CRMの導入にかかる費用相場とは? その例や目安を紹介

 2023.02.21  2023.05.19

CRMとは顧客関係管理の略語で、顧客情報を活用したマーケティング手法または、それを実現するツールを指します。顧客のニーズを重視した施策が重視される昨今、CRMツールの導入により業務の効率化が期待できます。この記事では、CRMツールの種類と導入にかかる費用について解説します。

CRMの導入にかかる費用例

CRMにはクラウド型とオンプレミス型があります。CRMの導入にかかる費用は、CRMのタイプによって異なるため、タイプ別に主な費用例を解説します。

クラウド型のケース

クラウド型CRMは、インターネットを介してクラウド上に用意されたCRMツールを使用するタイプです。ユーザーは業者から発行されたアカウントでライセンスを取得するだけでツールを使用できます。
クラウド型では、使用するデータは業者のサーバー上に保存されるため、ひとつのアカウントで認証すれば所有する複数の端末から利用可能です。また、インターネット環境があれば、テレワークや出張中など、社外にいるときでも使用できます。
サービスの提供元が用意したサーバーを使用する性質上、自社にサーバーを構築する必要がありません。またサーバーの管理は提供元が行うため、保守・運用のための人件費などがかからないといった特長があります。
クラウドの提供元によっては、データの分散保存にも対応しています。地震などの発生時に一部のサーバーが被災しても、遠隔地に保存したバックアップから復元できるため、データを失うリスクを低減できます。

初期費用

クラウド型CRMは、導入時にかかる初期費用は比較的安価な傾向です。業者との契約が成立した時点で構築済みのサーバーを使用できるようになるため、自社で高額なサーバーを購入・設置する必要がありません。
具体的な初期費用は、無料のものから5万円程度まで、サービスによってさまざまです。

この費用の内訳としては、主に現状調査、プラン構成、システム導入などがあります。現状調査費は、企業が現在使用しているツールやデータの管理方法などを提供元が調べる場合にかかります。また、システム導入費には取得するデータや、その管理方法・必要な機能を選定し、適切なツールを導入するための相談費用などが含まれます。

なお、インターネットの接続環境がない場合には、別途回線の敷設や機器の購入がかかります。社内ネットワークの整備は必須ではないため、業務に使うパソコンなどの機器がインターネットに接続できていればクラウドサービスを利用開始できます。

月額費用

クラウド型のCRMでは、ランニングコストとして、主に月毎の使用者数に応じた使用料が発生します。
例えば、ツールのユーザー1人を増やすごとに料金がプラスされる料金プランや、一定のユーザー数までの利用が定額の料金プランがあります。
使用料の相場は毎月1ユーザーあたり約500~1,000円程度です。
年間契約など、長期的な利用を前提する場合には価格を安く提供するサービスもあります。

オプション費用

上記の月額費用以外にオプション費用がかかるケースもあります。
例えば、基本的な機能だけでは足りない場合に、拡張機能や機能上の制限の解除といったオプションを利用する分だけ追加で費用を支払います。基本費用が安くても、オプション機能をつけすぎると最終的な費用は高額となるケースもあり注意が必要です。

オプションとして対応する範囲は、サービスによって大きく異なるため費用相場はありません。
ランニングコストを抑えるためには、自社が必要とする機能を業者に相談し、見積もりを取って検討する必要があります。

オンプレミス型のケース

オンプレミス型CRMは、自社でサーバーを構築し、購入したCRMツールをインストールして使用するタイプです。
オンプレミス型は基本的に社内ネットワークを通じて自社サーバーに接続し、端末ごとの業務を連携します。ツールによってはインターネット接続は必須ではなく、その場合テレワークなどでの使用は限られますが、セキュリティが高いといった特長があります。

オンプレミス型は、導入するツールを自由にカスタマイズできるのがメリットです。一方で、保守・運用や新たな機能の追加には専門的な知識を要求するため、技術力のある人材を用意する必要があります。
また、自社に設置したサーバーを利用する都合上、1か所にサーバー機器を集約させると災害のリスクが高まります。対策として、データを遠隔で分散保存する土地とサーバー機器を別途用意するといった手間を必要とします。

ライセンス費用

オンプレミス型では、CRMツールの利用時にライセンス費用がかかります。
ライセンスの発行費用は1ユーザーあたり2万~10万円程度が相場です。使用人数が増える場合、それに応じた数のライセンスを追加で発行しなければなりません。
ツールの使用可能期間は、月間、年間、永続などツールによって異なります。購入後に発生したバージョンアップに費用が必要となるケースもあります。

サーバー費用

オンプレミス型のCRMでは、サーバーを購入して設置しなければなりません。サーバーの購入費用は、利用する規模によって異なり、約5~10万円程度が相場です。自社に設置して運用するため、一度購入すればそのまま使用できます。
サーバーなどの機器は年数が経つと、劣化や故障が発生します。故障によるデータの消失を避けるため、定期的な部品の交換費用がかかります。

保守費用

オンプレミス型はサーバーの定期的な点検やシステムメンテナンスなどを外部に依頼する場合、保守費用が発生します。
保守費用は扱うサーバーの規模や利用範囲などによって大きく異なり、相場は年間で約5~30万円です。
保守に関する知識のある社員がいるなど、社内で保守業務を行える場合には依頼する必要はなく、かわりに人件費がかかります。基本的に高度な専門知識を必要とするため、適切な人材の確保が難しいといった問題があります。

パッケージ費用

パッケージとは、サーバーに導入するCRMツールのソフトウェアを指します。使用料であるライセンス費用とは別途で、パッケージ自体に購入費用がかかります。
パッケージ費用の相場は約5~10万円程度です。

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CRMの導入にかかる費用相場

CRMの導入には、上記のようにタイプごとでさまざまな費用がかかります。各費用を合算した場合、それぞれどの程度の費用が必要になるのかをご紹介します。

クラウド型の費用目安

クラウド型CRMの導入費用目安は、初期費用が無料~5万円ほど、月額費用は1ユーザーあたり500~1,000円ほどです。
例として、20人程度で使用するケースでは、月額費用が約1~2万円で、年間では約12~24万円程度となります。
また、オプション機能やサポートを追加した場合、月額費用はより高くなります。

なお、月単位での課金制のサービスでは、契約を見直すことで利用の少ない閑散期には費用を抑えるといった使い方ができる場合もあります。

オンプレミス型の費用目安

オンプレミス型のCRM導入時にかかる費用の目安は、サーバー費用が約5~10万円、年間保守費用が約5~30万円、パッケージ費用が約5~10万円、ライセンス費用が1ユーザーあたり2万~10万円です。
20人程度で使用する場合、導入費用は50~220万円程度となります。ライセンスが永続の場合、次年度以降の維持費は年間5~30万円で、これに劣化や故障に伴う機器の交換費用が追加でかかります。
このように、オンプレミス型では利用する規模などによって費用が大きく異なります。主に導入時に多額の初期費用がかかり、かつクラウド型に比べて費用の見込みが立てにくいため、導入する機器やシステムを慎重に選定し、事前に見積もりを取ることが大切です。
一方で、維持費は利用する人数の影響を受けにくく、利用者数が多いほどオンプレミス型のほうが費用を抑えやすいといったメリットもあります。

まとめ

CRMには、クラウド型とオンプレミス型の2種類があります。基本的にクラウド型は初期費用を抑えることができ、予算を見積もりやすい点がメリットです。オンプレミス型は大人数で利用する場合、クラウド型よりも維持費を抑えられることがあります。

ベルシステム24は、コンタクトセンター基盤としてのCRMソリューション「BellCloud+®」を提供しています。クラウド型CRMとして冗長性の高い安定したサービスと、先進テクノロジーによる多彩な機能で応対品質の向上に役立ちます。
費用面では、契約席数に応じたポイント利用や、繁閑に対応した柔軟な料金制度でコストの低減が見込めます。CRMツールの導入にあたって、コストパフォーマンスを重視したい企業におすすめのサービスです。

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