クラウドPBXのよくある失敗事例8選。対策方法も紹介

 2023.08.15  コンタクトセンターの森 編集部

さまざまなメリットがあり、多くの企業が導入しているクラウドPBXですが、導入に失敗すると再度サービスの見直しや選定を迫られ、余計な時間とコストを費やしてしまいます。本記事では、クラウドPBXの失敗を防ぐために、ありがちな失敗例と対策方法などについて解説します。

クラウドPBXによくある失敗事例8選

メリットの多さゆえに、クラウドPBXへの移行を検討する企業は少なくありません。ただ、サービスの導入においては、懸念点や失敗しやすいポイントがあるため注意が必要です。

必要な機能が利用できなかった

「業務効率化に有効と聞き、クラウドPBXの導入に踏み切ったA社。どれも大差ないと考え導入したものの、使いたかった機能が実装されていませんでした」

クラウドPBXによって、実装されている機能はさまざまです。事前に下調べをしていないと、このような事態を招くおそれがあるため注意が必要です。

セキュリティ問題が発生した

「従業員が所有するスマートフォンがマルウェアに感染してしまい、オフィスのパソコンにも感染が拡大してしまった。その結果、組織が保有する重要な情報が漏えいしてしまった」

従業員のプライベート端末を、オフィスの電話として利用できるのがクラウドPBXの魅力であるものの、こうしたセキュリティリスクが発生するおそれがあります。

運用コストが割高になってしまった

「クラウドPBXであれば、初期費用とランニングコストを抑えられると知り導入を進めたB社。しかし、業務に要するオプションを次々と加えるうちに、運用コストが割高になってしまった」

運用コストが高くなりすぎると、経営を圧迫するおそれがあります。組織の利益最大化を目指すためにも、できるだけ運用コストを抑えられるクラウドPBXの導入が求められます。

現在の電話番号を引き継げなかった

「現在の電話番号をそのまま引き継げると思ったものの、導入したクラウドPBXではできなかった。その結果、電話番号が変わり、顧客や取引先などへ周知する手間が発生した」

電話番号が変わると、知らなかった顧客が電話をかけてもつながらなくなり、機会損失が発生するおそれがあります。周知させるまでに時間もかかるため注意が必要です。

通話品質・音質が悪化した

「通話品質に優れるという触れ込みのクラウドPBXを導入したものの、実際の通話ではノイズが混じったり、音声がクリアでなかったりといった問題が発生してしまった」

通話品質や音質が悪化すると、顧客満足度の低下にもつながります。コールセンターなどの場合、お客様の話を聞きとりづらくなり、業務にも支障をきたしかねません。

導入のタイミングを間違えてしまった

「PBXの導入で課題を解決できたものの、今まで使用していたビジネスフォンのリース契約期間が残っており、解約に伴う高額な違約金を請求されてしまった」

リース契約の解約時には、残債の一括返済と違約金の支払いを求められるケースが少なくありません。クラウドPBX導入の前に、ビジネスフォン契約の内容・期間を確認しておきましょう。

ノウハウが乏しいベンダーを選択してしまった

「不具合が発生したため、ベンダーのサポートに連絡したものの、適切な対応をしてもらえなかった。改善するまでに時間がかかり、機会損失が発生してしまった」

サポート体制が不十分で、ノウハウが乏しいベンダーもいるため注意が必要です。実績や評判をチェックしつつ、安心して利用できるサポート体制を構築しているサービスを選ばなくてはなりません。

機能が多すぎて十分に活用しきれなかった

「多機能なクラウドPBXのほうが有用だと思い導入したものの、機能が多すぎて使いこなせなかった。宝の持ち腐れになってしまい、運用コストも増大した」

使いきれない、活用しきれない機能は無意味です。多機能すぎると、複雑に感じる従業員も出てくるため、従業員の使いやすさも考慮しつつサービスを選びましょう。

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クラウドPBX導入時の失敗を防ぐ対策

クラウドPBXの導入で失敗しないよう、どのような機能を求めているのか事前に洗い出しましょう。また、情報漏えいなどのリスクを避けるためセキュリティ対策を徹底し、事前に運用コストを確認することも大切です。

導入するメリットと必要な機能を把握する

まずは、クラウドPBXを導入して解決したい課題や目的などを明確にしましょう。これらが明確になれば、自ずとどのようなサービスを導入すればよいのか見えてきます。そのうえで複数サービスの費用や機能などを比較しつつ、自社にマッチしたものを選定しましょう。

クラウドPBXのメリットとして、従業員のスマートフォンを内線化できる点が挙げられます。そのため、従来であれば出社が必要であったコールセンター業務も、リモートワーク環境下で取り組めます。また、クラウドPBXのなかには、着信をコントロールする機能や自動振り分け機能など、コールセンター業務を効率化できる機能を備えたサービスもあります。

トライアルで品質をチェックする

トライアル期間が設けられているサービスであれば、事前に実装されている機能や使い勝手、通話品質などをチェックできます。さらに、疑問点などをサポートへ問い合わせし、どのような対応をしてくれるかも確認しておくとなお安心です。

ビジネスフォンの契約期間を確認する

ビジネスフォンの契約期間が残っていると、違約金や残債の一括返済などで多額の出費が発生します。クラウドPBXをいきなり導入せず、まずはビジネスフォンの契約期間や違約金の有無などを確認しましょう。契約期間が残っているのなら、導入のタイミングをずらすなどの対処が求められます。

電話番号の継続利用ができるか確認する

すべてのクラウドPBXで電話番号の引き継ぎが可能なわけではありません。電話番号の引き継ぎができないと、一時的に機会損失が発生したり、業務に支障をきたしたりします。

機器設置型のクラウドPBXであれば、市外局番の引き継ぎが可能です。VoIPゲートウェイと呼ばれる機器をオフィスに設置し、専用アプリを端末へダウンロードすることで実現できます。

セキュリティ対策を行う

適切なセキュリティ対策を実施しているクラウドPBXを選ぶのが大前提です。ただ、サービス提供元がきちんとセキュリティ対策を行っていても、利用者側が対策を怠ると、不正アクセスや情報漏えいなどのリスクを招きます。

そのため、利用者側でも適切なセキュリティ対策に取り組まなくてはなりません。たとえば、従業員のスマートフォンにセキュリティ対策アプリを導入するのは対策として有効です。また、クラウドPBXのIDやパスワードはできるだけ使いまわさず、定期的に変更を行いましょう。

そのほか、ソフトウェアを常に最新の状態で使用する、従業員のセキュリティリテラシーを向上させる取り組みを行うことも有効です。

運用コストを確認する

導入にあたり、初期費用と運用コストを確認しましょう。そのうえで、自社へ導入した際にどの程度の運用コストが月々発生するかをチェックする必要があります。

運用コストは組織の規模によって変化します。目安としては、30名ほどの従業員数なら10~15万円、50名前後で約20万円、100名前後なら50~60万円程度です。あくまで目安であり、実際には利用するサービスや月々の通話料などで最終的な運用コストが決まります。

まとめ

クラウドPBXの導入によって、場所を問わずに電話環境を構築でき、リモートワーク環境下でもコールセンター業務を行えます。一方で、クラウドPBXを導入したものの必要な機能が利用できない、セキュリティリスクが高まった、運用コストが高くなったという失敗もありがちなので注意が必要です。

こうした失敗を防ぐためにも、導入する目的や必要な機能をきちんと把握し、適切なセキュリティ対策も行いましょう。初期費用だけでなく運用コストを確認することも大切です。

現在では、いくつものクラウドPBXが存在するため、各社のサービスを比較しつつ選定を進めましょう。クラウドPBX選定における大切なポイントをもっと知りたいのなら、以下の資料が役に立ちます。

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