コールセンターの仕事は難しすぎる?
離職率を下げるための対策とは
コンタクトセンターの森 編集部
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コンタクトセンターの森 編集部
コールセンターのオペレーターは辞める人が多いことで知られていますが、その一因と言われているのが、「オペレーター業務が難しすぎる」「暗記すること・やることが多すぎて覚えられない」という問題です。そこで本記事ではコールセンターの仕事内容の紹介から始め、仕事が難しいと思われる理由や離職率を改善するための方法を解説します。

コールセンターのオペレーター業務は多岐に渡り、商材に関する豊富な知識なども求められます。
コールセンターの仕事内容を大まかに分けると、かかってきた電話に応対する「インバウンド業務」と、自分から電話をかける「アウトバウンド業務」の2種類があります。それぞれの主な仕事内容は下記の通りです。
いずれにしても電話を使った業務が基本となるのは共通しています。ただし、たとえば顧客からの問い合わせ対応を行ったら、その対応記録をシステムに入力しなければいけないなど、周辺業務も発生します。
電話対応をするだけの楽な仕事と思われがちなコールセンターの仕事ですが、オペレーター業務が難しいと感じて辞める人が非常に多いのが実情です。難しいと感じる主な理由は、クレーム対応のつらさ、多様な取り扱いサービスを覚える必要がある点、繁忙期の忙しさなどが挙げられます。
クレーム対応のつらさは、あえて説明せずとも理解できる人が多いことでしょう。いくら仕事とはいえ、毎日のように顧客からの苦情に対応するのは精神的に過酷なことです。オペレーター側から電話を発信するアウトバウンド業務にしても、いわゆる塩対応を受けることは「あるある」なことであり、徒労感に心が折れる人も多いようです。要するに、精神的につらい仕事が多いのが、オペレーターの離職率を高くしている第一の原因です。
また、オペレーターの仕事は意外と覚えることが多いことでも知られています。顧客からの問い合わせに対して適切に応えるためには、商材に関する豊富な知識が不可欠です。マニュアルなどが整備されていても、研修期間だけでは覚えきれないという人も多いでしょう。ITが苦手な人は、対応記録を入力するためのシステム周りの使い方に戸惑うこともあるかもしれません。豊富な知識を使って顧客へ適切に対応しつつ、同時にその対応記録も入力しなければならないためオペレーターの仕事は非常にせわしないのが実情です。
特に、繁閑差がある業務の場合、業務量に応じた人員配置も重要です。忙しさに偏りがあると一部のオペレーターに負荷が集中してしまう可能性があります。傾向から予測を行い、シフトコントロールを行う必要があります。
オペレーターの高い離職率は、企業にとって当然多くの悪影響をもたらすものです。
まず挙げられるのが、サポート品質や生産性の低下です。離職率が高くなると、それだけ業務に習熟した人材は少なくなるため、一人当たりの処理件数やサポート品質も落ちやすくなります。これによってコールセンター全体の生産性が低下し、顧客からの評価にも悪影響を及ぼしてしまう恐れがあります。
また、教育コストや採用コストなどの負担増加も見逃せません。求人広告を出すのも無料ではありませんし、人材教育にかかる時間・労力・コストも無視できない負担です。しかしオペレーターが早期離職してしまえば、これらのコストは無駄になり、再び一連の作業と投資をやり直すことになってしまいます。新人オペレーターが増えることで、ベテランオペレーターの負担が増え、貴重なその人材まで辞めてしまう悪循環を引き起こすことも懸念されます。
では、コールセンターの仕事に付随する数々の困難を軽減し、オペレーターの離職率を下げるにはどうしたらいいのでしょうか。続いては、コールセンターの離職率を下げるための対策を解説します。
コールセンターの離職率を下げるために企業が真っ先に考えたいのが、通話内容の自動記録や顧客への自動応答、FAQなどの機能を備えたコールセンターシステムの導入です。オペレーターの仕事を難しくしている原因のひとつは、やるべき仕事の多さです。たとえば顧客との通話内容をシステムが自動的に書き起こしてくれれば、オペレーターは顧客対応だけに集中しやすくなり、あとの入力業務も楽になります。
また、チャットボットによる自動応答やFAQなど、オペレーターの手を介さずとも顧客が問題を自己解決できる手段を増やすことで、オペレーターの業務負担を大きく軽減可能です。問い合わせチャネルを複数用意することは、顧客の利便性向上にもつながるため、顧客満足度の改善にも寄与します。
研修制度やフォロー体制を充実させることも有効な手法でしょう。クレーム対応に代表されるように、オペレーターは精神的負担の大きな仕事です。また、オペレーターは一日中椅子に座ったまま仕事をこなすことになりがちなので、腰や背中に負担を覚える人も多くいます。オペレーターの離職率を下げるには、管理職を中心に、オペレーターの心身のコンディションに配慮したフォロー体制を整備することが大切です。業務フロア内や休憩室の環境整備も重要な事項となります。
また、基本的な電話対応の仕方や商品知識の暗記など、新人オペレーターには覚えるべきことが数多くあります。コールセンターの研修はその内容・方法・期間について新人オペレーターにしっかり配慮するようにしましょう。
明確な人事評価制度を導入することも検討すべき対策です。コールセンターの離職率の高さは、人事評価の曖昧さにも一因があると言われています。たとえば評価制度の仕組みが処理件数だけを重視したものになっていると、顧客満足度を意識して丁寧な接客をしているオペレーターや、難しい案件を多く担当しているオペレーターにとって不公平さを感じさせる原因になってしまいます。
したがって、処理件数だけでなく、サービス品質なども多角的に考えた上でオペレーターを正当に評価できる制度を考えることが重要です。なお、先に紹介したコールセンターシステムには、通話の音声記録を自動保存したり、通話内容をシステムが文字に書き起こしたりする機能が搭載されているものもあるので、これらのログを評価の際の参考にするのもおすすめです。
オペレーターが柔軟な働き方に対応できるようにすることも効果の見込める対策です。たとえば昨今ではコロナ禍の影響により、コールセンターにもテレワーク化(リモートワーク化)の波が押し寄せてきています。コールセンターのオペレーターは比較的女性の多い職業ですが、とりわけ子どものいる女性にとって、家事や育児と両立しやすいテレワークは魅力的な働き方です。コールセンターシステムの中には、テレワーク対応できるものもあるので、そうしたシステムを利用してテレワーク環境の整備をすることも検討してみてはいかがでしょうか。
コールセンターを辞める人が多いのは、クレーム対応などの精神的なつらさのほか、覚えるべきこと・やるべきことの多さによる業務の難しさなどが主に挙げられます。
こうした課題を解決するには、便利なコールセンターシステムの導入をはじめ、研修制度やフォロー体制の充実、評価制度の改善、テレワークなどの働き方改革が有効です。
本記事を参考に、ぜひオペレーターの負担を軽減し、離職率の改善に取り組んでみてください。

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