カスタマージャーニーマップとは?作成手順や注意点を紹介!

 2022.06.09  2024.01.09

スマホの普及によって企業と消費者を繋ぐチャネルはますます多様化しており、顧客行動の複雑化を生んでいます。このように複雑化した状況でも一貫して良質な顧客体験を提供するには、カスタマージャーニーマップを作成し、顧客理解を深めることが有効です。そこで本記事では、カスタマージャーニーマップの意味やメリット、作り方を分かりやすく解説します。

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カスタマージャーニーマップとは?

カスタマージャーニーマップとは、消費者が企業やその製品・サービスを認知し、顧客になり、その後離脱していくまでの流れ(カスタマージャーニー)を図表などによって視覚化したものです。カスタマージャーニーマップにおいては、顧客の表面的な行動だけでなく、その背後にある思考・感情・動機をも考察に組みこむことで、あらゆるタッチポイントにおける顧客のブランド体験をストーリー的に理解することを目的にします。

カスタマージャーニーマップは、B2C(B to C)だけでなく、B2B(B to B)ビジネスにおいても、顧客企業の特性や共通点を把握して施策をパーソナライズしたり、顧客体験を高めたりするために役立ちます。もちろん、コンタクトセンターにとっても、顧客が何を求めているのかを深く理解し、カスタマージャーニー全体におけるコンタクトセンターの役割や重要性を改めて確認するために、カスタマージャーニーマップの作成は有効です。

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カスタマージャーニーマップを作成するメリット

カスタマージャーニーマップが重要なのは、顧客が企業に求めることをより深く理解し、顧客体験を最適化するための施策を練るのに不可欠だからです。

例えば、ICTが発展した今日のビジネスにおいては、さまざまな領域でマルチチャネル化が急速に進んでいます。自社がターゲットにしている顧客へよい顧客体験を与えるには、いつ、どのチャネルを使い、どのようなアプローチをかけるべきか、パーソナライズした施策を実施することが大切です。顧客理解を深めるカスタマージャーニーマップは、このパーソナライズを効果的にするための大きなヒントを企業に与え、すべての顧客接点の強化に寄与します。

また、カスタマージャーニーマップは、部署を越えてチーム全体の認識共有に役立ちます。というのも、顧客のブランド体験を顧客目線で時系列的に追うカスタマージャーニーマップを作ることで、マーケティング・販売・カスタマーサービスの垣根を越えて、企業全体としてどのように一貫性のあるサービスを提供したらよいかを考えることができるからです。つまり、カスタマージャーニーマップの作成を通して、チームは「顧客目線」「顧客中心主義」という共通の軸を手にして認識を共有できるのです。

さらに、カスタマージャーニーマップは既存の課題の見直しや改善にも効果的です。カスタマージャーニーマップを通して、顧客が何を企業に求めているのか深く理解することで、そこで判明した顧客ニーズと自社の既存の施策のズレを見つけられます。これによって、より優れた顧客体験を提供するにはどうしたらよいか、その改善点も自ずと見えてくることでしょう。

カスタマージャーニーマップの作成手順

続いては、カスタマージャーニーマップを実際に作るための作成手順を解説していきます。

1.事前準備

手順1は事前準備です。この段階においては、「作成する目的の明確化」「ゴールの設定」「顧客のペルソナの設定」などをしていきます。

最初にすべきは、カスタマージャーニーマップをなぜ作成するのか、目的を明確化することです。例えばカスタマージャーニーマップを「新商品の販促方法の検討」に使いたいのか、「ECサイトの会員数増加方法の検討」に使いたいのかでは、考えるべきことがまったく違ってきます。

また、目的の明確化と同時に、ゴールの設定をすることも欠かせません。例えば、新商品の販促が目的ならば、ゴール設定の事例としては、その商品を購入するまでの顧客行動を可視化し、各顧客接点における販促方法の最適化を図ることなどが挙げられるでしょう。

目的とゴールの設定が終わったら、それに合わせて顧客のペルソナを設定していきます。ペルソナとは簡単に言うと、自社の顧客の典型例を示す架空の人物です。ペルソナの年齢、職種、ライフスタイル、思考傾向などを具体的に想像することで、顧客の立場に立ち、カスタマージャーニーのストーリーを効果的に練り上げることができます。

現実的なペルソナを作成するには、自社の収集した顧客データを筆頭に、アンケートや市場調査など、実際のデータを参考にすることが重要です。また、多くの顧客にパーソナライズするには、ひとつのペルソナだけでは不十分なので、複数種類のペルソナを作ることも検討しましょう。

2.縦軸・横軸の設定

手順1が終わったら、いよいよカスタマージャーニーマップの作成に入ります。カスタマージャーニーマップにはさまざまな形式がありますが、テンプレート的に使われるのは、縦軸に顧客の行動や思考、横軸に顧客体験の時系列を示した図表です。このような図表を用いたカスタマージャーニーマップを使う場合には、まずはこの縦軸・横軸の内容を詰めていく必要があります。それぞれに盛り込む内容としては、主に以下の項目が挙げられます。

縦軸:顧客の行動、感情、思考、タッチポイントなど
横軸:企業(商品・サービス)の認知、情報収集・比較検討、体験・購入、購入後など

これらはあくまで大まかな事例です。実際に作成するにあたっては、自社の目的・状況・ニーズなどに合わせて適宜、カスタマイズすることが重要です。

3.顧客の行動・感情の整理

続いては、各顧客接点における顧客の行動や感情を整理していきます。顧客行動は、実際に想定できるものをすべて洗い出し、パターンごとに整理するとよいでしょう。また、コンタクトセンターやWebサイト、実店舗などで、ユーザーがどのように行動するとコンバージョンにつながるかを検討し、それをカスタマージャーニーマップのベースとするのがおすすめです。

課題や改善方法がより明確化できるよう、あえて抽象的な指標やネガティブな感情も入れることも重要なポイントです。たとえばカスタマーサポートにおいては、商品について何らかの不便を覚えて連絡してくる顧客が多いことでしょう。そうした顧客に優れた顧客体験を提供するには、その顧客が抱いている不満や面倒臭さなど、ネガティブな感情を考慮に入れなければなりません。なぜ顧客がその行動をしようとしているのか、動機の部分をしっかり考えてカスタマージャーニーマップに反映させることが大切です。

4.マッピング

顧客の行動や感情を整理できたら、横軸に設定した時系列に沿ってマッピングを行い、カスタマージャーニーマップを完成させていきましょう。その際、中間目標となるKPI(重要業績評価指標)を各プロセスに設定しておくのがおすすめです。KPIの設定によって、カスタマージャーニーマップの各ステージにおいて優先的に取り組む課題が明確になります。また、KPIの達成状況を可視化することで、各施策の効果を後で検証する際に役立てることも可能です。

カスタマージャーニーマップの作成時の注意点

最後に、カスタマージャーニーマップを作る際の注意点を解説します。

第一の注意点は、顧客視点を心掛けて作ることです。カスタマージャーニーマップの顧客ペルソナや顧客行動が単に自社の希望や憶測を投影しただけのものにならないよう、十分にご注意ください。こうしたことを防ぐには、先に触れたように、自社の顧客データやアンケートなどを活用するのがおすすめです。

また、定期的にアップデートすることも大切です。コロナ禍に象徴されるように、顧客行動は社会状況やトレンドなどに応じて刻々と変化していきます。したがって、高い効果を発揮したカスタマージャーニーマップがいつまでも同じ成果を出せるとは限りません。例えばコンタクトセンターに寄せられた声を分析すれば、顧客の実像に迫り、カスタマージャーニーマップのブラッシュアップに役立てることができるでしょう。

まとめ

カスタマージャーニーマップとは、顧客が経験する一連のブランド体験を顧客目線で視覚化したものです。上手に活用することで、企業は顧客を深く理解し、そのニーズに合わせた施策を実施しやすくなります。効果の高い、的確なカスタマージャーニーマップを作成するのは簡単なことではないので、KPIなどを参考にしながらブラッシュアップを重ねていくことが大切です。

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