BtoCビジネスにおいて欠かせないIVR(自動音声応答システム)ですが、メリットだけでなくデメリットもあるのをご存知でしょうか。本記事ではIVRの概要と、導入することで得られるメリットとデメリットについて解説します。また、最先端テクノロジーを活用したIVRソリューションも紹介しますので参考にしてください。
IVR(自動音声応答システム)とは?
「IVR」とは「Interactive Voice Response(インタラクティブ・ボイス・レスポンス)」の略で、日本語では「自動音声応答システム」と呼ばれます。自動音声応答システムは古くから日本の大手企業などで取り入れられているサービスで、コールセンターやお客さま相談窓口、タクシーの配車予約など幅広い分野で活用されてきました。
IVRという言葉を知らなくても「音声ガイダンスに従って操作してください」「お問い合わせ内容に該当する番号を押してください」などの音声を耳にしたことのある方は多いのではないでしょうか。電話越しに番号をプッシュさせて、問い合わせ内容を振り分け、適切なオペレーターに電話を繋ぐのが主なシステムです。それ以外にも自動音声で情報を発信したり、簡単な質問に対してあらかじめ用意しておいた回答を流したりと、さまざまな用途に活用されています。
IVRにオペレーターの役割をさせることで人手不足問題を解消したり、人件費の削減も可能です。そんなビジネスシーンに欠かせないIVRですが、導入には自動音声応答装置を設置する必要があるなど、コスト面での負担が大きいのが課題でした。しかし最近ではクラウド型のIVRサービスが登場し、初期費用を抑えながら低コストでの運用が可能となりました。
近年では、テレワーク移行における課題のひとつである「会社にかかってくる電話に出られなくなる」という点を、IVRによって解消するサービスが多く活用されています。
IVRの導入で得られる効果
IVRを導入することで得られる効果を、企業と顧客双方の観点から解説します。
企業側のメリット
IVRの導入で得られる企業側のメリットは「オペレーターの応答率向上」「人件費・教育コストの削減」「オペレーターの生産性向上」「顧客満足度の向上」など、さまざまです。詳しい内容を以下にまとめましたので見ていきましょう。
オペレーターの応答率向上
IVRを導入していない企業では、かかってきた電話にオペレーターが直接対応するため、すぐに回線が埋まってしまいます。しかし、問い合わせには簡単な質問と専門性の高い内容のものが混在しているため、簡単なものは自動音声ガイダンスに任せ、専門性の高いもののみをオペレーターに対応させることで応答率をアップさせられます。
人件費・教育コストの削減
IVRを導入する以前のコールセンターでは顧客から寄せられる問い合わせに各オペレーターが全て対応しなければならず、高度な知識と専門性を兼ね備えた人材を教育する必要がありました。しかしIVRの振り分け機能を活用して適切なオペレーターに繋がる仕組みを導入すれば、オペレーターが習得すべきジャンルが限定されるため教育コストの削減が見込めます。またIVRにオペレーターの代わりをさせることで人件費を大幅に減らし、企業全体のコストをカットすることが可能です。
オペレーターの生産性向上
IVRは問い合わせ内容に適したオペレーターへ電話を繋ぐシステムです。そのため各オペレーターは、自分の専門分野への問い合わせに集中できるようになります。また、対応にあたる前からある程度の問い合わせ内容が分かるので、対応時間の短縮や作業効率のアップに繋がるのです。さらに、間違い電話や嫌がらせの電話などへの対応が減るため、オペレーターのストレス軽減や、離職を防ぐ効果も期待できます。
顧客満足度の向上
IVRを導入する以前は電話してすぐに最適なオペレーターに繋がるという保証はなく、顧客が電話口でたらい回しにされることもありました。しかしIVRなら、問い合わせた内容に適したオペレーターに最初から振り分けられるため、何度も同じ説明をしたり問題解決に必要以上に時間がかかったりするのを防げます。その結果、顧客は素早く確実に問題を解決できるようになり、顧客満足度の向上に繋がると考えられているのです。
顧客側のメリット
続いて顧客側のメリットは「素早い問題解決」「待ち時間の削減」「不安の解消」「セキュリティの強化」などが挙げられます。こちらも詳しい内容を以下にまとめましたので見ていきましょう。
素早い問題解決
IVRでオペレーターの応答率を向上させることによって、専門性の高い問題でも素早く解決できます。また「急ぎではないが知りたい」「簡単な問い合わせをしたい」など、専門性の低い問い合わせやよくある質問などをIVRに任せることで、顧客の抱える問題をスムーズに解決することが可能です。
不安の解消
IVRを導入していない企業のコールセンターでは、電話をかけても繋がらないということがよくあります。コールセンターに電話をする顧客は何らかの不安や不満を抱えているため、何度電話をかけても繋がらないと「いつになったら繋がるの?」と不満を募らせることでしょう。ですがIVRを導入していれば、折り返し電話する旨を自動で伝えたり電話予約ができたりするため、いつ繋がるのか分からないといった顧客の不安を解消できるのです。
待ち時間の削減
IVRを導入すると電話をかけてすぐ最適なオペレーターに繋がるため、たらい回しにされたり対応できるオペレーターを探したりする時間を削減できます。また折り返しの電話や電話予約を提案することで、顧客が電話を繋いだまま待っている必要がなくなり、無駄な待ち時間をなくせます。
セキュリティの強化
IVRなら住所や電話番号などの個人情報や、住民票コードや口座番号といった機密情報をオペレーターに伝える必要がないため、情報漏洩のリスクが下がります。また、オペレーターの聞き間違えや入力ミスも防げるため安心です。
IVRは効果が大きい一方でデメリットも
生産性の向上や素早い問題解決など業務を効率化できるイメージの強いIVRですが、意外なデメリットも抱えています。それはIVR最大の魅力でもある振り分け機能が顧客にとってストレスになる可能性があるということです。
振り分けられる項目があまりに多すぎる場合は、自分の選択すべき項目にたどり着くまでに時間がかかります。また自分に関係のない項目をずっと聞かなければならないことをストレスに感じる人もいるため、振り分け項目の数や内容を工夫しなければなりません。また「自身の用件に合うボタンがわからない」など、顧客が困惑してしまう場合もあります。これら問題を解決するためには、一度顧客の立場になって自社のIVRを聞いてみることが大切です。
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ベルシステム24のIVRソリューション
コールセンター業界を知り尽くした「ベルシステム24」が提供するIVRソリューションサービス、「AI for VoiceBot(エーアイ フォー ボイスボット)」をご存知でしょうか。AI for VoiceBotは、顧客の発した言葉(音声)を自然言語認識APIにより自動でテキスト化し、それを振り分けることでIVRのデメリットであるボタンを多く押さなければいけない、振り分けに柔軟性がないなどの「煩わしさ」を解消します。従来の顧客が番号を押して問い合わせ内容を選択するIVRとは違う、まったく新しいタイプのIVRです。IVRの導入を検討されている方は、ぜひAI for VoiceBotの導入も検討されてみてはいかがでしょうか。
まとめ
IVRはコールセンター業務の効率化や顧客満足度の向上に大きな効果がある一方で、メリットとされる部分が、顧客にとってデメリットになる場合もあります。そのため顧客目線で振り分け項目を設定するなど、工夫する必要があるでしょう。また最先端のIVRソリューションサービスの導入を検討してみるのもおすすめです。
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