トークスクリプトとは? 作り方と例文テンプレート

 2023.03.28  2023.05.19

トークスクリプトは、顧客の課題や要望を解決するための会話・シナリオを記した台本です。営業トークやコンタクトセンターにおいて、顧客応対の品質を向上させるのに役立ちます。
本記事では、トークスクリプトのメリットや作り方、コンタクトセンターで活用するためのポイントなどを解説します。理解を深めて、自社のサービスの質向上に役立ててください。

トークスクリプトとは

トークスクリプトは、顧客応対サービスの質を向上させるための会話・シナリオをまとめた台本を指します。主に対面・非対面問わず営業の場面で活用されています。

トークスクリプトが注目される背景には、新型コロナウイルスや技術革新の影響で、テレワークやオンライン営業が広まったことが挙げられます。オンライン上でやり取りする機会が増加した結果、多くの組織で浮き彫りになったのが、営業活動に必要な情報をどのように共有するかという課題です。

社内での情報共有やコミュニケーションの課題を解決する手段として、トークスクリプトは有用です。成功事例として台本を共有することで、チーム全体の営業力向上や効率的な顧客獲得に役立ちます。

「感動もの」のコンタクトセンター応対品質 UI刷新で実現 ベルシステム24のコンサル力で 飛躍的にCXを高める
コンタクトセンターの最新トレンドまるわかりガイド

トークスクリプトのメリット

トークスクリプトの導入によって得られるメリットを紹介します。主には個人の営業力の向上、情報共有の円滑化などに役立ちます。

適切な営業トークができる

営業担当者がトークスクリプトを参考にすれば、状況に応じて適切な営業トークを展開できます。顧客のパターンに応じた台本があれば、そのときの営業で話すべきこと、やるべきことが明確になります。

また、台本によって誰が対応しても同レベルの営業ができるようになり、営業品質の均一化に役立ちます。トークスクリプトの使用で営業トークに統一感を持たせることで、「営業担当者によって言っていることが違う」といったトラブルの防止も期待できます。

ノウハウを共有できる

営業は、個人の能力に左右される部分が大きいです。個人差が原因で属人化するケースも少なくありません。しかし、営業トークを台本にまとめることで、営業トークのコツや話し方などの技術を営業チーム全員で共有できるようになります。情報共有により、個々のスキル差を埋めることが可能です。

トークスクリプトがあると、営業トークの効果検証もしやすくなります。例えば、A/Bテストを繰り返してトーク内容を改善すれば、自社商材を効果的に訴求できるノウハウやデータの蓄積が行えます。

新人も即戦力になれる

新人が、はじめから自信のあるトークや余裕ある対応をするのは難しいです。とはいえ、営業担当者の自信のなさが顧客に伝われば、「購入しても大丈夫なのか」と迷わせる原因になります。そこで、トークスクリプトを活用すれば、どういう流れで営業トークを展開すべきかを事前に把握できるようになります。台本を見て心の準備をしたり、受け答えの練習をしたりすることで、自信をつけることにつながります。また、トークスクリプトを新人研修の教材として使うことができ、研修・教育の時間短縮やコスト削減にも役立ちます。

トークスクリプトの注意点

営業担当者は、トークスクリプトを参考にして顧客と話すため、棒読みしてしまうと顧客に不快感を与えてしまいます。そのため、活用の際は顧客に違和感を与えないように自然な口調で話すことが大事です。

さらに、営業をトークスクリプトに依存すると、個人の対応力が低下する可能性があります。台本だけですべての営業パターンをカバーできないため、台本にない状況でも臨機応変に対応できるように、日頃からスキルを磨いておく必要があります。

トークスクリプトの作り方と例文テンプレート

作成の際は、まずトークスクリプトの目的を定めましょう。対面・非対面、訪問営業、テレアポ、インサイドセールスなど用途が異なれば、話の進め方、適切な伝え方が異なってくるからです。例えば、対面であれば、いきなりヒアリングやプレゼンをせずに、アイスブレイクという雑談の段階を入れる基本型があります。一方、非対面の場合は、先にプレゼンから入って、簡潔に話を進める構成が好まれます。

このように、状況が違えば営業トークの構成も異なってくるため、実用的な台本を作成したいなら営業方法に則って書く必要があります。目的以外にはゴールの設定も行い、最終的に何を目指すのかを意識してシナリオを作成するようにしましょう。テレアポならアポイントメントの獲得、訪問営業なら商材の購入をゴールに見据えて書くことです。

どういう顧客にアプローチする想定なのかを明確化するペルソナの設定も行いましょう。顧客が興味関心を持ちそうな話をするためには、顧客像を具体的に固めておく必要があるからです。

例えば、挨拶と自己紹介のあとの、つかみ・導入パートでは、「弊社のサービスの導入で〇〇のコストを〇%下げられる(商材名)のご紹介をさせて頂きたいと思い…」「(BtoCの場合)今話題の〇〇のご紹介をしています」など、顧客側でメリットをイメージできる話し方をすると、話を聞いてもらいやすいです。逆に言えば、顧客のことをよく知らなければ相手のニーズを汲んだ話ができないため、あまりよい返事をもらえません。そのため、台本を作成するときは、顧客は法人・個人どちらなのか、何に困っているのかなど、顧客理解に基づいて作り込む必要があります。

そのほかのコツとして、顧客と会話が成立する構成になっているか、複数の会話パターンに対応できるかなども気にしましょう。厳しい返事がきたときも対応できるように、複数の回答パターンの準備も必要です。商材を訴求するときは、データを交えて話をすると説得力が出るため、意識して取り入れてみてください。

トークスクリプトの例文テンプレート

営業トークで活用できる例文をいくつか挙げます。挨拶のパートでは「おはようございます。〇〇のサービスを提供している〇〇社の〇〇と申します」「お世話になっております。企業様の業績アップのお手伝いをしている〇〇会社の〇〇と申します」といった入り方をします。柔らかく、明るい口調を意識しましょう。

営業では一方的に話し続けずに、顧客の反応を見ながらヒアリングや質問も行い、コミュニケーションを取ります。質問の文例を出すと「○○について、お困りになっていることはございませんか?」「現在、お使いの〇〇はいつからご使用ですか?」「ご不満な点はございませんか?」など質問をして、話を広げるきっかけを探しましょう。反対に、相手から鋭い質問をされても応対できるように、回答パターンも準備しておく必要があります。

顧客にやんわり断られた場合は、同意しつつ違う提案をしてみるのがおすすめです。例えば、「おっしゃる通りです。ところで、〇〇という方法を試したことはございますか?」と提案したり、何か相手の情報が得られないか質問してみたりしましょう。忙しいと言われた場合は「5分だけでもお時間を頂戴できませんか?」「資料を送付させて頂けませんか?」と切り出してみるのもおすすめです。

コンタクトセンターでのトークスクリプト

コンタクトセンターの場合、顧客の問い合わせ内容をヒアリングし、「はい・いいえ」のフローチャートで会話を進めるため、営業トークよりもトークスクリプト通りに話を進めやすいです。

コンタクトセンターには、受電に対応するインバウンドと営業目的で架電するアウトバウンドがあります。インバウンドでは、顧客の問い合わせに正確かつ迅速な回答が求められます。そのため、事前によくあるトラブルの対処法やFAQを台本にまとめておけば、顧客の問い合わせに滞りなく回答しやすいです。

アウトバウンドの場合は、アポイントや購入数の目標もあり、営業活動と似た部分もあります。営業と違うのは、オペレーターと顧客がやり取りする負担を減らすために、「はい・いいえ」で答えられる質問を用意する点です。顧客応対の成功事例を台本にまとめておけば、アポイントや成約を獲得できる確率を高められます。

トークスクリプト作成でおすすめのサービス

コンタクトセンター向けのトークスクリプト作成を検討している企業の方におすすめしたいのが「コンタクセンターコンサルティング」です。コンタクトセンターの戦略策定から業務改善、ソリューション選定などのボトムアップ・アプローチによる課題解決のほか、市場トレンドを踏まえたセンター高度化を支援します。

戦略策定の提案、センターの生産性・品質向上に関する課題解決、業務運用に必要なプロセスやマニュアルの策定、CX向上など、幅広いサポートが可能です。ぜひご検討ください。

コンタクトセンターコンサルティングで効果的なトークスクリプトを作成

まとめ

トークスクリプトとは、営業の会話やシナリオをまとめた台本のことです。あらゆる顧客の反応・質問を想定し、会話の流れを記しておくことで、営業トークなどの品質を上げる効果が期待できます。また、経験が浅い営業担当者も台本を参考にして上手な話し方を学べ、研修の時間やコストの削減が可能です。成功事例を共有し、営業担当者それぞれの営業トークの品質を均一化するのにも役立ちます。

コンタクトセンターでもトークスクリプトの導入効果が期待できます。アウトバウンドの場合、営業とは異なりオペレーターと顧客が簡単にやり取りできるように、「はい・いいえ」で回答できる形で台本を作ります。インバウンドでも、想定できるFAQをもとに台本を作成するため、円滑な回答が可能です。

自社に適した、効果的なトークスクリプトの作成を検討しているなら、ぜひ「コンタクトセンターコンサルティング」をご活用ください。

チャットボット導入失敗の7つの理由と成功のための3つのポイント

RECENT POST「コールセンター改善」の最新記事


コールセンター改善

コールセンターのトークスクリプト作成ポイントと構成、例文を紹介

コールセンター改善

コールセンターにマニュアルは必要?作成方法と活用方法を紹介

コールセンター改善

テレマーケティングとは?導入メリットや成功のコツを解説

コールセンター改善

コンタクトセンターでナレッジマネジメントを活用する意味とは

トークスクリプトとは? 作り方と例文テンプレート

OFFICIAL SUPPORTER