ChatGPTができることは? 注意点やできないことも紹介

 2023.05.11  2024.04.24

数多く存在するAIサービスの中でも、特に注目を集めているのが「ChatGPT」です。さまざまな組織・個人がChatGPTの活用法を模索し始めているため、ChatGPTができること・できないことを正確に把握しておくことが求められます。そこで本記事では、ChatGPTの基礎知識や注意点をわかりやすく解説します。

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ChatGPTとは

ChatGPTとは、米国企業OpenAIが開発したAI(人工知能)の自然言語処理モデルの一種です。ChatGPTの「GPT」とは、「Generative Pre-trained Transformer」を意味します。ChatGPTは、対話型の言語モデルを使用しており、大量のテキストデータを学習することで、高い精度でのやり取りが可能です。

ChatGPTは2022年末頃から急速に注目され始め、2023年に入ると連日のようにさまざまな業界やメディアで取り沙汰されるようになりました。ChatGPTがこのように大きな注目を集めているのは、ChatGPTがAIの自然言語処理分野において、大きな進歩をもたらしたからです。

対話型のAIと言えば、AmazonのAlexaやAppleのSiriなどが有名ですが、ChatGPTはそれらのサービスと比べても、より人間に近い自然な言葉でやり取りし、対応できる範囲や精度も優れています。また、文章の生成能力においても高度な機能を発揮することから、さまざまな文章を作成する仕事を代替する効果も期待されています。

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ChatGPTができること

リアルな会話のようなやり取り

ChatGPTは、人間が使う言語のルールや文脈を理解しているため、まるで人間と話しているかのようなリアルなやり取りが可能です。たとえ質問に当てはまる答えがなくても、学習した他の情報から回答を構築できます。たとえば以下は、ChatGPTへ実際に語りかけたときの反応です。

入力文:最近子どもが言葉を話せるようになってきました。
ChatGPT:おめでとうございます!子どもが言葉を話せるようになると、その成長や発達を見守ることができて、とても嬉しいですね。(以下省略)

このようにChatGPTは、「子どもが言葉を話せるようになったこと」を喜ばしい出来事だと認識してお祝いの言葉を述べました。さらに、省略した文章の中では、子どもが言葉を話せるようになったことで生じる変化や、子どもの言語能力を伸ばすためのコツまで教えてくれています。チャットボットや接客ロボットなどがこのように気の利いた返答をできるようになれば、顧客対応の自動化はさらに進んでいくかもしれません。

関数の作成やプログラミング

ChatGPTは、プログラミングにも対応可能です。エクセルやGoogleスプレッドシートの関数、あるいはHTMLやPythonなどのプログラミングについて、何がしたいのかを打ち込むだけで自動的にコードを構築してくれます。つまり、ChatGPTを活用すれば、これまでなら専門知識を持つ人がいないと難しかった関数やプログラミングも、簡単にできるようになるということです。

エラーが出るプログラムをそのまま打ち込んで問題点と改善方法を聞けば、エラー箇所を回答してくれるため、エラーの発見や解決にも役立ちます。以下は、ChatGPTにマクロの構築を頼んだときの回答例です。

入力文:Excelで売上表のシートをコピーして店舗別シートを作るマクロを作成できますか?
ChatGPT:はい、ExcelのVBAを使用して、売上表のシートをコピーして店舗別のシートを作成するマクロを作成することができます。以下は、基本的なコード例です。

Sub CreateStoreSheets()
Dim ws As Worksheet
Dim newWs As Worksheet(以下省略)

このようにChatGPTはユーザーの要望に対応するコードをすぐに提案してくれるので、事務処理や開発現場などビジネスでも活用が広がっていくことが予想されます。

小説や脚本の執筆

ChatGPTは、小説や脚本の執筆にも対応可能です。ある程度ベースとなる設定を示すだけで、小説の文章やあらすじを考えてくれます。また、文章を自分で生成するだけでなく、校正も行えるため、既存の文章をより良くしたい場合にも有用です。ほかにも、メールの例文作成など、さまざまなアイデア出しができます。たとえば、以下がChatGPTに作成してもらった小説の一節です。

入力文:「木枯らしが吹いていた。」という書き出しで始まる小説を書いてみてください。
ChatGPT:以下は、「木枯らしが吹いていた。」という書き出しで始まる小説の一例です。

木枯らしが吹いていた。窓の外に広がる街は、冷たい風と共に寒々とした光景を見せていた。

私は、寂しい一人暮らしをしている。孤独と向き合う日々が続く中、私はふと思った。もしも、私が今、あの人と一緒にいたら……。(以下省略)

このようにChatGPTは一文からでも物語を膨らませてくれます。AIが書いた小説や漫画を人間が楽しむ時代は意外と近いかもしれません。

情報収集・整理

ChatGPTはWebサイトから情報収集したり、集めた情報を要約したりすることも得意としています。知りたい情報を質問すれば、必要な情報を端的に提示してくれるので、ビジネスで必要な基本情報を把握するのに便利です。特に、手作業で調べるのに時間がかかりがちな市場規模や競合他社などの情報を整理する際には大いに役立ちます。ただし、後述するようにChatGPTは最新の情報まで追い切れているわけではないので、その点には注意が必要です。

翻訳

文脈に応じて言葉の意味を読み取るのに秀でているChatGPTは、外国語を翻訳するのにも適しています。たとえば技術用語や解説が欧米から発信されることが多いIT業界では、和訳・英訳のためにChatGPTがすでに使われだしている状況です。PDFの文章も、テキスト変換すれば簡単に翻訳できます。なお、ChatGPTの学習ソースは英語が大部分なので、できれば日本語よりも英語で質問する方が精度の高い回答を得やすいです。

ChatGPTができないこと

上記のようにChatGPTはさまざまなことに役立ちますが、できないこともあります。ChatGPTの限界も知っておかないと、思わぬミスや誤解につながる恐れもあるので注意が必要です。

最新情報の提供

ChatGPTは基本的に2021年9月時点までのデータしか持っていないので、今日の天気やリアルタイムのニュース、最新の統計情報などを利用できません。たとえ最新情報に関して回答を得たとしても、不正確なものである可能性が高いです。

未来の予測

ChatGPTは、株式市場の将来の状況や自然災害の発生など、未来のことを正確には予測できません。ChatGPTは調べれば出てくるような知識しか学習していないので、その回答も「一般論としてはこう考えられる」という程度に留まるものです。

[SMART_CONTENT]

ChatGPTの注意点

上記の「できないこと」からもわかるように、ChatGPTは万能ではなく、不正確な回答をしてくることがあります。ChatGPTはユーザーから入力された文章に基づいて回答を生成しますが、質問の意図を誤解したり、ユーザーが必要としているのとは違う情報を提示したりすることもしばしばあります。特に、狭く深い専門知識やノウハウが必要とされるような質問をするには適していません。

また、ChatGPTはインターネット上の情報を元に回答を生成しますが、言葉の意味や善悪を正確に理解しているわけではなく、確率的な予測で回答しているだけです。そのため、倫理的に不適切な表現をしてしまう可能性もあります。

いずれにしても、「ChatGPTがこう答えているのだからそれが正しい」とは言い切れないということです。ChatGPTを使う際には、自分でも情報の裏付けをとったり、文章のチェックや修正を行ったりするようにしましょう。さらに、ユーザーが入力した情報自体もChatGPT内に学習データとして蓄積され、別ユーザーへの回答などに反映される可能性があるので、会社の機密情報や個人情報を不用意に入力しないように注意することも大切です。

まとめ

ChatGPTはその使用に際していくつかの注意点はあるものの、非常に有用なツールです。ChatGPTの登場によってAI技術の裾野がますます広がり、ビジネスにおける重要性も高まってくることが予想されます。自社の課題解決にどのように役立てられるかを考察し、導入・活用について積極的に検討してみてはいかがでしょうか。

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