クラウドPBXでコールセンターを構築する メリットは?導入による業務改善や選定基準を解説

   

クラウドPBXは、オンプレミス型のPBXよりも初期費用が抑えられ、オペレーター業務を効率化するさまざまな機能が使えます。近年では、多くの企業がクラウドPBXを使用したコールセンターの拠点構築を行っています。本記事では、クラウドPBXで実現できるコールセンターの業務改革についてわかりやすく解説します。

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クラウドPBXを使用したコールセンターとは?

コールセンターにおける従来型のPBXは、オフィス内に主装置を設置したり配線工事をしたりする必要があったので、その導入や維持管理には膨大なコストが生じていました。そして、このような問題点を大幅に解消するソリューションとして登場したのが、クラウドPBXです。

クラウドPBXは、インターネットを通して電話環境が提供されるため、オフィス内に装置を設置する必要がなく、その設定もWebブラウザやアプリケーションから簡単に行えます。また、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスを内線機として使うことも可能です。そのため、クラウドPBXの活用は、単に初期投資額や運用コストを削減するだけでなく、コールセンター業務を場所的な制約から解放し、業務改革を実現することにもつながります。

クラウドPBX選定の手引き
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クラウドPBXが実現するコールセンターの業務改革

ここではクラウドPBXを活用することでコールセンターをどのように業務改革できるのかについて紹介します。

1. 複数拠点を一元管理

クラウドPBXの導入により、複数の拠点があるコールセンターの一元管理が可能です。

本来、コールセンターの新しい拠点の開設時には、交換機や固定電話回線の準備が必要です。しかし、クラウドPBXはインターネット環境を整えるだけで、電話を受けられます。

また、拠点間の通話もインターネットを介して無料で行えるため、通話料のコスト削減が期待できます。これは海外拠点との通話に関しても同様です。海外に拠点を持つ企業や、国際的な業務を行う企業にとって国際電話の通話料は多額の出費になりうるので、この通話コストの節約は大きなメリットです。

さらに、サテライトオフィスや従業員の自宅などでテレワークをする際も、通信機器の特別な工事なしで簡単にコールセンター業務ができます。電話番号は、拠点ごとに設定することも、拠点間で同じ番号を使用することも可能です。そのため、ある拠点が忙しくても別の拠点で電話対応ができるので、顧客からの電話を取り逃すリスクを減らせます。これは顧客満足度を向上させる上で非常に重要です。

このようにクラウドPBXを利用すれば、複数拠点の連携や一元管理を強力に支援することが可能です。

2. データ活用によるお客様満足度の向上

コールセンター業務におけるデータ活用は、顧客満足度の向上に直結します。クラウドPBXを活用すれば、オペレーターの対応内容をデータベース化し、熟練のオペレーターの対応例を新入社員の研修に活用することが可能です。こうして対応品質の標準化に努めることで、全てのオペレーターが高品質なサービスを提供することが可能となり、結果として顧客満足度が一層向上します。

さらに、クラウドPBXと連携するCRMシステムやコールセンターシステムを活用することで、過去の顧客情報や問い合わせ内容をリアルタイムで参照できるようになります。これにより、オペレーターは顧客ニーズを即座に把握し、的確な対応を行うことが可能です。

特に、CTI機能の利用により、CRMとクラウドPBXを連携させることで、顧客からの電話がかかってきた瞬間にその顧客の情報や過去の対応履歴を自動的に表示できるのはオペレーターにとって大きな助けになります。これにより、オペレーターは再度顧客からの説明を求めることなく、迅速かつ適切に対応しやすくなり、顧客の待ち時間を短縮すると共に、より一層の信頼を得ることが可能です。

さらに、コールセンターで収集されたデータは、企業の営業戦略やマーケティング施策の策定にも役立てられるので、結果的に全社規模で顧客満足度のさらなる向上に取り組みやすくなります。このように、さまざまなデータやシステムの活用・連携が可能なクラウドPBXは、多角的な仕方で顧客満足度向上に寄与します。

3. リアルタイム監視による労働環境の改善

クラウドPBXの導入は、オペレーターの労働環境の改善にも効果的です。一部のPBXサービスには、コールセンターの稼働状況をリアルタイムで監視・把握できる機能が搭載されています。この機能を利用することで、通話中または待機中のオペレーターの数を瞬時に把握できます。

オペレーターの稼働状況を把握できなければ、効率的なマネジメントをするのは難しく、最適な労働環境を構築するのも困難です。しかし、リアルタイムでの監視機能を導入することで、各オペレーターの現在のステータス(受付可能、通話中、保留中、後作業、離席中など)が一目でわかるようになります。

加えて、一部のPBXサービスでは、テレワークや休暇中、ヘルプサインなど、自社の要件にあわせてステータスをカスタマイズできるものもあります。

このリアルタイム監視を通じて、管理者はオペレーターの労働状況や長時間の通話対応の状況などを即座に把握可能です。これにより、労働負担のバランスをとるための的確な判断やマネジメントができるようになり、全体的な労働環境の向上が期待できます。特に、テレワークを導入しているコールセンターでは、オフィス内の従業員だけでなく、在宅勤務の従業員も同様の管理下で労働環境の改善が図れるのは大きなメリットです。

コールセンター業界では、オペレーターの離職率の高さが長年の課題となっています。PBXによる労働環境の改善は、この課題解決の一助となる取り組みです。

4. コールセンターのテレワーク化

クラウドPBXが実現する業務改革の中でも、コールセンターの働き方を大きく変えるのがテレワーク化です。クラウドPBXを活用することで、インターネット環境さえ整えれば、テレワークをしている従業員もコールセンターへ出社している従業員と同様の電話環境で業務を行えます。

クラウドPBXは専用アプリをインストールすることで、固定電話機やビジネスフォンだけではなく、従業員の私用スマートフォンやパソコンでも利用可能です。そのため、在宅勤務はもちろん、出張や営業など出先で電話応対する際も、コールセンターやオフィスに出社しているのと同じように電話対応できます。

電話番号は自由に設定できるので、スマートフォンで代表電話番号を使って受発信したり、従業員間で内線転送したりすることも可能です。電話の相手からも、従業員が家や出先から電話しているとは気づかれずに済み、スムーズなやり取りを実現できます。

コールセンターは人手不足になりがちですが、テレワークという柔軟な働き方が可能になることで、より多様な人材を確保できます。

コールセンター向けクラウドPBXの選定ポイント

一口にクラウドPBXと言っても、実際にはさまざまなサービスがあります。自社に最適なコールセンター向けクラウドPBXを導入するためには、以下のポイントを意識することが重要です。

▼選定時に確認したいポイント:

  1. CTIシステムが使えるか
  2. 自社の規模に合致しているか
  3. 通話品質に問題はないか
  4. 電話番号を引き継げるか
  5. 既存システムとの連携

これらのポイントを基に、最適なクラウドPBXを選定し、コールセンターの業務効率化とサービス改善を実現しましょう。

まとめ

クラウドPBXとは、従来コールセンター内に設置していたPBX(電話交換機)を、インターネット回線を通して利用できるようにするクラウドサービスです。

このクラウドサービスという性質によって、クラウドPBXは従来型のPBXよりコストを抑えられるばかりか、コールセンター内の業務改革にも大きな力を発揮します。その効果は、複数拠点の一元管理をはじめ、顧客満足度の向上、オペレーターの労働環境の改善、テレワーク化など多岐にわたります。

本記事を参考に、ぜひクラウドPBXを導入し、コールセンターの業務改革に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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