デジタルシフトとは? DXとの違いや実現への流れ、考え方

 2022.12.06  2024.04.24

近年、「デジタルシフト」なる言葉をよく耳にしますが、具体的にどのような取り組みを指すのか気になる方も少なくないでしょう。現在、社会全体がデジタルへ移行しており、民間企業から行政に至るまでデジタルシフトが進んでいます。本記事では、デジタルシフトの概要や流れ、成功させるための重要な考え方などを解説します。

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デジタルシフトとは

デジタルシフトとは、企業活動におけるアナログな業務やビジネスモデルなどを、デジタルへ移行することを指します。たとえば、もともと店頭のみの販売だったものを開設したオンラインストアで売ったり、手作業で取り組んでいたデータ入力をRPAで自動化したり、紙媒体の広告をWeb広告へ移行したりするなどです。

社会のデジタル化が進む時代において、いつまでもアナログな手法を用いた業務やビジネスモデルを続けていては、時代に取り残されてしまうおそれがあります。デジタル社会のニーズに応え、競合と同じ土俵で勝負するためにもデジタルシフトが必要です。

なお、近年では民間企業のみならず、行政でもデジタルシフトの動きが加速化しています。それだけ、社会全体がデジタルへ移行していることを示しています。

デジタルシフトとDXの違い

DXとは「デジタルトランスフォーメーション」のことで、デジタル技術の活用による業務・ビジネスモデルなどの変革を意味します。デジタルツールやシステムを用いて業務を効率化する、といった話ではなく、ビジネスモデル全体の大規模な変革がDXです。

一方のデジタルシフトは、部分的なデジタル化を指します。手作業からRPAに、紙の広告からWeb広告に、実店舗をネットショップに、といった具合に小さな単位でデジタルへシフトすることです。

つまり、デジタルシフトに成功した暁にDXが実現できる、というイメージです。デジタルシフトで業務効率化や生産性向上が進み、その結果、組織全体の業務への取り組み方やビジネスモデルに変革をもたらします。

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デジタルシフトが求められる理由

近年、日本の社会全体がデジタルへ移行しつつあるため、企業にもデジタルシフトが求められています。インターネットやスマートフォンの普及により、誰もが日常的にデジタル技術を使用する時代になりました。たとえば、現在はコミュニケーションや情報収集などでも、モバイル端末を使用する方が多くを占めています。

仮に、アナログな手法での情報発信しかしていなかった場合、多くの方に情報を届けられないおそれがあります。また、オンラインで購入したい層が大勢いるにもかかわらず、実店舗しか運営していないとなると、大きな機会損失です。

さらに、デジタルシフトは業務効率化を進めるうえでも重要視されています。デジタル技術の活用により、作業時間の短縮や従業員への負担軽減が実現します。リソースもより有効に活用できるようになるため、生産性向上の効果が期待できます。

デジタルシフト実現への流れ

デジタルシフトを実現するには、まず目的を明確にしなくてはなりません。そのうえで、現状と理想とのギャップを明らかにし、ギャップを埋められる最適なデジタル技術を導入する必要があります。

目的を明らかにする

目的を明確にしていないと、デジタル技術を導入しただけで満足してしまうおそれがあります。場合によっては、デジタル技術の導入そのものが目的になってしまうかもしれません。

まずは、デジタル技術の導入によって何を達成したいのか、どうなりたいのかを明らかにしましょう。それによって、とるべき手段も変わってきます。

たとえば、営業活動におけるデジタルシフトを検討しているのであれば、オンラインで自動的に集客できる体制や環境を構築する、といった目的・目標が考えられます。目的設定は、このあとに続くプロセスの土台となる部分であるため、しっかりと固めておきましょう。

ギャップの分析をする

目的が明確になったら、現状と理想のギャップを把握しましょう。ギャップを把握すれば、理想を実現するために何が不足しているのか、何をすべきなのかが見えてきます。現状とあるべき姿を照らし合わせ、見えてきたギャップをデジタル技術で補いましょう。

最適なデジタル技術を選定、導入する

ギャップを把握できたら、それを埋められるデジタル技術を選定します。たとえば、理想が「オンラインによる集客」で、現状が「営業担当のテレアポや訪問営業」なら、Web広告の導入やオウンドメディア、Webサイトの立ち上げ、SNSの運用などが考えられます。また、「定型作業の自動化」が理想で、現状が「従業員が手作業で担当」しているのなら、RPAの導入が有効です。

なお、ギャップを埋めるために、どのようなツール・システムが必要なのかを判断するにあたっては、デジタル技術に関する一定の知識が求められる点には要注意です。

デジタルシフト実現のために重要な考え方

デジタルシフトを実現するには、バックキャスティングでアプローチすることが大切です。また、いきなり大規模なシフトを進めるのではなく、スモールスタートで取り組みつつ改善を繰り返すのも成功のコツです。

バックキャスティングでアプローチする

バックキャスティングとは、目標や理想とする姿をイメージし、そこから逆算的に何をすべきかを考える思考です。デジタルシフトでは、まず自社がどうなりたいのか、理想像や目的を決めなくてはなりません。それを決めたうえで、分析から導き出したギャップを埋めるためのデジタル技術を導入します。

バックキャスティングでアプローチすれば、あるべき姿から逆算して、何をすべきなのか、何を導入すべきなのかといったことがわかります。

スモールスタートで改善を繰り返す

デジタルシフトに取り組む際は、スモールスタートを意識しましょう。限定的な範囲でのデジタルシフトであれば、仮に失敗したとしても大きなダメージを受けることはありません。反対に、いきなり大規模な取り組みをしてしまうと、現場が混乱するばかりか、失敗したときのダメージも大きくなってしまいます。

また、デジタル技術は導入して終わりではありません。デジタルシフトしたとしても、想定していた成果を得られないおそれがあります。そのため、デジタル技術の導入後は定期的に効果検証を行いましょう。

効果検証を行いつつ、必要に応じて改善することも大切です。効果検証の結果をもとに改善を繰り返すことにより、ブラッシュアップが可能です。

システムの刷新も検討する

企業によっては、レガシーシステムを使用し続けているところもあります。レガシーシステムは、現在の最新技術に対応できていないケースが多く、デジタルシフトがうまく進まない原因となります。

既存システムをカスタマイズすればよい、といった考え方もありますが、そもそも古すぎるシステムの拡張性はあまり期待できません。カスタマイズするにしても、相当なコストを費やす羽目になるでしょう。

また、せっかく最新のデジタル技術を導入しても、レガシーシステムが原因で不具合が発生してしまうかもしれません。最新技術も活かしきれなくなるため、新たに導入するツールやシステムとの兼ね合いも考えたうえで、既存システムの刷新も視野に入れる必要があります。

まとめ

時代のニーズに応え、業務効率化を実現するためにも、企業にはデジタルシフトが求められます。デジタルシフトを実現するには、目的を明確にしたうえでギャップの分析を行い、最適と考えられるツールやシステムの選定・導入を検討しましょう。また、目的から逆算的にやるべきことを考える、スモールスタートで取り組む、システムの刷新を検討するなども大切なポイントです。

なお、デジタルシフトすればそこでお終いではありません。デジタルへ移行しても、組織の利益に寄与しなければ意味がないため注意が必要です。デジタルへ移行後に顧客接点の強化に努めることで、組織の利益をさらに拡大させられる可能性があります。詳しくは、下記資料をご覧ください。

参考資料:「デジタル時代にふさわしい 顧客へのアプローチとは

デジタルチャネルCX調査 2023年版

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