コンタクトセンターにおける電話回線と付加サービスの基礎知識

 2022.01.27  2024.04.24

コンタクトセンターで電話応対するには、電話回線は必要なサービスとなります。電話回線を導入する際、通信料の最適化、エンドユーザに対して、利便性をあげることで悩まれている方は多いのではないでしょうか。その際に準備する回線はどんなものがあるのか、どんな回線付加サービスがあるのかをご紹介します。

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コンタクセンターで利用される電話回線

コンタクセンターで電話応対する際には、PBX(電話交換機)に収容されている電話回線を通して行っています。そのためPBXには電話回線を収容する必要がありますが、その電話回線の手配は、企業担当者にて手配することが一般的です。その際にどういった電話回線、どのような付加サービスを手配すべきなのかを検討されると思いますが、電話の用語がよくわかない、電話回線はどのキャリアのどの回線種別を選べばいいのか、そもそもいろんなサービスがあるなか、何を選択すればいいのか迷われると思います。
そこで、基本的な電話回線といくつかのサービスについて説明します。
まず、電話回線の種類です。電話回線には大きく3つの種類があります。家庭用電話機などで利用されているアナログ回線、オフィスやコールセンターで利用されているISDN回線、最近では、新しい技術のIP回線(SIP回線)というものも出てきております。下記のようにそれぞれの特性がちがうため、利用シーンにあわせ選択していくことになります。

種別 特性
アナログ回線
  • アナログ回線は、電話回線数を増やす場合にPBX側の設備増強のコストがかかるため、大規模なオフィスやコールセンターでの利用は不向きとなります。
  • コールセンターの利用としては、FAX回線の利用や外部からの電源供給なくても電話できるため停電や災害時の緊急連絡用電話として利用されています。
ISDN回線
(INS1500回線、おとくラインなど)
  • 基本的に1回線23ch単位での提供となります。これを複数束ねて利用することが可能なため大規模なオフィスやコールセンターでの利用が多い回線となります。
  • 回線を利用するためにPBXへの収容することが前提となります。
  • ISDN回線については、2024年以降各社がサービス終了をアナウンスしており、事項のIP回線に移行していきます。
IP回線
(SIP回線)
  • CH単位で回線数を増やすことができるサービスです。例えば、保有CH数より後日CHを追加、削除するといった運用が、繁閑時期に合わせて利用すること可能です。
  • 利用電話回線や携帯電話が同一事業者である場合、電話通話が無料、転送機能が無料、通話料金が低価格で利用できる等のメリットがある場合もありますが、事業者によってサービス内容がことなるため都度確認が必要となります。
  • SIP回線を利用する際の注意点として、一部の地域0AB~J番号(事項「基本的な電話回線用語」参照)が利用できない場合があることや他事業者が提供する0120、0800、0570番号を利用したサービスを利用できない場合があること、一部の1XY系や伝言ダイヤル等利用できないといった制限があります。
  • 回線を利用するためにPBXへの収容することが前提となります。

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基本的な電話回線用語

電話回線の申込みなどで出てくる電話回線独自の用語は、一般には耳馴染みがなく、わかりにくいものが多いです。
そこで、今回は以下のようなよく使われる用語をピックアップしました。

# 主な用語 説明
1 0AB~J 番号  「03」「06」などから始まる一般番号に割り当てられる電話番号の形式です。0とそれに続く9桁の数字で構成されている。
2 1xy 番号 一般の加入電話ではなく、緊急性、公共性、安全性の観点から重要な時や付加サービスなどの用途に使用される番号。110(警察),119(消防),117(時報),177(気象)など。
3 050 番号 インターネット回線を利用した電話で、050で始まる11桁の電話番号です。0ABJ番号に比べると、通話品質の基準が低く、その分コストを抑え、安く利用することができる。
4 番ポ(番号ポータビリティー) 加入者移転、電気通信事業者や通信サービスを変更しても、電話番号は変更しないまま、継続して利用できる仕組みのこと。
5 同番移行 電気通信事業者や通信サービスを変更した際に、利用していた電話番号を変更先にて利用できるように移行すること。
6 契約者回線番号 電話を契約すると与えられる一意の番号のこと。
7 ダイヤルイン 番号 加入者線に電話番号を追加し、電気通信事業者の電話交換機から着信先の加入者線に着信番号情報を送出する電話の付加サービスのこと。着信時に局側から加入者側へ着信番号を通知することで1つの回線で複数の番号を使いわかることができる。
8 代表組 複数本の電話回線をグループ化し、通話使用中の回線に着信したときにグループ内の空いている電話回線に着信させることが出来るサービスのこと。
9 親番号/子番号 代表組した際の主となる電話回線の契約番号を親番号といい、その他の電話回線の契約番号を子番号という。
 10 順次サーチ方式 代表に属する電話番号にあらかじめ着信順位を付与しておき、その選択順位に従って空き番号を検索する方式のこと。
  11 ラウンドロビン方式 順次サーチ方式同様に着信順位を付与するが、選択順位を着信毎にシフトしていく方式のこと。
12 代表選択方式 代表組時の着信方式のこと。回線申込時に主に#10,#11のどちらかを選択する。
13 発信電話番号通知、表示 電話番号単位に通常通知または通常非通知の選択が可能。また、通話毎に「184」「186」をダイヤルして選択することも可能。発信者から電話番号が通知された場合は、電話番号の表示も可能。
14 着信課金番号 通話料金を着信者が全て負担する0120、0800から始まる電話番号のこと。NTTの「フリーダイヤル」、KDDIの「フリーコール」やソフトバンクの「フリーコールスーパー」などがある。
15 特定番号通知 着信課金番号を契約している電話回線から発信したときに相手に着信課金番号を通知できるサービスのこと。

コンタクトセンターでよく使われる付加サービス

コンタクトセンターでは、特定の電話番号(着信課金番号)にかけることにより、通話料を着信側が全て負担(着信課金)するサービスを用いることがあります。このサービスを利用することにより、エンドユーザであるお客様はの通話料を気にすることなく気軽なアクセスを促進できます。
特徴としては、0120、もしくは、0800から始まる10桁の電話番号となります。よく耳にするものとしては、フリーダイヤルがありますが、これはNTTコミュニケーション社の商標登録サービス名です。フリーダイヤルのほかにフリーコールスーパー、フリーコールDXなど挙げられます。
また、オプションサービスも充実しており、以下の例のようなオプションサービスを利用することで、PBX側で設定の変更することなくWEBの専用画面からユーザが変更することが可能であるため利便性が高いです。
オプションサービス例)

  • 接続先変更(時間外案内ガイダンス)
    受付時間外の着信はガイダンスで案内。営業時間外や着信課金番号の受付を中断する場合に、受付時間外であることをお客様にガイダンスでお知らせします。
    お客様へのイメージアップにつながり、また通話料金もかからないので安心です。
  • ダイヤルイン回線数管理
    受付体制に合わせ着信できる回線数を変更。契約時に登録した着信課金番号の回線数の範囲内で、同時に着信できる回線数を変更することができます。
    契約回線数が3回線の場合、使用回線数を0から3まで受付体制に合わせて指定できます。
  • 発信地域指定
    接続する地域を自由に指定あらかじめ接続する地域(例えば東京03地域)を着信課金番号ごとに指定できます。指定した地域以外からの電話はつながりません。

利用されるときの注意点

着信課金番号は、単独で契約できるわけではなく、0AB~J番号に関連付けての契約となるため、着信課金番号を受けるための0ABJ番号を取得する必要があります。
また、コンタクトセンターから相手に着信課金番号を通知して発信させるためには、「特定番号通知サービス」を別途申し込む必要があります。この申込みは忘れがちで、いざ業務を開始した際に着信課金番号が通知されていないということはよくあり、注意が必要です。
もう一つの注意点は、全ての電話番号から着信できるわけではなく一般的には、国際電話や050から始まるIP電話などからの着信ができないといったような制限があるため、利用対象者について制限が問題ないか考慮する必要があります。

まとめ

回線導入を検討される際にどの電話回線を選ぶべきか、どのような付加サービスを利用するかどうかといった点について、今回のブログを参考にして頂ければと思います。さらに、想定呼量やコスト、エンドユーザへの利便性等を考慮した上で選定していくこと必要となってきます。また、同じ回線種別や同じオプションサービスでも複数のキャリアから様々なサービスががあるため、それぞれの特徴を知り、自社に適したものを選ぶことが大切です。
次回のブログについては、想定呼量の算出方法についてご紹介する予定です。
また、電話回線の導入について悩んでいる方は、導入時に電話回線のご相談も対応させて頂きます「BellCloud+®」の導入を検討してみてください。

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宮本 俊之
宮本 俊之
ベルシステム24に入社後はオペレーション部門に配属となり、インバウンド、アウトバウンドのオペレーションマネージメントを14年に渡り経験。その後2008年より、システム関連部門へ異動し、外部のお客様へシステムの提案、導入を行っている。オペレーション部門出身という経験を活かし、業務目線でのシステム提案を得意とする。
現在は、BellCloud+のサービス構築、お客様への提案、導入を行っている。
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