi-Fi環境でも利用できるので、デスク配置で配線回りの問題を解消することも可能です。

費用を抑えられる

2つ目のメリットは、ビジネスフォンや従来のPBXと比べて、さまざまな費用を抑えられる点です。専用機器の導入コストだけでなく、通話料や日々の管理費用も節約できます。

クラウド電話でつながった端末同士ならどこでも内線扱いとなるので、無料通話が可能になります。転送料金も無料となるので、社員間のやり取りが多い企業なら大きなコスト削減となるでしょう。また、インターネット回線を使うことから国際通話も安くなり、海外との通話がしやすくなります。

設備の管理・メンテナンスが事業者負担になるのもポイントで、定期点検や修理対応に自社のリソースを割く必要がなくなります。導入するにあたってオフィス内の工事も不要なので、数日ほどで電話環境を構築できるのもメリットです。

クラウド電話の注意点

このようにメリットの多いクラウド電話ですが、いくつか注意点もあります。利点だけを見て導入すると、自社に合わないクラウド電話を導入する結果にもなりかねないため注意しましょう。

1つ目の注意点は、運用コストが発生することです。クラウド電話は、導入費用やメンテナンス費用は安くなりますが、月額の基本料金や機能のオプション費用が発生します。運用コストが高額にならないよう、利用する端末数や機能の数はしっかりとシミュレーションしておきましょう。

2つ目の注意点は、110や119などの緊急通報を利用できない点です。緊急通報は受信側に発信者の位置情報を知らせる機能がありますが、クラウド電話ではこの機能を使えないため、一部例外を除いて通話できません。緊急通報アプリをインストールしたり、緊急通報用の電話番号を別途取得したりするなどの対策が必要となります。

クラウド電話の比較ポイント

クラウド電話は事業者によって価格や機能が異なるため、導入にあたっては、複数社を比較・検討することが大切です。具体的な比較ポイントを押さえて、自社に合った事業者を選びましょう。

番号の維持ができるか

既存の電話番号がある場合、その番号を維持したまま導入できるかどうかが重要です。クラウド電話の回線によっては、固定電話の番号を使えず、今ある番号の変更が必要となります。企業にとって既存の番号は大きな価値をもっており、その変更には多大なコストやリスクを伴うので注意が必要です。

たとえば、電話番号の変更にあたっては、社員だけでなく顧客や取引先にも周知が必要となりますが、その連絡や資料の修正に人手を要し、「導入コストの節約」というクラウド電話のメリットが薄れてしまいます。

また、顧客や取引先への周知がうまくいかないと、連絡が取れなくなって不信感を与えることになります。企業としての信頼性を保つためにも、既存の番号を維持したまま導入できるクラウド電話を選びましょう。

どのような機能が付いているか

クラウド電話には多種多様な機能があるため、それぞれを事前に確認・検討し、自社に合ったものを選ぶことが大切です。一般的な電話機能以外の機能としては、発信者情報を瞬時に表示する「CTI機能」や、自動音声対応と着信振り分け機能を合わせた「IVR機能」が代表的です。これらはコールセンターやコンタクトセンターの業務において役立ちます。

さらにオンライン会議や社内チャット、出退勤管理、スケジュール共有やToDoリストなど、さまざまな機能を統合することもできます。各機能をひとつのツールで使えるようにすることで、業務効率の改善やコスト削減につながります。

ほかにも、PDFファイルに対応したFAX機能や、顧客データの表示、会話の自動文字起こしなど、さまざまな機能があります。種類が豊富だとあれもこれもと使いたくなりますが、機能を付けすぎるとかえってコストがかかるので、必要なものに絞って導入するのがおすすめです。

費用がどの程度かかるか

ビジネスフォンや従来のPBXと比べて費用を節約できるクラウド電話ですが、それでも初期費用や月額費用がかかります。上記でも触れたように、使用する機能や規模、使い方などによって費用は変わってくるので、コストを意識した比較も重要です。

初期費用の相場は、おおむね1万~5万円程度となっており、接続する内線数などによって変動します。従来のPBXだと10万~30万円程度はかかるので、いかに初期費用が安くなるかがわかります。

月額費用は5,000円程度からありますが、必要な機能をオプションで付けると1万円、あるいは5万円と値上がりしていきます。内線数ごとの利用料や従量制の通話料金などもあるので、事業に必要なシステムの規模を想定して、適切なコストパフォーマンスを考えましょう。

まとめ

クラウド電話は、企業の電話環境を効率的に導入・整備できるシステムです。インターネット環境さえ整っていればすぐに導入できるので、新規起業から既存システムの改善まで幅広いシーンで使えます。

ただし、クラウド電話ならどれを利用してもよいわけではなく、自社の事業や労働環境に見合ったものを選ぶ必要があります。導入規模が大きいほど適切なシステム構築は難しくなるので、外部へのアウトソーシングなど、専門家の意見を取り入れることも検討してみましょう。

たとえば、コンタクトセンターのアウトソーシング事業を展開する「ベルシステム24」なら、クラウド電話を活用して最適なコンタクトセンターソリューションを提供可能です。適切な電話環境を整えて、自社の業務効率を向上させましょう。

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