トークスクリプトとは? 作り方と例文テンプレート

 2025.01.24 2023.11.16

トークスクリプトは、顧客の課題や要望を解決するための会話・シナリオを記した台本です。営業トークやコンタクトセンターにおいて、顧客応対の品質を向上させるのに役立ちます。
本記事では、トークスクリプトの重要性や作り方、コンタクトセンターで活用するためのポイントなどを解説します。理解を深めて、自社のサービスの質向上に役立ててください。

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トークスクリプトとは

トークスクリプトは、顧客応対サービスの質を向上させるための会話・シナリオをまとめた台本を指します。主に対面・非対面問わず営業の場面で活用されています。

トークスクリプトが注目される背景には、新型コロナウイルスや技術革新の影響で、テレワークやオンライン営業が広まったことが挙げられます。オンライン上でやり取りする機会が増加した結果、多くの組織で浮き彫りになったのが、営業活動に必要な情報をどのように共有するかという課題です。

社内での情報共有やコミュニケーションの課題を解決する手段として、トークスクリプトは有用です。成功事例として台本を共有することで、チーム全体の営業力向上や効率的な顧客獲得に役立ちます。

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トークスクリプトの重要性

トークスクリプトを作成し全体に共有することは重要です。特に顧客対応スキルの平準化、情報共有の円滑化などに役立ちます。

適切なトークができる

対面の場合でも営業担当者がトークスクリプトを参考にすれば、状況に応じて適切な営業トークを展開できます。顧客のパターンに応じた台本があれば、そのときの営業で話すべきこと、やるべきことが明確になります。

また、台本によって誰が対応しても同レベルの営業ができるようになり、営業品質の均一化に役立ちます。トークスクリプトの使用で営業トークに統一感を持たせることで、「営業担当者によって言っていることが違う」といったトラブルの防止も期待できます。

非対面であるコンタクトセンターでは、トークスクリプトにあわせて対応を行えば、案内漏れや聴取漏れなどを防ぐことが出来るため、顧客対応の標準化するためにはトークスクリプトは非常に重要です。

ノウハウを共有できる

営業の場合は、個人の能力に左右される部分が大きいです。個人差が原因で属人化するケースも少なくありません。しかし、営業トークを台本にまとめることで、営業トークのコツや話し方などの技術を営業チーム全員で共有できるようになります。情報共有により、個々のスキル差を埋めることが可能です。

トークスクリプトがあると、営業トークの効果検証もしやすくなります。例えば、A/Bテストを繰り返してトーク内容を改善すれば、自社商材を効果的に訴求できるノウハウやデータの蓄積が行えます。

また、生産性や獲得率の高いハイパフォーマーのトークを可視化し、スクリプトに反映して共有することも業務として成果を上げていくために必要な施策です。

新人も即戦力になれる

新人が、はじめから自信のあるトークや余裕ある対応をするのは難しいです。とはいえ、担当者の自信のなさが顧客に伝われば、「購入しても大丈夫なのか」「この案内は間違えないのか」と不信感を持たれる原因になります。そこで、トークスクリプトを活用すれば、どういう流れでトークを展開すべきかを事前に把握できるようになります。台本を見て心の準備をしたり、受け答えの練習をしたりすることで、自信をつけることにつながります。また、トークスクリプトを新人研修の教材として使うことができ、研修・教育の時間短縮やコスト削減にも役立ちます。

トークスクリプトの注意点

トークスクリプトを参考にして顧客と話すため、棒読みしてしまうと顧客に不快感を与えてしまいます。そのため、活用の際は顧客に違和感を与えないように自然な口調で話すことが大事です。

さらに、台本だけですべてのパターンをカバーできないため、台本にない状況でも臨機応変に対応できるように、日頃からスキルを磨いておく必要があります。

コンタクトセンターの場合も、トークスクリプトに必要な案内や注意事項をすべて盛り込んでおくことは難しいです。スクリプト以外でカバーできる運用とあわせて検討する必要があります。

営業トークスクリプトの作り方と例文テンプレート

作成の際は、まずトークスクリプトの目的を定めましょう。対面・非対面、訪問営業、テレアポ、インサイドセールスなど用途が異なれば、話の進め方、適切な伝え方が異なってくるからです。例えば、対面であれば、いきなりヒアリングやプレゼンをせずに、アイスブレイクという雑談の段階を入れる基本型があります。一方、非対面営業の場合は、先にプレゼンから入って、簡潔に話を進める構成が好まれます。

このように、状況が違えばトークの構成も異なってくるため、目的以外にはゴールの設定も行い、最終的に何を目指すのかを意識してシナリオを作成するようにしましょう。アポイントメントの獲得、商材の購入などゴールに見据えて書くことです。

どういう顧客にアプローチする想定なのかを明確化するペルソナの設定も行いましょう。顧客が興味関心を持ちそうな話をするためには、顧客像を具体的に固めておく必要があるからです。

例えば、非対面営業では挨拶と自己紹介のあとの、つかみ・導入パートで「(法人向けの場合)御社と同じ業種での導入事例ができましたので、参考にご紹介できればと思い」「(個人の場合)以前〇〇の商品を購入いただいたお客様向けの、特別なキャンペーンのご案内を」など、顧客側でメリットをイメージできる話し方をすると、話を聞いてもらいやすいです。逆に言えば、顧客のことをよく知らなければ相手のニーズを汲んだ話ができないため、あまりよい返事をもらえません。そのため、台本を作成するときは、顧客は法人・個人どちらなのか、何に困っているのかなど、顧客理解に基づいて作り込む必要があります。

そのほかのコツとして、顧客と会話が成立する構成になっているか、複数の会話パターンに対応できるかなども気にしましょう。商材の良い点や、導入効果などは明確に案内できるようスクリプトに盛り込みます。特に法人向けはコストメリットや導入効果など数字で表現できる項目は重要視しましょう。

営業トークスクリプトの例文テンプレート

営業トークで活用できる例文をいくつか挙げます。

営業では一方的に話し続けずに、顧客の反応を見ながらヒアリングや質問も行い、コミュニケーションを取ります。質問の文例を出すと「○○について、お困りになっていることはございませんか?」「現在、お使いの〇〇はいつからご使用ですか?」「ご不満な点はございませんか?」など質問をして、話を広げるきっかけを探しましょう。反対に、相手から鋭い質問をされても応対できるように、回答パターンも準備しておく必要があります。

顧客にやんわり断られた場合は、同意しつつ違う提案を行うのがおすすめです。例えば、「おっしゃる通りです。ところで、〇〇という方法を試したことはございますか?」と提案したり、何か相手の情報が得られないか質問しましょう。忙しいと言われた場合は「では何時頃がご都合よろしいですか?」と再連絡する旨を切り出してみるのもよいでしょう。

コンタクトセンターでのトークスクリプト

コンタクトセンターの場合、顧客の問い合わせ内容をヒアリングし、フローチャートで会話を進めることが可能なため、営業トークよりもトークスクリプト通りに話を進めやすいです。

コンタクトセンターには、問い合わせや注文など顧客側の依頼に対応するインバウンドと営業や案内目的で架電するアウトバウンドがあります。インバウンドでは、顧客の問い合わせに正確かつ迅速な回答が求められます。そのため、事前によくあるトラブルの対処法やFAQを台本にまとめておけば、顧客の問い合わせに滞りなく回答しやすいです。

アウトバウンドの場合は、アポイントや購入数の目標もあり、営業活動と似た部分もあります。営業と違うのは、オペレーターと顧客がやり取りする負担を減らすために、「はい・いいえ」で答えられる質問を用意する点です。顧客応対の成功事例を台本にまとめておけば、アポイントや成約を獲得できる確率を高められます。

トークスクリプト作成でおすすめのサービス

コンタクトセンター向けのトークスクリプト作成を検討している企業の方におすすめしたいのが「コンタクセンターコンサルティング」です。コンタクトセンターの戦略策定から業務改善、ソリューション選定などのボトムアップ・アプローチによる課題解決のほか、市場トレンドを踏まえたセンター高度化を支援します。

戦略策定の提案、センターの生産性・品質向上に関する課題解決、業務運用に必要なプロセスやマニュアルの策定、CX向上など、幅広いサポートが可能です。ぜひご検討ください。

コンタクトセンターコンサルティングで効果的なトークスクリプトを作成

まとめ

トークスクリプトとは、顧客との会話やシナリオをまとめた台本のことです。顧客の反応・質問を想定し、会話の流れを記しておくことで、品質を上げる効果が期待できます。また、経験が浅い担当者も台本を参考にして上手な話し方を学べ、研修の時間やコストの削減が可能です。成功事例を共有し、トークの品質を均一化するのにも役立ちます。

コンタクトセンターでもトークスクリプトの導入効果が期待できます。アウトバウンドの場合、営業とは異なりオペレーターと顧客が簡単にやり取りできるように、「はい・いいえ」で回答できる形で台本を作ります。インバウンドでも、想定できるFAQをもとに台本を作成するため、円滑な回答が可能です。

自社に適した、効果的なトークスクリプトの作成を検討しているなら、ぜひ「コンタクトセンターコンサルティング」をご活用ください。

この記事の推奨者

西川 由美
西川 由美
ベルシステム24入社後、13年間のオペレーション管理者を経験。通販、カスタマーサポート、金融システムヘルプデスク、自動車メーカーなど業界範囲は多岐に渡り、2011年には新規事業として在宅コールセンターの立ち上げを実施。業界でいち早く遠隔マネジメントの手法を確立した。ソリューション分野では、コンタクトセンター向けPBX、音声認識、自動化ソリューションなどOP経験を活かし幅広く課題や状況にあわせた提案営業を行っている。
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