コンタクトセンターにおけるCRMシステムの重要性とは

 2020.06.05  コンタクトセンターの森

近年のコンタクトセンター(コールセンター)では、CRMシステムを活用し、顧客満足度を上げる取り組みが重視されています。本記事では、CRMに関する基礎知識やCRMシステムの重要性、またCRMシステムを選ぶ際のポイントなどについてご紹介します。

コンタクトセンターにおけるCRMシステムの重要性とは

CRMとは

顧客との関係を深めることで自社の利益を最大化する経営手法「CRM(Customer Relationship Management)」が、近年のコンタクトセンターにおいて重要視されてきています。日本語では「顧客管理」や「顧客関係管理」などと訳せるCRMですが、具体的にはどのような手法なのでしょうか。

かつて、大量生産・大量消費を前提としたマーケティング戦略が大勢を占めていた頃、企業の営業担当が、リスト化した顧客情報をもとに、個人の経験と勘だけを頼りに売上目標を達成しようとしていました。

また、市場競争も現在よりは厳しくなかったため、複数の顧客に対し同じ営業手法を使いまわして、商談を進めることができていました。

そして、インターネットが発展した今日では、顧客はスマートフォンで欲しい情報を欲しいときに、かつ詳細な情報まで自分自身で得られるようになりました。
大量生産・大量消費の時代は終わり、顧客のニーズの多様化にともない、今や少量多品種生産・個別最適化された顧客対応が求められる時代となったのです。各企業は、顧客一人ひとりのニーズを満たして顧客満足度を高めるマーケティング手法に舵を切らない限り、モノが売れなくなりました。

このような背景から生まれた手法・戦略がCRMです。CRMでは顧客を「個」として捉え、顧客一人ひとりに合ったサービスを提供することで、継続的な関係を構築します。

CRMシステムとは

顧客との良好な関係を維持して、利益を拡大する手法「CRM」を、ITを利用したシステムというかたちで具現化したのが「CRMシステム」です。

これらはしばしば混同されがちですが、本来CRMとは利益の最大化を目指した手法・戦略であり、CRMシステムはそれを支援するツールに過ぎません。

顧客満足度を最優先するマーケティング手法は、IT技術により膨大な顧客情報の蓄積と管理が可能になったことで初めて実現された、といっても過言ではありません。

CRMシステムはコンタクトセンターや営業部門のみで使うツールではなく、エンジニアや人事部門など、顧客との接点があるすべての部門で活用でき、また共有によって効果を発揮します。一部門単位の業績アップを目的にしたものではなく、企業全体としての利益の向上を目指したツールとして設計されたものであり、主に以下のような機能が搭載されています。

チャットボット

テキストベースでリアルタイムにコミュニケーションを行う「チャット」を、半自動で行うチャットボットの技術が活用されています。

顧客からの質問に対し、チャットボットがあらかじめ登録された回答に沿って応答したり、過去の会話ログを利用して応答したりします。

チャットボットによる顧客対応ではオペレーターが不要なため、人件費の削減にもなります。

通話履歴記録

顧客との通話ログと音声ファイルをCRMシステムへ自動的に記録します。これにより、顧客情報と対応履歴・対応内容が紐づいた状態で一元管理できます。

通話記録を音声ファイルとして保管するメリットとして、後述する感情分析と連携できる点が挙げられます。通話記録と感情分析機能を組み合わせれば、オペレーターの対応に対する顧客の感情の動きなども詳細に分析できるため、より適切な対応を検討するときの材料になるでしょう。

感情分析

顧客とオペレーターとの会話中に、AIで声を解析して感情を認識します。この感情分析により、顧客の感情に配慮した回答も準備できるため、対応品質の向上を見込めるだけでなく、対応の効率化も期待できます。

搭載機能はCRMシステムによって異なりますが、いずれの機能も顧客の待ち時間を短縮したり、正確かつ素早い回答を提供して、顧客との継続的な信頼関係を保ったりすることを目的としています。

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コンタクトセンターにおけるCRMシステムの重要性

顧客との最初の接点となるコンタクトセンターは、顧客との関係性を構築・管理するために重要な部門であり、CRMシステムの重要性が高まるのも自然な流れといえます。このような部門でCRMを導入した場合、どのような利点があるのでしょうか?

顧客情報の共有

顧客ごとのニーズに合わせた最適化が求められていますが、そのためには大量の顧客情報を効率的に管理・分析し活用できることが大前提となります。

CRMシステムで管理する顧客情報とは、氏名・性別・住所・年齢・問い合わせ先・趣味など多岐にわたります。これらの情報はコンタクトセンターだけでなく、営業・開発部門・人事など自社内のあらゆる部門で収集される可能性がありますが、CRMシステムで情報を一元管理することで、社内で共有できます。

顧客情報の共有はタイムリーに行われるため、顧客のニーズに素早く対応できるようになります。結果として、顧客満足度の向上に伴い、売上や利益の増加にも期待できます。

問い合わせデータの蓄積

顧客からの問い合わせには、サービスや製品の改善につながる情報が多く含まれています。顧客と直接コミュニケーションをとったオペレーターだけが問い合わせ内容を把握しているのではなく、顧客とのコミュニケーションの内容をCRMシステムに蓄積していくことで、サービスの品質改善につながるノウハウを獲得できます。

顧客に合わせたサービス提供

CRMを導入していない場合、顧客が問い合わせをするたびに、その日のオペレーターにこれまでの経緯を伝える必要があります。

CRMを導入し、CRMに保存された顧客情報を活用すれば、オペレーターが変わったとしても、過去の問い合わせの経緯・内容を参照して、スムーズに対応できます。

また、CRMには顧客の好みや過去の購入サービス・製品などの情報も蓄積されているため、顧客の好みに合致しそうな新製品の紹介など、パーソナライズ化したサービス提供もできます。

オペレーターの応対品質向上

オペレーターが顧客に対応する際、CRMを参照しながら対応できるため、顧客の基本情報や購入履歴などをその場で把握しながら、スムーズに対応できます。

対応履歴には、コンタクトセンターにおける対応履歴だけではなく、営業部門やその他の部門がCRMシステムに登録した情報も含まれるため、顧客の状況をリアルタイムに把握しながらの応対が可能です。

また、中にはオペレーターの対応内容を分析できるCRMもあります。オペレーターごとの対応品質のばらつきをなくし、統一・均一化するための改善活動に効果が期待できます。

オペレーターの負担軽減

顧客からの問い合わせに対しては、常に迅速な回答が求められます。裏を返せば、CRMシステムを導入していない場合、オペレーターにはサービスや商品に対する膨大な知識が必要となります。

CRMを導入すれば、オペレーターが顧客対応中にサービスや商品に対する不明点があったとしても、CRMから情報を探し出して、即座に対応できます。

またオペレーター業務では、クレーマーに対処しなくてはならない場面も多く、精神的に負担がかかるものです。CRMであれば、クレームへの対応時も過去のやり取りを参考に回答したり、管理者に対応を委ねたりするなどの対応もできるため、負担の軽減につながります。

オペレーターの育成コスト抑制

CRMシステムを活用していない場合、オペレーターが覚えるべき事項は、製品についての情報・回答方法・専門用語など多岐にわたるため、戦力になるまで膨大な時間を要します。

CRMを活用できれば、これらの情報はいつでも参照できるようになるため、新人オペレーターを早期に戦力化できます。

結果、オペレーターの育成コストが抑制され、人件費の削減につながります。

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コンタクトセンターのCRMシステムを選ぶポイント

コンタクトセンター向けのCRMシステムを導入する場合、主に機能・導入形態・セキュリティの3点に注目してシステム選びを行います。それぞれ詳しく見ていきましょう。

機能

コンタクトセンター向けCRMの基盤となる機能は、顧客に関するすべての情報を一元管理する顧客情報管理です。その他にも、以下のようなさまざまな機能が連携して、顧客への対応の品質を保ち、効率化に寄与しています。

検索機能

フリーワード検索や期間などを指定する詳細検索で、CRM内に保存されたあらゆる情報を素早く見つけます。入力したキーワードが検索結果画面でハイライト表示されるなど、素早く顧客へ回答できる工夫が施されています。

クリックtoコール

CRM上で顧客情報を検索し、表示された顧客の電話番号をクリックして、そのまま電話がかけられます。
通常、電話をかける際は、電話番号を入力しなくてはなりませんが、従来ではかけ間違いも多く発生していました。
「クリックtoコール」機能を活用すれば、ワンクリックで電話がかけられるだけでなく、番号の間違いがなくなり、業務効率アップにつながります。

FAQの作成

顧客からの問い合わせ内容には、重複していたり頻繁に聞かれたりする内容も多いものです。CRMに蓄積されたこれらの問い合わせ内容と回答をもとに、よくある問い合わせのFAQ集を作成してWeb上で公開したり、関係部門で共有したりできます。

データ分析

問い合わせへの平均対応時間や、対応時間が長かった問い合わせの内容など、あらゆるデータを分析・集計します。集計したデータを元に、グラフ化して可視化するなど、コンタクトセンターのオペレーションの改善にも役立てられます。

CRMごとに搭載機能は異なりますので、自社に必要な機能を見極め、必要な機能が備わったCRMを選択しましょう。

導入形態

CRMには、「インストール型」と「クラウド型」の2種類があります。

インストール型では自社で用意したサーバーに、パッケージ化されたCRMをソフトウェアとしてインストールします。顧客情報を外部サーバーに置く必要がないため安心感がある一方で、自社サーバーの用意と管理が必要です。クラウド型と比較して、サーバーの管理コストこそかかるものの、トータルでのランニングコストは安価です。

対するクラウド型は、CRMをクラウドサービスとして提供するもので、ユーザーは認証情報を入力し、ログインして利用します。自社サーバーを置く必要がないため、サーバーの管理工数はかかりませんが、長期利用する場合はインストール型よりランニングコストがかかります。

セキュリティ

大量の顧客情報を扱うCRMでは、強固なセキュリティ機能が必須です。

CRMがサイバー攻撃や不正アクセスを受けてしまった場合、損害賠償も含めて、その被害額は数億円にものぼります。

CRMを選ぶときには、顧客情報をやりとりする際のネットワークの暗号化はもちろん、万が一、顧客情報の漏えいなどセキュリティに関する問題が発生したときのために、24時間体制で対応できるかどうかも確認しましょう。

また、外部からの不正アクセスを防止するだけでなく、内部からのデータ漏えいや改ざんを防ぐ仕組みの有無も重要です。

もちろん機能や導入形態、セキュリティ以外にも、実際に使用するオペレーターが使いやすいかどうかも、CRM導入の成否を分けるポイントとなるでしょう。

まとめ

顧客と企業との最初の接点となるコンタクトセンターでは、顧客満足度を高めるため、業務の効率化と対応品質の向上が求められています。 CRMを導入することによって、スムーズな対応が可能になるだけでなく、人件費やオペレーターの作業負担も減らせるため、より質の高いサービスを提供できるようになるでしょう。

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