クラウドPBXを徹底比較!導入・運用にかかる費用相場や選び方まで解説

 2023.03.28  2023.09.11

オフィスやコールセンターに電話運用システムを導入する場合、費用はなるべく抑えたいものです。クラウドPBXは、機能的にも優れ、費用を削減できるシステムとして、近年注目を集めています。本記事ではクラウドPBX10選をはじめ、選ぶ時のポイントや導入・運用にかかる費用について、従来のビジネスフォンやPBXの費用相場にも触れながら解説します。

クラウドPBXの費用相場はどのくらい?導入・運用にかかる費用を解説

クラウドPBXを選ぶ時の比較ポイント

クラウドPBXを選ぶ場合には、自社に適したサービスを吟味することが重要です。サービスによっては、通話音質が安定しない場合があるため、まず音質の安定性をチェックします。

さらに、内線通話や録音、音声ガイダンス、通話データ分析、CTIなど、利用可能な機能にも違いがあります。基本的な機能だけではなく、オプションによる機能も確認し、自社に適した機能が搭載されているものを選ぶとよいです。

クラウドPBXは常時インターネットに接続しているので、二段階認証やサイバー攻撃対策など、堅牢性の高いセキュリティを実施されているものを導入しましょう。ただし、機能性ばかり重視しても、コストがかかりすぎてしまうので、導入が難しくなるかもしれません。さまざまなポイントを比較検討して、サービスを決定することをおすすめします。

クラウドPBXの比較ポイントは、以下の通りです。

  • 通話音声の安定性
  • 機能と拡張性、対応できる規模
  • セキュリティの堅牢性
  • コストとのバランス
  • サポートの充実度
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主なクラウドPBXの比較10選

クラウドPBXは、製品によって利用できる機能や適した業務が異なります。さまざまな特長をもつ、おすすめのサービスを以下より紹介します。

クラウドPBXを活用したコンタクトセンター基盤:BellCloud+

「BellCloud+」は、コンタクトセンター業務における30年以上のノウハウを蓄積した、「ベルシステム24」が提供するクラウドPBXサービスです。最大9,000席まで拡張可能と自由度の高いシステムであるため、企業規模を問わず利用できます。自動応答やVOC分析、感情解析など、基本的な機能から先進テクノロジーを採用した機能まで、コンタクトセンター業務の効率化を図る多様な機能が実装されています。

初期費用や月額料金は、契約内容により異なります。従量課金制では基本料金は不要、月ごとに利用したサービス分の料金しか発生しません。契約席数に応じて料金が変わる固定料金制では、通話で消化するポイントが付与されるので、リーズナブルにコストを抑えながら、高機能のシステムを運用できます。

BellCloud+ 公式サイト

クラコールPBX

「株式会社三通テレコムサービス」が運営している「クラコールPBX」は、自社グループの電話回線をもつ、低価格で高品質のサービスが特長です。内線や営業時間外の音声アナウンス、IVR・音声自動応答、通話録音などのビジネスフォン機能が充実しています。外出先や自宅などでもスマホアプリを起動すれば、会社の電話番号でビジネスフォンが稼働するので、フリーアドレスのオフィスでも内線に困りません。

初期費用は0円、1ユーザーにつき月額980円です。6ユーザー以降はサービス基本料が無料となり、月額最大4,900円で利用できます。

クラコールPBX 公式サイト

MiiTel(ミーテル)

「株式会社RevComm」が提供している「MiiTel」は、1,650社の企業が導入し、4.4万人ものユーザーをかかえています。IP電話や自動録音、文字起こし、通話のスコアリング、IVR、キューイング、どこでも利用可能なスマホアプリなど、目的やシーンに応じた機能が豊富です。

また、「Salesforce」や「Kintone」などのSFA/CRMツールとの自動連携もあり、ビジネスフォンとしての機能だけでなく、スムーズな顧客情報の一元管理も叶います。

初期費用は0円、月額は1IDにつき5,980円ですが、10ID以下を1ヶ月のみ契約する場合には、事務手数料が発生するので注意しましょう。

MiiTel 公式サイト

Arcstar Smart PBX

「エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社」の運営する「Arcstar Smart PBX」は、固定電話と携帯電話が融合するFMCが備わったクラウド型PBXサービスです。ビジネスフォンサービスに、NTTコミュニケーションズのIP電話サービスを組み合わせると、外線通話も無料になります。

主な機能として、どの端末でも利用できる内線、社外での会社の電話番号による発着信、名刺情報のデータ化などが挙げられます。業務で従業員のスマホを利用する場合、通話料金は会社に自動一括請求されるため、社用スマホの必要性がなくなり、コスト削減も可能です。

初期費用は1万円、月額料金は契約基本料が1契約につき5,000円、ID利用料が1IDにつき500円です。

Arcstar Smart PBX 公式サイト

モバビジ

「モバビジ」は「クラウドテレコム株式会社」による、最新のビジネスフォンサービスです。クラウドテレコム株式会社のクラウドPBXと、「NTT東日本・NTT西日本」の「ひかり電話」、IP電話機を組み合わせたサービスで、電波状況に関係なく音声の安定性を維持します。

既存のビジネスフォンとの併用はもちろん、自宅や外出先などどこにいても、高品質の音声を保ちながら、スマホで会社の外線・内線の発着信できる点が特長です。0ABJ番号や内線通話、グループ発信、通話録音、音声ガイダンス、着信優先、テキストチャットなどの機能がそろっています。

導入時の初期費用および初月費用は0円です。月額料金はクラウドサーバー基本料が500円、クラウドサービス利用料が1台につき350円です。

モバビジ 公式サイト

03plus

「株式会社グラントン」が提供する「03plus」は、スマホで固定電話番号を扱えるアプリです。市外局番の入った固定電話番号を取得後、電話機やアプリにIDを付帯し、各IDで同じ電話番号を利用します。電話番号は、全国どこでも「03」で始まる番号を取得可能です。

内線や転送電話、留守電、パーク保留、通話録音、無料のグループ間内外線、10分間かけ放題、営業時間外の自動応答、スケジュール登録、受け付けアプリ、アプリまたはPCからのFAX送受信など、ビジネスフォン機能が充実しています。

初期費用と月額料金は、契約内容により異なります。「0円スタートプラン」では、初期費用および基本料金が0円、「基本料金プラン(月払い)」では初期費用5,000円・月額980円、「基本料金プラン(年払い)」では初期費用3,800円・年額1万1,760円です。

03plus 公式サイト

トビラフォン Cloud

「トビラシステムズ株式会社」による「トビラフォン Cloud」は、ビジネスフォンをクラウド化し、個人スマホですべての電話業務に対応するクラウドビジネスフォンサービスです。「050」やフリーダイヤルも、新規発番または引き継ぎできるため、新規開業にも適しています。

留守電やIVR自動応答、自動通話録音、着信履歴のラベル管理、発信元電話番号特定、迷惑電話のブロック、ダッシュボードでの一元管理など、基本的な機能に加えて、さまざまな機能が無料で稼働します。

初期費用は3万3,000円、月額料金は利用人数により異なり、2名利用プランは基本料3,300円、20名利用プランは基本料2万9,700円です。

トビラフォン Cloud 公式サイト

BIZTEL ビジネスフォン

「BIZTEL ビジネスフォン」は、「株式会社リンク」と「ブライシス株式会社」が共同運営している、クラウド型IPビジネスフォンサービスです。小規模からスタートした場合の利用人数の増減に適応するほか、PCやスマホを社用電話として利用できるため、さまざまなビジネスシーンに欠かせません。

基本的な機能だけではなく、全通話録音や音声認識・テキスト化、発信フィルタリング、通知番号選択、番号継続利用、CRM連携、API連携などのさまざまなオプション機能も実装可能です。

費用は小規模から大規模まで、契約プランに応じて異なります。内線番号数40の「ライトプラン」は、初期費用5万円・月額利用料2万1,000円、内線番号数100の「スタンダード50プラン」は、初期費用50万円・月額利用料13万5,000円です。

BIZTEL ビジネスフォン 公式サイト

VoiceX(ボイスクロス)

「株式会社コムスクエア」の提供する「VoiceX」は、電話業務のDX化を実現する次世代型のクラウドPBXです。従業員の自宅やオフィスをインターネットで接続すれば、新しい機能を導入することなく、既存の設備のままテレワークを実施できます。また、「自動化ロボットによる連携機能」の標準搭載により、業務の効率化にもつながります。

内外線発着信など基本的な電話機能のほかに、IVR音声自動応答、通話録音などのさまざまなオプション機能を、低コストで追加可能です。「キャリアコムスクエア」の050/0078番号を利用した場合、通信コストも大幅に削減されます。

初期費用と月額基本料金は、エディションや利用席数、利用番号によって異なります。エディションは「ライト」「スタンダード」「プロフェッショナル」の3種類があり、ライトプランの場合は初期費用15万円・月額サービス基本料1万5,000円です。また、機能利用料が1席につき500円、FAX利用料が1番号につき1,000円、AI音声テキスト化の2万円などがかかります。

VoiceX 公式サイト

ひかりクラウドPBX

スマホで内外線通話が可能な「ひかりクラウドPBX」は、NTT東日本・西日本が運営するクラウドPBXです。外線では独自の「ひかり電話通信」を利用することから、外出先やテレワークなどでも安定した通話環境で電話業務を行えます。

内線通話やグループ着信、保留転送、留守電、発信規制、発信番号選択などのビジネスフォン機能が豊富です。スマホでの業務における通話料金を会社に請求したり、既存のPBX設備などと併用したりできるので、段階的な移行を検討している場合におすすめします。

初期費用と月額料金は、従業員数やID数などにより異なります。新規構築の「10IDパックプラン(従業員6人/IP電話機3台/スマホ3台)」を例に挙げると、初期費用は2万4,750円、月額利用料は2万955円です。

ひかりクラウドPBX 公式サイト

クラウドPBXの導入・運用にかかる費用について

クラウドPBXとは、社内の電話機をネットワークでつなぐPBX(Private Branch eXchange:構内交換機)を、クラウド環境に設置したシステムです。クラウド環境を利用するため、後述するビジネスフォンやPBXのシステムに比べて、物理的な制約がなく、導入・運用に際しての費用面で有利です。

費用以外にもメリットが多くあります。スマホの内線化により、スマホから内線だけではなく、発信・着信・保留・転送の操作を行えます。したがって、出先で代表番号を用いた外線をかけることで、機会損失の減少にもつなげられます。また、タブレットやPCなどのデバイスも内線化すれば、場所を問わず電話として利用可能です。

ここからは、クラウドPBXの導入・運用にかかる主な費用として挙げられる、初期費用・月額基本料金・通話料について解説します。

初期費用とは

初期費用は、主にサーバー設定と登録、ネットワーク構築、電話機同士接続のシステム設定など、クラウドPBXの導入に必要な費用です。従来機の流用ではなく、電話機を一緒に新規で導入する場合は、それも初期費用に含まれます。

クラウドPBXは、ビジネスフォンやPBXの導入に必要とされる、電話機を接続する交換機の設置費用や回線工事費用がかからない点が特長です。

月額基本料金とは

月額基本料金は、クラウドPBXシステムを利用するために、毎月定額でかかる費用です。利用するユーザー数(内線の数)や機能、「03」「06」「050」「0120」などの取得する番号によって、料金が変わります。

通話料とは

通話料は、外線を利用した通話にかかる料金です。クラウドPBXの外線通話料は多くの場合、固定電話より安く設定されており、業者による料金の違いはあまりないと見受けられます。

なお、クラウドPBXには自動録音や自動音声対応(IVR)、電話会議など、さまざまなオプション機能があり、それらを利用する場合は別途オプション利用料金がかかります。

クラウドPBXの費用相場は?ビジネスフォンやPBXと比較

ここでは、クラウドPBXの導入・運用にかかる費用の相場と、比較対象であるビジネスフォンやPBXの費用相場を紹介します。

クラウドPBXの費用相場

クラウドPBXの費用相場は以下の通りです。

  • 電話機:3~4万円程度(中古機は1~2万円程度)
  • サーバー設定費用:2~5万円程度
  • 通話料:3分8円程度
  • 運用コスト(月額基本料金):1回線あたり1,000~3,000円程度
  • 交換機代、工事費は不要

ビジネスフォンの費用相場

ビジネスフォンとは、社内に設置したPBXを用いて各電話機を有線接続し、一元管理するシステムです。これにより複数の電話機が回線を共有し、外線・内線に接続できます。利用対象の規模は100台程度までで、接続できる周辺機器はそれほど多くありません。

ビジネスフォンの費用相場は以下の通りです。

  • 電話機:3~4万円程度(中古機は1~2万円程度)
  • 交換機:10~20万円程度
  • 工事費:5~10万円程度
  • 通話料:3分8円程度
  • 運用コストは不要

PBXの費用相場

文字通り、PBXを使った社内電話を一元管理するシステムです。ビジネスフォンと同じものに思えますが、以下の違いがあります。

まず、利用対象の規模はビジネスフォンより大きく、PBXは数千台まで接続可能です。したがって、設置するPBXの価格もビジネスフォンより高額になるうえ、接続できる周辺機器はビジネスフォンより豊富です。

PBXには、大きく分けて「レガシーPBX」と呼ばれるタイプと、「IP−PBX」と呼ばれるタイプの2種類があります。レガシーPBXは歴史が古く、後発のPBXと区別するために「レガシー(遺産)」と名付けられています。数千台規模までの内線接続ができる点が特長で、複数ある拠点の回線もひとつにまとめられることから、実用性が高く、中小企業から大企業まで幅広く導入されています。

一方、IP−PBXは電話回線ではなく、IPネットワーク(社内LAN)を利用する方式です。電話とPCの連携や通話内容の保存など、通話以外の機能面が充実している点が特長です。

PBXの費用相場は以下の通りです。レガシーPBXとIP−PBXでは相場に開きがあり、また規模にもよるため広範囲にわたります。

  • 電話機:3~4万円程度(中古機は1~2万円程度)
  • 交換機:50万~数千万円程度
  • 工事費:10万~数百万円程度
  • 通話料:3分8円程度
  • 運用コストは不要

クラウドPBXなら導入にかかる費用を削減できる

ここまで、クラウドPBXにかかる費用相場に加え、ビジネスフォンとPBXの費用相場も紹介しました。最後に、クラウドPBXの導入により削減できる費用について解説します。

まず、クラウドPBXは交換機が不要なので、導入費用や設置工事費用がかかりません。電話機の購入費用については、新規で1台3~4万円程度と前述しましたが、従業員のスマホを業務用に利用したり、電話アプリをPCにインストールし、PCにヘッドセットを接続して会話したりする方法も考えられます。こうした手段を取れる点がクラウドPBXの強みであり、これにより電話機代のカットも可能です。このように、導入費用に関してはサーバーの設定費用のみで済ませられるため、ビジネスフォン・PBXに比べて大幅に削減できます。

運用については、月額基本料金・通話料・オプション料金がかかりますが、月額基本料金とオプション料金は少額です。通話料に関しても、内線化したスマホやタブレットはもちろん、離れた場所でもインターネットにつながっていれば、内線として扱える利点があります。国際電話もインターネット回線を利用すれば、通話料を抑えられます。

また、クラウドPBXであれば、各種機能の設定変更もブラウザで容易に行えるので、メンテナンス費用の削減にもつながります。さらに、もし社内の配置換えやオフィスを移転する場合、クラウドPBXなら、機器の配線工事や配置換えなどが不要となり、費用がかかりません。

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まとめ

クラウドPBX10選をもとに、比較ポイントや費用相場と併せて、ビジネスフォン・PBXについても解説しました。クラウドPBXを選ぶ際には、通話音声の安定性や機能、対応可能な規模、コストとのバランスなど、さまざまな条件の比較検討が重要です。

クラウドPBXでは導入・運用にかかる費用を大幅に削減できるほか、従業員のスマホを内線化すれば、電話機の導入費用や通話料も抑えられます。自社の業務形態や利用方法に適したサービスを選ぶことで、コスト削減や業務効率化が実現するでしょう。

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