IVR(自動音声応答システム)の活用シーンや
導入のメリットを解説!

 2021.03.16  2024.01.17

IVR(自動音声応答システム)は、コールセンター業務を効率化できるサービスとして従来から企業の問い合わせ窓口などで活用されてきました。近年では低コストでの運用が可能なクラウド型IVRが登場して注目を集めています。本記事ではIVRの概要や活用シーン、IVRの導入で得られるメリットや注意点を詳しく解説します。

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IVR(自動音声応答システム)とは?

IVR(Interactive Voice Response)とは、日本語で「自動音声応答システム」と訳されます。顧客から企業に電話で問い合わせがあった際に、はじめに音声ガイダンスを流し、適切な情報を自動音声でお伝えしたり、担当オペレーターにつなげたりする仕組みのことです。主にBtoC(企業が個人に提供するビジネス)の現場で使われており、企業と顧客を結ぶ大切な役割を担っています。

IVRには顧客からの問い合わせに応える受動的な活用法と、自ら情報を発信する能動的な活用法とがあります。IVR自体は新しいサービスではなく、古くからコールセンターなどで導入されていますが、近年、その機能や利用形態が進化を遂げたことで注目が集まっています。

それがクラウド型(インターネット上のサービス)IVRの登場です。これまで企業がIVRを導入するためには設備費に莫大なコストを投資しなければなりませんでした。しかし、クラウド型IVRが登場したことで、初期費用を抑えた低コストでの運用が可能となったのです。
さらに、データ収集機能や音声認識機能、Web連携機能など、さまざまな機能をもつクラウド型IVRが登場し、コールセンター業務の効率化が期待されています。

IVRの活用シーン

IVRの活用シーンは色々ありますが、主にコールセンターや企業の問い合わせ窓口などで利用されています。例えば企業への問い合わせをIVRで対応する場合、「製品に関するお問い合わせは1を、ご契約内容の変更は2を、故障・修理をご希望の方は3を」という音声ガイダンスをまず流し、顧客を適切な担当オペレーターに振り分けるのが一般的です。

また、回線が混み合っている場合はしばらく時間をおいてからかけ直してもらうよう自動音声で伝えるか、折り返し予約の自動受付案内に切り替えることができます。また、よくある定型的な質問や営業時間外にかかってきた電話に対しては、FAQガイダンスを流して自動応答することも可能です。

上記で紹介したものは受動的なIVRの活用例ですが、先にお伝えしたようにIVRには能動的な機能も存在します。例えば「キャンペーンの告知・イベントの開催案内・未払金の督促」など、顧客リストに沿った自動発信による情報案内が、能動的なIVRの活用例です。顧客が電話を取ったら自動で音声案内を流し、取らなかった場合はあらかじめ指定した間隔を空けてリダイヤルします。

IVR(自動音声応答システム)を導入するメリット

IVRの導入は企業とユーザーどちらにとってもメリットがあります。ここからは、IVRを導入することで得られるメリットを企業とユーザー双方の視点から解説します。

企業側のメリット

企業側のメリットとして挙げられるのが、人手不足の解消と人件費の削減です。現在はどの業界でも慢性的な人手不足に悩まされています。いざコールセンターを設置しようとしても「人員が確保できない」「人がすぐに辞めてしまう」などさまざまな課題に直面し、導入を諦めてしまう企業も少なくありません。

また、自動音声応答機器を設置するとなると、設備投資費に莫大なコストがかかります。そのため、簡単には導入に踏み切れない企業が多い、という現状もあります。その点、クラウド型のIVRは、少ない初期費用および低コストでの運用が可能になるでしょう。

さらに今日では、最低契約期間1ヶ月のサービスも存在します。企業にとって、IVRをテスト導入しやすくなってきていると言えるでしょう。

チャットボットソリューションのご紹介
VOCソリューションのご紹介

IVRの機能を上手く使えば、音声ガイダンスで解決可能な単純な問い合わせに対してはオペレーターが対応する必要はなくなります。これにより、有人対応でなければ解決できない問い合わせに限定してオペレーターが時間を割けるようになるでしょう。少ない人数でもコールセンター業務を回せるようになるほか、オペレーターの業務負担が軽減されることで離職防止にもつながると期待されます。

こうした効率化により、心労を軽減されたオペレーターは、丁寧な応対をしやすくなるでしょう。結果、顧客満足度向上にもつながるのです。

ユーザー側のメリット

問い合わせを行う顧客側でも、待ち時間が減るためストレスも感じづらくなるでしょう。案内方法も均一化され、すぐに適切なオペレーターにつながるといったメリットもあります。

企業に問い合わせをした顧客が、「担当の者に代わります」とたらい回しにされたり、何度も同じ用件を説明させられたりすると、どうしてもストレスを溜めてしまうでしょう。このような問題が起こる原因は、問い合わせ内容の振り分けが適切に行われていないことにあります。

そこでIVRを導入すれば、音声ガイダンスによって問い合わせ内容の振り分けが行われ、何度も取り次ぎを経由することなく、適切なオペレーターへと確実に電話をつなげることが可能です。すぐに担当オペレーターが対応できないときでも、顧客に折り返し電話を予約してもらうことで、無駄に電話口で待たせてしまうこともなくなります。

さらに簡単な問い合わせに対してはFAQガイダンスで自動対応することで、24時間365日いつでも顧客の疑問を解消できるようになるでしょう。

加えて、自動音声対応であれば、案内は均一化されるため、すべての顧客が同じ情報を受け取れるようになります。オペレーターの経験値や知識によって、顧客対応・案内には、ばらつきが出てしまう事態を回避できるのです。

IVR(自動音声応答システム)を導入する際の注意点

IVRを導入する際に注意すべき3つのポイントについて説明します。

わかりやすい設定にしておく

IVRを導入する際には、顧客にとってわかりやすくいガイダンスであることが重要です。選択肢の数(ボタンを押す回数)が多すぎると、顧客がストレスを感じる原因になります。

問い合わせ内容の振り分けは必要ですが、5個以上選択を繰り返させることは顧客にとって負担となるでしょう。選択肢は3〜4個程度に設定することがおすすめです。

また、はじめのアナウンスが長すぎても顧客のストレスとなります。事実、IVRを利用した顧客のなかには「いつまでもオペレーターにつながらない」とIVRに不満を感じる人も少なくありません。そのため、顧客に伝えなければならない情報(会話を録音する旨など)以外の話はできるだけ省きましょう。また、「挨拶のセリフも話すスピードは適切か」「言葉遣いが丁寧すぎないか」などを確認し、短く済ませる工夫も大切です。

機械的な声が苦手な人も多い

企業やユーザーにとってメリットの多いIVRですが、顧客のなかには音声ガイダンスの機械的な声を不快に感じる場合もあります。顧客がオペレーターにつながることを想定して電話をかけた際、自動音声応答システムが対応することで「顧客を軽く見ている」と苛立ちを覚えるケースも少なくないようです。

こうした問題は個人の感覚による部分が大きいため完全に解決することは難しいですが、一度顧客の目線で音声ガイダンスを聞いてみて、自動音声の声色や文言など、改善できる箇所がないか検討するとよいでしょう。

必ずオペレーターにつなぐメニューを用意

IVRを導入したからといって、すべての対応を自動音声に任せるのはNGです。顧客によっては一度の問い合わせで複数の用件を済ませたい人や、自分の問い合わせがどの選択肢に当てはまるのかわからない人もいます。

また、緊急度の高い問い合わせの場合、プッシュ操作を省いてすぐにオペレーターと話したいという顧客もいるでしょう。このようなケースを想定し、選択肢には必ずオペレーターに直接つながるメニューを用意しておく必要があります。

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BellCloud+®(ベル クラウド プラス)」は、コールセンター業界で30年以上に渡り牽引してきたベルシステム24が、コールセンター業務のノウハウを集結させたクラウド型サービスです。

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加えて、オペレーターの状況を可視化する機能や、テキストマイニングを活用したVOC(顧客の声)分析などを活かし、さまざまな側面からオペレーション業務をアシストします。

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まとめ

IVRの導入は、企業にとって人手不足の解消やコスト削減につながります。また、顧客にとっても無駄な待ち時間を省けるというメリットがあります。ただし、顧客対応をIVRに任せきりにするのではなく、あくまで補助的な役割として考えることが重要です。IVRを上手に活用して顧客満足度の向上を目指しましょう。

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宮本 俊之
宮本 俊之
ベルシステム24に入社後はオペレーション部門に配属となり、インバウンド、アウトバウンドのオペレーションマネージメントを14年に渡り経験。その後2008年より、システム関連部門へ異動し、外部のお客様へシステムの提案、導入を行っている。オペレーション部門出身という経験を活かし、業務目線でのシステム提案を得意とする。
現在は、BellCloud+のサービス構築、お客様への提案、導入を行っている。
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