CRMマーケティングとは?戦略策定のポイントや実施の流れについて解説

 2021.05.27  2022.11.28

CRMマーケティングは、2000年近くに考案されて以降、企業において重要視されているマーケティングの考え方のひとつです。企業が大きな売上を上げるために欠かせない手法ですが、いまいちピンと来ていないという方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、CRMマーケティングの概要と導入メリット、戦略のポイントを解説します。

デジタル時代にふさわしい 顧客へのアプローチとは ~多様化する顧客接点を活かして真の顧客体験の実現へ~

CRMマーケティングとは

CRMマーケティングを解説する前に、そもそも「CRM」が何を意味するのかを知っておく必要があります。

CRMとは、Customer Relationship Management(カスターマー リレーションシップ マネージメント)のことで、日本語に訳した際「顧客関係管理」を意味します。定義としては顧客との関係を構築・管理、マネージメントするという意味ですが、一般的には「顧客管理システム」や「顧客管理ツール」という意味で使われることが多いでしょう。

本記事における「CRMマーケティング」とは、CRMを活用したマーケティング施策全般のことを指します。

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マーケティング、営業でCRMを活用する重要性

CRMでは、顧客に寄り添い、顧客一人ひとりの嗜好やニーズに合った情報の提供を行うことで、新規顧客の獲得や継続購入を狙います。この考えは、1998年に発売された「CRM−顧客はそこにいる」という書籍によって、広く日本に普及しました。

現在、社会的にITが発展し、スマートフォンやタブレットなどを通じて、顧客はさまざまな情報を自ら探し、得られるようになっています。そのため、激増した情報の中から自社を選んでもらうためには、他社との差別化はもちろん、顧客一人ひとりのニーズに合わせた情報を提供することが重要視されています。これまで一般的な獲得手法であったマスマーケティングで獲得できる顧客数は減少しており、CRMマーケティングを通じての顧客獲得が増えているのです。

さらにCRMマーケティングは、新規顧客の獲得だけでなく既存顧客の関係維持、優良顧客化にも役立ちます。最近では新規顧客が獲得しにくくなっていることから、既存顧客をいかに優良顧客へ育てるかが重要とされています。そのため、まずは顧客を知り、顧客のニーズに寄り添うCRMマーケティングが大変重要です。

CRMマーケティングの特徴

では、CRMマーケティングでは顧客との関係性構築のために具体的にどんなマーケティングを行うのでしょうか。ここでは、CRMマーケティングにおける主なアプローチ方法をご紹介します。

顧客データに基づいたマーケティングを行う

CRMの基本要素として、顧客それぞれのプロフィールや購買履歴をはじめとしたあらゆる顧客データの一元管理があります。このデータを基に、さらに顧客を分類するのがCRMマーケティングの特徴です。例えば、年齢や性別、ライフスタイルなどの項目で顧客をいくつかのグループに分類し、グループごとに異なるマーケティング施策を実施します。データを基に訴求内容を変えたり、提供する情報を修正したりすることで、より顧客のニーズに沿ったマーケティングが行えます。

顧客個別のアプローチを行う

顧客データに基づいたマーケティングをさらに発展させ、顧客ごとに個別のアプロ―チを行うのもCRMマーケティングの特徴です。こうした個別アプローチを行うことを、「One to One(ワントゥワン)マーケティング」といいます。One to Oneマーケティングでは顧客の興味関心に合わせ、顧客ごとに内容を分けて情報を発信します。これにより、顧客に「まさに自分にぴったりだ」と思わせられるため、従来のマーケティングよりも成約率の向上が期待できます。適切なアプローチ手法が構築できれば、費用対効果も高められるでしょう。One to Oneマーケティングは、現在の多様化したニーズに対応できるマーケティング手法として注目を集めています。

CRMマーケティングのメリット

CRMマーケティングを導入するにあたって、CRMマーケティングによって得られる効果が気になる方も多いでしょう。具体的には、下記のようなメリットが得られます。

顧客満足度の向上につながる

One to Oneマーケティングやグループごとに実施するマーケティングプロモーションでは、顧客のニーズに合った情報の提供を行います。そのため顧客目線では、「自分に必要な情報だけが企業から届き、自分とは関係ない広告は表示されない」という状態を作ることが可能です。これにより、顧客との信頼関係が構築しやすくなり、顧客満足度の向上にもつながります。

既存顧客の活性化につながる

そもそもCRMが重要視されるようになった背景には、既存顧客と良好な関係を構築しようとする考えがあります。これはCRMを用いたマーケティングにおいても同様です。なお既存顧客との良好な関係とは、既存顧客からの信頼・愛着が高まっている状態、また自社製品を継続的に利用してもらえている状態を指します。

市場のグローバル化が進んだり、製品の品質で他社との差別化がしにくくなったりした現代、新規顧客の獲得は困難です。新規顧客の獲得コストは、既存顧客の維持にかかるコストの5倍(1:5の法則)ともいわれます。そうした状況下において顧客ごとに最適化したマーケティングを実施できる本手法は、既存顧客の活性化をするうえで有用です。

CRMを導入する際のポイント

CRMを導入することにより、これまでのマーケティングが大きく変わる可能性があります。そのため、導入時には目的の明確化と適切なフローを組むことが大切です。ここでは、CRMの導入フローを組むうえで注意すべきポイントを解説します。

導入のプロジェクトチームを設定する

CRMの導入から運用開始、定着までには、業務フローの修正や問い合わせ対応など、多くの業務が発生します。また、経営陣や現場との間に入りさまざまな調整も必要です。そのため、円滑に進めるには専門のチームの立ち上げが欠かせません。CRMは全社的に利用する可能性があるため、各部署からメンバーを募り、プロジェクトチームを発足させるとよいでしょう。CRMは定着しにくいという課題もあるため、プロジェクトチームが定着までをしっかりサポートすることで、CRMの導入成功に近づきます。

スモールスタートで徐々に導入する

CRMの導入では、一般的にCRMシステムを導入することがほとんどです。しかし新しいシステムの導入は混乱を招きやすく、せっかく導入してもうまく活用されないおそれがあります。そのためまずは小規模で導入し、ノウハウをためたり、導入結果から改善したりして、その後順次拡張していくのがおすすめです。また、テスト段階で試してもらった部署には、プロジェクトチームと平行してCRMに関する質問を受けたり、使い方のレクチャーをしてもらったりするなどの協力をお願いするのも効率的です。

余裕を持った導入スケジュールを設定する

CRMは、部署横断的なプロジェクトです。そのため各部署が参加できるよう、スケジュールには余裕を持たせておくとよいでしょう。

また、CRMを本格的に動かすには顧客データの蓄積が必須です。導入を開始したとしても、データを蓄積するまでに時間がかかる場合があります。

さらに、CRMを用いてデータ分析を行い、実際の施策に活かしたとしても、すぐに効果が出るわけではありません。PDCAを回し、分析・実行・改善を繰り返すことで、徐々に効果が得られるようになります。そのため、利益を出すまでには長期的な視点を持つことも欠かせません。このように、CRMの導入から効果を得るまでには、時間がかかるということを意識しておきましょう。

CRMマーケティング戦略策定のポイント

続いては、CRMマーケティング戦略策定における重要なポイントについて具体的に解説していきます。

目標の設定

CRMマーケティングにおける戦略策定のポイントの1つ目として、「目標の設定」が挙げられます。

勉強や仕事、なにをするにも具体的な目標設定は重要な要素です。CRMの戦略策定においても同様で、目標を設定しなければ途中で行動基準がブレてしまい、さまざまな問題が発生します。

実際にCRMを導入してから、「そもそも目的や目標が定まっていなかった」「目標の共有ができていなかった」といった失敗例もよく起こるのです。せっかく有用なシステムを導入したとしても、十分な結果が出せないのでは意味がありません。

上記のような問題を回避するために、まずは「自社で達成したいことはなにか」「達成するためにCRMをどのように活用するのか」といったゴールを明確にしましょう。それらを社内全体で共有した上で、CRMを運用するのです。目標を明確にすることで効率も上がり、モチベーション維持にも役立つでしょう。

KPIの決定

CRMマーケティングにおける戦略策定のポイントの2つ目として、「KPIの決定」が挙げられます。

KPIとは、Key Performance Indicatorの略称のことで、日本語では「重要業績評価指標」と訳されます。KPIはさまざまな目標を達成する上で、その達成度を測るときに用いられる数値指標のことです。

では、CRMマーケティングにおいてKPIを設定するなら、どのような数値がKPIに該当するでしょうか。CRMマーケティングでは、特にLTVの向上が重要とされています。LTVはLife Time Valueの略で、「ひとりの顧客が生涯に渡り、いくらの売り上げを出してくれるか」を意味します。このLTV向上を目標としたときのKPIとして代表的なものには、「リピート率」と「顧客単価」があります。

リピート率とは、商品・サービスを購入した顧客のうち、次回も購入してくれた顧客のことを指します。リピート率が高まるということは、必然的にLTVも向上していくことを意味します。

顧客単価とは、ひとりの顧客が1回の買い物でいくら使ってくれるかという意味です。顧客単価が高まれば、LTVも向上します。

こうしたKPI設定で重要なことは、具体的な数値目標を掲げるということです。達成率が何%なのか、数値管理をしっかり行うことでこそ、KPIは効果を発揮します。

システムの連携

CRMマーケティングにおける戦略策定のポイントの3つ目として、「システムの連携」が挙げられます。

CRMのシステムを導入する際は、他システムとの連携もきちんと考慮しましょう。効果的な連携が図れれば、より効率的な運用が実現できます。特に、長期的な数値目標達成のためには、こうした他システムとの連携が鍵となります。

具体的には、SFA(営業支援システム)やMA(マーケティングオートメーション)などでの連携が挙げられます。これらをうまく導入・連携させれば、CRM運用を最大限に効率化させるだけでなく、例えば「部門間における顧客被り」「カスタマーサポートからの伝達漏れ」などのアクシデントを予防できるのです。

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CRMマーケティング実施の流れ

CRMの導入における意義やポイントについて理解が深まったら、具体的なCRMマーケティングを実施する流れについて解説していきます。

顧客に関する情報を取得する

CRMマーケティング実施の1つ目として、「顧客に関する情報を取得すること」です。顧客管理を行う際、まずは属性に関する情報をまとめましょう。属性とは、「氏名・住所・電話番号・メールアドレス・生年月日・家族構成・勤務先・学歴や職歴・住まい・年収等」など、その人の基本となる情報のこと。これらデータを収集すれば、どのような人が購入頻度が高いかなどを分析できるのです。

属性に関するデータは、会員登録ページやお問い合わせページ、資料ダウンロードページなどのウェブサイトからの収集、そのほかにもポイントカードやPOSからも収集できます。

さらには、顧客が「いつ・どこで・誰が・何を・いくらで・どのくらい・どのように」購入したかのデータが収集できれば、さらに深い分析につながります。

なお、ツールの一本化も重要です。部門ごとに異なる管理ツールを使っていれば、連携ができない上に、各部門で得られている情報に若干の齟齬が生じている可能性もあります。これらを修正・管理し直す手間を省いたり、部門間の連携を深めたりするためにも、共通のツールを使用するのが望ましいでしょう。

取得した情報を管理する

CRMマーケティング実施の2つ目として、「取得した情報を管理すること」が挙げられます。情報の蓄積で集めた膨大なデータも、上手く活用しなければ意味がありません。そうした意味でも情報の管理は非常に重要です。

データの分類方法はさまざまですが、大きくは定量データと定性データに分けられます。定量データとは氏名や年齢、生年月日などのことで、前項で述べた属性のことを指します。定性データは顧客からの意見やクレームといった数値化が困難な情報のことです。

そのほかにも、年齢や学歴、年収などで分ける「人口統計的属性」や、価値観や趣味などで分ける「心理的属性」、住まいや環境などで選ぶ「地理的属性」、使用シーンや利用頻度などで選ぶ「行動的属性」などといった分け方もできます。

目的に応じて適切な管理を行いましょう。なお管理の際、Excelなどのソフトで行うこともできますが、なるべくシステムでの管理がおすすめです。前項でも述べたとおり、システムならば社内で共有できるほか、連携やその都度の収集、加工、統合がスムーズです。

情報を分析してセグメントする

CRMマーケティング実施の3つ目として、「情報を分析してセグメントすること」が挙げられます。集めた情報は分類しセグメントすることで有効活用できます。

代表的な分析手法として「デシル分析」と呼ばれるものがあります。これは顧客の購入金額ごとに10等分する分析方法です。使用金額ごとに10等分することで、「高額な買い物をする人にはどのような特徴や傾向があるのか」「少額な人はどのような動機で購入しているのか」といったことを分析しやすくするのです。ほかの分析手法に比べ、簡単にできるためすぐに取り入れやすいでしょう。

また、「RFM分析」と呼ばれる手法もあります。「Recency(直近の購入日)」「Frequency(購入頻度)」「Monetary(購入金額)」という3つの頭文字からできた言葉で、3つの視点から分析できます。それぞれをスコアリングし、点数によってグループ分けをします。RFM分析を行えば、優良顧客か否かを比較的正確に分析できるため、ロイヤリティを高めていくための施策立案におすすめです。

このほかにも、「CTB分析」といった手法もあり、自社の商品やサービス、顧客に合わせた分析手法を取り入れることが重要です。

マーケティング施策を立案し実行する

CRMマーケティング実施の4つ目として、「マーケティング施策を立案し実行すること」が挙げられます。顧客のデータを収集・管理・分析し、ターゲットが明確になったら、実際のマーケティング施策にそれを活かしていきましょう。きちんと施策に反映されなければ、システムを導入する意味はなくなります。

マーケティング施策の立案で押さえておきたいのが、前述した「KPI(重要業績評価指標)」という概念です。具体的に示した数値目標(KPI)を立てて達成を意識することで、ゴールへの道筋も明確になります。

施策立案が一通り完了したら、SEO対策やメルマガでの集客アップなどといった施策にも、小さなKPIを掲げてそれを達成していきましょう。最終的に叶えたい大きな目標に向けて実行していくイメージです。

きちんと計画的に進めることで、プロセスごとの評価もしやすくなり、今後のマーケティング活動へ活かせるのです。

施策の効果を検証する

CRMマーケティング実施の5つ目として、「施策の効果を検証すること」が挙げられます。最初に立てた計画に基づいて施策を行ったら、必ず効果を検証するようにしましょう。検証しなければ、施策の有効性を判断することができません。

具体的な検証としては、施策期間は適切であったか、数値は達成できたのか、などが挙げられます。あくまで客観的に判断することを意識して取り組みましょう。

もちろん結果がいい場合ばかりではありません。しかし結果が芳しくなくても、それを分析・検証しながら新しい施策を具体的にピックアップしておくことで、今後のマーケティング活動にも活かしていけるのです。

これまで紹介した、情報の収集から管理、マーケティングの実行から検証まで、すべての要素が重要な役割を果たしています。これらを最適に行うツールの導入を検討されているならば「ベルシステム24」がおすすめです。クラウドで運用されるCRMやコールセンターで活用可能な豊富な機能を備えているため、より効率的で効果的な運用が実現できるでしょう。
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まとめ

CRMマーケティングを効果的に行うためには、目標の設定やKPIの決定、システム連携など、注意すべきポイントが数多くあります。また、実際に施策を行うとなると、顧客情報の取得から効果の検証まで、いくつかの段階を踏まなければならず、少々手間もかかります。

とはいえ、効果的に導入すればきちんと結果もついてきます。本記事を参考にして、運用の流れやシステム導入も視野に入れ、ぜひ効果的なCRMマーケティングを行ってみてください。

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